世界のバナナ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1988年の国連食糧農業機関（FAO）の発表によると、バナナの生産量ランキングではインドが1位（約5,989,900トン）、ブラジルが2位（約5,357,250トン）、フィリピンが3位（約3,645,135トン）となっています。上位5カ国を合わせると、世界全体におけるバナナ生産量の約40％を占めています。一方で、アジア諸国の多くは国内需要が高く、輸出台数が限られている状況です。日本は105位（640トン）であり、世界的にはバナナ生産の主要プレーヤーではありません。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	インド	アジア	5,989,900
2	ブラジル	南アメリカ	5,357,250
3	フィリピン	アジア	3,645,135
4	エクアドル	南アメリカ	2,576,096
5	ルワンダ	アフリカ	2,400,200
6	インドネシア	アジア	2,308,378
7	メキシコ	南アメリカ	2,077,534
8	中国	アジア	1,829,672
9	タイ	アジア	1,606,000
10	ブルンジ	アフリカ	1,508,600
11	パナマ	南アメリカ	1,237,527
12	コロンビア	南アメリカ	1,225,000
13	ベトナム	アジア	1,215,000
14	ホンジュラス	南アメリカ	1,179,900
15	コスタリカ	南アメリカ	1,162,058
16	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	1,099,694
17	ケニア	アフリカ	780,000
18	カメルーン	アフリカ	611,914
19	バングラデシュ	アジア	608,921
20	パプアニューギニア	オセアニア	550,000
21	マレーシア	アジア	490,000
22	ウガンダ	アフリカ	480,000
23	コンゴ民主共和国	アフリカ	403,000
24	グアテマラ	南アメリカ	398,000
25	スペイン	ヨーロッパ	395,000
26	ドミニカ共和国	南アメリカ	390,937
27	エジプト	アフリカ	355,000
28	アルゼンチン	南アメリカ	323,600
29	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	308,663
30	アンゴラ	アフリカ	280,000
31	中国、台湾 中国省	アジア	228,725
32	マダガスカル	アフリカ	226,000
33	マルティニーク	南アメリカ	219,253
34	パキスタン	アジア	205,148
35	キューバ	南アメリカ	202,628
36	ハイチ	南アメリカ	200,000
37	南アフリカ	アフリカ	194,937
38	セントルシア	南アメリカ	168,060
39	タンザニア連合共和国	アフリカ	162,500
40	オーストラリア	オセアニア	160,137
41	グアドループ	南アメリカ	150,464
42	ジャマイカ	南アメリカ	135,000
43	コートジボワール	アフリカ	132,890
44	ギニア	アフリカ	119,000
45	ソマリア	アフリカ	115,200
46	カンボジア	アジア	110,000
47	ニカラグア	南アメリカ	95,064
48	中央アフリカ共和国	アフリカ	89,000
49	プエルトリコ	南アメリカ	88,967
50	マラウイ	アフリカ	86,000
51	イスラエル	アジア	84,824
52	モザンビーク	アフリカ	82,000
53	ドミニカ	南アメリカ	76,872
54	パラグアイ	南アメリカ	75,083
55	リベリア	アフリカ	70,000
56	ジンバブエ	アフリカ	70,000
57	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	64,887
58	スリナム	南アメリカ	52,894
59	ポルトガル	ヨーロッパ	49,950
60	コモロ	アフリカ	48,700
61	イエメン	アジア	45,681
62	マリ	アフリカ	42,000
63	トルコ	アジア	35,000
64	ベリーズ	南アメリカ	35,000
65	ヨルダン	アジア	33,288
66	コンゴ	アフリカ	32,510
67	レバノン	アジア	29,495
68	モロッコ	アフリカ	25,300
69	サモア	オセアニア	23,300
70	オマーン	アジア	22,100
71	大韓民国	アジア	20,000
72	トーゴ	アフリカ	16,000
73	赤道ギニア	アフリカ	15,500
74	ガイアナ	南アメリカ	14,200
75	グレナダ	南アメリカ	14,000
76	ラオス人民民主共和国	アジア	13,000
77	ベナン	アフリカ	13,000
78	ギリシャ	ヨーロッパ	11,651
79	バヌアツ	オセアニア	10,200
80	キプロス	アジア	9,500
81	ガボン	アフリカ	8,500
82	モーリシャス	アフリカ	7,920
83	バハマ	南アメリカ	6,700
84	アメリカ合衆国	北アメリカ	6,000
85	セネガル	アフリカ	6,000
86	フィジー	オセアニア	5,800
87	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	5,600
88	カーボベルデ	アフリカ	5,400
89	サントメ・プリンシペ	アフリカ	5,150
90	レユニオン	アフリカ	4,520
91	ガーナ	アフリカ	4,000
92	東ティモール	アジア	3,800
93	キリバス	オセアニア	3,800
94	トンガ	オセアニア	2,000
95	ギニアビサウ	アフリカ	1,800
96	イラン（イスラム共和国）	アジア	1,554
97	セーシェル	アフリカ	1,500
98	エスワティニ	アフリカ	1,000
99	ニューカレドニア	オセアニア	1,000
100	バルバドス	南アメリカ	780
101	クック諸島	オセアニア	750
102	ブルネイ ダルサラーム	アジア	750
103	モルディブ	アジア	746
104	バーレーン	アジア	655
105	日本	アジア	640
106	ザンビア	アフリカ	620
107	ニウエ	オセアニア	570
108	フランス領ポリネシア	オセアニア	460
109	ソロモン諸島	オセアニア	250
110	シンガポール	アジア	195
111	ツバル	オセアニア	190
112	アラブ首長国連邦	アジア	164
113	フランス領ギアナ	南アメリカ	150
114	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	84
115	イタリア	ヨーロッパ	30
116	トケラウ	オセアニア	15
117	シリア・アラブ共和国	アジア	10
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1988年のデータによると、バナナ生産量で世界トップのインドは、アジアを代表する農業大国の一つとしての地位を確立しています。インドが大きなシェアを占める理由としては、広大な耕地面積、年間を通じた適切な気候条件、そしてバナナが国内の食文化において不可欠な果実であることが挙げられます。この特徴はブラジル、フィリピン、エクアドルといった他の上位国にも共通しており、多くの国が主として内需を満たすことが目的となっています。

