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ウガンダの羊肉生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、ウガンダの羊肉生産量は1961年の2,592トンから2023年の5,309トンまで増加傾向を示しています。ただし、この間にはいくつも波があり、時代ごとに異なる要因によって生産が影響を受けてきました。特に1987年や2013年の劇的な生産量の落ち込みや近年の微減傾向が注目されます。この推移は、地政学的な背景、気候変動、国内需要の変化など、さまざまな要因によって左右されています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 5,309
-8.46% ↓
2022年 5,800
5.45% ↑
2021年 5,500
5.77% ↑
2020年 5,200 -
2019年 5,200
6.12% ↑
2018年 4,900
2.08% ↑
2017年 4,800 -
2016年 4,800
2.13% ↑
2015年 4,700
4.44% ↑
2014年 4,500
2.27% ↑
2013年 4,400
-25.02% ↓
2012年 5,868
0.42% ↑
2011年 5,844
0.51% ↑
2010年 5,814
0.22% ↑
2009年 5,801
0.67% ↑
2008年 5,763
0.88% ↑
2007年 5,712
-4.28% ↓
2006年 5,967
0.59% ↑
2005年 5,933
-1.12% ↓
2004年 6,000
29.38% ↑
2003年 4,637
0.95% ↑
2002年 4,594
-5.19% ↓
2001年 4,845
7.1% ↑
2000年 4,524
1.65% ↑
1999年 4,450
1.13% ↑
1998年 4,401
1.68% ↑
1997年 4,328
1.33% ↑
1996年 4,271
1.26% ↑
1995年 4,218
1.4% ↑
1994年 4,160
-0.95% ↓
1993年 4,200
1.69% ↑
1992年 4,130
3.51% ↑
1991年 3,990
4.4% ↑
1990年 3,822
5% ↑
1989年 3,640
6.12% ↑
1988年 3,430
7.93% ↑
1987年 3,178
-61.53% ↓
1986年 8,260
0.18% ↑
1985年 8,245
5.01% ↑
1984年 7,852
5% ↑
1983年 7,478
5% ↑
1982年 7,122
11.28% ↑
1981年 6,400
11.89% ↑
1980年 5,720
4.95% ↑
1979年 5,450
4.01% ↑
1978年 5,240
-0.19% ↓
1977年 5,250
6.73% ↑
1976年 4,919
11.29% ↑
1975年 4,420
4.99% ↑
1974年 4,210
8.12% ↑
1973年 3,894
2.74% ↑
1972年 3,790
-11.45% ↓
1971年 4,280
10.03% ↑
1970年 3,890
7.76% ↑
1969年 3,610
0.84% ↑
1968年 3,580
-0.28% ↓
1967年 3,590
-10.92% ↓
1966年 4,030
54.05% ↑
1965年 2,616
1.4% ↑
1964年 2,580
13.16% ↑
1963年 2,280
-8.65% ↓
1962年 2,496
-3.7% ↓
1961年 2,592 -

ウガンダの羊肉生産量の推移を見ると、大きな変動を伴いながらも全体的には増加しています。1961年に2,592トンだった生産量は、1976年には4,919トン、1985年には8,245トンにまで増加しました。しかし、1987年に突如として3,178トンに急減しています。この際の大幅な減少の背景には、1980年代中盤のウガンダ国内における政治的混乱が影響している可能性があります。特に内戦や社会不安は、農業や畜産業全体に深刻な打撃を与えました。

1980年代後半以降、羊肉生産量は徐々に回復し、1990年代では4,000トン前後で安定しました。その後2004年には再び6,000トンに達するなど、畜産業の改善が一時見られました。ただし、この時期には他の地域でも多くの災害が発生しており、特に東アフリカ一帯での干ばつが農業生産に影響を与えたとされています。

2010年代後半においては、持続的な増加傾向が見られたものの、2023年には再び5,309トンに縮小しており、これが長期的な課題を示している可能性があります。この背景には、気候変動や家畜飼育環境の変化が関係していると考えられます。干ばつや病気の流行が家畜に与える影響を考慮する必要があります。特にアフリカ大地の中でも農業人口が多いウガンダでは、家畜産業の安定が直接的に食糧安全保障や雇用に影響するため、国家的政策が求められます。

また、ウガンダは近隣諸国と比較しても進展がやや緩やかであると推測されます。例えば、ケニアやエチオピアでは羊肉生産に加え輸出量も増加傾向にありますが、ウガンダではまだ国内消費の比率が高いことが課題です。この差は、インフラ不足や家畜品種の改良の遅れなどの要素が影響している可能性があります。

さらに、羊肉生産の持続可能性を確保するためには、家畜の飼料供給や水資源の適切な管理が重要です。また、家畜疾病の予防や管理も課題であり、これについては高度な獣医学的支援が必要とされています。加えて、気候変動による降水量の変動への対応策として、干ばつ耐性のある飼料作物の育成や水資源管理システムの整備も急務です。

ウガンダの羊肉生産の未来を考えると、生産量を持続的に拡大するためには、政策のさらなる強化が求められます。具体的には、輸送インフラの整備や家畜の改良に向けた研究開発の支援、さらには地域間での協力を促進するような国境を越えたパートナーシップ構築が必要です。また、国際マーケットへの進出を促すための輸出促進政策も検討する価値があります。これらの取り組みが実現すれば、ウガンダは羊肉生産において地域リーダーとなり得る可能性を秘めています。

総じて、これまでの羊肉生産量の推移は、国内外の様々な影響を受けながらも全体的に増加傾向を維持してきました。しかし、ここ数年の不安定な動向を考慮すると、合意形成される包括的な政策の導入が必要です。ウガンダ政府および国際的支援組織が連携し、持続可能で競争力のある羊肉産業を育成することが、今後の重要な課題となるでしょう。