世界のバナナ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1987年の世界のバナナ生産量に関するデータでは、インドが5,917,900トンで1位にランクインし、次いでブラジル（5,347,720トン）、フィリピン（3,780,135トン）が続いています。アジア、南米、アフリカといった発展途上地域が主な生産地となっていることが特徴です。一方で、日本は世界で107位に位置し、485トンの生産量を記録しましたが、国内での栽培は限られている状況です。ランキング上位の国々と下位の国々では、生産量に極めて大きな差が見られます。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	インド	アジア	5,917,900
2	ブラジル	南アメリカ	5,347,720
3	フィリピン	アジア	3,780,135
4	エクアドル	南アメリカ	2,386,503
5	ルワンダ	アフリカ	2,289,800
6	インドネシア	アジア	2,192,332
7	メキシコ	南アメリカ	2,121,838
8	中国	アジア	2,029,000
9	タイ	アジア	1,604,200
10	ブルンジ	アフリカ	1,471,600
11	パナマ	南アメリカ	1,251,291
12	コロンビア	南アメリカ	1,175,950
13	ホンジュラス	南アメリカ	1,166,284
14	ベトナム	アジア	1,150,000
15	コスタリカ	南アメリカ	1,142,607
16	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	1,038,427
17	ケニア	アフリカ	800,000
18	バングラデシュ	アジア	683,970
19	カメルーン	アフリカ	611,260
20	パプアニューギニア	オセアニア	500,000
21	マレーシア	アジア	485,000
22	ウガンダ	アフリカ	460,000
23	スペイン	ヨーロッパ	449,200
24	グアテマラ	南アメリカ	438,000
25	コンゴ民主共和国	アフリカ	402,100
26	ドミニカ共和国	南アメリカ	373,082
27	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	350,000
28	アンゴラ	アフリカ	280,000
29	エジプト	アフリカ	278,000
30	ハイチ	南アメリカ	250,000
31	アルゼンチン	南アメリカ	243,000
32	マダガスカル	アフリカ	225,900
33	パキスタン	アジア	205,748
34	マルティニーク	南アメリカ	205,243
35	中国、台湾 中国省	アジア	204,486
36	南アフリカ	アフリカ	177,859
37	キューバ	南アメリカ	166,299
38	タンザニア連合共和国	アフリカ	159,000
39	オーストラリア	オセアニア	157,720
40	グアドループ	南アメリカ	146,699
41	ジャマイカ	南アメリカ	140,000
42	コートジボワール	アフリカ	134,297
43	パラグアイ	南アメリカ	114,625
44	セントルシア	南アメリカ	113,950
45	ソマリア	アフリカ	108,000
46	ニカラグア	南アメリカ	107,934
47	ギニア	アフリカ	107,000
48	カンボジア	アジア	106,000
49	イスラエル	アジア	103,600
50	プエルトリコ	南アメリカ	90,206
51	中央アフリカ共和国	アフリカ	87,000
52	マラウイ	アフリカ	84,000
53	モザンビーク	アフリカ	80,000
54	リベリア	アフリカ	75,000
55	ジンバブエ	アフリカ	68,000
56	ドミニカ	南アメリカ	67,725
57	ポルトガル	ヨーロッパ	49,918
58	コモロ	アフリカ	47,500
59	スリナム	南アメリカ	43,204
60	イエメン	アジア	42,187
61	マリ	アフリカ	40,000
62	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	37,472
63	トルコ	アジア	35,000
64	コンゴ	アフリカ	33,147
65	レバノン	アジア	31,281
66	ベリーズ	南アメリカ	30,000
67	オマーン	アジア	23,000
68	サモア	オセアニア	23,000
69	モロッコ	アフリカ	17,300
70	トーゴ	アフリカ	16,000
71	赤道ギニア	アフリカ	15,500
72	ベナン	アフリカ	13,000
73	グレナダ	南アメリカ	12,800
74	ヨルダン	アジア	12,784
75	ラオス人民民主共和国	アジア	12,000
76	キプロス	アジア	11,000
77	ギリシャ	ヨーロッパ	10,173
78	バヌアツ	オセアニア	9,600
79	ガイアナ	南アメリカ	9,500
80	大韓民国	アジア	9,254
81	サントメ・プリンシペ	アフリカ	8,540
82	ガボン	アフリカ	8,500
83	モーリシャス	アフリカ	7,920
84	バハマ	南アメリカ	7,000
85	セネガル	アフリカ	6,000
86	フィジー	オセアニア	5,700
87	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	5,600
88	アメリカ合衆国	北アメリカ	5,170
89	東ティモール	アジア	5,000
90	レユニオン	アフリカ	4,520
91	カーボベルデ	アフリカ	4,500
92	キリバス	オセアニア	4,050
93	ガーナ	アフリカ	4,000
94	トンガ	オセアニア	3,800
95	セーシェル	アフリカ	1,500
96	ニューカレドニア	オセアニア	1,318
97	ギニアビサウ	アフリカ	1,200
98	エスワティニ	アフリカ	1,000
99	モルディブ	アジア	861
100	クック諸島	オセアニア	800
101	バルバドス	南アメリカ	780
102	ブルネイ ダルサラーム	アジア	750
103	バーレーン	アジア	650
104	ザンビア	アフリカ	600
105	ニウエ	オセアニア	565
106	フランス領ポリネシア	オセアニア	493
107	日本	アジア	485
108	シンガポール	アジア	380
109	イラン（イスラム共和国）	アジア	363
110	ソロモン諸島	オセアニア	235
111	ツバル	オセアニア	185
112	フランス領ギアナ	南アメリカ	150
113	アラブ首長国連邦	アジア	149
114	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	70
115	イタリア	ヨーロッパ	30
116	トケラウ	オセアニア	15
117	シリア・アラブ共和国	アジア	10
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国際連合食糧農業機関（FAO）が公表した1987年のデータをもとに世界のバナナ生産量を分析すると、インド、ブラジル、フィリピンが圧倒的な生産量を誇っています。インドは約590万トンという世界最大の生産量を記録しており、その背後には熱帯地域特有の気候や広大な農地、労働力の豊富さ、そして国内市場の強い需要があると考えられます。一方、2位のブラジルも5,347,720トンの生産量を維持しており、特にその南米特有の広大な農地と、国内外の市場向け輸出能力が大きな影響を与えています。また、フィリピンのランクインは、輸出国としての地位の高さを示し、バナナが重要な外貨獲得源であり、特にアジア地域で輸出主導型の農業国としての実績が際立っています。

