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グルジアのイチゴ生産量推移(1961-2022)

2024年7月に更新されたFood and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)の最新データによると、グルジアのイチゴ生産量は2007年から2022年までの15年間で大きな変動を示しています。2007年の1,000トンから2009年の400トンへと一時的に著しく減少したものの、2011年には1,800トンへ急増し、その後も波のある増減を繰り返しています。2016年と2017年にはピークとなる2,600トンおよび2,700トンを記録する一方、2022年には1,300トンに減少しています。

年度 生産量(トン)
2022年 1,300
2021年 1,600
2020年 1,200
2019年 1,000
2018年 1,200
2017年 2,700
2016年 2,600
2015年 900
2014年 1,400
2013年 700
2012年 1,200
2011年 1,800
2010年 800
2009年 400
2008年 900
2007年 1,000

グルジアはイチゴの生産においても顕著な変動を見せている国です。このデータの推移は、農業技術、天候条件、経済的要因、そして地政学的リスクの影響を反映していると考えられます。まず、2007年から2009年にかけて生産量が1,000トンから400トンと急激に下がった背景には、天候の不順や農地の管理不良が影響を及ぼした可能性が示唆されます。一方で2011年には1,800トンに急増し、これは農業投資や技術改善といった要素が寄与したものと見られます。

さらに、2016年と2017年に記録された2,600トンおよび2,700トンというピークは、政策的な農業振興策とエクスポート需要の高まりが主因であると考えられます。この時期、近隣諸国やEU市場への輸出が活発化したため、グルジア国内でもイチゴ生産が拡張したことが背景にあります。しかし2018年以降は、1,200トンから1,600トン程度の比較的安定した水準で推移する一方で、2017年のピークには及んでいません。これは、農業支援の減少、競争の激化、あるいは市場需要の変化が影響した可能性があります。

地域の不安定な状況や地政学的問題も、農産物生産に影響を及ぼしていると考えられます。コーカサス地域では過去10年間、政治的緊張や自然災害のリスクが存在しており、これが農業生産・流通に悪影響を及ぼした可能性があります。とりわけ新型コロナウイルス感染拡大時の2020年には、輸送や労働力の不足により、多くの国で同様の影響が確認されていますが、グルジアのイチゴ生産量は1,200トンで維持されました。

現在の主要な課題の一つは、持続可能な生産体制の確立です。既存の生産技術の改善や効率的な灌漑システムの導入、生産量の変動を抑えるための天候対応型農業の導入が急務とされています。また、長期にわたりイチゴの生産量を安定させるためには、国内での加工業の発展と輸出先市場の多角化が鍵となるでしょう。たとえば、日本や韓国、中国などのアジア市場は高品質なイチゴの需要が高いため、グルジア産のブランド化を進めることが有益です。

加えて、地域の農業競争力を強化するためには、地域間協力の強化と国際機関の支援を得る取り組みが重要です。具体的には、EUや国際農業機関と連携し、持続可能な農業基盤を確立するための資金援助や技術移転を推進するべきです。また、政府主導で農業関連の教育や労働力確保のプログラムを実施し、農業従事者のスキルと知識を向上させることも望まれます。

結論として、グルジアのイチゴ生産量は今後も外的要因と内的要因による影響を受けることが予測されます。農業政策の継続的な改善や市場戦略の強化が、生産量の安定と成長に重要な役割を果たすでしょう。