世界の牛乳生産量ランキング【1961〜2022】国別推移・年間比較データ

Food and Agriculture Organization（国際連合食糧農業機関）が発表した1985年度の牛乳生産量ランキングによると、1位はアメリカ合衆国（64,930,000トン）、2位はインド（44,020,000トン）、3位はドイツ（33,625,696トン）でした。上位10カ国では主に北アメリカ、ヨーロッパ、アジアの大国がランクインし、日本は15位で7,380,400トンを記録しています。生産が特に多い国々は、先進的な酪農技術に裏付けられた効率的な生産体制が強みとなっています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	64,930,000
2	インド	アジア	44,020,000
3	ドイツ	ヨーロッパ	33,625,696
4	フランス	ヨーロッパ	28,397,925
5	ポーランド	ヨーロッパ	16,442,208
6	イギリス	ヨーロッパ	16,022,000
7	ブラジル	南アメリカ	12,572,830
8	オランダ	ヨーロッパ	12,525,000
9	イタリア	ヨーロッパ	11,759,200
10	パキスタン	アジア	10,856,000
11	トルコ	アジア	9,670,123
12	ニュージーランド	オセアニア	7,884,000
13	カナダ	北アメリカ	7,478,905
14	メキシコ	南アメリカ	7,474,350
15	日本	アジア	7,380,400
16	スペイン	ヨーロッパ	6,904,305
17	オーストラリア	オセアニア	6,225,000
18	アイルランド	ヨーロッパ	5,830,300
19	アルゼンチン	南アメリカ	5,642,663
20	デンマーク	ヨーロッパ	5,098,600
21	中国	アジア	4,665,000
22	ルーマニア	ヨーロッパ	4,317,000
23	スイス	ヨーロッパ	3,866,600
24	オーストリア	ヨーロッパ	3,809,730
25	スウェーデン	ヨーロッパ	3,674,938
26	イラン（イスラム共和国）	アジア	3,250,000
27	フィンランド	ヨーロッパ	3,083,100
28	コロンビア	南アメリカ	2,903,300
29	ハンガリー	ヨーロッパ	2,792,618
30	ブルガリア	ヨーロッパ	2,537,225
31	ソマリア	アフリカ	2,334,184
32	南アフリカ	アフリカ	2,200,000
33	エジプト	アフリカ	2,107,000
34	ノルウェー	ヨーロッパ	1,980,000
35	ケニア	アフリカ	1,723,400
36	ギリシャ	ヨーロッパ	1,659,694
37	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	1,579,643
38	バングラデシュ	アジア	1,310,635
39	シリア・アラブ共和国	アジア	1,115,507
40	キューバ	南アメリカ	1,112,100
41	チリ	南アメリカ	1,053,370
42	大韓民国	アジア	1,010,118
43	ポルトガル	ヨーロッパ	996,012
44	ウルグアイ	南アメリカ	921,714
45	アルジェリア	アフリカ	882,700
46	イスラエル	アジア	848,200
47	ペルー	南アメリカ	827,800
48	ネパール	アジア	805,177
49	モロッコ	アフリカ	779,860
50	エクアドル	南アメリカ	758,626
51	アフガニスタン	アジア	720,110
52	ミャンマー	アジア	650,672
53	イラク	アジア	562,125
54	タンザニア連合共和国	アフリカ	499,640
55	マダガスカル	アフリカ	450,000
56	ジンバブエ	アフリカ	420,000
57	インドネシア	アジア	402,400
58	ドミニカ共和国	南アメリカ	378,968
59	コスタリカ	南アメリカ	377,138
60	アルバニア	ヨーロッパ	375,130
61	ウガンダ	アフリカ	350,000
62	チュニジア	アフリカ	336,900
63	プエルトリコ	南アメリカ	327,758
64	マリ	アフリカ	320,928
65	サウジアラビア	アジア	319,099
66	ナイジェリア	アフリカ	309,000
67	スリランカ	アジア	288,450
68	ホンジュラス	南アメリカ	259,500
69	モンゴル	アジア	258,000
70	エルサルバドル	南アメリカ	240,660
71	ニジェール	アフリカ	238,520
72	グアテマラ	南アメリカ	237,336
73	モーリタニア	アフリカ	221,205
74	パラグアイ	南アメリカ	182,075
75	ニカラグア	南アメリカ	165,000
76	アンゴラ	アフリカ	164,000
77	イエメン	アジア	163,015
78	チャド	アフリカ	137,550
79	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	135,000
80	リビア	アフリカ	129,475
81	カメルーン	アフリカ	126,190
82	アイスランド	ヨーロッパ	125,104
83	キプロス	アジア	107,400
84	レバノン	アジア	103,200
85	ボツワナ	アフリカ	99,325
86	パナマ	南アメリカ	97,773
87	ブルキナファソ	アフリカ	95,351
88	セネガル	アフリカ	93,754
89	中国、台湾 中国省	アジア	90,379
90	ルワンダ	アフリカ	88,764
91	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	75,000
92	モザンビーク	アフリカ	68,815
93	ナミビア	アフリカ	68,400
94	ザンビア	アフリカ	66,600
95	タイ	アジア	57,895
96	ヨルダン	アジア	56,465
97	オマーン	アジア	55,060
98	ベトナム	アジア	53,600
99	ギニア	アフリカ	46,685
100	ジャマイカ	南アメリカ	45,297
101	フィジー	オセアニア	44,000
102	マラウイ	アフリカ	43,700
103	ハイチ	南アメリカ	42,200
104	クウェート	アジア	41,353
105	エスワティニ	アフリカ	39,000
106	ブルンジ	アフリカ	37,790
107	中央アフリカ共和国	アフリカ	37,400
108	フィリピン	アジア	33,000
109	マレーシア	アジア	30,310
110	ブータン	アジア	30,285
111	アラブ首長国連邦	アジア	30,212
112	マルタ	ヨーロッパ	30,010
113	レソト	アフリカ	22,330
114	ガーナ	アフリカ	22,074
115	ベナン	アフリカ	20,120
116	シエラレオネ	アフリカ	17,250
117	カンボジア	アジア	16,320
118	コートジボワール	アフリカ	16,300
119	ギニアビサウ	アフリカ	12,780
120	ガイアナ	南アメリカ	11,110
121	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	10,884
122	カタール	アジア	10,880
123	モーリシャス	アフリカ	10,700
124	スリナム	南アメリカ	10,536
125	バーレーン	アジア	9,862
126	バルバドス	南アメリカ	9,331
127	ジブチ	アフリカ	8,915
128	トーゴ	アフリカ	6,660
129	コンゴ民主共和国	アフリカ	6,650
130	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	6,200
131	ベリーズ	南アメリカ	5,600
132	ガンビア	アフリカ	5,075
133	ドミニカ	南アメリカ	4,360
134	ラオス人民民主共和国	アジア	4,000
135	レユニオン	アフリカ	3,734
136	コモロ	アフリカ	3,500
137	マルティニーク	南アメリカ	3,157
138	カーボベルデ	アフリカ	3,119
139	中国、香港特別行政区	アジア	3,000
140	フランス領ポリネシア	オセアニア	2,160
141	バヌアツ	オセアニア	2,000
142	バハマ	南アメリカ	1,820
143	グアドループ	南アメリカ	1,723
144	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	1,450
145	ソロモン諸島	オセアニア	1,300
146	ニューカレドニア	オセアニア	1,260
147	サモア	オセアニア	1,100
148	セントルシア	南アメリカ	1,020
149	コンゴ	アフリカ	950
150	フランス領ギアナ	南アメリカ	834
151	リベリア	アフリカ	819
152	グレナダ	南アメリカ	550
153	東ティモール	アジア	450
154	セーシェル	アフリカ	420
155	ガボン	アフリカ	410
156	トンガ	オセアニア	285
157	パプアニューギニア	オセアニア	203
158	サントメ・プリンシペ	アフリカ	112
159	ブルネイ ダルサラーム	アジア	96
160	ニウエ	オセアニア	50
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1985年度のデータによると、アメリカ合衆国が牛乳生産量で世界のトップに立ち、64,930,000トンという圧倒的な数字を記録しています。同国の生産量が他国を大きく上回る背景には、広大な牧草地、先進的な酪農技術、そして規模の大きい乳製品消費市場があると考えられます。一方、2位のインドは44,020,000トンを生産しましたが、農村部での家庭酪農の広がりなど、異なる生産成長の形を見せています。この当時からすでに、インドは牛乳の消費需要の拡大とともに、重要な生産国としての地位を確立し始めています。

