世界のバナナ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1986年の世界におけるバナナ生産量に関するデータによると、順位1位はインドで約571万トン、続いてブラジルが約524万トン、フィリピンが約383万トンと続いています。この3か国の合計生産量は全体の中でも顕著な割合を占めています。一方、日本のバナナ生産量は506トンで、世界107位となっています。東アジアでは中国が11位、大韓民国が94位と、日本との差が見られます。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	インド	アジア	5,714,000
2	ブラジル	南アメリカ	5,243,850
3	フィリピン	アジア	3,831,728
4	インドネシア	アジア	2,412,000
5	エクアドル	南アメリカ	2,316,437
6	ルワンダ	アフリカ	2,265,700
7	メキシコ	南アメリカ	1,832,563
8	タイ	アジア	1,596,200
9	ブルンジ	アフリカ	1,436,000
10	コロンビア	南アメリカ	1,350,000
11	中国	アジア	1,251,094
12	ベトナム	アジア	1,224,100
13	コスタリカ	南アメリカ	1,096,229
14	ホンジュラス	南アメリカ	1,032,010
15	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	1,007,302
16	パナマ	南アメリカ	906,733
17	ケニア	アフリカ	800,000
18	バングラデシュ	アジア	759,110
19	カメルーン	アフリカ	740,030
20	マレーシア	アジア	480,000
21	グアテマラ	南アメリカ	474,000
22	スペイン	ヨーロッパ	470,600
23	パプアニューギニア	オセアニア	450,000
24	ウガンダ	アフリカ	440,000
25	ドミニカ共和国	南アメリカ	421,900
26	コンゴ民主共和国	アフリカ	400,600
27	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	290,000
28	アンゴラ	アフリカ	275,000
29	ハイチ	南アメリカ	250,000
30	エジプト	アフリカ	237,000
31	マダガスカル	アフリカ	225,200
32	マルティニーク	南アメリカ	210,220
33	パキスタン	アジア	202,000
34	アルゼンチン	南アメリカ	190,000
35	南アフリカ	アフリカ	177,124
36	タンザニア連合共和国	アフリカ	155,500
37	中国、台湾 中国省	アジア	150,730
38	キューバ	南アメリカ	146,915
39	ジャマイカ	南アメリカ	145,000
40	グアドループ	南アメリカ	144,135
41	セントルシア	南アメリカ	141,080
42	コートジボワール	アフリカ	136,680
43	オーストラリア	オセアニア	132,751
44	パラグアイ	南アメリカ	121,598
45	ニカラグア	南アメリカ	114,969
46	ギニア	アフリカ	106,000
47	カンボジア	アジア	100,000
48	ソマリア	アフリカ	93,900
49	プエルトリコ	南アメリカ	90,176
50	中央アフリカ共和国	アフリカ	85,000
51	イスラエル	アジア	82,100
52	マラウイ	アフリカ	82,000
53	リベリア	アフリカ	80,000
54	モザンビーク	アフリカ	75,000
55	ジンバブエ	アフリカ	66,000
56	ドミニカ	南アメリカ	62,741
57	ポルトガル	ヨーロッパ	48,343
58	スリナム	南アメリカ	43,744
59	マリ	アフリカ	40,000
60	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	39,936
61	コモロ	アフリカ	38,550
62	イエメン	アジア	37,363
63	トルコ	アジア	35,000
64	コンゴ	アフリカ	31,557
65	オマーン	アジア	27,000
66	サモア	オセアニア	22,600
67	ベリーズ	南アメリカ	20,500
68	レバノン	アジア	20,000
69	ガイアナ	南アメリカ	17,400
70	トーゴ	アフリカ	16,000
71	赤道ギニア	アフリカ	15,000
72	ヨルダン	アジア	13,414
73	ベナン	アフリカ	13,000
74	グレナダ	南アメリカ	12,500
75	ラオス人民民主共和国	アジア	12,000
76	バヌアツ	オセアニア	10,000
77	キプロス	アジア	10,000
78	モロッコ	アフリカ	10,000
79	ガボン	アフリカ	8,500
80	ギリシャ	ヨーロッパ	7,873
81	モーリシャス	アフリカ	7,830
82	バハマ	南アメリカ	7,800
83	サントメ・プリンシペ	アフリカ	7,030
84	セネガル	アフリカ	6,000
85	フィジー	オセアニア	5,700
86	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	5,500
87	トンガ	オセアニア	4,600
88	レユニオン	アフリカ	4,520
89	アメリカ合衆国	北アメリカ	4,400
90	ガーナ	アフリカ	4,000
91	東ティモール	アジア	4,000
92	キリバス	オセアニア	4,000
93	カーボベルデ	アフリカ	3,700
94	大韓民国	アジア	3,316
95	セーシェル	アフリカ	1,450
96	ニューカレドニア	オセアニア	1,446
97	モルディブ	アジア	1,193
98	エスワティニ	アフリカ	1,000
99	クック諸島	オセアニア	1,000
100	バルバドス	南アメリカ	780
101	ブルネイ ダルサラーム	アジア	700
102	フランス領ポリネシア	オセアニア	694
103	バーレーン	アジア	620
104	ザンビア	アフリカ	600
105	ギニアビサウ	アフリカ	600
106	ニウエ	オセアニア	560
107	日本	アジア	506
108	シンガポール	アジア	470
109	イラン（イスラム共和国）	アジア	270
110	ソロモン諸島	オセアニア	230
111	ツバル	オセアニア	175
112	フランス領ギアナ	南アメリカ	150
113	アラブ首長国連邦	アジア	95
114	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	70
115	イタリア	ヨーロッパ	30
116	トケラウ	オセアニア	15
117	シリア・アラブ共和国	アジア	10
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国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した1986年のバナナ生産量データは、世界中でのバナナ栽培における大きな地域差とその背景に迫る興味深い視点を提供しています。バナナは熱帯および亜熱帯地域を中心に栽培され、主に食料資源としての重要性を持つ果物です。特に経済が農業に大きく依存する途上国では、自国の食料供給や輸出を支える中心的な作物であるといえます。

