世界のバナナ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国連の食糧農業機関（FAO）が発表した最新データに基づき、2013年度の世界のバナナ生産量ランキングを分析すると、1位はインド（約2,757万トン）、2位は中国（約1,208万トン）、3位はフィリピン（約865万トン）となっています。上位10か国だけで世界のバナナ生産の大部分を占めている反面、日本の生産量はわずか43トンと低く、日本国内で自国産バナナはほとんど見られない状況が明らかになっています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	インド	アジア	27,575,000
2	中国	アジア	12,075,200
3	フィリピン	アジア	8,646,417
4	ブラジル	南アメリカ	6,892,622
5	インドネシア	アジア	6,279,290
6	エクアドル	南アメリカ	5,995,527
7	グアテマラ	南アメリカ	3,307,038
8	アンゴラ	アフリカ	3,095,013
9	ルワンダ	アフリカ	2,850,000
10	タンザニア連合共和国	アフリカ	2,678,680
11	コスタリカ	南アメリカ	2,418,064
12	ブルンジ	アフリカ	2,235,697
13	メキシコ	南アメリカ	2,127,772
14	ペルー	南アメリカ	2,114,853
15	コロンビア	南アメリカ	2,026,811
16	ベトナム	アジア	1,892,523
17	カメルーン	アフリカ	1,600,231
18	ケニア	アフリカ	1,374,516
19	パプアニューギニア	オセアニア	1,247,211
20	エジプト	アフリカ	1,158,224
21	ドミニカ共和国	南アメリカ	1,080,061
22	タイ	アジア	1,031,351
23	コンゴ民主共和国	アフリカ	810,121
24	バングラデシュ	アジア	774,826
25	スーダン	アフリカ	757,500
26	ホンジュラス	南アメリカ	730,789
27	モザンビーク	アフリカ	570,000
28	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	428,438
29	ラオス人民民主共和国	アジア	420,425
30	南アフリカ	アフリカ	419,564
31	マラウイ	アフリカ	386,988
32	スペイン	ヨーロッパ	361,000
33	マダガスカル	アフリカ	355,000
34	コートジボワール	アフリカ	346,165
35	エチオピア	アフリカ	340,012
36	オーストラリア	オセアニア	330,340
37	パナマ	南アメリカ	314,188
38	モロッコ	アフリカ	303,329
39	中国、台湾 中国省	アジア	291,292
40	マレーシア	アジア	288,677
41	ハイチ	南アメリカ	251,400
42	トルコ	アジア	215,472
43	ギニア	アフリカ	211,980
44	ネパール	アジア	182,000
45	アルゼンチン	南アメリカ	175,334
46	マリ	アフリカ	165,472
47	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	164,256
48	キューバ	南アメリカ	150,336
49	カンボジア	アジア	138,489
50	リベリア	アフリカ	130,821
51	中央アフリカ共和国	アフリカ	128,741
52	イスラエル	アジア	128,422
53	イエメン	アジア	126,332
54	イラン（イスラム共和国）	アジア	116,037
55	パキスタン	アジア	115,552
56	ベリーズ	南アメリカ	100,890
57	ジンバブエ	アフリカ	100,000
58	プエルトリコ	南アメリカ	86,295
59	スリナム	南アメリカ	85,584
60	ガーナ	アフリカ	84,240
61	コンゴ	アフリカ	82,608
62	コモロ	アフリカ	72,000
63	パラグアイ	南アメリカ	62,400
64	レバノン	アジア	59,650
65	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	57,512
66	ブルキナファソ	アフリカ	51,000
67	ヨルダン	アジア	42,008
68	サントメ・プリンシペ	アフリカ	41,120
69	ジャマイカ	南アメリカ	37,211
70	ニカラグア	南アメリカ	37,149
71	セネガル	アフリカ	35,000
72	赤道ギニア	アフリカ	28,563
73	ソマリア	アフリカ	24,542
74	トーゴ	アフリカ	23,923
75	サモア	オセアニア	23,581
76	ポルトガル	ヨーロッパ	21,204
77	オマーン	アジア	19,970
78	ベナン	アフリカ	18,963
79	セントルシア	南アメリカ	17,764
80	ガボン	アフリカ	17,242
81	エルサルバドル	南アメリカ	16,496
82	バヌアツ	オセアニア	15,829
83	ドミニカ	南アメリカ	13,378
84	モーリシャス	アフリカ	10,181
85	カーボベルデ	アフリカ	10,033
86	バハマ	南アメリカ	9,661
87	ギニアビサウ	アフリカ	7,937
88	エスワティニ	アフリカ	7,212
89	キリバス	オセアニア	7,110
90	グレナダ	南アメリカ	6,635
91	アメリカ合衆国	北アメリカ	6,622
92	キプロス	アジア	5,746
93	ガイアナ	南アメリカ	5,168
94	フィジー	オセアニア	4,634
95	ギリシャ	ヨーロッパ	4,409
96	パレスチナ国	アジア	3,964
97	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	3,789
98	ミクロネシア連邦	オセアニア	2,035
99	セーシェル	アフリカ	2,006
100	ブータン	アジア	1,479
101	ニューカレドニア	オセアニア	1,044
102	ブルネイ ダルサラーム	アジア	966
103	バルバドス	南アメリカ	956
104	トンガ	オセアニア	801
105	ザンビア	アフリカ	680
106	東ティモール	アジア	516
107	イタリア	ヨーロッパ	352
108	アルジェリア	アフリカ	335
109	ソロモン諸島	オセアニア	301
110	ツバル	オセアニア	277
111	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	255
112	フランス領ポリネシア	オセアニア	211
113	アラブ首長国連邦	アジア	191
114	モルディブ	アジア	154
115	シリア・アラブ共和国	アジア	147
116	ニウエ	オセアニア	80
117	日本	アジア	43
118	クック諸島	オセアニア	28
119	トケラウ	オセアニア	15
+ すべての国を見る

