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ブルガリアのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の2024年7月更新のデータによると、ブルガリアにおけるカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタンの生産量は、1961年の188,773トンをピークとして、その後概ね減少傾向を示しています。2023年には12,390トンに達し、半世紀以上で大幅な縮小が見られます。特に2000年以降、生産量が著しく低下した年が複数見られる一方で、2016年の132,937トンという突発的な上昇例も存在します。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 12,390
-9.16% ↓
2022年 13,640
-19.29% ↓
2021年 16,900
-6.47% ↓
2020年 18,070
45.02% ↑
2019年 12,460
-52.66% ↓
2018年 26,320
17.67% ↑
2017年 22,367
-83.17% ↓
2016年 132,937
427.55% ↑
2015年 25,199
45.13% ↑
2014年 17,363
-10.71% ↓
2013年 19,446
124.45% ↑
2012年 8,664
960.47% ↑
2011年 817
-94.46% ↓
2010年 14,754
247.15% ↑
2009年 4,250
-0.54% ↓
2008年 4,273
-3.13% ↓
2007年 4,411
40.7% ↑
2006年 3,135
-15.54% ↓
2005年 3,712
-76.83% ↓
2004年 16,023
1.72% ↑
2003年 15,752
-32.93% ↓
2002年 23,485
79.47% ↑
2001年 13,086
-56.38% ↓
2000年 30,000
-14.29% ↓
1999年 35,000
-25.6% ↓
1998年 47,046
40.44% ↑
1997年 33,500
-23.23% ↓
1996年 43,634
-4.26% ↓
1995年 45,575
78.43% ↑
1994年 25,542
-26.78% ↓
1993年 34,883
5.62% ↑
1992年 33,026
-49.28% ↓
1991年 65,111
16.31% ↑
1990年 55,981
-7.46% ↓
1989年 60,494
-12.67% ↓
1988年 69,268
4.5% ↑
1987年 66,283
7.71% ↑
1986年 61,540
29.42% ↑
1985年 47,550
-18.84% ↓
1984年 58,590
13.63% ↑
1983年 51,560
9.31% ↑
1982年 47,168
35.71% ↑
1981年 34,757
-5.48% ↓
1980年 36,773
11.36% ↑
1979年 33,023
27.02% ↑
1978年 25,998
0.12% ↑
1977年 25,966
-35.09% ↓
1976年 40,000
-33.33% ↓
1975年 60,000
-22.2% ↓
1974年 77,122
-28.53% ↓
1973年 107,909
-19.21% ↓
1972年 133,573
-7.71% ↓
1971年 144,736
29.62% ↑
1970年 111,658
5.79% ↑
1969年 105,546
75.88% ↑
1968年 60,011
-54.7% ↓
1967年 132,469
-16.28% ↓
1966年 158,224
115.91% ↑
1965年 73,281
-57.82% ↓
1964年 173,720
7.97% ↑
1963年 160,903
-1.1% ↓
1962年 162,689
-13.82% ↓
1961年 188,773 -

ブルガリアのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量の歴史的な推移は、農業政策、経済状況、そして地政学的背景の影響を強く受けた結果と考えられます。1961年から1980年代初頭までは比較的高水準の生産を維持していましたが、1980年代後半以降から徐々に低下に転じており、特に2000年以降は極端な低水準が散見されます。一方で、2016年のような例外的な増加が示す通り、瞬間的な回復基調も存在します。これは、特定の作物に対する需要増加や市場政策の効果など一時的条件の影響が強かったと推測されます。

ブルガリアを含む東欧地域は、気候条件の変化や国内消費の変化に加え、世界市場の動向にも敏感と言えます。特に冷戦終結後、ブルガリアは市場経済への移行を進めており、農業もその影響を受け、産業としての構造改革が進められました。カボチャ・スクワッシュ・ヒョウタンの生産量について見ると、このような改革の過程で、より収益性の高い作物への転換や農地の縮小が主要因の一つであると考えられます。また、2005年から2009年にかけて3,000-4,000トンにまで激減したことは、特に農業基盤の弱体化や農家の離農と密接に関連していると推察されます。

生産量の低迷は、自然災害や疫病、気候変動の影響もその一因と考えられます。例えば、地球温暖化に伴う異常気象は、作物栽培にとって不安定要因となり、収穫量の減少や品質悪化を招くことがあります。また、2020年以降の新型コロナウイルスのパンデミックも、労働力不足や輸送の停滞、国際市場の混乱を引き起こし、農業の生産効率に負の影響を及ぼしました。

ブルガリアにおいて、このような低迷状況を改善するためには、いくつかの方策が考えられます。第一に、農業の機械化やデジタル化の導入が重要です。例えば、精密農業技術による収穫効率向上や、データに基づいた気候対策を講じることで、外部環境の変化に強い基盤を構築することができます。第二に、農業従事者への支援や教育を強化することで、若手の農業参入促進と共に、高品質の農作物の生産を推進できます。これに加えて、国際市場への適応能力を高めるため、欧州連合(EU)の研究資金を活用し、輸出促進や持続可能な農業技術の研究開発を進めることが奨励されます。

また地域的な枠組みや隣接国との協力もカギです。例えば、トルコやルーマニアなどの近隣諸国との農業協定を結び、技術や資源の連携を強化することが、ブルガリアの生産回復に寄与する可能性があります。

結論として、ブルガリアのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量の推移は、国内外の経済動向や政策、環境条件、地政学的な背景と密接に関連していると見ることができます。低迷を脱却し、持続的な生産基盤を確立するためには、農業技術の革新、教育・支援体制の強化、そして地域間協力の強化が不可欠です。