世界のジャガイモ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国連食糧農業機関（FAO）の最新データによると、1996年のジャガイモ生産量ランキングでは、中国が生産量約53,040,000トンで世界首位となり、続いてロシア連邦（37,618,541トン）、ポーランド（27,217,090トン）がランクインしています。日本は3,087,000トンで第17位に位置し、アジアの他国や欧米諸国に比較すると中規模な生産国であるといえます。このデータは、食料安全保障や農業経済においてジャガイモが果たす役割を考える上での貴重な指標となります。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	53,040,000
2	ロシア連邦	ヨーロッパ	37,618,541
3	ポーランド	ヨーロッパ	27,217,090
4	アメリカ合衆国	北アメリカ	22,645,780
5	インド	アジア	18,843,300
6	ウクライナ	ヨーロッパ	18,410,000
7	ドイツ	ヨーロッパ	13,099,568
8	ベラルーシ	ヨーロッパ	10,880,500
9	オランダ	ヨーロッパ	8,081,000
10	イギリス	ヨーロッパ	7,228,000
11	フランス	ヨーロッパ	6,104,255
12	トルコ	アジア	4,950,000
13	カナダ	北アメリカ	4,093,045
14	スペイン	ヨーロッパ	3,855,800
15	ルーマニア	ヨーロッパ	3,591,378
16	イラン（イスラム共和国）	アジア	3,139,905
17	日本	アジア	3,087,000
18	コロンビア	南アメリカ	2,801,027
19	エジプト	アフリカ	2,626,021
20	ブラジル	南アメリカ	2,412,546
21	ペルー	南アメリカ	2,308,900
22	アルゼンチン	南アメリカ	2,275,035
23	イタリア	ヨーロッパ	2,055,233
24	リトアニア	ヨーロッパ	2,044,300
25	チェコ	ヨーロッパ	1,800,272
26	カザフスタン	アジア	1,656,500
27	デンマーク	ヨーロッパ	1,617,000
28	南アフリカ	アフリカ	1,592,427
29	バングラデシュ	アジア	1,491,560
30	ハンガリー	ヨーロッパ	1,308,465
31	オーストラリア	オセアニア	1,308,100
32	メキシコ	南アメリカ	1,282,365
33	モロッコ	アフリカ	1,249,500
34	スウェーデン	ヨーロッパ	1,200,900
35	ポルトガル	ヨーロッパ	1,196,142
36	アルジェリア	アフリカ	1,150,000
37	インドネシア	アジア	1,109,560
38	ラトビア	ヨーロッパ	1,081,900
39	パキスタン	アジア	1,063,529
40	ギリシャ	ヨーロッパ	1,031,300
41	ネパール	アジア	898,350
42	チリ	南アメリカ	827,633
43	スイス	ヨーロッパ	812,000
44	スロバキア	ヨーロッパ	776,640
45	オーストリア	ヨーロッパ	768,974
46	フィンランド	ヨーロッパ	765,700
47	ケニア	アフリカ	744,000
48	アイルランド	ヨーロッパ	733,000
49	大韓民国	アジア	731,027
50	マラウイ	アフリカ	702,891
51	クロアチア	ヨーロッパ	666,020
52	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	625,794
53	イラク	アジア	586,000
54	キルギスタン	アジア	562,366
55	エクアドル	南アメリカ	547,857
56	タンザニア連合共和国	アフリカ	526,696
57	ウズベキスタン	アジア	513,600
58	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	510,000
59	エストニア	ヨーロッパ	500,194
60	ニュージーランド	オセアニア	455,700
61	シリア・アラブ共和国	アジア	439,140
62	アルメニア	アジア	423,163
63	ノルウェー	ヨーロッパ	419,500
64	モルドバ共和国	ヨーロッパ	382,585
65	キューバ	南アメリカ	364,958
66	エチオピア	アフリカ	360,000
67	イスラエル	アジア	353,100
68	レバノン	アジア	352,121
69	サウジアラビア	アジア	349,066
70	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	346,500
71	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	320,708
72	ベトナム	アジア	320,000
73	ブルガリア	ヨーロッパ	319,388
74	ウガンダ	アフリカ	318,000
75	グルジア	アジア	285,600
76	マダガスカル	アフリカ	280,000
77	チュニジア	アフリカ	270,000
78	アフガニスタン	アジア	233,000
79	キプロス	アジア	228,000
80	ミャンマー	アジア	215,800
81	アゼルバイジャン	アジア	214,556
82	リビア	アフリカ	206,000
83	ルワンダ	アフリカ	195,381
84	グアテマラ	南アメリカ	193,697
85	イエメン	アジア	182,815
86	スロベニア	ヨーロッパ	181,073
87	北マケドニア	ヨーロッパ	156,612
88	アルバニア	ヨーロッパ	131,590
89	ウルグアイ	南アメリカ	122,000
90	タジキスタン	アジア	107,700
91	スリランカ	アジア	100,755
92	ナイジェリア	アフリカ	99,000
93	ヨルダン	アジア	95,170
94	タイ	アジア	89,546
95	コンゴ民主共和国	アフリカ	87,465
96	フィリピン	アジア	84,946
97	レソト	アフリカ	73,353
98	モザンビーク	アフリカ	67,434
99	コスタリカ	南アメリカ	55,124
100	パレスチナ国	アジア	54,631
101	マリ	アフリカ	50,000
102	モンゴル	アジア	46,022
103	ブルンジ	アフリカ	42,385
104	カメルーン	アフリカ	39,000
105	エリトリア	アフリカ	39,000
106	中国、台湾 中国省	アジア	38,698
107	ラオス人民民主共和国	アジア	33,000
108	マルタ	ヨーロッパ	32,000
109	ジンバブエ	アフリカ	31,000
110	ブータン	アジア	28,063
111	アンゴラ	アフリカ	28,000
112	クウェート	アジア	27,979
113	ニカラグア	南アメリカ	27,500
114	ドミニカ共和国	南アメリカ	23,368
115	トルクメニスタン	アジア	21,300
116	チャド	アフリカ	19,821
117	ホンジュラス	南アメリカ	19,086
118	パナマ	南アメリカ	17,815
119	ニジェール	アフリカ	13,850
120	ジャマイカ	南アメリカ	13,775
121	アイスランド	ヨーロッパ	11,213
122	モーリシャス	アフリカ	10,639
123	ザンビア	アフリカ	10,000
124	エルサルバドル	南アメリカ	7,750
125	ハイチ	南アメリカ	7,000
126	レユニオン	アフリカ	6,460
127	セネガル	アフリカ	6,220
128	エスワティニ	アフリカ	6,139
129	オマーン	アジア	5,650
130	アラブ首長国連邦	アジア	4,303
131	コンゴ	アフリカ	2,966
132	カーボベルデ	アフリカ	2,305
133	ニューカレドニア	オセアニア	2,207
134	パラグアイ	南アメリカ	1,838
135	フェロー諸島	ヨーロッパ	1,512
136	ブルキナファソ	アフリカ	1,230
137	フランス領ポリネシア	オセアニア	1,068
138	中央アフリカ共和国	アフリカ	950
139	モーリタニア	アフリカ	830
140	コモロ	アフリカ	790
141	パプアニューギニア	オセアニア	430
142	ベリーズ	南アメリカ	239
143	ベナン	アフリカ	212
144	東ティモール	アジア	131
145	ドミニカ	南アメリカ	106
146	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	102
147	フィジー	オセアニア	85
148	カタール	アジア	52
149	バーレーン	アジア	25
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1996年のジャガイモ生産量ランキングでは、中国が全世界の生産量の中で圧倒的な生産シェアを持つ国として際立っています。約5,300万トンという生産量は、第二位のロシア連邦の約1.4倍に及び、ジャガイモが中国国内での主要農作物の一つであることを示しています。この背景には、中国が広大な土地面積を有すること、多様な気候条件に適した作付けが可能であること、市場需要の充足のために生産効率を高めていることなどが考えられます。一方でロシアやポーランドも生産量の上位に入り、特にロシア連邦は寒冷な気候を活かした栽培技術で全体順位を高めています。