2013年度において、全世界で最もバナナを生産した国はインドであり、2,757万トン以上の生産量を記録しました。この値は世界全体の消費需要を満たす上で重要な役割を果たし、インド国内での消費が中心である一方、輸出量は比較的限定的です。2位の中国も1,208万トンと高い生産量を示しており、主に国内市場で消費されているのが特徴です。特筆すべきは、インドと中国がアジア圏内における生産の主要な担い手として君臨し、地域経済の安定に寄与している点です。

フィリピンは865万トンで3位となり、こちらはインドや中国と異なり、輸出も重要な経済活動の一部を構成しています。問題として挙げられるのは、主要輸出先となるアジアおよび中東地域への依存度が高く、自然災害や国際的な需要変動により生産経済が影響を受けやすいという点です。一方で、ブラジルやエクアドルなどラテンアメリカ諸国も上位にランクインしており、輸出では一定のシェアを誇ります。特にエクアドルは輸出の比率が高く、国際市場での競争力が顕著です。

興味深い事実として、バナナ生産は赤道近くの熱帯気候地域に集中しており、アフリカや南アメリカ、東南アジアが生産の中心地となっています。その反面、北半球の先進国であるアメリカ、ドイツ、イギリスなどではほとんどバナナ生産が行われず、需給の大部分を輸入品に頼っています。日本も例外ではなく、2013年度の生産量はわずか43トンという数字から、自国でバナナを生産する気候的制約が浮き彫りになっています。

この状況を踏まえた課題としては、以下が挙げられます。第一に、主要な生産国では、疫病や害虫による農作物被害が特に深刻です。例として、バナナを襲う「パナマ病」は生産国の生産量を一気に減少させる恐れがあり、国際的な解決策が急務です。特にフィリピンやエクアドルなど輸出依存型の国々は、更なる防疫体制の強化と品種改良の技術開発が求められます。

また、地政学的なリスクとしては、紛争や気候変動があげられます。東南アジアにおける気候変動の影響で台風や洪水が増加していることが生産の障害要因となり、一部地域では安定供給に支障をきたしています。そのため、輸入依存度の高い国々では、メーカーや流通事業者が多様な仕入先を確保するリスク管理が必要とされます。

未来の具体的示唆としては、まずバナナ生産の効率化と持続可能性が鍵になります。政府や国際機関は、バナナの品種改良や害虫対策に向けた助成金や研究投資を拡充し、技術的サポートを生産国に提供する必要があります。また、輸出に依存する国々では、輸出先を多様化し、輸入国との協力体制をさらに強固にすることでリスクを軽減することが重要です。一方で、多国間での農業協力・調整枠組みも構築し、安定的かつ公平な交易が行われる環境を整えるべきです。

結論として、2013年度におけるバナナ生産の主要トレンドは、特定の気候条件を持つ地域が供給を支え、需要国は輸入に頼るという構造でした。この現状を考慮し、生産国では生産技術や防疫措置の強化を行うとともに、輸入側の国々では環境負荷を考慮した供給ネットワークの構築や、世界的な災害リスク分散を進めるべきです。その結果、バナナ生産・流通の持続可能性が高まり、安全で安定した供給を次世代に引き継ぐことが可能となるでしょう。