第1位のインドでは、他の熱帯地域と同様に温暖な気候と適度な降雨量がバナナ栽培に適しており、国内需要の高さも生産量を押し上げる要因となっています。インドのバナナ栽培は家庭農園から大規模経営まで多岐にわたる規模で行われており、労働力の豊富さも助けています。また第2位のブラジルは、農業国として広大な土地を背景に多数のバナナ農園を有しています。一方、第5位のエクアドルは輸出志向の栽培が主で、世界市場への供給源として重要な役割を担っています。同国は地理的条件や港湾インフラを強みとして、バナナ輸出の中心地となっています。

アジア地域においては、フィリピン（第3位）やインドネシア（第4位）のようにバナナが主食に近い形で消費される国々が、安定した地域市場を支えています。また、中国は11位につけており、人口の多さに対する需要の増加が栽培の押し上げにつながっているものと考えられます。一方、日本は107位で、気候条件の制約が主因となり、バナナが国内で大量生産されることは困難です。そのため、輸入に大きく依存しており、主な供給源はフィリピンなどの東南アジア諸国です。

このランキングは、バナナが国ごとに異なる重要性を持つことを示しています。中南米のエクアドルやコスタリカでは輸出用の作物として優先的に栽培されているのに対し、アジア・アフリカ地域の多くでは国内消費を満たす目的で栽培量が設定されています。しかし、いずれの国でも気候変動やバナナの疫病（例：パナマ病など）が生産に抱える課題となっており、将来的な長期持続可能性への懸念が広がっています。

地政学的背景にも目を向ける必要があります。特に中南米の生産国は、輸出の依存度が高く、国際市場における価格変動や需要の変化に弱い構造があります。また、アフリカ地域では内戦などの政情不安定性がバナナの生産および流通に悪影響を及ぼすリスクが続いています。

これらの課題に対応するには、まずはバナナ生産が直面する特定の問題を解決するための具体策が求められます。その一例として、病害への対策として耐病性を持つ新品種の育成や導入が指摘されています。また、気候変動への適応施策として、節水型灌漑設備の導入や多様作物との組み合わせによる気候リスク分散が効果的と考えられます。さらに、中南米においては、生産者が国際的な価格交渉力を持てるよう、協同組合や地域連合の形成が推奨されます。

加えて、輸出加工手段の多様化や国内需要の開拓を進めることで、特定の市場への依存を減らすべきです。国際的には、FAOや関係各国が連携して持続可能な農業モデルを確立することが重要です。たとえば、バナナ輸出国同士のネットワークを通じてノウハウを共有することが可能です。

これらを踏まえると、1986年のデータは単に過去の記録にとどまらず、現代や将来の農村開発・経済政策を考える上での示唆に富むものといえます。バナナ栽培の地理的分布をどのように自己強化し、同時に国際的な課題に対応するかについて、引き続き各国政府や研究機関、そして国際組織が協力して進める必要があるでしょう。