地域別に見ると、赤道付近の国々が軒並み上位にランクインしている一方で、日本や韓国といった温帯に位置する国々では生産量が極めて小さいことが明らかです。日本は107位で485トンの生産量を記録していますが、その多くは九州や沖縄地方などのごく限られた地域で栽培されています。これに対し、アフリカの諸国ではルワンダ（2,289,800トン）やケニア（800,000トン）が北部・西部アフリカに比べて高い生産量を記録しています。この傾向は、赤道付近の高地や適切な気候条件がバナナの生育に最適であることを反映しています。

バナナの生産においては、いくつかの課題が存在しています。一つは地政学的リスクです。例えば、南米やアフリカでは土地利用を巡る紛争や不安定な政治環境が生産に影響を及ぼしています。他にも、病害虫や気候変動による自然災害の頻発が多くの地域で収量を不安定にしており、特にプランテーション型の大規模農業に依存している国々では、バナナのモノカルチャーから発生する環境問題や持続可能性の課題が深刻です。

また、課題解決のためにはいくつかの対策が必要です。例えば、気候変動の影響を受けやすい地域では耐性品種の育成や栽培技術の改良が不可欠です。また、農地管理を改善するために、効果的な灌漑システムや、バナナの作付け地と他作物とのローテーションを導入することが重要です。他にも、国際市場での不安定な価格変動や輸送インフラの不足を背景に、地域ごとの協力体制や国際支援を深めることが求められます。特に発展途上国向けには、持続可能な農業技術の習得を支援する教育プログラムの導入が効果を発揮するでしょう。

このように1987年時点のデータは、バナナ生産の地理的分布や課題を理解するのに役立ちます。将来的には、国際的な協力の枠組みを整え、生産地域の多角化を図りながら、気候変動への対応やインフラ整備を途上国中心に進める必要があります。また、輸入側の国々では、フェアトレードの推進やローカル生産のサポートによって、生産者の利益向上を目指すことが求められています。このような取り組みは、単に生産量を維持するだけでなく、持続可能なバナナ産業の強化にも寄与するはずです。