世界の小麦生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2013年度の小麦生産量ランキングによると、中国が約1億2,192万トンでトップに立ち、インドが約9,351万トンで2位、アメリカが約5,810万トンで3位となっています。これらの上位3カ国だけで世界の小麦生産量の大部分を占めています。一方、日本は約81万1,700トンでランキング58位となり、小麦の国内需要に比べて生産量が非常に限られている状況です。このデータは、各国の農業生産能力や自然条件、政策の影響を反映しています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	121,926,400
2	インド	アジア	93,510,000
3	アメリカ合衆国	北アメリカ	58,104,610
4	ロシア連邦	ヨーロッパ	52,090,797
5	フランス	ヨーロッパ	38,651,472
6	カナダ	北アメリカ	37,589,100
7	ドイツ	ヨーロッパ	25,019,100
8	パキスタン	アジア	24,211,360
9	オーストラリア	オセアニア	22,855,576
10	ウクライナ	ヨーロッパ	22,279,300
11	トルコ	アジア	22,050,000
12	カザフスタン	アジア	13,940,809
13	イギリス	ヨーロッパ	11,921,304
14	ポーランド	ヨーロッパ	9,485,183
15	エジプト	アフリカ	9,460,200
16	イラン（イスラム共和国）	アジア	9,304,246
17	アルゼンチン	南アメリカ	8,134,409
18	スペイン	ヨーロッパ	7,744,900
19	イタリア	ヨーロッパ	7,312,025
20	ルーマニア	ヨーロッパ	7,296,373
21	モロッコ	アフリカ	6,933,983
22	ウズベキスタン	アジア	6,841,977
23	ブラジル	南アメリカ	5,738,473
24	ブルガリア	ヨーロッパ	5,504,941
25	アフガニスタン	アジア	5,169,235
26	ハンガリー	ヨーロッパ	5,058,300
27	チェコ	ヨーロッパ	4,700,696
28	イラク	アジア	4,178,379
29	デンマーク	ヨーロッパ	4,145,200
30	エチオピア	アフリカ	3,925,174
31	メキシコ	南アメリカ	3,357,307
32	アルジェリア	アフリカ	3,299,049
33	シリア・アラブ共和国	アジア	3,182,111
34	リトアニア	ヨーロッパ	2,871,300
35	セルビア	ヨーロッパ	2,690,266
36	ベラルーシ	ヨーロッパ	2,101,183
37	南アフリカ	アフリカ	1,870,000
38	スウェーデン	ヨーロッパ	1,868,600
39	アゼルバイジャン	アジア	1,841,307
40	ギリシャ	ヨーロッパ	1,831,869
41	ベルギー	ヨーロッパ	1,803,550
42	ネパール	アジア	1,727,346
43	スロバキア	ヨーロッパ	1,684,274
44	オーストリア	ヨーロッパ	1,597,706
45	チリ	南アメリカ	1,474,663
46	ラトビア	ヨーロッパ	1,435,000
47	パラグアイ	南アメリカ	1,430,000
48	トルクメニスタン	アジア	1,370,000
49	オランダ	ヨーロッパ	1,335,105
50	バングラデシュ	アジア	1,255,000
51	モルドバ共和国	ヨーロッパ	1,008,647
52	クロアチア	ヨーロッパ	998,940
53	ウルグアイ	南アメリカ	982,000
54	チュニジア	アフリカ	975,490
55	タジキスタン	アジア	947,350
56	フィンランド	ヨーロッパ	869,400
57	キルギスタン	アジア	819,383
58	日本	アジア	811,700
59	サウジアラビア	アジア	660,145
60	アイルランド	ヨーロッパ	545,300
61	スイス	ヨーロッパ	479,659
62	ケニア	アフリカ	449,641
63	ニュージーランド	オセアニア	447,799
64	エストニア	ヨーロッパ	406,800
65	モンゴル	アジア	368,379
66	アルメニア	アジア	311,558
67	アルバニア	ヨーロッパ	294,000
68	ザンビア	アフリカ	273,584
69	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	265,152
70	スーダン	アフリカ	265,000
71	北マケドニア	ヨーロッパ	258,960
72	イエメン	アジア	232,190
73	ペルー	南アメリカ	230,105
74	ノルウェー	ヨーロッパ	213,000
75	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	208,735
76	リビア	アフリカ	200,000
77	ミャンマー	アジア	182,900
78	イスラエル	アジア	178,200
79	レバノン	アジア	140,000
80	スロベニア	ヨーロッパ	138,235
81	タンザニア連合共和国	アフリカ	103,973
82	ポルトガル	ヨーロッパ	92,014
83	ルクセンブルク	ヨーロッパ	91,057
84	グルジア	アジア	81,000
85	ナイジェリア	アフリカ	80,000
86	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	75,000
87	ジンバブエ	アフリカ	50,966
88	パレスチナ国	アジア	41,720
89	エリトリア	アフリカ	30,000
90	ヨルダン	アジア	28,517
91	マリ	アフリカ	27,430
92	ウガンダ	アフリカ	20,000
93	モザンビーク	アフリカ	19,800
94	大韓民国	アジア	19,061
95	キプロス	アジア	15,181
96	ナミビア	アフリカ	15,000
97	レソト	アフリカ	13,472
98	マルタ	ヨーロッパ	11,865
99	コンゴ民主共和国	アフリカ	9,602
100	ルワンダ	アフリカ	9,036
101	コロンビア	南アメリカ	8,346
102	モーリタニア	アフリカ	6,684
103	ブルンジ	アフリカ	6,423
104	エクアドル	南アメリカ	5,755
105	ニジェール	アフリカ	5,666
106	ブータン	アジア	5,310
107	マダガスカル	アフリカ	5,000
108	中国、台湾 中国省	アジア	4,127
109	アンゴラ	アフリカ	3,214
110	モンテネグロ	ヨーロッパ	2,301
111	マラウイ	アフリカ	1,784
112	チャド	アフリカ	1,757
113	グアテマラ	南アメリカ	1,556
114	タイ	アジア	1,500
115	ホンジュラス	南アメリカ	1,186
116	オマーン	アジア	1,095
117	ソマリア	アフリカ	1,000
118	カメルーン	アフリカ	850
119	エスワティニ	アフリカ	720
120	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	161
121	カタール	アジア	86
122	ニューカレドニア	オセアニア	41
123	クウェート	アジア	37
+ すべての国を見る

