世界のバナナ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

Food and Agriculture Organization（国際連合食糧農業機関）が発表した2002年度のバナナ生産量ランキングによると、インドが13,304,400トンで世界のトップを占めています。続いてブラジル（6,689,179トン）とエクアドル（5,611,438トン）がランクインしています。アジア、南米、アフリカ地域がバナナ生産の主要な担い手であり、日本は400トンでランキング110位となっています。これは、バナナの生産地としての条件が国ごとに大きく異なることを如実に示しています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	インド	アジア	13,304,400
2	ブラジル	南アメリカ	6,689,179
3	エクアドル	南アメリカ	5,611,438
4	中国	アジア	5,557,000
5	フィリピン	アジア	5,274,826
6	インドネシア	アジア	4,384,384
7	ルワンダ	アフリカ	2,784,870
8	タンザニア連合共和国	アフリカ	2,204,620
9	タイ	アジア	2,060,508
10	メキシコ	南アメリカ	1,996,775
11	コスタリカ	南アメリカ	1,975,000
12	グアテマラ	南アメリカ	1,762,537
13	ブルンジ	アフリカ	1,602,979
14	コロンビア	南アメリカ	1,561,058
15	ベトナム	アジア	1,097,000
16	ケニア	アフリカ	1,073,001
17	エジプト	アフリカ	877,588
18	パプアニューギニア	オセアニア	860,000
19	カメルーン	アフリカ	692,886
20	ホンジュラス	南アメリカ	659,324
21	バングラデシュ	アジア	654,000
22	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	590,847
23	パナマ	南アメリカ	521,692
24	ドミニカ共和国	南アメリカ	502,877
25	マレーシア	アジア	500,000
26	アンゴラ	アフリカ	480,000
27	スペイン	ヨーロッパ	408,733
28	南アフリカ	アフリカ	362,290
29	マラウイ	アフリカ	330,000
30	コートジボワール	アフリカ	319,726
31	コンゴ民主共和国	アフリカ	313,380
32	オーストラリア	オセアニア	313,314
33	ハイチ	南アメリカ	308,000
34	マルティニーク	南アメリカ	306,760
35	マダガスカル	アフリカ	300,000
36	中国、台湾 中国省	アジア	226,521
37	キューバ	南アメリカ	206,900
38	アルゼンチン	南アメリカ	180,000
39	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	170,110
40	エチオピア	アフリカ	170,000
41	モロッコ	アフリカ	162,300
42	パキスタン	アジア	154,073
43	ギニア	アフリカ	152,559
44	カンボジア	アジア	146,000
45	中央アフリカ共和国	アフリカ	115,000
46	ジャマイカ	南アメリカ	109,000
47	リベリア	アフリカ	108,456
48	モザンビーク	アフリカ	108,000
49	グアドループ	南アメリカ	100,000
50	イエメン	アジア	97,113
51	イスラエル	アジア	96,400
52	トルコ	アジア	95,000
53	マリ	アフリカ	89,763
54	ジンバブエ	アフリカ	87,989
55	コンゴ	アフリカ	84,393
56	ラオス人民民主共和国	アジア	84,000
57	レバノン	アジア	67,700
58	セントルシア	南アメリカ	65,000
59	コモロ	アフリカ	60,891
60	ニカラグア	南アメリカ	56,366
61	プエルトリコ	南アメリカ	49,918
62	パラグアイ	南アメリカ	48,650
63	イラン（イスラム共和国）	アジア	48,006
64	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	48,000
65	ヨルダン	アジア	47,403
66	ネパール	アジア	47,400
67	ベリーズ	南アメリカ	42,974
68	ソマリア	アフリカ	36,900
69	オマーン	アジア	32,915
70	ポルトガル	ヨーロッパ	29,227
71	サントメ・プリンシペ	アフリカ	26,608
72	ドミニカ	南アメリカ	24,645
73	赤道ギニア	アフリカ	22,474
74	サモア	オセアニア	21,500
75	ガイアナ	南アメリカ	20,061
76	セネガル	アフリカ	19,504
77	トーゴ	アフリカ	18,000
78	ガーナ	アフリカ	14,000
79	バヌアツ	オセアニア	13,500
80	ベナン	アフリカ	13,087
81	ガボン	アフリカ	12,618
82	キプロス	アジア	10,500
83	アメリカ合衆国	北アメリカ	9,070
84	スリナム	南アメリカ	8,071
85	モーリシャス	アフリカ	7,200
86	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	6,500
87	カーボベルデ	アフリカ	5,898
88	パレスチナ国	アジア	5,442
89	キリバス	オセアニア	4,800
90	フランス領ギアナ	南アメリカ	4,500
91	グレナダ	南アメリカ	4,100
92	ギニアビサウ	アフリカ	4,096
93	フィジー	オセアニア	3,980
94	ギリシャ	ヨーロッパ	3,876
95	バハマ	南アメリカ	3,200
96	モルディブ	アジア	3,000
97	ミクロネシア連邦	オセアニア	2,037
98	セーシェル	アフリカ	2,000
99	レユニオン	アフリカ	1,703
100	アルジェリア	アフリカ	1,548
101	東ティモール	アジア	1,000
102	ザンビア	アフリカ	850
103	トンガ	オセアニア	753
104	シリア・アラブ共和国	アジア	732
105	ブルネイ ダルサラーム	アジア	714
106	フランス領ポリネシア	オセアニア	700
107	ニューカレドニア	オセアニア	675
108	エスワティニ	アフリカ	669
109	バルバドス	南アメリカ	570
110	日本	アジア	400
111	イタリア	ヨーロッパ	397
112	ソロモン諸島	オセアニア	330
113	ツバル	オセアニア	260
114	クック諸島	オセアニア	200
115	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	200
116	アラブ首長国連邦	アジア	131
117	ニウエ	オセアニア	79
118	トケラウ	オセアニア	15
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2002年、世界のバナナ生産量ランキングでは、インド、ブラジル、エクアドルが上位3カ国に名を連ねています。インドが世界一の生産量を誇る背景には、バナナが国内の食文化における主要な果物であるという事情があります。また、国内の広大な耕地面積に加え、一年を通して温暖な気候条件が揃っている点が、この結果を支えています。ブラジルとエクアドルは、主に輸出用バナナとして世界市場でも重要な役割を果たしています。特にエクアドルは世界有数のバナナ輸出国として知られ、輸出志向の生産体制を整えています。

