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FAO「国際連合食糧農業機関」・最新版
FAO(国際連合食糧農業機関)が公表し、2024年7月に更新された最新データによると、2024年度のカカオ豆生産量ランキングの1位はコートジボワール(1,890,442トン)、2位はインドネシア(632,702トン)、3位はガーナ(530,000トン)です。上位3か国だけで約3,053,144トンを生産しており、供給が特定の国・地域に強く集中していることが分かります。日本は生産国ではない一方、輸入と加工に依存する消費国として、気候変動や地域不安による供給ショックの影響を受けやすい構造です。
1961年から2024年までの年度別ランキングを確認できます。
1961年から2024年までの世界のカカオ豆生産量を、国別ランキングでバーチャートレース化しました。
1961年から2024年までの世界のカカオ豆生産量を、国別ランキングでバーチャートレース化しました。
この統計は、各国で収穫されたカカオ豆の生産量をトンで集計したもので、チョコレートなどの原料供給力を測る基礎指標です。カカオは樹木作物で、植え替えから収穫まで時間がかかるため、短期の増産が難しく、天候や病害、政治・治安の変化が価格と調達に直結しやすい特徴があります。2024年度のデータでは、コートジボワールが1,890,442トンと突出しており、2位インドネシアの632,702トンに対して約2.99倍、3位ガーナの530,000トンに対して約3.57倍の規模です。この差は、世界の供給が西アフリカの中核国に強く依存している現状を端的に示しています。
地域分布を見ると、西アフリカと中部アフリカが供給の中心で、コートジボワール、ガーナ、ナイジェリア(350,000トン)、カメルーン(320,000トン)、シエラレオネ(93,750トン)、リベリア(30,000トン)、トーゴ(25,000トン)、ギニア(24,222トン)などが並びます。これに対し、中南米はエクアドル(403,699トン)とブラジル(297,509トン)が目立ち、ペルー(157,253トン)、コロンビア(67,678トン)、ドミニカ共和国(57,461トン)などが続きます。アジアではインドネシアが大きく、次いでインド(30,388トン)、フィリピン(10,844トン)、ベトナム(1,500トン)、マレーシア(445トン)などが分布しています。上位国の並びは、熱帯の気候帯に生産が偏るという農業地理の制約を反映しています。
日本、中国、韓国、インド、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランスといった主要な消費・加工国の多くは、カカオ豆の大規模生産国ではありません。特に日本、韓国、中国、欧州諸国は、輸入原料を加工して菓子・食品として付加価値を生む産業構造であり、原料段階の供給途絶や価格高騰が企業収益と家計の消費に波及しやすい立場です。一方でインドは生産量30,388トンと限定的ながら国内生産を持ち、将来的に品種改良や灌漑投資で増産余地があるものの、現時点では世界市場の需給を左右する規模ではありません。つまり、日米欧や東アジアの消費国は、供給源の地理的集中というリスクを前提に調達戦略を組み立てる必要があります。
課題の第一は気候変動です。カカオは高温・乾燥、降雨の偏りに弱く、主要産地の西アフリカで高温化や降雨パターンの変化が進むと、収量不安定化が起きやすくなります。加えて病害虫の拡大は、農薬・防除資材の不足、農家の技術支援の遅れと結びつくと被害を増幅します。ここで重要なのは、供給が集中しているために、一地域の不作が世界価格を押し上げやすい点です。コートジボワールとガーナの生産動向は、単なる地域ニュースではなく、世界の食品インフレ要因になり得ます。
課題の第二は地政学的リスクです。西アフリカでは、政情不安、国境を越える武装勢力の活動、港湾・道路といった物流インフラの脆弱性が、輸出の遅延や取引コストの上昇につながりやすい環境にあります。資源や政権をめぐる緊張が高まる局面では、治安悪化が生産地の労働力確保や集荷に影響し、紛争や制裁、保険料上昇が貿易の摩擦要因になります。これが中長期化すると、代替産地への投資競争が起き、土地利用の転換や森林減少の圧力が強まる可能性もあります。
課題の第三はサプライチェーンの社会課題です。カカオは小規模農家が多く、価格変動が家計と直結します。所得が不安定だと、樹木の更新投資が遅れ、結果として生産性が伸びず、さらに脆弱になるという悪循環が生まれます。ここはGDPのような「国全体の付加価値の合計」を見ても実態が分かりにくく、地域の生活水準や教育・保健を含む人間開発指数(HDIのように健康・教育・所得を合わせてみる指標)と合わせて考える必要があります。農家の生活が不安定なままでは、品質向上や環境配慮型の生産への移行も進みにくいからです。
新型コロナのような感染症流行や、洪水・干ばつといった自然災害は、労働移動の制限、港湾の混雑、資材調達の遅れを通じて供給網を乱しやすく、カカオのように代替が難しい作物ほど影響が残りやすい傾向があります。さらに、エネルギー価格や海上輸送の不安定化が重なると、原料価格だけでなく最終製品価格にも波及し、消費国側の需要変動を誘発します。
こうした状況を踏まえると、今後の対策は「産地の強靭化」と「調達先の分散」、そして「需要側のリスク管理」を同時に進めることが現実的です。産地の強靭化では、耐乾性・耐病性の苗木普及、老木更新の金融支援、農家への栽培技術の普及、気象情報を使った早期警戒、収穫後の発酵・乾燥設備の整備が効果的です。調達先の分散では、エクアドルやブラジル、ペルー、ドミニカ共和国など中南米の比重を高める契約、アジアではインドネシア以外の新興産地の育成支援を組み合わせ、特定国への依存度を下げることが重要です。需要側のリスク管理では、日本企業であれば長期契約の比率調整、在庫の持ち方の見直し、為替・先物を含むヘッジ、さらに代替原料や配合設計の研究開発を進めることで、急騰局面の価格転嫁を緩和しやすくなります。