アジア地域に目を向けると、中国に次いでインドが約1,880万トンを生産し、5位にランクインしています。インドの生産量は中国の約35％に留まるものの、作物多様化を進めている同国においては特に北部地域でジャガイモが伝統的な食料作物として栽培されています。同じアジアの中で日本は17位となり、生産量約308万トンにとどまっています。これは日本の農業が限られた土地資源を効率的に活用する一方、ジャガイモへの依存度が他国ほど高くない文化的背景を反映しているといえます。

ヨーロッパ地域は、ポーランドやドイツ、イギリス、フランスなど、多くの国が上位に入っています。ポーランドは、第3位という順位でヨーロッパの中でも重要な生産国として知られ、約2,720万トンを生産しています。一方で、西ヨーロッパの国々、特にイギリスやフランスなどではジャガイモを主食および重要な輸出品としての地位を持ち、高い技術力と市場化の進展が生産量に影響を与えています。

一方、ジャガイモの生産が全体的に低い国々にも注意が必要です。例えば、アフリカ諸国や南太平洋の島嶼国家では、生産量が1,000トン以下となっている国が少なくありません。このような地域では、主食がトウモロコシやキャッサバ、バナナなどに偏重する傾向があるため、ジャガイモの栽培は食文化や経済規模、土地利用の観点から限定的です。また、こうした地域が気候変動や経済的制約などにより、潜在的な食料供給不足に陥る可能性が懸念されます。

このデータから浮かび上がる課題として、ジャガイモを含めた農産物の地理的生産分布の偏在が挙げられます。大量生産国である中国やロシア、ポーランドに依存する形では、気候変動や疫病、地政学的リスク（例：ロシアとウクライナの紛争など）などが発生した際、世界的な供給不足を引き起こす可能性があります。さらに、インフラが整っていない地域ではジャガイモの生産・保存技術が依然として課題となっており、収穫後の損失が多いことも指摘されています。これに対し、国際機関や各国政府は、科学技術投入（例えば耐病性や干ばつ適応性のある品種の開発）、地域間協力による技術共有、冷蔵保存施設の整備などをすすめる必要があります。

また、将来的には持続可能な農業の推進が求められます。化学肥料や水資源の適正利用、また地域内消費を促進するための地産地消の取り組みは、ジャガイモを含む農産物市場の安定化と環境負荷の軽減に寄与する施策として提案できます。特に気候変動や人口増加による食料需要の上昇を考慮すると、各国はただ輸出や生産量の拡大に依存するのではなく、持続可能な農業モデルを構築することが不可欠です。

海を越えた地域協力や人道的支援もまた重要な役割を果たします。生産性の低い地域への資本投資や技術支援を行うことで、貧困削減や食料安全保障の向上が期待されます。このランキングは単なる生産量の指標にとどまらず、世界の農業と経済の現状、そして未来の可能性を示しています。