アジア地域ではインドに続き、中国（5,557,000トン）、フィリピン（5,274,826トン）、インドネシア（4,384,384トン）が高い順位に位置しています。これらは熱帯性気候に恵まれていると同時に、国内市場でのバナナの需要が高いことが勢いとなっています。一方で日本のバナナ生産量は400トンで、これは国内需要のほぼすべてを輸入に依存している現状を反映しています。輸入元としてはフィリピンが主流であり、安定した供給関係が構築されています。

アフリカではルワンダ（2,784,870トン）とタンザニア（2,204,620トン）がトップ10に入っており、これらの国々ではバナナが主食としての役割を果たしています。一方で、インフラの未整備や輸送手段の制限により、生産されたバナナの多くが国内消費に限定される傾向があります。これらの課題は、持続可能な農業発展や国際市場への参入拡大を阻む要因となっています。

地政学的な観点では、気候変動や地域的な紛争がバナナ生産にとって大きなリスク要因となっています。特に気温上昇や降雨パターンの変化は、バナナ栽培を直撃する可能性があります。さらに、単一品種の栽培による病害リスクも深刻な問題です。例として、バナナウイルスや土壌病害が広がると、生産地で壊滅的な損害をもたらしかねません。このため、遺伝的多様性を確保する取り組みが国際的に求められます。

今後の対策としては、まず生産技術の向上が必要です。例えば、革新的な灌漑技術や病害対策用の研究に投資することで、バナナの生産効率を高めることができます。また、特に新興国では、地域間協力を通じた農業インフラ整備が期待されます。フィリピンやエクアドルのような輸出国は、生産拡大とともに持続可能な農業手法の導入を進めるべきです。そして、国際社会としては気候変動対策の取り組みを強化し、特に貧困や不平等の解消にも重点を置く必要があります。

2002年時点のデータは、バナナが世界の果物生産・消費において重要な位置を占めることを示しています。しかし、持続可能な取引構造や環境負荷の軽減が不可欠であることも同時に明らかにしています。これを基に、各国および国際機関がいかに未来志向の政策を構築していくかが問われています。