世界の牛乳生産量ランキング【1961〜2022】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が提供する1986年の牛乳生産量データによると、アメリカ合衆国が最も多くの牛乳を生産し、64,920,000トンで1位となりました。続いて、インドが46,100,000トン、ドイツが34,577,496トンでそれぞれ2位と3位にランクインしました。日本は7,456,940トンで世界14位となり、アジア諸国では中国、韓国を上回る生産量を記録しています。ランキングを通じ、生産量が多い国々には、乳製品需要の高い地域や農業基盤の整った国々が含まれる一方で、途上国や農業基盤が弱い地域との格差も鮮明になっています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	64,920,000
2	インド	アジア	46,100,000
3	ドイツ	ヨーロッパ	34,577,496
4	フランス	ヨーロッパ	28,926,637
5	イギリス	ヨーロッパ	16,234,000
6	ポーランド	ヨーロッパ	15,786,028
7	ブラジル	南アメリカ	13,005,055
8	オランダ	ヨーロッパ	12,710,000
9	パキスタン	アジア	11,818,000
10	イタリア	ヨーロッパ	11,674,500
11	トルコ	アジア	9,840,337
12	ニュージーランド	オセアニア	8,235,000
13	カナダ	北アメリカ	7,521,802
14	日本	アジア	7,456,940
15	メキシコ	南アメリカ	6,906,323
16	スペイン	ヨーロッパ	6,787,077
17	オーストラリア	オセアニア	6,225,000
18	アイルランド	ヨーロッパ	5,621,000
19	アルゼンチン	南アメリカ	5,386,975
20	中国	アジア	5,182,200
21	デンマーク	ヨーロッパ	5,110,600
22	ルーマニア	ヨーロッパ	4,199,000
23	スイス	ヨーロッパ	3,866,600
24	オーストリア	ヨーロッパ	3,790,052
25	スウェーデン	ヨーロッパ	3,516,716
26	イラン（イスラム共和国）	アジア	3,300,000
27	コロンビア	南アメリカ	3,109,600
28	フィンランド	ヨーロッパ	3,070,800
29	ハンガリー	ヨーロッパ	2,841,978
30	ブルガリア	ヨーロッパ	2,600,310
31	ソマリア	アフリカ	2,385,734
32	南アフリカ	アフリカ	2,200,000
33	エジプト	アフリカ	2,132,500
34	ケニア	アフリカ	2,084,800
35	ノルウェー	ヨーロッパ	1,982,500
36	ギリシャ	ヨーロッパ	1,661,157
37	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	1,628,559
38	バングラデシュ	アジア	1,361,997
39	大韓民国	アジア	1,157,100
40	チリ	南アメリカ	1,136,880
41	キューバ	南アメリカ	1,110,700
42	シリア・アラブ共和国	アジア	1,107,897
43	ポルトガル	ヨーロッパ	1,076,746
44	ウルグアイ	南アメリカ	928,931
45	イスラエル	アジア	907,400
46	アルジェリア	アフリカ	880,600
47	ペルー	南アメリカ	838,300
48	ネパール	アジア	816,176
49	モロッコ	アフリカ	791,140
50	エクアドル	南アメリカ	777,478
51	ミャンマー	アジア	645,285
52	イラク	アジア	565,100
53	タンザニア連合共和国	アフリカ	522,000
54	アフガニスタン	アジア	468,110
55	マダガスカル	アフリカ	460,000
56	インドネシア	アジア	451,200
57	ジンバブエ	アフリカ	430,000
58	コスタリカ	南アメリカ	390,664
59	アルバニア	ヨーロッパ	382,130
60	ウガンダ	アフリカ	364,000
61	サウジアラビア	アジア	358,414
62	チュニジア	アフリカ	345,300
63	プエルトリコ	南アメリカ	340,163
64	マリ	アフリカ	337,878
65	ドミニカ共和国	南アメリカ	337,281
66	ナイジェリア	アフリカ	315,000
67	モンゴル	アジア	281,700
68	ホンジュラス	南アメリカ	269,338
69	ニジェール	アフリカ	252,020
70	グアテマラ	南アメリカ	241,048
71	モーリタニア	アフリカ	237,100
72	エルサルバドル	南アメリカ	231,900
73	パラグアイ	南アメリカ	187,529
74	ニカラグア	南アメリカ	180,000
75	イエメン	アジア	167,855
76	アンゴラ	アフリカ	164,000
77	スリランカ	アジア	155,300
78	カメルーン	アフリカ	142,575
79	チャド	アフリカ	141,175
80	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	130,500
81	リビア	アフリカ	127,175
82	アイスランド	ヨーロッパ	123,348
83	中国、台湾 中国省	アジア	119,223
84	パナマ	南アメリカ	115,078
85	キプロス	アジア	112,500
86	ブルキナファソ	アフリカ	102,064
87	ボツワナ	アフリカ	101,125
88	ルワンダ	アフリカ	100,432
89	セネガル	アフリカ	98,915
90	レバノン	アジア	96,800
91	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	80,000
92	モザンビーク	アフリカ	69,415
93	タイ	アジア	69,175
94	ナミビア	アフリカ	68,800
95	ザンビア	アフリカ	68,100
96	オマーン	アジア	64,020
97	ベトナム	アジア	53,600
98	クウェート	アジア	53,356
99	ヨルダン	アジア	51,720
100	フィジー	オセアニア	51,000
101	ジャマイカ	南アメリカ	48,228
102	ギニア	アフリカ	46,685
103	ブルンジ	アフリカ	45,310
104	ハイチ	南アメリカ	45,080
105	マラウイ	アフリカ	43,300
106	エスワティニ	アフリカ	40,000
107	中央アフリカ共和国	アフリカ	38,940
108	アラブ首長国連邦	アジア	31,450
109	マレーシア	アジア	31,390
110	フィリピン	アジア	30,000
111	マルタ	ヨーロッパ	30,000
112	ブータン	アジア	28,953
113	レソト	アフリカ	22,620
114	ガーナ	アフリカ	22,126
115	ベナン	アフリカ	20,630
116	シエラレオネ	アフリカ	17,250
117	カンボジア	アジア	16,490
118	コートジボワール	アフリカ	16,000
119	ガイアナ	南アメリカ	14,060
120	ギニアビサウ	アフリカ	13,149
121	カタール	アジア	12,800
122	スリナム	南アメリカ	12,372
123	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	11,676
124	モーリシャス	アフリカ	11,000
125	バーレーン	アジア	10,980
126	バルバドス	南アメリカ	10,571
127	ジブチ	アフリカ	9,695
128	コンゴ民主共和国	アフリカ	6,850
129	トーゴ	アフリカ	6,750
130	ベリーズ	南アメリカ	6,500
131	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	6,200
132	ガンビア	アフリカ	5,250
133	ドミニカ	南アメリカ	5,117
134	レユニオン	アフリカ	4,580
135	ラオス人民民主共和国	アジア	4,200
136	カーボベルデ	アフリカ	3,678
137	マルティニーク	南アメリカ	2,890
138	コモロ	アフリカ	2,800
139	中国、香港特別行政区	アジア	2,400
140	フランス領ポリネシア	オセアニア	2,216
141	グアドループ	南アメリカ	2,055
142	バヌアツ	オセアニア	2,050
143	バハマ	南アメリカ	1,820
144	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	1,480
145	ニューカレドニア	オセアニア	1,320
146	ソロモン諸島	オセアニア	1,300
147	フランス領ギアナ	南アメリカ	1,082
148	セントルシア	南アメリカ	1,000
149	サモア	オセアニア	1,000
150	コンゴ	アフリカ	1,000
151	リベリア	アフリカ	819
152	ガボン	アフリカ	695
153	グレナダ	南アメリカ	500
154	東ティモール	アジア	475
155	セーシェル	アフリカ	440
156	トンガ	オセアニア	288
157	パプアニューギニア	オセアニア	190
158	サントメ・プリンシペ	アフリカ	114
159	ニウエ	オセアニア	50
160	ブルネイ ダルサラーム	アジア	40
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1986年における牛乳生産量の世界ランキングでは、アメリカ合衆国が圧倒的な1位を獲得しました。この結果は、広大な土地、発展した酪農技術、そして国内外の乳製品需要の高さに支えられたものであると考えられます。また、インドが生産量2位に位置していることは、同国が既にこの時期に世界最大の乳牛飼育国家へと向かっていたことを示しています。インドの食文化では、牛乳が宗教的・文化的にも重要であり、酪農産業が家庭経済を支える柱ともなっています。ヨーロッパでは、ドイツ、フランス、イギリスといった国々がトップ10に名を連ね、この地域が1970年代から80年代に成熟した酪農業を有していたことを反映しています。

