世界のバナナ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2021年度のバナナ生産量ランキングによると、インドが圧倒的な生産量（33,062,000トン）で1位を占めています。次に中国（11,724,200トン）、インドネシア（8,741,147トン）が続きます。これら上位国の生産量は、地域内の気候条件や農業インフラ、労働力の利用状況によって支えられています。一方で、日本は18トンという生産量で118位となり、国内市場への供給という点で自給率が極めて低い状況にあります。全体を通して、バナナの生産は熱帯地域に集中しており、主に中南米、東南アジア、アフリカの一部諸国が主力となっています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	インド	アジア	33,062,000
2	中国	アジア	11,724,200
3	インドネシア	アジア	8,741,147
4	ナイジェリア	アフリカ	7,388,610
5	ブラジル	南アメリカ	6,803,350
6	エクアドル	南アメリカ	6,684,916
7	フィリピン	アジア	5,942,215
8	グアテマラ	南アメリカ	4,649,527
9	アンゴラ	アフリカ	4,345,799
10	タンザニア連合共和国	アフリカ	3,463,894
11	コスタリカ	南アメリカ	2,556,767
12	コロンビア	南アメリカ	2,413,769
13	メキシコ	南アメリカ	2,405,891
14	ベトナム	アジア	2,348,200
15	ペルー	南アメリカ	2,337,153
16	ルワンダ	アフリカ	2,143,866
17	ケニア	アフリカ	1,985,254
18	エチオピア	アフリカ	1,354,800
19	タイ	アジア	1,343,531
20	ブルンジ	アフリカ	1,288,812
21	ドミニカ共和国	南アメリカ	1,262,834
22	パプアニューギニア	オセアニア	1,225,376
23	エジプト	アフリカ	1,185,148
24	スーダン	アフリカ	934,226
25	カメルーン	アフリカ	911,155
26	トルコ	アジア	883,455
27	バングラデシュ	アジア	826,151
28	コンゴ民主共和国	アフリカ	807,157
29	ラオス人民民主共和国	アジア	728,200
30	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	536,586
31	コートジボワール	アフリカ	536,522
32	マリ	アフリカ	500,983
33	モザンビーク	アフリカ	459,508
34	パナマ	南アメリカ	419,436
35	マラウイ	アフリカ	418,319
36	スペイン	ヨーロッパ	409,110
37	カンボジア	アジア	395,000
38	マダガスカル	アフリカ	389,534
39	ホンジュラス	南アメリカ	360,771
40	南アフリカ	アフリカ	351,574
41	オーストラリア	オセアニア	346,035
42	中国、台湾 中国省	アジア	337,144
43	モロッコ	アフリカ	336,138
44	マレーシア	アジア	330,642
45	ネパール	アジア	318,338
46	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	300,871
47	ハイチ	南アメリカ	249,923
48	キューバ	南アメリカ	241,978
49	ギニア	アフリカ	229,918
50	フランス	ヨーロッパ	228,900
51	ジンバブエ	アフリカ	191,956
52	アルゼンチン	南アメリカ	176,473
53	イスラエル	アジア	173,000
54	パキスタン	アジア	141,975
55	リベリア	アフリカ	141,879
56	中央アフリカ共和国	アフリカ	141,358
57	イラン（イスラム共和国）	アジア	132,775
58	イエメン	アジア	132,142
59	ガーナ	アフリカ	107,904
60	ニカラグア	南アメリカ	103,855
61	プエルトリコ	南アメリカ	100,415
62	ベリーズ	南アメリカ	99,467
63	パラグアイ	南アメリカ	97,470
64	コンゴ	アフリカ	88,656
65	レバノン	アジア	85,126
66	コモロ	アフリカ	79,666
67	ジャマイカ	南アメリカ	64,732
68	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	58,911
69	ブルキナファソ	アフリカ	46,043
70	ヨルダン	アジア	44,925
71	セネガル	アフリカ	35,500
72	赤道ギニア	アフリカ	30,962
73	ポルトガル	ヨーロッパ	24,990
74	トーゴ	アフリカ	24,363
75	ソマリア	アフリカ	23,532
76	サモア	オセアニア	22,431
77	サウジアラビア	アジア	22,200
78	ベナン	アフリカ	20,443
79	オマーン	アジア	18,417
80	ガボン	アフリカ	18,153
81	ガイアナ	南アメリカ	17,625
82	バヌアツ	オセアニア	17,182
83	エスワティニ	アフリカ	17,000
84	エルサルバドル	南アメリカ	15,396
85	ドミニカ	南アメリカ	11,544
86	バハマ	南アメリカ	10,135
87	モーリシャス	アフリカ	9,638
88	ギニアビサウ	アフリカ	8,424
89	スリナム	南アメリカ	7,945
90	フィジー	オセアニア	7,586
91	キリバス	オセアニア	7,499
92	セントルシア	南アメリカ	6,009
93	サントメ・プリンシペ	アフリカ	6,000
94	キプロス	アジア	5,510
95	ギリシャ	ヨーロッパ	5,170
96	カーボベルデ	アフリカ	4,930
97	アメリカ合衆国	北アメリカ	3,625
98	パレスチナ国	アジア	3,609
99	グレナダ	南アメリカ	3,253
100	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	3,240
101	ブータン	アジア	3,174
102	ニューカレドニア	オセアニア	2,049
103	ミクロネシア連邦	オセアニア	2,039
104	セーシェル	アフリカ	1,989
105	ブルネイ ダルサラーム	アジア	1,364
106	バルバドス	南アメリカ	1,305
107	東ティモール	アジア	1,290
108	トンガ	オセアニア	862
109	ザンビア	アフリカ	689
110	ソロモン諸島	オセアニア	318
111	ツバル	オセアニア	290
112	アラブ首長国連邦	アジア	261
113	アルジェリア	アフリカ	233
114	フランス領ポリネシア	オセアニア	212
115	モルディブ	アジア	157
116	シリア・アラブ共和国	アジア	142
117	ニウエ	オセアニア	82
118	日本	アジア	18
119	トケラウ	オセアニア	16
120	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	6
121	クック諸島	オセアニア	4
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2021年のバナナ生産における世界の動向を見ると、トップのインドは他の国々を大きく引き離した生産規模を示しています。これは、インド南部から中部にかけての広範囲に渡るバナナの栽培適地が、豊富な水資源と労働力の確保により活用されていることが理由の一つと言えます。さらにインド国内ではバナナが重要な食糧作物であり、国内消費が生産の大部分を占めている点も注目に値します。一方で2位の中国は約11,724,200トンという生産規模で、インドと大きな差がありますが、近年の農業技術の導入や生産効率の向上がこの数字を支えていると考えられます。

