世界の牛乳生産量ランキング【1961〜2022】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関が最新の分析に基づき公表した「1978年度世界の牛乳生産量ランキング」によると、世界最大の牛乳生産国はアメリカ合衆国で、約5,509万トンに達しました。2位はドイツ（約3,054万トン）、3位にはインド（約2,900万トン）が続いています。一方、日本は世界15位で、約611万トンを生産しました。このデータは、各国における酪農業の規模や技術水準、地理的条件が牛乳生産量にどのような影響を与えたかを示しており、地域ごとの特長と課題を明らかにしています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	55,093,488
2	ドイツ	ヨーロッパ	30,541,569
3	インド	アジア	29,000,000
4	フランス	ヨーロッパ	25,779,000
5	ポーランド	ヨーロッパ	17,112,904
6	イギリス	ヨーロッパ	15,903,000
7	オランダ	ヨーロッパ	11,367,000
8	イタリア	ヨーロッパ	10,823,840
9	ブラジル	南アメリカ	10,178,416
10	トルコ	アジア	9,011,750
11	パキスタン	アジア	8,670,000
12	カナダ	北アメリカ	7,622,033
13	メキシコ	南アメリカ	6,978,240
14	スペイン	ヨーロッパ	6,240,333
15	日本	アジア	6,116,615
16	ニュージーランド	オセアニア	6,081,133
17	オーストラリア	オセアニア	5,660,000
18	デンマーク	ヨーロッパ	5,323,700
19	アルゼンチン	南アメリカ	5,212,736
20	ルーマニア	ヨーロッパ	4,721,400
21	アイルランド	ヨーロッパ	4,697,000
22	スイス	ヨーロッパ	3,542,000
23	オーストリア	ヨーロッパ	3,394,596
24	スウェーデン	ヨーロッパ	3,298,000
25	フィンランド	ヨーロッパ	3,224,900
26	中国	アジア	2,761,600
27	イラン（イスラム共和国）	アジア	2,700,000
28	南アフリカ	アフリカ	2,370,000
29	ハンガリー	ヨーロッパ	2,369,623
30	ソマリア	アフリカ	2,125,922
31	ブルガリア	ヨーロッパ	2,002,990
32	コロンビア	南アメリカ	1,937,250
33	ノルウェー	ヨーロッパ	1,925,300
34	エジプト	アフリカ	1,858,700
35	ギリシャ	ヨーロッパ	1,665,289
36	バングラデシュ	アジア	1,438,435
37	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	1,239,187
38	ケニア	アフリカ	1,216,862
39	チリ	南アメリカ	1,018,173
40	キューバ	南アメリカ	900,000
41	エクアドル	南アメリカ	871,073
42	ペルー	南アメリカ	840,950
43	ポルトガル	ヨーロッパ	811,399
44	アフガニスタン	アジア	801,700
45	シリア・アラブ共和国	アジア	792,204
46	アルジェリア	アフリカ	780,500
47	ウルグアイ	南アメリカ	752,630
48	イスラエル	アジア	741,400
49	ネパール	アジア	734,500
50	モロッコ	アフリカ	672,280
51	イラク	アジア	585,250
52	ニカラグア	南アメリカ	465,160
53	ジンバブエ	アフリカ	440,000
54	プエルトリコ	南アメリカ	439,880
55	マダガスカル	アフリカ	427,000
56	タンザニア連合共和国	アフリカ	406,320
57	ウガンダ	アフリカ	380,776
58	マリ	アフリカ	360,498
59	アルバニア	ヨーロッパ	339,640
60	大韓民国	アジア	324,167
61	ニジェール	アフリカ	321,660
62	ドミニカ共和国	南アメリカ	314,700
63	コスタリカ	南アメリカ	310,130
64	ミャンマー	アジア	291,494
65	チュニジア	アフリカ	277,118
66	ナイジェリア	アフリカ	277,000
67	グアテマラ	南アメリカ	274,900
68	エルサルバドル	南アメリカ	252,960
69	サウジアラビア	アジア	241,450
70	モンゴル	アジア	240,400
71	インドネシア	アジア	229,800
72	スリランカ	アジア	228,820
73	ホンジュラス	南アメリカ	224,637
74	モーリタニア	アフリカ	219,400
75	パラグアイ	南アメリカ	149,186
76	チャド	アフリカ	148,445
77	アンゴラ	アフリカ	145,000
78	アイスランド	ヨーロッパ	132,900
79	セネガル	アフリカ	103,177
80	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	102,100
81	リビア	アフリカ	98,330
82	イエメン	アジア	94,604
83	パナマ	南アメリカ	93,435
84	ボツワナ	アフリカ	86,625
85	ブルキナファソ	アフリカ	85,780
86	レバノン	アジア	83,500
87	カメルーン	アフリカ	81,700
88	モザンビーク	アフリカ	69,903
89	ナミビア	アフリカ	68,000
90	キプロス	アジア	61,468
91	ルワンダ	アフリカ	59,180
92	ザンビア	アフリカ	57,300
93	ブルンジ	アフリカ	57,120
94	フィジー	オセアニア	53,850
95	ジャマイカ	南アメリカ	50,396
96	中国、台湾 中国省	アジア	45,262
97	ヨルダン	アジア	44,059
98	ギニア	アフリカ	42,490
99	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	42,000
100	ハイチ	南アメリカ	39,900
101	ベトナム	アジア	37,400
102	マルタ	ヨーロッパ	37,289
103	マレーシア	アジア	35,450
104	エスワティニ	アフリカ	35,000
105	マラウイ	アフリカ	33,475
106	クウェート	アジア	33,364
107	フィリピン	アジア	30,961
108	オマーン	アジア	28,840
109	ブータン	アジア	27,306
110	タイ	アジア	25,000
111	アラブ首長国連邦	アジア	21,173
112	レソト	アフリカ	18,560
113	シエラレオネ	アフリカ	17,500
114	ベナン	アフリカ	15,685
115	カンボジア	アジア	15,300
116	モーリシャス	アフリカ	15,000
117	ガーナ	アフリカ	14,560
118	中央アフリカ共和国	アフリカ	13,744
119	ギニアビサウ	アフリカ	10,885
120	コートジボワール	アフリカ	10,000
121	ガイアナ	南アメリカ	10,000
122	カタール	アジア	8,200
123	スリナム	南アメリカ	8,030
124	バルバドス	南アメリカ	7,178
125	トーゴ	アフリカ	6,615
126	バーレーン	アジア	6,142
127	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	6,110
128	ジブチ	アフリカ	5,400
129	コンゴ民主共和国	アフリカ	5,200
130	ガンビア	アフリカ	5,093
131	マルティニーク	南アメリカ	4,640
132	レユニオン	アフリカ	4,615
133	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	4,300
134	中国、香港特別行政区	アジア	3,987
135	ベリーズ	南アメリカ	3,800
136	コモロ	アフリカ	3,150
137	ラオス人民民主共和国	アジア	2,800
138	カーボベルデ	アフリカ	2,650
139	ドミニカ	南アメリカ	2,400
140	バヌアツ	オセアニア	1,800
141	バハマ	南アメリカ	1,750
142	フランス領ポリネシア	オセアニア	1,743
143	グレナダ	南アメリカ	1,660
144	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	1,360
145	ニューカレドニア	オセアニア	1,320
146	ソロモン諸島	オセアニア	1,300
147	グアドループ	南アメリカ	1,288
148	コンゴ	アフリカ	1,000
149	セントルシア	南アメリカ	920
150	東ティモール	アジア	800
151	リベリア	アフリカ	728
152	サモア	オセアニア	600
153	セーシェル	アフリカ	448
154	パプアニューギニア	オセアニア	434
155	トンガ	オセアニア	310
156	フランス領ギアナ	南アメリカ	293
157	ガボン	アフリカ	120
158	ブルネイ ダルサラーム	アジア	104
159	サントメ・プリンシペ	アフリカ	88
160	ニウエ	オセアニア	50
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1978年の牛乳生産統計は、世界中の酪農業の状況を理解する重要な指標となっています。この当時、アメリカ合衆国が最も多くの牛乳を生産している一方で、ヨーロッパ諸国やインドも大規模な生産国として台頭しました。アメリカでは、広大な平原を活用した牛飼育と効率的な酪農技術が生産量の多さを支える主要要因とされます。ドイツやフランス、イギリスといったヨーロッパ諸国は、歴史的に牧畜業が盛んな地域であり、効率的な生産システムが運用されています。この地域の牛乳生産の特徴としては、品質管理が厳密であることや、乳製品としての加工品への転換が進んでいる点が挙げられます。またインドは、当時すでに人口が多く、地域共同体の伝統的な酪農活動が多産性に寄与しましたが、牧畜の近代化はこれからの課題でした。

