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ブルガリアの落花生生産量の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによれば、ブルガリアの落花生生産量は1960年代から2017年までの期間で大きな変動を見せています。1960年代には安定的に1,000~2,500トン前後で推移していましたが、1980年代は特に高い生産量を記録しています。1991年には17,010トンとピークを迎えましたが、その後は急激に減少し、2000年代初頭には再び1,000トンを下回る年が生じました。2017年時点では751トンと減少傾向が続いています。このデータは、ブルガリアの落花生産業が抱える課題や、農業政策、気候要因の影響を反映していると考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2017年 751
10.88% ↑
2016年 677
44.42% ↑
2015年 469
-2.7% ↓
2014年 482
-55.41% ↓
2013年 1,081
-6% ↓
2012年 1,150
44.11% ↑
2011年 798
11.45% ↑
2010年 716
-23.67% ↓
2009年 938
24.07% ↑
2008年 756
9.25% ↑
2007年 692
-30.03% ↓
2006年 989
-30.69% ↓
2005年 1,427
7.94% ↑
2004年 1,322
-19.19% ↓
2003年 1,636
-76.63% ↓
2002年 7,000
16.67% ↑
2001年 6,000
-25% ↓
2000年 8,000
-20% ↓
1999年 10,000
3.44% ↑
1998年 9,667
-4.62% ↓
1997年 10,135
26.48% ↑
1996年 8,013
-36.75% ↓
1995年 12,668
74.08% ↑
1994年 7,277
-11.48% ↓
1993年 8,221
-46.55% ↓
1992年 15,380
-9.58% ↓
1991年 17,010
58.09% ↑
1990年 10,760
35.6% ↑
1989年 7,935
15.59% ↑
1988年 6,865
-16.72% ↓
1987年 8,243
37.04% ↑
1986年 6,015
39.46% ↑
1985年 4,313
-19.17% ↓
1984年 5,336
-13.7% ↓
1983年 6,183
-14.39% ↓
1982年 7,222
2.27% ↑
1981年 7,062
39.1% ↑
1980年 5,077
12.47% ↑
1979年 4,514
5.91% ↑
1978年 4,262
23.64% ↑
1977年 3,447
31.77% ↑
1976年 2,616
-42.63% ↓
1975年 4,560
32.87% ↑
1974年 3,432
24.21% ↑
1973年 2,763
-11.41% ↓
1972年 3,119
78.43% ↑
1971年 1,748
5.49% ↑
1970年 1,657
-0.78% ↓
1969年 1,670
-32.8% ↓
1968年 2,485
-0.84% ↓
1967年 2,506
30.45% ↑
1966年 1,921
75.27% ↑
1965年 1,096
4.28% ↑
1964年 1,051
55.24% ↑
1963年 677
-65.1% ↓
1962年 1,940
-2.32% ↓
1961年 1,986 -
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ブルガリアの落花生生産量は、長期的に見ると1トン未満の低水準から17,000トンを超える高水準まで大きな振れ幅を記録しており、極めて変動性が高い農産物のひとつです。このデータからは、環境条件や農業政策の変化がブルガリアの農業生産に強い影響を及ぼしていることが分かります。特に1991年には過去最大の17,010トンを記録していますが、その後の長期的な減少傾向は地域経済や農業労働力の縮小、さらには気候変動との関連が示唆されます。

1980年から1991年にかけて顕著な成長を見せ、1990年でも10,760トンという高水準が記録されています。この期間はブルガリア国内で農業機械化の進展がみられた時代と重なり、生産効率が向上したことが一因と考えられます。しかしながら、この成長は1991年をピークに急速に収束していきます。その背景には政情不安、経済自由化に伴う農業政策の変化、そして市場の競争激化が関与している可能性があります。

1993年以降は生産量が8,000トンを下回る年が続き、さらに2003年以降は1,000トン前後で推移する状況が定着していきます。このような低迷は、欧州連合(EU)への加盟による市場開放政策に伴い、他国からの安価な輸入品との競争が激化したことや、国内の作付け面積が大幅に減少したことが影響していると考えられます。また、第2次産業や第3次産業(工業、サービス業)への急速なシフトも、農業従事者の減少をもたらした重要な要因でしょう。ブルガリアにおける他の農産物、例えば小麦やトウモロコシが農家にとってより収益性の高い選択肢だったことも挙げられるでしょう。

地政学的背景にも目を向けると、1990年代における中央・東欧地域での政治的混乱や国際市場の変革が大きな影響を及ぼしていることが分かります。ブルガリアが旧共産圏に属していた時代と、その独立後の自由経済下での移行期において、輸出市場の喪失や国内農業の構造改革が進められたことが、落花生生産に影響を与えたのは明らかです。また、気候変動も見過ごせません。ブルガリアは局地的な干ばつや気温上昇の影響を受けやすく、2000年代の生産低下がその証左と考えられます。

このような背景を踏まえると、今後のブルガリアの落花生生産を立て直すためには多角的な施策が求められます。まず、国として農業支援策を強化し、落花生の栽培に適した地域特性を考慮した政策を打ち出すことが重要です。また、気候変動適応策を導入するための技術的支援や、灌漑設備の整備は不可欠といえます。さらに、地域経済活動の活性化に向けた協同組合の促進や、輸出市場の拡大を支援するための国際的な取り組みも必要です。

EU加盟国であるブルガリアが競争力を取り戻すためには、農業生産物に高い付加価値を付与する取り組みも効果的かもしれません。例えば、オーガニック農法を採用することで国際市場での競争力を強化し、付加価値の高い製品として輸出する戦略が挙げられます。他方で、他国からの輸入品との競争を抑制するため、適切な関税政策や補助金制度を検討することも見逃せません。

結論として、ブルガリアの落花生生産は地政学的要因、経済的構造転換、気候条件など複数の要素に左右されながら推移してきました。現状を改善しつつ持続可能な生産体制を構築するためにも、国内外の協力を通じて新たな技術や政策の導入を進めていくことが不可欠です。国際市場での需要を見定め、現状を打破するための包括的なアプローチが期待されます。

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