ヨーロッパではドイツ（33,625,696トン）が地域内で最大の生産量を記録し、フランスが続きます。これには、酪農産業に対する政策的支援や、ヨーロッパ独自の乳製品文化が背景にあります。また、英国、オランダ、イタリアなども上位ランクに入っており、全体として地域の均衡を保っています。

アジアを見てみると、日本は15位で7,380,400トン、中国は21位で4,665,000トンです。日本は、土地の制約を克服するために高密度な酪農方法を採用し、品質面では他国に劣らない製品を生み出しています。一方、中国では、当時まだ牛乳の消費文化が広まっておらず、生産が限られていました。しかし、中国がこの分野で将来顕著な成長を遂げる基盤がすでに形成されていることがうかがえます。

地理的多様性も生産量に大きな影響を与えています。例えば、ニュージーランドやオランダなどは小国でありながら高効率な酪農体制のおかげで上位にランクインしています。一方、アフリカ諸国や南米の一部では、インフラの不足や農業への投資の少なさから生産量が低いままです。このことから、各地域の経済状況、政策、自然条件が酪農業の発展に直結していることがわかります。

課題として、アフリカや南アジアの一部では、効率的な生産技術やインフラが不足しており、気候変動がさらに酪農環境を厳しくする可能性があります。逆に、環境負荷が大きい欧米諸国では持続可能な酪農業への転換が求められています。また、乳製品の消費がもともと少ない地域での市場拡大は、牛乳生産における国際的な不均衡を緩和する重要な要素となるでしょう。

将来的に、牛乳の国際市場を安定させるためには、新興国や発展途上国における酪農技術の導入が急務です。具体的には、効率的な飼料供給方法や乳牛の健康管理を促進するための教育プログラムの展開が考えられます。また、市場需要に対応するためには、輸出入政策や地域間協力を強化し、貿易障壁を緩和することも推奨されます。

このランキングから得られる最も重要な結論は、牛乳生産は単なる農業活動ではなく、地域の資源、気候、政策、文化、そして歴史的背景が深く影響する複雑なシステムであるという点です。データを基に多面的な議論を進めることで、各国が互いに補完し合い、持続可能な牛乳生産を実現する道筋が見えてくるでしょう。