日本における1978年の年間牛乳生産量は世界15位の約611万トンであり、アジア地域では他の国々に比べて際立った生産量を示しています。これは、戦後の農業改革により日本が全国的に農業基盤や牧畜業の発展を進めてきた成果でもあります。しかしながら、国土面積が狭く、平地の少ない地理的制約や都市化の影響による農村人口の減少が酪農業の成長を妨げる要因となっていました。一方、中国や韓国では、当時の牛乳生産量はそれぞれ約276万トン、32万トンと少なく、都市部における乳製品の消費拡大が始まったばかりの時期でした。

一方でこのデータからは、地域間での著しい生産量の格差が浮き彫りになります。たとえば、アメリカやヨーロッパの主要国と比較して、アフリカ諸国や一部のアジア諸国の牛乳生産量は非常に低い水準に留まっています。この背景には、経済的問題、技術的制約、あるいは適切なインフラが不足していることが挙げられます。特に、気候条件が厳しい地域や牧草地が不足している場所では、持続可能な畜産経営の確立が困難であると考えられます。

地政学的リスクもまた、牛乳生産に影響を与える重要な要素です。たとえば、中東や一部のアフリカ地域では政治的安定性が欠如しているため、新しい技術の導入や資本投資が滞り、生産効率の改善が進んでいません。一方で、土地や水資源が限られた日本や韓国、中国などでは、技術集約型の酪農業が長期的な選択肢として模索されています。さらに気候変動による水不足や牧草地の品質低下も、これらの生産国にとって深刻な脅威となり得ます。

今後、世界全体で牛乳生産効率を向上させるための具体的な対策としては、各国間の技術協力や資金援助の促進が挙げられます。特に、技術が未熟な国々に対しては、酪農技術の移転、家畜の健康管理向上、適切な飼料供給システムの整備が急務です。また、人口増加や乳製品需要の増大に備え、環境に配慮した持続可能な牧畜経営や水資源の効率的利用が必須となります。気候変動の影響が深刻化する中で、この分野における国際的な連携はますます重要になります。

結論として、1978年の牛乳生産量データは、各国の成長段階や農業基盤の分布を明らかにし、課題克服への道筋を示しています。特に、日本を含むアジアの生産国においては、今後も農業技術革新や政策的支援が求められます。国際連合や地域協力機関の役割も重要であり、牛乳生産をめぐる環境負荷の軽減と持続可能な成長を共に目指していく必要があります。