フィジーの1950年～2100年総人口推移｜実データと未来予測を徹底解説

出典：国連事務局(United Nations) World Population Prospects 2024

国連事務局経済社会局人口部が発表した統計によると、フィジーの人口は1950年には約31万人であり、その後21世紀初頭まで継続して増加を続けました。2023年には92万4千人に達しています。しかし、注目すべきは21世紀後半以降の長期的な人口減少が予測されている点です。2100年には約87万9千人と、2023年をピークに減少傾向にあります。

「フィジー」総人口推移（過去）

「フィジー」総人口推移（未来予測）

フィジーってどんな国?

正式名称: フィジー共和国
英語名: Fiji
首都: スバ（Suva）
地域: オセアニア /メラネシア
総人口: 92万人
面積: 18,270 ㎢

「フィジー」の総人口推移について

フィジーの人口推移は、同国の社会、経済、地政学的な背景を反映する重要なデータとなっています。1950年の約31万人から2023年の約92万人への成長は、出生率の高さと医療や衛生環境の改善、経済の緩やかな発展が要因として挙げられます。しかし、2023年以降は人口増加率が鈍化し、2100年には約87万人まで減少すると予測されています。このような人口動態の変化は、フィジーの発展に新たな課題を提示しています。

人口増加期には、若年層が多いことから労働力の供給が安定し、経済基盤の成長が期待できる「人口ボーナス」といわれる効果が現れます。しかし、2020年代半ば以降は出生率の低下と高齢化が進むことで労働人口が減少し始め、特に2050年以降は加速度的な人口減少と高齢化が予測されています。この変化は、フィジーが持続可能な成長を実現する上での重要な障害となります。

また、地理的特徴としてフィジーは多島国であり、経済の中心地とその他の地域との間で人口分布や生活の質において格差が生じやすいことが問題視されています。都市部では所得水準が比較的高く、若者が進学や雇用を求めて移住する傾向がありますが、これが結果として地方部の人口減少と地域経済の停滞を引き起こしています。この状況を放置すると、国家全体での経済的持続性が危ぶまれる可能性が高まります。

さらに、地政学的リスクとして、気候変動による災害のリスクが高いことがフィジーの将来的な人口減少に拍車をかける要因となる可能性があります。同国では近年、海面上昇やサイクロンの頻発による影響が顕著化しており、住民の移住が一部で進んでいます。このような環境要因も人口減少と地域間の人口分布の不均衡に寄与していると言えます。

未来を見据えた具体的対策として、出生率低下の抑制と労働人口の減少をカバーする政策が必要です。例えば、移民政策を強化して海外からの移住者を受け入れることが、人口減少の緩和策として有効です。また、地域間格差を是正するためには、農村部の生活環境や経済基盤の充実を図る政策が求められます。気候変動への適応策としては、インフラの耐災害性向上や住民の移住支援を通じて、災害リスクの軽減を図る必要があります。

国際的な枠組みとして、同様の課題を抱える太平洋諸国間での協力強化が挙げられます。例えば、共有される技術的支援や資源共有により、フィジーが単独では困難に直面する問題を効率的に解決することができます。さらに、観光や農業などの主産業を持続可能な形で発展させることで、自国内での雇用創出につながります。

データが示す人口動態の変化は、フィジーがこれから直面する課題の指標であり、同時にその解決策を模索する機会でもあります。国際社会としても、人口減少の進行がもたらす経済的・社会的影響は無視できない認識を持ち、ともに支援することが重要です。

