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世界のイチゴ生産量ランキング2023(最新)

2023年の世界のイチゴ生産量ランキングでは、中国が4,209,270トンで1位となり、他国を大きく引き離しています。次いでアメリカ合衆国が1,250,100トン、エジプトが731,145トンでそれぞれ2位と3位にランクインしました。一方、日本は11位で、生産量は158,468トンでした。このデータは、気候条件、農業技術、輸出体制などが生産量に及ぼす影響を反映しており、地域ごとの課題とポテンシャルを示しています。

順位 国名 地域 生産量(トン)
1 中国 アジア 4,209,270
2 アメリカ合衆国 北アメリカ 1,250,100
3 エジプト アフリカ 731,145
4 トルコ アジア 676,818
5 メキシコ 南アメリカ 641,552
6 スペイン ヨーロッパ 329,280
7 ロシア連邦 ヨーロッパ 261,168
8 ポーランド ヨーロッパ 194,500
9 ブラジル 南アメリカ 187,796
10 大韓民国 アジア 177,682
11 日本 アジア 158,468
12 モロッコ アフリカ 137,275
13 ドイツ ヨーロッパ 130,650
14 イタリア ヨーロッパ 119,920
15 コロンビア 南アメリカ 114,895
16 ギリシャ ヨーロッパ 107,740
17 イギリス ヨーロッパ 106,433
18 オランダ ヨーロッパ 79,070
19 フランス ヨーロッパ 77,050
20 ベラルーシ ヨーロッパ 76,132
21 オーストラリア オセアニア 65,824
22 イラン(イスラム共和国) アジア 64,906
23 ウクライナ ヨーロッパ 53,380
24 ベルギー ヨーロッパ 51,450
25 アルゼンチン 南アメリカ 46,186
26 ペルー 南アメリカ 43,139
27 チリ 南アメリカ 29,867
28 セルビア ヨーロッパ 23,704
29 イスラエル アジア 23,415
30 ベネズエラ (ボリバル共和国) 南アメリカ 22,908
31 カナダ 北アメリカ 22,181
32 ルーマニア ヨーロッパ 20,640
33 ポルトガル ヨーロッパ 19,290
34 スウェーデン ヨーロッパ 15,700
35 オーストリア ヨーロッパ 14,640
36 グアテマラ 南アメリカ 14,273
37 フィンランド ヨーロッパ 13,900
38 南アフリカ アフリカ 13,274
39 モルドバ共和国 ヨーロッパ 11,249
40 チュニジア アフリカ 10,101
41 ウズベキスタン アジア 10,030
42 スイス ヨーロッパ 9,569
43 カザフスタン アジア 9,010
44 ハンガリー ヨーロッパ 7,720
45 中国、台湾 中国省 アジア 7,447
46 ノルウェー ヨーロッパ 6,842
47 アイルランド ヨーロッパ 6,480
48 アルバニア ヨーロッパ 6,370
49 北マケドニア ヨーロッパ 6,120
50 パレスチナ国 アジア 5,851
51 デンマーク ヨーロッパ 5,290
52 ブルガリア ヨーロッパ 5,210
53 ボスニア・ヘルツェゴビナ ヨーロッパ 4,907
54 ヨルダン アジア 4,604
55 パラグアイ 南アメリカ 4,398
56 コスタリカ 南アメリカ 4,375
57 ボリビア (多民族国家) 南アメリカ 3,285
58 フィリピン アジア 3,112
59 スロバキア ヨーロッパ 2,690
60 クロアチア ヨーロッパ 2,380
61 ニュージーランド オセアニア 2,239
62 キルギスタン アジア 2,133
63 リトアニア ヨーロッパ 2,090
64 パキスタン アジア 2,054
65 レバノン アジア 2,006
66 チェコ ヨーロッパ 1,900
67 スロベニア ヨーロッパ 1,640
68 エクアドル 南アメリカ 1,443
69 エストニア ヨーロッパ 1,400
70 マルタ ヨーロッパ 1,300
71 キプロス アジア 1,260
72 グルジア アジア 1,200
73 ラトビア ヨーロッパ 790
74 ケニア アフリカ 533
75 ジンバブエ アフリカ 231
76 バングラデシュ アジア 210
77 クウェート アジア 191
78 マラウイ アフリカ 133
79 ルクセンブルク ヨーロッパ 20
80 イラク アジア 19
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国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した2023年のデータによると、イチゴ生産量において圧倒的な1位を占めたのは中国で、全世界の総生産量の約40%を担っています。これは中国が広大な耕地面積を持つこと、政府が農業への投資を重視していること、さらには大規模な国内需要と輸出市場をターゲットにした政策を展開している点が背景にあります。特に中国では、最新の農業技術や温室栽培が積極的に活用され、生産効率の向上が図られています。

アメリカ合衆国が2位につけていますが、その生産量は中国の約30%に留まります。ただし、アメリカは品質面において極めて高い評価を受けており、大部分が輸出にも供されていることから、単なる生産量の多寡だけでなく、高付加価値農業の先進国といえます。カリフォルニア州やフロリダ州が主要な生産地で、年間を通じた生産が可能な点と効率的な物流網が強みです。

エジプトの3位という結果は地理的条件による成功例といえます。温暖な気候を活かした効率的な生産体制に加え、ヨーロッパや中東市場への輸出が盛んである点が特徴です。一方で問題も挙げられます。国際市場で競争力を保つためには水資源の適切な利用が不可欠であり、エジプトのような雨量が乏しい地域では、持続可能な灌漑技術の導入が一層重要となります。

日本は158,468トンで11位にランクインしました。ただし、ランキング上位諸国と比較して面積あたりの収量が高いことは注目すべき点です。日本では、高品質で甘みの豊富なブランドイチゴが多く、単価が他国よりも高いことが特長です。一方で、日本の課題としては、生産の大部分が国内消費に依存しており、海外市場の開拓が十分ではない点が挙げられます。輸出の拡大には、ブランド戦略の強化や、輸送技術の高度化が不可欠です。

全体的に見ると、世界のイチゴ生産は特定の少数国に集中しており、この生産構造は地政学的リスクにも影響を受けやすい状況です。例えば、トルコやロシア、ウクライナなど、紛争や制裁の影響を受ける地域が生産国に含まれているため、これらの地域での社会的不安がイチゴの国際供給に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、気候変動はイチゴの生産に重要な影響を与えると考えられます。温暖化や異常気象が農産物の収量や品質に直接関与することは既に実証されています。これを考慮すると、気候適応型の農業技術の開発はすべての国が取り組むべき共通課題です。

将来に向けて、国際的な協力が不可欠です。生産技術や輸送方法、灌漑システムの知識共有、特に発展途上国への支援が求められます。また、日本を含む各国は、自国の強みを生かした高付加価値製品の輸出促進策に重点を置くべきです。例えば、日本のようにブランド戦略と確立された技術がある国では、高品質なイチゴを海外市場に送り出し、国際的な競争力を高められるでしょう。経済格差と気候問題を克服し、持続可能で安定した生産を実現するためには、官民協力を通じたイチゴ産業全体の基盤強化が求められています。