世界の牛乳生産量ランキング【1961〜2022】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した1962年度の牛乳生産量ランキングによると、1位はアメリカ合衆国（57,266,448トン）、2位はドイツ（25,263,000トン）、3位はインド（20,088,000トン）でした。日本は26位で、総生産量は約2,438,942トンにとどまっています。このデータは各国の農業実態、とりわけ乳牛の飼育体制や乳製品消費文化の成熟度を反映しています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	57,266,448
2	ドイツ	ヨーロッパ	25,263,000
3	インド	アジア	20,088,000
4	フランス	ヨーロッパ	18,880,396
5	ポーランド	ヨーロッパ	12,880,066
6	イギリス	ヨーロッパ	12,304,140
7	イタリア	ヨーロッパ	10,260,390
8	カナダ	北アメリカ	8,345,928
9	オランダ	ヨーロッパ	7,269,000
10	トルコ	アジア	6,781,350
11	オーストラリア	オセアニア	6,765,000
12	パキスタン	アジア	6,160,150
13	ブラジル	南アメリカ	5,528,951
14	デンマーク	ヨーロッパ	5,355,000
15	ニュージーランド	オセアニア	5,224,700
16	アルゼンチン	南アメリカ	4,142,558
17	スウェーデン	ヨーロッパ	3,927,000
18	フィンランド	ヨーロッパ	3,643,600
19	スペイン	ヨーロッパ	3,577,452
20	スイス	ヨーロッパ	3,140,000
21	オーストリア	ヨーロッパ	3,064,786
22	ルーマニア	ヨーロッパ	2,779,153
23	南アフリカ	アフリカ	2,503,731
24	メキシコ	南アメリカ	2,464,000
25	アイルランド	ヨーロッパ	2,450,800
26	日本	アジア	2,438,942
27	ハンガリー	ヨーロッパ	1,874,394
28	中国	アジア	1,869,100
29	コロンビア	南アメリカ	1,784,885
30	ノルウェー	ヨーロッパ	1,661,300
31	イラン（イスラム共和国）	アジア	1,621,000
32	ソマリア	アフリカ	1,199,000
33	エジプト	アフリカ	1,197,421
34	ブルガリア	ヨーロッパ	1,127,184
35	ギリシャ	ヨーロッパ	1,088,423
36	バングラデシュ	アジア	932,660
37	ケニア	アフリカ	774,398
38	ウルグアイ	南アメリカ	765,002
39	チリ	南アメリカ	735,123
40	ポルトガル	ヨーロッパ	603,996
41	アフガニスタン	アジア	576,700
42	ネパール	アジア	555,100
43	ペルー	南アメリカ	524,698
44	エクアドル	南アメリカ	505,610
45	イラク	アジア	500,300
46	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	496,380
47	シリア・アラブ共和国	アジア	380,000
48	イスラエル	アジア	370,246
49	キューバ	南アメリカ	370,000
50	モロッコ	アフリカ	357,200
51	アルジェリア	アフリカ	333,000
52	マダガスカル	アフリカ	310,000
53	プエルトリコ	南アメリカ	303,453
54	タンザニア連合共和国	アフリカ	285,660
55	マリ	アフリカ	266,710
56	ジンバブエ	アフリカ	263,000
57	ニカラグア	南アメリカ	231,710
58	ニジェール	アフリカ	208,000
59	モーリタニア	アフリカ	204,800
60	インドネシア	アジア	197,244
61	モンゴル	アジア	196,100
62	ウガンダ	アフリカ	195,370
63	ドミニカ共和国	南アメリカ	181,000
64	アルバニア	ヨーロッパ	173,360
65	エルサルバドル	南アメリカ	154,700
66	ナイジェリア	アフリカ	151,000
67	チャド	アフリカ	142,230
68	チュニジア	アフリカ	140,500
69	ミャンマー	アジア	127,110
70	グアテマラ	南アメリカ	125,897
71	コスタリカ	南アメリカ	124,400
72	イエメン	アジア	124,362
73	ホンジュラス	南アメリカ	123,300
74	アンゴラ	アフリカ	115,000
75	アイスランド	ヨーロッパ	113,500
76	サウジアラビア	アジア	99,625
77	ナミビア	アフリカ	95,000
78	スリランカ	アジア	89,310
79	パラグアイ	南アメリカ	80,400
80	セネガル	アフリカ	78,662
81	レバノン	アジア	76,800
82	ブルキナファソ	アフリカ	66,400
83	ボツワナ	アフリカ	56,850
84	モザンビーク	アフリカ	55,350
85	パナマ	南アメリカ	52,783
86	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	50,598
87	リビア	アフリカ	42,821
88	ヨルダン	アジア	41,915
89	ザンビア	アフリカ	39,000
90	キプロス	アジア	35,143
91	カメルーン	アフリカ	34,770
92	マレーシア	アジア	33,900
93	ハイチ	南アメリカ	32,200
94	ギニア	アフリカ	32,155
95	ブルンジ	アフリカ	31,520
96	マルタ	ヨーロッパ	26,290
97	エスワティニ	アフリカ	25,000
98	ジャマイカ	南アメリカ	23,624
99	フィジー	オセアニア	22,000
100	ルワンダ	アフリカ	21,744
101	フィリピン	アジア	21,000
102	モーリシャス	アフリカ	21,000
103	ブータン	アジア	18,145
104	ガイアナ	南アメリカ	16,584
105	ベトナム	アジア	16,000
106	アラブ首長国連邦	アジア	15,320
107	オマーン	アジア	14,494
108	カンボジア	アジア	13,175
109	シエラレオネ	アフリカ	12,250
110	レソト	アフリカ	11,204
111	マラウイ	アフリカ	11,100
112	ガーナ	アフリカ	10,725
113	スリナム	南アメリカ	8,042
114	大韓民国	アジア	7,684
115	ギニアビサウ	アフリカ	7,670
116	ベナン	アフリカ	7,401
117	クウェート	アジア	6,736
118	コートジボワール	アフリカ	5,700
119	中国、香港特別行政区	アジア	5,616
120	コンゴ民主共和国	アフリカ	5,400
121	バルバドス	南アメリカ	5,000
122	中国、台湾 中国省	アジア	4,979
123	バーレーン	アジア	4,170
124	レユニオン	アフリカ	4,150
125	トーゴ	アフリカ	4,121
126	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	3,600
127	マルティニーク	南アメリカ	3,600
128	中央アフリカ共和国	アフリカ	3,434
129	カタール	アジア	3,320
130	ベリーズ	南アメリカ	3,000
131	ガンビア	アフリカ	2,811
132	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	2,400
133	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	2,400
134	バハマ	南アメリカ	2,050
135	ラオス人民民主共和国	アジア	2,000
136	タイ	アジア	2,000
137	カーボベルデ	アフリカ	1,900
138	ジブチ	アフリカ	1,820
139	コモロ	アフリカ	1,500
140	パプアニューギニア	オセアニア	1,473
141	東ティモール	アジア	1,425
142	セントルシア	南アメリカ	1,406
143	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	1,280
144	グレナダ	南アメリカ	1,200
145	ニューカレドニア	オセアニア	1,020
146	グアドループ	南アメリカ	835
147	バヌアツ	オセアニア	780
148	サモア	オセアニア	703
149	ドミニカ	南アメリカ	500
150	ソロモン諸島	オセアニア	403
151	フランス領ポリネシア	オセアニア	400
152	コンゴ	アフリカ	400
153	リベリア	アフリカ	390
154	セーシェル	アフリカ	275
155	フランス領ギアナ	南アメリカ	270
156	トンガ	オセアニア	150
157	サントメ・プリンシペ	アフリカ	143
158	ブルネイ ダルサラーム	アジア	124
159	ガボン	アフリカ	124
160	ニウエ	オセアニア	23
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1962年時点での牛乳生産量ランキングを見ると、アメリカ合衆国が圧倒的な生産量で堂々と首位に立っています。アメリカの生産量は57,266,448トンであり、2位のドイツ（25,263,000トン）の約2倍以上に達しています。この高い数値は、広大な土地を有し効率的な酪農体制が整備されていること、そして国内外の乳製品需要が非常に大きいことが要因と考えられます。2位のドイツや続くインド、フランスは、生産量が2千万トンを超えており、それぞれの国で牛乳が重要な農産品であることを示しています。