東南アジアではインドネシアとフィリピンがそれぞれ3位（8,741,147トン）と7位（5,942,215トン）に位置し、輸出用のバナナ生産にも注力しています。エクアドルやグアテマラといったラテンアメリカの国々は主に輸出市場に焦点を当てており、エクアドルの生産量（6,684,916トン）は特に注目されます。これらの国々では、バナナが主要な経済作物の一つとして、外貨獲得や雇用創出に貢献しています。

一方で、ナイジェリアやアンゴラのようなアフリカ諸国もランクインしており、農村地域での自給自足や食料安全保障におけるバナナの役割が大きいことがうかがえます。特に、人口増加が続くアフリカでは、今後の需要拡大に対応するための農業技術やインフラ整備が課題となりそうです。

日本については、わずか18トンという生産量で118位という結果となり、国内の需要を輸入に大きく依存している現状が見て取れます。この点は、日本国内の気候や土地条件がバナナ栽培に適していないことが主な要因ですが、最近では持続可能な農業技術や温室栽培を活用した取り組みが一部で行われています。これは、環境負荷の低減や食料自給率の向上を目指す新たな可能性として期待されています。

なお、新型コロナウイルスの影響は、輸出量や物流にも影響を及ぼしました。一部の国では労働力不足やサプライチェーンの混乱が生産・輸送に支障をきたした事例も報告されています。また、自然災害や作物病害の蔓延も生産量に影響を与えており、これらのリスクを軽減するための対策を講じることが喫緊の課題です。

地政学的背景を考慮すると、バナナは特定地域の経済と密接に関連しており、特に中南米の生産国間では市場シェアを巡る競争が熾烈です。また、アフリカの一部地域では、政情不安や紛争が長期的な農業開発を妨げる要因となっています。こうした課題を克服するためには、国際的な農業技術協力や持続可能な生産モデルの導入が必要です。

今後の対策としては、輸送インフラの整備やグローバルサプライチェーンの強化が求められます。また、病害虫対策としての研究資金の増額や、農村地域での雇用創出を促進する政策が重要です。一方で、輸出に依存する国々では、国内消費市場の需要喚起を狙った政策立案が安定的な経済発展に寄与する可能性も考えられます。

結論として、バナナの生産は気候条件、経済政策、地政学的リスクなど、複数の要因に影響を受けます。持続可能で安定的な生産と流通を実現するためには、国際協力の強化や、先進農業技術の普及が鍵となるでしょう。国や地域ごとの状況に応じた柔軟な対策が、長期的なバナナ市場の発展にとって重要です。