国際機関と政府の役割も明確です。FAOのような国際機関は統計整備だけでなく、病害虫対策や農家所得の安定化策の技術支援を拡充し、産地国の行政能力を底上げする必要があります。消費国側の政府は、企業の人権・環境デューデリジェンスの枠組みを整えつつ、単なる規制にとどめず、産地の教育・保健・インフラに資金が回る協調スキームを設計することが求められます。具体的には、トレーサビリティ(生産地から流通までの追跡)を導入しやすいデジタル基盤づくり、衛星データを活用した森林保全と生産性向上の両立支援、港湾・道路の整備を含む地域間協力の枠組みが現実的な政策例になります。
結論として、2024年度のランキングは、カカオ豆の供給がコートジボワールを筆頭に少数国へ集中し、気候変動と地政学的リスクの影響を受けやすい構造であることを示しています。日本を含む消費国は、価格変動を「市場の一時的な揺れ」と捉えるのではなく、産地の気候・治安・生活基盤という複合要因から生じる構造リスクとして管理し、調達分散、産地投資、透明性強化を同時に進めることが、将来の供給安定と持続可能なチョコレート産業につながります。なお、提供データにはアンゴラが重複して掲載されているため、集計や順位表示では重複排除の確認を行うことが望ましいです。
カカオ豆生産量の上位国を横棒グラフで比較できます。
順位、国名、カカオ豆生産量、地域、関連指標を比較できます。
| 順位 | 国・地域 | カカオ豆生産量 | 地域 |
|---|---|---|---|
| 1 | 1,890,442トン | アフリカ | |
| 2 | 632,702トン | アジア | |
| 3 | 530,000トン | アフリカ | |
| 4 | 403,699トン | 南アメリカ | |
| 5 | 350,000トン | アフリカ | |
| 6 | 320,000トン | アフリカ | |
| 7 | 297,509トン | 南アメリカ | |
| 8 | 157,253トン | 南アメリカ | |
| 9 | 93,750トン | アフリカ | |
| 10 | 67,678トン | 南アメリカ | |
| 11 | 57,461トン | 南アメリカ | |
| 12 | 55,000トン | アフリカ | |
| 13 | 50,000トン | アフリカ | |
| 14 | 45,000トン | オセアニア | |
| 15 | 30,388トン | アジア | |
| 16 | 30,000トン | アフリカ | |
| 17 | 29,383トン | 南アメリカ | |
| 18 | 28,448トン | 南アメリカ | |
| 19 | 25,000トン | アフリカ | |
| 20 | 24,222トン | アフリカ | |
| 21 | 21,000トン | アフリカ | |
| 22 | 15,000トン | アフリカ | |
| 23 | 15,000トン | アフリカ | |
| 24 | 11,701トン | 南アメリカ | |
| 25 | 10,844トン | アジア | |
| 26 | 5,825トン | 南アメリカ | |
| 27 | 4,200トン | オセアニア | |
| 28 | 4,000トン | アフリカ | |
| 29 | 3,000トン | 南アメリカ | |
| 30 | 2,000トン | 南アメリカ | |
| 31 | 1,500トン | オセアニア | |
| 32 | 1,500トン | アジア | |
| 33 | 1,463トン | 南アメリカ | |
| 34 | 1,150トン | アジア | |
| 35 | 1,000トン | 南アメリカ | |
| 36 | 1,000トン | 南アメリカ | |
| 37 | 600トン | アフリカ | |
| 38 | 488トン | 南アメリカ | |
| 39 | 483トン | オセアニア | |
| 40 | 465トン | アフリカ | |
| 41 | 465トン | アフリカ | |
| 42 | 445トン | アジア | |
| 43 | 370トン | 南アメリカ | |
| 44 | 291トン | 南アメリカ | |
| 45 | 231トン | 南アメリカ | |
| 46 | 231トン | 南アメリカ | |
| 47 | 225トン | 南アメリカ | |
| 48 | 216トン | オセアニア | |
| 49 | 203トン | 南アメリカ | |
| 50 | 201トン | 南アメリカ | |
| 51 | 177トン | アジア | |
| 52 | 136トン | アフリカ | |
| 53 | 123トン | アジア | |
| 54 | 100トン | アフリカ | |
| 55 | 44トン | アフリカ | |
| 56 | 31トン | オセアニア | |
| 57 | 17トン | 南アメリカ | |
| 58 | 5トン | 南アメリカ |
ランキング指標の意味と注意点を短く整理します。
現在のカカオ豆生産量ランキングでは...
1961年から2024年までの年度別ページを比較すると、増加地域や順位変動が見えます。
気になる国の1961年から2024年までの推移がわかります。
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