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モザンビークのバナナ生産量推移(1961年~2023年)

モザンビークのバナナ生産量は、1961年の21,429トンから始まり、2000年代初頭には10万トンを超え、2007年以降おおむね増加基調を維持してきました。2012年には470,000トン、2015年には670,000トンと急拡大しましたが、その後は波動が見られ、2022年には466,534トンとなっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 371,398
-20.39% ↓
2022年 466,534
1.53% ↑
2021年 459,508
-14.11% ↓
2020年 535,000
5.94% ↑
2019年 505,000
2.02% ↑
2018年 495,000
-23.1% ↓
2017年 643,700
24.39% ↑
2016年 517,500
-22.76% ↓
2015年 670,000
16.52% ↑
2014年 575,000
0.88% ↑
2013年 570,000
21.28% ↑
2012年 470,000
37.96% ↑
2011年 340,674
6.25% ↑
2010年 320,640
14.51% ↑
2009年 280,000
14.29% ↑
2008年 245,000
17.51% ↑
2007年 208,500
19.14% ↑
2006年 175,000
23.24% ↑
2005年 142,000
36.54% ↑
2004年 104,000
1.96% ↑
2003年 102,000
-5.56% ↓
2002年 108,000
14.89% ↑
2001年 94,000
4.44% ↑
2000年 90,000
2.27% ↑
1999年 88,000
1.15% ↑
1998年 87,000
1.16% ↑
1997年 86,000
1.18% ↑
1996年 85,000
2.41% ↑
1995年 83,000
6.41% ↑
1994年 78,000
-2.5% ↓
1993年 80,000
14.29% ↑
1992年 70,000
-12.5% ↓
1991年 80,000
-5.88% ↓
1990年 85,000
1.19% ↑
1989年 84,000
2.44% ↑
1988年 82,000
2.5% ↑
1987年 80,000
6.67% ↑
1986年 75,000
7.14% ↑
1985年 70,000 -
1984年 70,000 -
1983年 70,000 -
1982年 70,000 -
1981年 70,000
7.69% ↑
1980年 65,000 -
1979年 65,000 -
1978年 65,000
-4.41% ↓
1977年 68,000
4.62% ↑
1976年 65,000
8.33% ↑
1975年 60,000
-11.76% ↓
1974年 68,000
1.49% ↑
1973年 67,000
1.52% ↑
1972年 66,000
0.76% ↑
1971年 65,500
92.82% ↑
1970年 33,970
-12.4% ↓
1969年 38,780
187.26% ↑
1968年 13,500
-32.5% ↓
1967年 20,000
-20% ↓
1966年 25,000 -
1965年 25,000
-16.67% ↓
1964年 30,000
-9.27% ↓
1963年 33,064
61.91% ↑
1962年 20,421
-4.7% ↓
1961年 21,429 -

モザンビークのバナナ生産量の推移は、独立後の政治的・経済的状況を反映しながら、徐々に成長してきました。1961年から1970年代初めまで、生産量は20,000~70,000トンの範囲で増減を繰り返していましたが、この時期は主に独立運動やその後の情勢不安が影響していました。その後、内戦が落ち着き経済が安定に向かった1980年代以降、バナナ生産は徐々に上昇に転じます。特に2000年に90,000トンを記録し、農業部門への投資や生産技術の向上が目立つようになります。

2005年以降の急激な躍進は、モザンビーク国内外からの農業投資や輸出基盤の強化が背景にあります。この時期、中国やインド、アメリカといった輸出需要の高い国々との貿易関係も進展しました。2015年には670,000トンと記録的な生産量に達しましたが、その後は減少に転じ、2021年には459,508トンまで縮小、2022年も多少の回復を見せるも466,534トンにとどまっています。

この生産量の波動にはいくつかの要因が考えられます。まず、近年では気候変動の影響が挙げられます。モザンビークは熱帯気候に位置しており、洪水や干ばつといった自然災害が頻発します。また、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の拡大も、労働力不足や物流遅延を招き、農業セクターには深刻な影響を及ぼしました。さらに、地域紛争や不安定な治安が農村地域の生産活動を制約するケースも少なくありません。

現在の課題の一つは、持続可能な農業インフラの整備です。具体的には、気候変動への適応として灌漑設備の導入や耐性の強いバナナ品種の普及が必要です。また、人手不足を解消するための農業機械化や技術向上、地域紛争に伴う治安改善策も生産力向上に貢献するでしょう。さらに、物流基盤の整備を進めることで、国内外の市場アクセスを拡大させることが期待されます。

加えて、バナナ生産の長期的発展には国際協力の強化も重要です。たとえば、日本や韓国、中国のように農業技術で進歩を遂げた国々との連携が、モザンビークにとって有益であると考えられます。これらの国々は農作物の生産性向上や供給チェーン管理で重要な技術を持っており、導入することで競争力を高めることが可能です。

結論として、モザンビークのバナナ生産は長期的視点で見た成長の兆しは明確ですが、気候変動や農業基盤の未整備といった課題を解決する必要があります。政府と国際機関が協力して政策実施を強化し、気候変動対策、農業技術の向上、物流インフラの改善に取り組むことで、モザンビークはアフリカ地域におけるバナナ輸出のリーダー国へと成長する可能性があります。