世界のバナナ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2008年度のバナナ生産量ランキングによると、1位は2,621万7,000トンを生産したインド、2位はフィリピンの868万7,624トン、3位は中国の783万4700トンでした。このデータは、世界中の主要なバナナ生産国の分布を反映しており、アジアから南アメリカにかけての地域が特に生産量で際立っていることを示しています。一方で、日本は111位でわずか165トンにとどまり、消費国としての役割が中心であることが伺えます。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	インド	アジア	26,217,000
2	フィリピン	アジア	8,687,624
3	中国	アジア	7,834,700
4	ブラジル	南アメリカ	6,998,150
5	エクアドル	南アメリカ	6,701,145
6	インドネシア	アジア	6,004,615
7	ルワンダ	アフリカ	2,604,000
8	タンザニア連合共和国	アフリカ	2,447,098
9	グアテマラ	南アメリカ	2,297,704
10	メキシコ	南アメリカ	2,150,801
11	コスタリカ	南アメリカ	2,127,000
12	コロンビア	南アメリカ	1,987,603
13	ブルンジ	アフリカ	1,759,961
14	アンゴラ	アフリカ	1,722,507
15	ケニア	アフリカ	1,686,930
16	タイ	アジア	1,540,476
17	ベトナム	アジア	1,400,000
18	カメルーン	アフリカ	1,078,041
19	エジプト	アフリカ	1,062,453
20	パプアニューギニア	オセアニア	970,000
21	バングラデシュ	アジア	877,123
22	ホンジュラス	南アメリカ	690,503
23	パナマ	南アメリカ	456,522
24	ドミニカ共和国	南アメリカ	446,561
25	マラウイ	アフリカ	394,000
26	南アフリカ	アフリカ	393,141
27	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	383,836
28	スペイン	ヨーロッパ	371,228
29	マダガスカル	アフリカ	320,761
30	コンゴ民主共和国	アフリカ	315,470
31	ハイチ	南アメリカ	289,969
32	キューバ	南アメリカ	280,800
33	マレーシア	アジア	272,331
34	コートジボワール	アフリカ	249,247
35	モザンビーク	アフリカ	245,000
36	モロッコ	アフリカ	214,712
37	中国、台湾 中国省	アジア	207,702
38	オーストラリア	オセアニア	207,061
39	トルコ	アジア	201,115
40	エチオピア	アフリカ	194,333
41	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	183,305
42	アルゼンチン	南アメリカ	180,000
43	ギニア	アフリカ	162,000
44	パキスタン	アジア	157,962
45	ラオス人民民主共和国	アジア	152,190
46	カンボジア	アジア	151,000
47	イエメン	アジア	128,796
48	リベリア	アフリカ	120,000
49	中央アフリカ共和国	アフリカ	116,032
50	マリ	アフリカ	114,462
51	イラン（イスラム共和国）	アジア	113,366
52	ジンバブエ	アフリカ	95,603
53	レバノン	アジア	89,700
54	スリナム	南アメリカ	88,724
55	イスラエル	アジア	85,186
56	コンゴ	アフリカ	79,500
57	ネパール	アジア	76,792
58	プエルトリコ	南アメリカ	70,252
59	コモロ	アフリカ	69,436
60	ベリーズ	南アメリカ	68,050
61	ガーナ	アフリカ	63,000
62	パラグアイ	南アメリカ	58,321
63	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	52,000
64	セントルシア	南アメリカ	43,798
65	セネガル	アフリカ	42,000
66	ヨルダン	アジア	41,540
67	ニカラグア	南アメリカ	36,285
68	ジャマイカ	南アメリカ	36,200
69	サントメ・プリンシペ	アフリカ	32,814
70	ソマリア	アフリカ	30,453
71	オマーン	アジア	29,000
72	赤道ギニア	アフリカ	25,907
73	サモア	オセアニア	23,745
74	ポルトガル	ヨーロッパ	23,698
75	トーゴ	アフリカ	19,500
76	ドミニカ	南アメリカ	18,740
77	バヌアツ	オセアニア	15,031
78	ベナン	アフリカ	14,500
79	ガボン	アフリカ	13,940
80	モーリシャス	アフリカ	10,463
81	フィジー	オセアニア	8,426
82	モルディブ	アジア	8,210
83	アメリカ合衆国	北アメリカ	7,890
84	カーボベルデ	アフリカ	7,000
85	バハマ	南アメリカ	6,500
86	キリバス	オセアニア	5,922
87	ギニアビサウ	アフリカ	5,800
88	キプロス	アジア	5,650
89	エスワティニ	アフリカ	5,343
90	パレスチナ国	アジア	5,120
91	ガイアナ	南アメリカ	4,605
92	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	4,500
93	ギリシャ	ヨーロッパ	3,617
94	グレナダ	南アメリカ	3,060
95	ミクロネシア連邦	オセアニア	2,042
96	セーシェル	アフリカ	1,900
97	ブータン	アジア	1,648
98	ニューカレドニア	オセアニア	1,256
99	トンガ	オセアニア	832
100	ブルネイ ダルサラーム	アジア	800
101	バルバドス	南アメリカ	761
102	東ティモール	アジア	710
103	ザンビア	アフリカ	650
104	シリア・アラブ共和国	アジア	460
105	イタリア	ヨーロッパ	350
106	ソロモン諸島	オセアニア	325
107	ツバル	オセアニア	276
108	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	225
109	フランス領ポリネシア	オセアニア	192
110	アラブ首長国連邦	アジア	170
111	日本	アジア	165
112	アルジェリア	アフリカ	92
113	ニウエ	オセアニア	80
114	クック諸島	オセアニア	58
115	トケラウ	オセアニア	16
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バナナは世界の主要な輸出農産物であり、多くの国々にとって経済的および食糧安全保障における重要な作物です。2008年度のデータでは、インドが圧倒的な生産量を誇り、2位のフィリピンや3位の中国を大きく引き離しています。これは、この地域が熱帯性気候であり、バナナの栽培に理想的な条件が整っていることが主な要因です。例えば、安定した降雨量や高温多湿な環境が、高い生産性を可能にしています。

