Skip to main content

コンゴ民主共和国のカカオ豆生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新のデータによれば、コンゴ民主共和国のカカオ豆生産量は1961年に5,800トンでスタートし、2020年には過去最高の26,337トンを記録しました。その後、2021年および2022年には20,000トンとやや減少傾向にあります。1960年代から2000年代初頭にかけて緩やかに停滞していましたが、2010年代後半以降に急激な増加が見られ、特に2016年以降の生産量の成長は顕著です。この変化は国内外の需要や政策の変化、ならびに気候条件の影響を示唆します。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 35,000
75% ↑
2022年 20,000 -
2021年 20,000
-24.06% ↓
2020年 26,337
19.4% ↑
2019年 22,058
19.39% ↑
2018年 18,475
36.85% ↑
2017年 13,500
32.35% ↑
2016年 10,200
70% ↑
2015年 6,000
100% ↑
2014年 3,000
50% ↑
2013年 2,000 -
2012年 2,000
-62.91% ↓
2011年 5,392
-0.72% ↓
2010年 5,431
-0.71% ↓
2009年 5,470
-0.73% ↓
2008年 5,510
-1.43% ↓
2007年 5,590 -
2006年 5,590
-0.71% ↓
2005年 5,630
-0.71% ↓
2004年 5,670
-0.7% ↓
2003年 5,710
-0.7% ↓
2002年 5,750
-7.78% ↓
2001年 6,235
-5.27% ↓
2000年 6,582
0.26% ↑
1999年 6,565
-4.98% ↓
1998年 6,909
-4.13% ↓
1997年 7,207
-4.87% ↓
1996年 7,576
0.33% ↑
1995年 7,551
0.05% ↑
1994年 7,547
1.26% ↑
1993年 7,453
1.25% ↑
1992年 7,361
1.25% ↑
1991年 7,270
1.25% ↑
1990年 7,180
1.13% ↑
1989年 7,100
14.52% ↑
1988年 6,200
12.73% ↑
1987年 5,500
-12.7% ↓
1986年 6,300
39.07% ↑
1985年 4,530
3.24% ↑
1984年 4,388
2.05% ↑
1983年 4,300 -
1982年 4,300
-4.72% ↓
1981年 4,513
-23.51% ↓
1980年 5,900
3.51% ↑
1979年 5,700
32.56% ↑
1978年 4,300
-17.31% ↓
1977年 5,200
-3.7% ↓
1976年 5,400
1.89% ↑
1975年 5,300
6% ↑
1974年 5,000
-12.28% ↓
1973年 5,700
-12.31% ↓
1972年 6,500
3.17% ↑
1971年 6,300
1.61% ↑
1970年 6,200
26.53% ↑
1969年 4,900
8.89% ↑
1968年 4,500
-8.16% ↓
1967年 4,900
-7.55% ↓
1966年 5,300
23.26% ↑
1965年 4,300
-10.42% ↓
1964年 4,800
-14.29% ↓
1963年 5,600
-13.85% ↓
1962年 6,500
12.07% ↑
1961年 5,800 -

コンゴ民主共和国は長らく資源の豊富な国として知られておりますが、その資源には鉱物資源のみならず農産物も含まれます。その中でカカオ豆は世界のチョコレート製品市場でも需要が高い主要な農産品です。FAOが発表した最新のデータを基に、同国のカカオ豆生産量の推移を振り返ると、数十年の間に生産量は大きな変化を遂げてきました。

カカオ豆の生産量は1960年代から1990年代半ばまで緩やかな上昇を見せ、1990年代半ば以降は7,500トン前後で安定する状況が続きました。しかし2000年代に入り、むしろ生産量が減少し、特に2012年と2013年には生産量が2,000トンにまで落ち込み、それまでの平均を大きく下回る危機的な数値を記録しました。この背景には、国内の政治的混乱やインフラ不足、そして農業政策の不備が大きな影響を及ぼした可能性が考えられます。さらに、地政学的リスクや地域間衝突により、主要な農業地域での生産活動が大きく阻害されていた点も見逃せません。

しかし2010年代後半に入ると、カカオ豆生産は急速に改善し始めました。2016年には10,000トンを超え、その後も2018年に18,475トンと2年でほぼ倍増、2020年には26,337トンに達するという驚異的な成長を見せました。この急激な増加は、政府が農業分野への投資を強化したことやインフラ整備が進んだこと、さらにはカカオ栽培を支援する国際的な援助が影響を与えていると考えられます。また、世界的なカカオ需要の増加が貢献しており、中国やインドなど新興国の消費者層が、チョコレート製品への興味を示したことも大きな要因の一つです。

しかしながら、近年(2021年および2022年)における20,000トン台での横ばい傾向は、さらなる課題を示唆しています。気候変動はアフリカにおいてカカオ栽培に適した地域の縮小を引き起こす可能性があり、また新型コロナウイルスの流行による労働力不足や物流の混乱も、短期的な生産量の下降に影響を与えたと考えられます。

未来に向けてコンゴ民主共和国が取るべき具体的な対策は、次のようなものです。第一に、カカオ栽培農家への経済的支援を強化し、品質の高いカカオ種子や技術研修の提供を積極的に行うことが重要です。これにより、生産性を向上させるとともに、農家の収益を安定させることができます。第二に、物流インフラを整備し、国内外市場への輸送効率を改善することが求められます。例えば、主要港湾施設へのアクセス向上や冷蔵輸送の導入が考えられます。第三に、国際的な貿易協定を活用して市場拡大を目指すことが賢明です。アフリカ全体での農産物輸出の枠組みが充実しつつある現在、地域間協力を一層深める動きが効果的です。

上述のような対策を講じることにより、コンゴ民主共和国はカカオ生産という分野でさらに競争力を高めることができます。同時に、カカオ豆市場は地政学的リスクや気候変動の影響を強く受けやすいため、それらへの柔軟な対応計画も必要です。したがって、長期的には多角的な農産品政策を通じて持続可能な農業を支える取り組みが求められます。このような努力を積み重ねることで、同国の農業セクターが繁栄し、国内経済の安定や成長にも寄与することが期待されます。