このランキングでは、バナナが単に果物としてだけでなく、多くの発展途上国において経済的基盤を形成していることが分かります。例えば、エクアドルやフィリピンではバナナが主要な輸出品目であり、農業従事者の雇用創出や外貨の獲得に貢献しています。一方で、ルワンダやブルンジのようなアフリカの国々では、国内消費がほとんどで、輸出に発展する産業基盤がまだ十分整っていない状況が見られます。これらの国々では、生産量を増やすだけでなく、輸出インフラの整備や市場の多角化を進めることが重要な課題です。

一方、アメリカ、ヨーロッパ、そして日本などの国々では、バナナを栽培する条件に適しておらず、生産量は非常に限られています。日本は1988年に640トンを生産し、ランキング第105位となっています。国内消費の多くが輸入に依存しており、特に東南アジアやラテンアメリカの輸出国からのバナナが流通しています。こうした市場のあり方は、気候変動や農業インフラの脆弱性によって将来影響を受ける可能性があるため、輸入先国との安定した外交関係や供給ルートの多様化が求められます。

このデータからは、地域ごとの課題も浮き彫りになります。たとえば、アフリカ諸国では慢性的な貧困や紛争の影響で農業インフラが未発展であり、それが輸出の競争力に影響を与えています。一方で、アジア諸国のように国内市場の需要が強い国では、輸出余力を拡大するためには新しい技術導入や高付加価値のバナナ品種の育成が必要です。また、ラテンアメリカでは、大規模な単一作物栽培が農地の持続可能性にリスクを与える可能性があります。これは、病害への脆弱性や土壌劣化を引き起こすため、今後は農業多様化が重要となるでしょう。

未来に向けては、バナナ生産国間の協力体制が鍵となります。具体的には、病害管理の国際協力枠組みの強化、先進的な農業技術の普及、および国際市場における公平な貿易条件の確保が求められます。また、バナナ産業が増加する人口の食料需要や雇用をいかに支えるかという視点からは、小規模農家への支援が欠かせません。さらに、気候変動への準備として、耐熱性や病害抵抗性に優れた新しいバナナ品種の開発が不可欠です。

結論として、1988年時点のデータからは、バナナが単なる農産品ではなく、食料安全保障や経済発展に密接に結びついた重要な存在であることが分かります。そのため、国際社会全体での支援と協力の下で、持続可能なバナナ生産体制を築いていくことが、将来の安定的な供給を保障する鍵となります。