キリバスは太平洋に広がる33の島からなる
キリバス共和国は、太平洋中央部にある島国です。
国連によると、国土は32の低い環礁と、隆起した島であるバナバ島の合計33島からなります。陸地面積は約811平方キロメートルですが、島々は約350万平方キロメートルの海域に分散しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 島の数 | 33島 |
| 内訳 | 32の低い環礁とバナバ島 |
| 陸地面積 | 約811km² |
| 島々が広がる海域 | 約350万km² |
| 主な島群 | ギルバート諸島、フェニックス諸島、ライン諸島 |
| 首都機能 | サウス・タラワ |
| 標準時 | UTC+12、UTC+13、UTC+14 |
国土面積だけを見れば小さな国ですが、島から島までの距離は非常に長く、「小さな陸地を持つ大きな海洋国家」と考えた方が実態に近いでしょう。
そもそも「4つの半球」とは?
地球は、基準となる線によって複数の半球へ分けられます。
北半球と南半球
緯度0度の赤道を基準に分けます。
- 赤道より北:北半球
- 赤道より南:南半球
東半球と西半球
一般的には、イギリスのグリニッジを通る経度0度の本初子午線と、その反対側にある180度経線を境界として分けます。
- 経度0度から東へ180度:東半球
- 経度0度から西へ180度:西半球
東半球と西半球には別の区分法もありますが、国別地理で「4つの半球」を説明する場合は、この分け方が一般的です。
キリバスの島々は赤道の北と南にある
キリバスの島々は赤道付近に広がっています。
首都機能があるタラワや、東部のキリスィマスィ島は赤道より北にあります。一方、フェニックス諸島やライン諸島には赤道より南に位置する島があります。
IANAのタイムゾーン位置情報でも、タラワの代表地点は北緯約1度25分、カントン島は南緯約2度47分と記録されています。
このため、キリバスには北半球の領域と南半球の領域があります。
ただし、すべての島を赤道が直接横切っているわけではありません。島々が赤道を挟んで両側に分布しているという意味です。
180度経線の東と西にも島がある
キリバスは、180度経線の両側にも島を持っています。
ギルバート諸島は主に東経側、ライン諸島は西経側にあります。IANAの代表地点では、タラワが東経約173度、カントン島が西経約171度、キリスィマスィ島が西経約157度です。
したがって、キリバスには次の4区分すべてに領域があります。
- 北半球・東半球
- 南半球・東半球
- 北半球・西半球
- 南半球・西半球
キリバス政府観光局も、同国を「世界で唯一、4つの半球すべてにまたがる国」と紹介しています。
180度経線と日付変更線は同じではない
ここで注意したいのが、「180度経線」と「国際日付変更線」の違いです。
180度経線は、経度を測るための地理上の基準線です。原則として、本初子午線のちょうど反対側を通ります。
一方、国際日付変更線は、日付をどこで切り替えるかを示す便宜的な線です。国境や島を二つの日付へ分けないよう、太平洋上で大きく曲がっています。
IANA Time Zone Databaseの解説では、日付変更線の位置を一つの国際条約や国際標準が厳密に定めているわけではないとされています。各地域が法的に採用する日付に合わせて、地図上の線が描かれます。
現在の日付変更線は、キリバスの東側を回り込む形です。
正確には、次のようになります。
- キリバスは赤道と180度経線の両側にある
- 現在の日付変更線がキリバス国土を二分しているわけではない
- 国内の全地域が同じカレンダー上の日付を共有する
「4つの半球」の根拠は、現在の日付変更線ではなく、赤道と180度経線です。
キリバスには3つの標準時がある
キリバスの島々は東西に広く離れているため、国内で3つの標準時を使っています。
| 島群 | 標準時 | 代表地点 |
|---|---|---|
| ギルバート諸島 | UTC+12 | タラワ |
| フェニックス諸島 | UTC+13 | カントン島 |
| ライン諸島 | UTC+14 | キリスィマスィ島 |
UTCは、世界の時刻を比較するための基準となる協定世界時です。
日本標準時はUTC+9なので、キリバスの各島群は日本より次の時間だけ進んでいます。
- ギルバート諸島:日本より3時間進む
- フェニックス諸島:日本より4時間進む
- ライン諸島:日本より5時間進む
同じ国の中でも、ギルバート諸島とライン諸島では時刻が2時間違います。
UTC+14は世界で最も早い標準時
ライン諸島で使われるUTC+14は、現在使われている民間の標準時として最も進んだ時刻帯です。
たとえば、協定世界時が1月1日午前0時になったとき、ライン諸島ではすでに1月1日午後2時です。
キリバス政府観光局は、同国を「時が始まる国」と表現し、ライン諸島を新しい日を早く迎える地域として紹介しています。
ただし、「世界で最初に日の出を見る場所」は季節、緯度、地形によって変わります。常に最初の日の出が見えると断定するより、「世界で最も早く新しい日付を迎える地域の一つ」と表現する方が正確です。
以前は国内で日付が分かれていた
キリバスが1979年に独立した当時、日付変更線は国土の中央付近を通る形で描かれていました。
西側のギルバート諸島はUTC+12でしたが、東側では次の時刻が使われていました。
- フェニックス諸島:UTC−11
- ライン諸島:UTC−10
時刻の数字だけを見ると、ギルバート諸島とライン諸島の差は22時間です。しかし実際の太陽時では2時間ほどの違いで、カレンダーの日付だけがほぼ1日ずれていました。
首都側が月曜日でも、東部の島々はまだ日曜日という状態が起こります。