一方で、1962年の日本は26位の約2,438,942トンという結果でした。この数値は、日本の酪農インフラがまだ開発途上であり、人口も農業に従事する割合が高い一方で、主に稲作が中心だったことと関係しています。また、乳製品消費が欧米に比べて少なく、牛乳生産が食文化の中で大きな位置を占めていなかったことも要因といえるでしょう。

隣国である中国の数値にも目を向けると、約1,869,100トンで、日本とほぼ同水準ですが若干下回っています。この時代の中国では農村部の人口が圧倒的に多く、酪農技術の導入が進んでいなかったことが反映されていると言えます。また、韓国は7,684トンという極めて少ない量で全体114位という結果です。このことから1962年当時の韓国における酪農発展の遅れ、あるいは牧草地や農地の限られた規模といった地理的制約が推測されます。

上位国のトレンドを見ると、欧米諸国が圧倒的な生産シェアを持っていることが目立ちます。これには、大規模飼育や近代的酪農の導入により効率を向上させた点が寄与しています。特に、フランスやオランダ、デンマークといった国々は高品質な乳製品産業の基盤を持ち、これが国内外の需要に対応する高い生産量につながっています。また、南アジアやアフリカ諸国の多くがランキングの後半に位置していることから、地域格差がうかがえます。これらの地域では牛乳が主要な農産物としての優先度が低く、生産および消費文化がほとんど確立されていなかった時代の状況がそのまま反映されています。

未来への課題として、当時のデータは酪農を取り巻く地理的・技術的課題や国際的な食料安全保障の問題を示唆しています。食料需要の増大に伴い、特に急激に人口が増加する途上国では、生産量を増やすための技術移転や農地の適切な利用といった施策が求められるでしょう。アメリカやヨーロッパの経験を参考に、大規模農場技術の導入や、品質向上を図る政策が進むことで、生産性を上げつつ地域的な飢餓問題に対応することが可能になります。

また、地政学的なリスクもこの分野に影響を及ぼすことが考えられます。例えば、酪農は災害や紛争による影響を受けやすい産業の一つです。特定地域での紛争や疫病の発生は、酪農供給チェーンを直撃し、国内外での牛乳供給に影響を与える可能性があります。このため、国際社会は各国の協力を通じてより強靭な食料供給システムを構築することを目指す必要があります。

持続可能な未来のためには、効率的かつ環境に配慮した生産体制を構築することが不可欠です。例えば、低炭素酪農技術の促進や、地域ごとの自然環境に適した乳牛品種の研究が重要です。また、貿易政策や国際協力枠組みの活用により、生産過剰地域と不足地域のバランスを取ることが今後の課題となるでしょう。生産量のデータは過去を振り返るだけでなく、未来への道筋を示す有用な指標でもあります。