日本は14位に位置し、アジアではインドに次ぐ牛乳生産量を記録しました。これは日本が酪農業において先進的な技術と管理体制を活用しながら、生産を着実に拡大してきたことを示しています。ただし、同じアジアの中国（20位）や韓国（39位）に比べ、日本の総生産量は十分に優れているものの、国内の限られた土地資源や都市化が障害となり、さらなる生産拡大には課題がありました。

ランキング下位の途上国では、牛乳生産が自給自足的な形態に留まることが多く、大規模な酪農業の発展には至っていません。これは、農業基盤の整備不足や経済力の限界、さらには気候条件といった要因によるものです。例えば、アフリカ大陸のソマリア（31位）や南アフリカ（32位）、ケニア（34位）といった国々では、乾燥した地域が多く、飼料の入手困難や水不足が生産制約となっています。

将来に向けた課題として、まず乳製品需要の拡大に対応するための酪農生産の近代化が挙げられます。特にインドや中国のような人口が多い国では、生産性のさらなる向上が求められます。一方、日本のように土地資源が限られた国では、都市部での需要に応えるために、輸入と国内生産のバランスをどうとるかが重要と言えます。また、途上国では持続可能な農業開発が求められており、例えば灌漑設備の導入や乳牛の飼料改良といった技術支援が効果的です。

地政学的リスクも牛乳生産には影響を及ぼす可能性があります。例えば、紛争や社会的不安定な地域では、乳牛の飼育や輸送が困難になるだけでなく、栄養不足の問題を助長するリスクも高まります。こうした背景の中で、国際機関や先進国は技術協力に加えて、世界的な食料供給ネットワークの強化を進める必要があります。

結論として、1986年の牛乳生産データは、生産量における国別の差が地理的条件や経済発展、農業政策の違いを反映していることを示しています。これを踏まえ、各国が長期的視点で持続可能な酪農政策を推進することが求められます。また、国際社会全体で生産性の向上と分配の公正さを追求することが、牛乳生産の世界的なバランスを取る鍵となるでしょう。