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ブルガリアのカリフラワー・ブロッコリー生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国連食糧農業機関)が2024年7月に更新した最新データによれば、ブルガリアのカリフラワー・ブロッコリー生産量は長期的に見ると大幅な減少傾向にあります。1960年代には年間生産量が13,000~25,000トンに達していましたが、1990年代以降は2,000トン前後まで減少しています。2004年に一時的に13,222トンに増加したものの、その後も上下変動を繰り返し、最近の2023年では2,130トンと低迷が続いています。特に2021年の820トンは最低値を記録しており、生産の不安定さが課題となっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 2,130
20.34% ↑
2022年 1,770
115.85% ↑
2021年 820
-60.77% ↓
2020年 2,090
-44.85% ↓
2019年 3,790
46.33% ↑
2018年 2,590
30.81% ↑
2017年 1,980
-6.82% ↓
2016年 2,125
-17.86% ↓
2015年 2,587
-19.28% ↓
2014年 3,205
-3.96% ↓
2013年 3,337
-29.84% ↓
2012年 4,756
40.5% ↑
2011年 3,385
1.62% ↑
2010年 3,331
83.93% ↑
2009年 1,811
-31.89% ↓
2008年 2,659
29.77% ↑
2007年 2,049
-32.44% ↓
2006年 3,033
65.65% ↑
2005年 1,831
-86.15% ↓
2004年 13,222
265.55% ↑
2003年 3,617
-48.11% ↓
2002年 6,971
129.31% ↑
2001年 3,040
117.14% ↑
2000年 1,400
7.69% ↑
1999年 1,300
18.18% ↑
1998年 1,100
-38.89% ↓
1997年 1,800
20% ↑
1996年 1,500
-28.57% ↓
1995年 2,100
9.06% ↑
1994年 1,926
6.97% ↑
1993年 1,800
-14.29% ↓
1992年 2,100
-12.21% ↓
1991年 2,392
-13.49% ↓
1990年 2,765
0.66% ↑
1989年 2,747
27.23% ↑
1988年 2,159
7.63% ↑
1987年 2,006
-11.82% ↓
1986年 2,275
5.67% ↑
1985年 2,153
-45.45% ↓
1984年 3,947
22.77% ↑
1983年 3,215
17.38% ↑
1982年 2,739
-50.64% ↓
1981年 5,549
-42.4% ↓
1980年 9,633
14.38% ↑
1979年 8,422
18.45% ↑
1978年 7,110
-58% ↓
1977年 16,927
30.4% ↑
1976年 12,981
4.88% ↑
1975年 12,377
-27.19% ↓
1974年 17,000
49.62% ↑
1973年 11,362
-45.08% ↓
1972年 20,687
17.98% ↑
1971年 17,535
12.12% ↑
1970年 15,639
-21.36% ↓
1969年 19,886
-22.83% ↓
1968年 25,770
69.12% ↑
1967年 15,238
8.84% ↑
1966年 14,000 -
1965年 14,000 -
1964年 14,000
7.69% ↑
1963年 13,000 -
1962年 13,000 -
1961年 13,000 -

ブルガリアにおけるカリフラワーとブロッコリーの生産は、1960年代から2010年代を通して複雑な推移を見せています。1960年代は年間13,000~25,000トンという高い生産量を維持していましたが、1970年代以降、一部で急激な増減が見られます。その後、1980年代には継続的な減少が始まり、1990年代には年間1,000トン程度の低生産期が到来しました。2000年代初頭には一時的な回復も見られましたが、長期的傾向としては低迷が続いています。

この生産量の推移には、いくつかの要因が影響していると考えられます。まず、ブルガリアの気候条件や土壌の変動、さらには農業技術の導入や栽培パターンの変化が挙げられます。また、地政学的な要因や経済政策の影響も見逃せません。特に1989年の社会主義崩壊以降、市場経済の移行による農業部門の混乱や国家支援の縮小が農作物生産全体に大きな影響を与えたと推察されます。この他、2000年代以降のグローバリゼーションの進展により国際市場での競争が激化し、ブルガリア国内の生産者がサポートを受ける機会を失った可能性もあります。

最近の2023年において生産量が2,130トンであることは、一定の持ち直しを示していますが、依然として不安定な状況です。特に2021年の820トンという大幅な落ち込みは、気候変動による異常気象や経済的要因が影響している可能性が高いです。ブルガリアは地中海性気候と大陸性気候の影響を受ける地域であり、降水量や気温の変動が生産量に直結しやすいという特徴があります。また、コロナ禍における農業労働力不足や物流の問題も、近年の生産量に影響を与えていると考えられます。

今後、ブルガリアがこの状況を改善するためには、いくつかの対策が必要です。まず、現地生産者に対する技術支援や農業インフラの整備を進めることが挙げられます。特に灌漑技術や品種改良を取り入れ、気候変動に対応しやすい農業システムを構築することで、安定した生産が可能となるでしょう。また、国際市場で競争力を高めるため、有機栽培や付加価値の高い生産方法を採用することを推奨します。さらに、EU加盟国としてブルガリアは、EUの農業政策や資金を活用し、新たな輸出市場の開拓を目指すべきです。

加えて、地域間協力を通じたノウハウの交換も重要です。例えば、イタリアやスペインといった地中海性気候を共有する国々との連携を強化し、農業技術のベストプラクティスを導入することで効率的な生産を実現できるでしょう。国内外の市場ニーズに応じた柔軟な対応も鍵となります。

最後に、地政学的リスクや気候変動に対する長期的な対応を考える必要があります。ブルガリアの農業政策は、EU全体の規模で行われる環境対策とも連動する必要があります。こうした包括的な取り組みを進めることで、ブルガリアのカリフラワー・ブロッコリーの生産量を安定化させ、さらに国際市場でのプレゼンスを高める土台作りが期待されます。