1950年から2100年までの「フィジー」の総人口推移

年度	総人口	人口変化	増加率
1950年	30万人	+6,285	2.031% ↑
1951年	31万人	+6,935	2.194% ↑
1952年	32万人	+7,547	2.334% ↑
1953年	33万人	+8,154	2.462% ↑
1954年	33万人	+8,905	2.621% ↑
1955年	34万人	+9,746	2.792% ↑
1956年	35万人	+10,534	2.933% ↑
1957年	36万人	+10,873	2.940% ↑
1958年	38万人	+11,444	3.003% ↑
1959年	39万人	+11,931	3.038% ↑
1960年	40万人	+12,325	3.044% ↑
1961年	41万人	+12,711	3.045% ↑
1962年	43万人	+13,551	3.148% ↑
1963年	44万人	+13,929	3.135% ↑
1964年	45万人	+14,165	3.091% ↑
1965年	47万人	+14,337	3.034% ↑
1966年	48万人	+13,488	2.773% ↑
1967年	49万人	+11,283	2.262% ↑
1968年	51万人	+10,975	2.152% ↑
1969年	52万人	+10,616	2.038% ↑
1970年	53万人	+10,166	1.914% ↑
1971年	54万人	+9,701	1.793% ↑
1972年	55万人	+9,054	1.645% ↑
1973年	55万人	+8,392	1.501% ↑
1974年	56万人	+8,141	1.435% ↑
1975年	57万人	+8,694	1.510% ↑
1976年	58万人	+10,561	1.804% ↑
1977年	59万人	+13,982	2.339% ↑
1978年	61万人	+14,590	2.384% ↑
1979年	62万人	+14,953	2.385% ↑
1980年	64万人	+15,271	2.379% ↑
1981年	65万人	+15,722	2.391% ↑
1982年	67万人	+16,164	2.400% ↑
1983年	68万人	+16,678	2.418% ↑
1984年	70万人	+17,083	2.417% ↑
1985年	72万人	+17,009	2.350% ↑
1986年	73万人	+14,080	1.905% ↑
1987年	75万人	+8,389	1.118% ↑
1988年	75万人	+7,925	1.045% ↑
1989年	76万人	+7,322	0.955% ↑
1990年	77万人	+6,668	0.862% ↑
1991年	77万人	+6,012	0.771% ↑
1992年	78万人	+5,368	0.684% ↑
1993年	79万人	+4,678	0.592% ↑
1994年	79万人	+4,126	0.519% ↑
1995年	79万人	+3,824	0.479% ↑
1996年	80万人	+6,263	0.779% ↑
1997年	81万人	+10,435	1.285% ↑
1998年	82万人	+9,803	1.192% ↑
1999年	83万人	+9,338	1.123% ↑
2000年	84万人	+8,824	1.049% ↑
2001年	84万人	+8,550	1.006% ↑
2002年	85万人	+8,357	0.974% ↑
2003年	86万人	+8,116	0.937% ↑
2004年	87万人	+8,044	0.920% ↑
2005年	88万人	+7,982	0.905% ↑
2006年	89万人	+7,991	0.898% ↑
2007年	89万人	+6,942	0.773% ↑
2008年	90万人	+4,192	0.464% ↑
2009年	90万人	+3,488	0.384% ↑
2010年	91万人	+2,872	0.315% ↑
2011年	91万人	+2,267	0.248% ↑
2012年	91万人	+1,593	0.174% ↑
2013年	91万人	+1,275	0.139% ↑
2014年	91万人	+1,189	0.130% ↑
2015年	91万人	+798	0.087% ↑
2016年	91万人	+378	0.041% ↑
2017年	91万人	-1,193	-0.130% ↓
2018年	91万人	-1,964	-0.214% ↓
2019年	91万人	-2,597	-0.284% ↓
2020年	91万人	+2,724	0.298% ↑
2021年	91万人	+772	0.084% ↑
2022年	91万人	+4,650	0.506% ↑
2023年	92万人	+4,797	0.519% ↑
2024年	92万人	+4,480	0.482% ↑
2025年	93万人	+4,261	0.457% ↑
2026年	93万人	+3,993	0.426% ↑
2027年	94万人	+4,096	0.435% ↑
2028年	94万人	+3,988	0.422% ↑
2029年	94万人	+3,840	0.405% ↑
2030年	95万人	+3,809	0.400% ↑
2031年	95万人	+3,377	0.353% ↑
2032年	96万人	+3,371	0.351% ↑
2033年	96万人	+3,194	0.332% ↑
2034年	96万人	+3,156	0.327% ↑
2035年	96万人	+3,039	0.313% ↑
2036年	97万人	+3,012	0.310% ↑
2037年	97万人	+2,992	0.307% ↑
2038年	97万人	+2,811	0.287% ↑
2039年	98万人	+2,637	0.269% ↑
2040年	98万人	+2,516	0.256% ↑
2041年	98万人	+2,616	0.265% ↑
2042年	98万人	+2,188	0.221% ↑
2043年	99万人	+1,903	0.192% ↑
2044年	99万人	+1,852	0.187% ↑
2045年	99万人	+1,564	0.157% ↑
2046年	99万人	+1,471	0.148% ↑
2047年	99万人	+1,254	0.126% ↑
2048年	99万人	+1,192	0.119% ↑
2049年	99万人	+780	0.078% ↑
2050年	100万人	+650	0.065% ↑
2051年	100万人	+518	0.052% ↑
2052年	100万人	+290	0.029% ↑
2053年	100万人	+269	0.027% ↑
2054年	100万人	-5	0.000% ↓
2055年	100万人	-140	-0.014% ↓
2056年	100万人	-369	-0.037% ↓
2057年	100万人	-391	-0.039% ↓
2058年	100万人	-669	-0.067% ↓
2059年	99万人	-669	-0.067% ↓
2060年	99万人	-767	-0.077% ↓
2061年	99万人	-971	-0.097% ↓
2062年	99万人	-1,141	-0.114% ↓
2063年	99万人	-1,296	-0.130% ↓
2064年	99万人	-1,595	-0.160% ↓
2065年	99万人	-1,675	-0.169% ↓
2066年	99万人	-1,579	-0.159% ↓
2067年	98万人	-1,763	-0.178% ↓
2068年	98万人	-1,841	-0.186% ↓
2069年	98万人	-2,156	-0.219% ↓
2070年	98万人	-2,492	-0.253% ↓
2071年	98万人	-2,446	-0.249% ↓
2072年	97万人	-2,550	-0.261% ↓
2073年	97万人	-2,608	-0.267% ↓
2074年	97万人	-2,740	-0.282% ↓
2075年	97万人	-2,734	-0.282% ↓
2076年	96万人	-2,754	-0.285% ↓
2077年	96万人	-2,707	-0.281% ↓
2078年	96万人	-2,781	-0.289% ↓
2079年	95万人	-3,090	-0.322% ↓
2080年	95万人	-3,218	-0.337% ↓
2081年	95万人	-3,342	-0.351% ↓
2082年	94万人	-3,321	-0.350% ↓
2083年	94万人	-3,400	-0.359% ↓
2084年	94万人	-3,461	-0.367% ↓
2085年	93万人	-3,662	-0.390% ↓
2086年	93万人	-3,743	-0.400% ↓
2087年	93万人	-3,668	-0.394% ↓
2088年	92万人	-3,658	-0.394% ↓
2089年	92万人	-3,733	-0.404% ↓
2090年	92万人	-3,729	-0.405% ↓
2091年	91万人	-3,833	-0.418% ↓
2092年	91万人	-3,796	-0.416% ↓
2093年	90万人	-3,975	-0.437% ↓
2094年	90万人	-4,070	-0.450% ↓
2095年	90万人	-4,180	-0.464% ↓
2096年	89万人	-4,193	-0.468% ↓
2097年	89万人	-4,201	-0.471% ↓
2098年	88万人	-4,422	-0.498% ↓
2099年	88万人	-4,508	-0.510% ↓
2100年	87万人	-4,488	-0.510% ↓