2013年度の小麦生産データによると、中国、インド、アメリカの3カ国が世界の小麦生産を牽引しており、特に中国は約1億2,192万トンと圧倒的な生産量を誇っています。これは、中国の広大な耕地面積や技術革新、水資源の利用効率化によるものです。一方、インドが約9,351万トンで続き、国内の食糧需要の増加に対応した政策の推進が背景にあります。アメリカは約5,810万トンで3位を占め、輸出用小麦の主要供給国として世界市場でも重要な地位を維持しています。このように、上位国に共通するのは、大規模農業の展開と適した環境資源です。

ヨーロッパではフランスやドイツなどが上位を占めており、安定した気候や先進的な農業技術が小麦の高生産量に貢献しています。他方、ロシア連邦は約5,209万トンで4位となり、近年は農業改革や政府の支援政策によって生産量を拡大してきました。ロシアの小麦生産の特徴は、輸出量が多いことであり、黒海地域での地政学的リスクが影響する場合もあります。ウクライナは22位ですが、同地域の輸出拠点としての重要性はロシアと並んで高く、将来的な紛争や政策変更が市場価格に影響を与える可能性がある点は注目すべきです。

一方で、日本は約81万1,700トンで世界ランキング58位となっており、全体の中で非常に限定的な生産量です。日本の農業では、地形的制約や比較的小規模な農地が影響し、小麦の自給率が低く輸入に多く依存しています。同様に、韓国はさらに下回る約1万9,061トンで94位となり、自国の小麦需要をほとんど輸入に依存していることが分かります。このような状況下で、日本や韓国のような国々は、どのように輸入に頼らずに食糧安定度を高めるかが課題です。

また、アフリカ諸国では、モロッコが約693万トンで上位となる一方、その他の国では生産量が非常に少なくなっています。これは、降水量不足や土壌条件の悪さ、技術的支援の欠如が原因です。この地域では灌漑技術や農業インフラの整備が急務と言えます。

さらに、気候変動が小麦生産量に与える影響も無視できません。異常気象が発生する頻度が増加しており、洪水や干ばつによる収穫量への影響がますます深刻化する可能性があります。特に乾燥地帯での生産量の低下が進むと、食糧安全保障への脅威が現実化し得ます。国際協力を通じて気候適応型農業技術の導入や、水資源効率化政策の策定が求められています。

日本を含む多くの国々では、小麦の輸入依存度を低減し、食料安全保障を強化するために、自給率向上に向けた政策が必要不可欠です。たとえば、国内生産を増やすための農業支援策や、小麦の低温耐性品種の導入が考えられます。同時に、輸入に依存せざるを得ない国では、多様な供給国からの輸入体制を整備し、単独国への依存を避けることでリスク管理を行うべきです。

結論として、このデータは、小麦生産が地域特性や政策、地理的条件に大きく依存していることを示しています。各国が直面する課題は異なるものの、世界的な視点で見ると、気候変動への対応や貿易の安定化が各国間の協調課題として浮かび上がります。FAOをはじめとする国際機関は、技術支援や資金供与を通じた農業改革を進め、食糧危機の回避に向けた取り組みを一層強化するべきです。