国の行政、電話連絡、商取引を行ううえで、同じ平日に仕事ができる日が少なくなるという問題がありました。
1995年、東部の島々が12月31日を飛び越えた
国内の日付を統一するため、キリバスは東部の標準時を変更しました。
IANA Time Zone Databaseには、1994年12月31日を境に次の変更が記録されています。
- カントン島:UTC−11からUTC+13へ
- キリスィマスィ島:UTC−10からUTC+14へ
いずれも時計を24時間進める変更です。
東部の島々では、1994年12月30日金曜日の次が、1995年1月1日日曜日になりました。カレンダー上の1994年12月31日が存在しなかったことになります。
一般に「日付変更線を動かした」と説明されますが、より正確には、キリバス政府が東部地域の標準時と日付を変更し、地図上の日付変更線が国の東側を回り込む形で描かれるようになったということです。
変更後も国内の時差は残っている
日付を統一したからといって、キリバス全土が同じ時刻になったわけではありません。
現在もUTC+12、UTC+13、UTC+14という2時間の幅があります。
変更の目的は、全国の時計を一つにそろえることではなく、全国が同じカレンダー上の日付と曜日を共有できるようにすることでした。
たとえば、ギルバート諸島が月曜日の午前9時なら、ライン諸島は同じ月曜日の午前11時です。
変更前のように、一方が月曜日でも、もう一方は日曜日という状態ではありません。
2000年を早く迎える国として注目された
UTC+14を採用したことで、ライン諸島は2000年1月1日を世界で最も早く迎える有人地域の一つになりました。
キリバスはこの特徴を観光や国の発信にも活用し、当時カロライン島と呼ばれていた島は「ミレニアム島」とも呼ばれるようになりました。
ただし、日付の統一を「2000年を世界で最初に迎えるためだけに行った」と説明するのは適切ではありません。
主要な理由は、日付で分断されていた国内の行政や経済活動をそろえることでした。新世紀を早く迎えられるようになったことは、変更によって生まれた国際的な話題性です。
国旗にも赤道と朝日が描かれている
キリバス国旗の上部には、昇る太陽とコグンカンドリが描かれています。下部の青と白の波は太平洋を表します。
キリバス政府観光局によると、太陽は赤道にまたがる国の位置と、新しい日を早く迎える特徴を表しています。
太陽の17本の光は、ギルバート諸島の16島とバナバ島を象徴します。3本の白い波は、ギルバート、フェニックス、ラインの3島群にも対応しています。
国旗を見るだけでも、広い海、赤道、3つの島群というキリバスの地理を読み取れるのです。
4つの半球から分かる「国土の広さ」
キリバスの陸地面積は約811平方キロメートルです。東京23区の面積より少し大きい程度ですが、島々が散らばる海域は約350万平方キロメートルに及びます。
陸地だけを一か所へ集めた地図では、キリバスの本当の広がりは見えません。
- 島は小さい
- 島と島の間には広大な海がある
- 赤道を越えて南北に広がる
- 180度経線を越えて東西に広がる
- 国内に3つの標準時がある
「小国」という言葉は陸地面積には当てはまっても、国が管理し、人々が移動する空間の規模までは表していません。
4つの半球にまたがるという特徴は、キリバスが非常に広い海洋空間を持つ国であることを教えてくれます。
まとめ
キリバスは、一般的な地理区分で4つの半球すべてに領域を持つ国です。
- 32の低い環礁とバナバ島の合計33島からなる
- 陸地面積は約811km²
- 島々は約350万km²の海域に分散する
- 赤道の北側と南側に島がある
- 180度経線の東側と西側に島がある
- 3つの島群でUTC+12、UTC+13、UTC+14を使う
- 1995年に東部地域の日付を24時間進めた
- 東部では1994年12月31日がカレンダー上存在しなかった
- 現在の日付変更線はキリバスの東側を回り込む
「4つの半球」は地理上の位置、「日付変更線」は社会で使う日付の境界です。
二つを区別すると、キリバスがどのように広い海域を一つの国として結び付けているのかが見えてきます。
この記事に関するクイズ
第1問
キリバスが4つの半球にまたがる根拠となる2本の線はどれでしょう?
- A. 赤道と180度経線
- B. 北回帰線と本初子午線
- C. 南回帰線と日付変更線
- D. 赤道と北極圏
答え:
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正解:A. 赤道と180度経線
キリバスには、赤道の北と南、180度経線の東と西に島があります。現在の日付変更線は国の東側を回り込みます。
第2問
キリバス東部のライン諸島で使われる標準時はどれでしょう?
- A. UTC+9
- B. UTC+12
- C. UTC+13
- D. UTC+14
答え:
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正解:D. UTC+14
UTC+14は現在使われている標準時として最も進んだ時間帯です。日本標準時のUTC+9より5時間進んでいます。
第3問
キリバス東部で、日付統一のためカレンダー上存在しなかった日はいつでしょう?
- A. 1979年7月12日
- B. 1994年12月31日
- C. 1995年1月1日
- D. 1999年12月31日
答え:
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正解:B. 1994年12月31日
東部の島々では1994年12月30日の次が1995年1月1日となり、日付が24時間進みました。