南アメリカではブラジルとエクアドルがそれぞれ4位、5位にランクインしており、特にエクアドルはバナナ輸出国として世界的に知られています。また、アフリカではルワンダやタンザニア連合共和国などが上位10カ国に入っており、この地域では農業が経済の基盤となっています。しかし、これらの国々では生産の多くが国内消費や近隣諸国への輸出にとどまり、グローバルな輸出市場での存在感は比較的限定的です。

一方、ヨーロッパや北アメリカは気候的条件からバナナ生産が極めて少なく、多くの国々が消費国としての役割を担っています。日本を含むこれらの地域では、生産量がわずかで国内需要は主に輸入に依存しています。特に日本は2008年度にわずか165トンの生産量で、極めて限定的な生産規模と言えます。

このデータはまた、地域ごとにバナナ生産の課題と機会が異なることを示しています。アジア全体では、生産量の増加に伴う労働者の福祉や輸出インフラの整備が課題となっており、南アメリカでは農薬使用などの環境影響が深刻化しています。アフリカでは、小規模農家の生産効率向上が持続可能な供給のための鍵とされています。

地政学的リスクにも配慮する必要があります。自然災害や地域紛争、さらに気候変動による長期的な影響が農業セクター全体に悪影響を及ぼす懸念が高まっています。例えば、エクアドルやフィリピンなどの主要生産国では、台風や洪水といった災害が輸出用農作物の収穫に大きなダメージを与えることがしばしば報告されています。また、紛争地域近くの農業活動は、物流や労働環境への影響が無視できません。

今後の対策としては、以下のような取り組みを提案します。一つは、農業技術の推進による生産効率の向上です。例えば、耐病性のある作物やスマート農業技術の導入による生産量の安定化が重要です。次に、輸出国と輸入国の間での貿易交渉を促進し、地域ごとの輸出入の非関税障壁を低減させる協力が不可欠です。また、途上国の生産者が公正な価格で取引を行えるよう、フェアトレードの推進も欠かせません。さらに、感染症対策や自然災害への備え、特に洪水対策や台風災害対策の実施が、主要生産地でのリスク軽減に寄与するでしょう。

全体として、このランキングは単なる数字以上のものを示しています。それは、バナナの生産がその地域の社会・経済・環境に密接に関連していることです。そして、持続可能かつ公平で安全な供給を確保するためには、各国の協力および国際機関の取り組みがより一層重要となるでしょう。