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ツバルのバナナ生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)の最新データによると、ツバルのバナナ生産量は1961年の150トンから大幅に増加し、2022年には291トンに達しました。この期間において、生産量は一時的な減少や停滞を経つつも、長期的には増加傾向を示しています。ただし、生産量の安定性や自然環境への影響、そして持続可能な農業の実践が今後の課題として浮かび上がります。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 301
3.49% ↑
2022年 291
0.18% ↑
2021年 290
0.31% ↑
2020年 289
0.23% ↑
2019年 289
0.46% ↑
2018年 287
0.94% ↑
2017年 285
0.02% ↑
2016年 285
0.04% ↑
2015年 284
1.52% ↑
2014年 280
1.08% ↑
2013年 277
2.65% ↑
2012年 270
-2.36% ↓
2011年 277
-0.07% ↓
2010年 277
0.01% ↑
2009年 277
0.13% ↑
2008年 276
-1.32% ↓
2007年 280
2.58% ↑
2006年 273
1% ↑
2005年 270
1.09% ↑
2004年 267
-0.98% ↓
2003年 270
3.81% ↑
2002年 260
0.03% ↑
2001年 260
4% ↑
2000年 250
3.02% ↑
1999年 243
1.11% ↑
1998年 240
4.66% ↑
1997年 229
4.23% ↑
1996年 220
2.44% ↑
1995年 215
7.39% ↑
1994年 200
11.11% ↑
1993年 180
-18.18% ↓
1992年 220
4.76% ↑
1991年 210
40% ↑
1990年 150
-23.08% ↓
1989年 195
2.63% ↑
1988年 190
2.7% ↑
1987年 185
5.71% ↑
1986年 175
6.06% ↑
1985年 165
6.45% ↑
1984年 155
3.33% ↑
1983年 150 -
1982年 150
7.14% ↑
1981年 140
7.69% ↑
1980年 130
8.33% ↑
1979年 120
9.09% ↑
1978年 110
10% ↑
1977年 100
42.86% ↑
1976年 70
-30% ↓
1975年 100
-33.33% ↓
1974年 150
87.5% ↑
1973年 80
-11.11% ↓
1972年 90
-30.77% ↓
1971年 130
30% ↑
1970年 100
-16.67% ↓
1969年 120
-7.69% ↓
1968年 130
-7.14% ↓
1967年 140
-6.67% ↓
1966年 150 -
1965年 150 -
1964年 150 -
1963年 150 -
1962年 150 -
1961年 150 -

ツバルのバナナ生産量の推移データからは、この太平洋の小国が長期的に農業生産を向上させる努力を続けてきたことが見て取れます。その始まりである1961年から1970年代初頭にかけては、年間生産量がおおよそ150トン前後で安定していました。しかし、1970年代中盤から1980年にかけては90トンから150トンの範囲で大きな変動が見られ、特に1976年の70トンは最も低い値を記録しています。この時期の変動は、ツバル特有の気候変動リスクや土壌の条件、さらには小規模な農業経済基盤の脆弱性が影響したと考えられます。

1980年代から1990年代末にかけて、ツバルのバナナ生産量は右肩上がりの成長を見せ、2000年代初頭には250トンを超える水準に達しました。特に1991年以降の増加は顕著で、これには新しい栽培技術の導入や品種改良、また地域社会や国際機関との協力が寄与したとみられます。例えば、耐塩性や耐病性に優れたバナナ品種への切り替えが、気候変動の影響を軽減しつつ生産量の増加を支えた可能性があります。

2000年代以降の生産量は250~290トン台で比較的安定し、特に2022年には291トンという最大生産量を記録しました。この堅調な増加は評価に値しますが、その背景にはツバルを取り巻くいくつかの課題も存在しています。まず、この国は小規模な島嶼国家であるため、農地の面積自体が非常に限られています。そのため、持続可能な土地利用と作物輪作が今後の発展の鍵となります。また、気候変動による海面上昇や異常気象の影響が、ツバルの農業生産全般に深刻なリスクをもたらす可能性があります。

将来に向けて、ツバルがバナナ生産を持続的に発展させるためにはいくつかの具体的な対策が必要です。例えば、国際機関や近隣諸国との協力を強化し、水管理や灌漑技術を改善することが挙げられます。また、土壌の劣化を防ぐための技術支援や、さらに高耐久性の品種改良なども重要です。さらに、農業以外にも依存できる経済基盤の多様化を進めることで、地域経済全般の安定性を高める取り組みが求められるでしょう。

ツバルのような小規模な島国にとって、農業生産量の増加は単に経済成長の指標ではなく、地域の生活基盤や食料安全保障を維持する上でも不可欠な要素です。したがって、ツバル政府および国際社会は、バナナの継続的な生産性向上と同時に、環境保全と気候変動への対応を総合的に進める必要があります。