世界のバナナ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2009年の統計によると、世界のバナナ生産量ランキングの1位はインド（26,469,500トン）、2位はフィリピン（9,013,186トン）、3位は中国（8,833,900トン）でした。上位3カ国で全体の約43%の生産量を占めており、アジアのバナナ生産が世界経済において重要な役割を果たしていることが分かります。一方、日本は132トンの生産量でランキング111位となり、生産量は非常に少ない状況にあります。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	インド	アジア	26,469,500
2	フィリピン	アジア	9,013,186
3	中国	アジア	8,833,900
4	エクアドル	南アメリカ	7,637,324
5	ブラジル	南アメリカ	6,783,490
6	インドネシア	アジア	6,373,533
7	タンザニア連合共和国	アフリカ	3,006,400
8	ルワンダ	アフリカ	2,993,482
9	グアテマラ	南アメリカ	2,678,159
10	メキシコ	南アメリカ	2,232,361
11	コロンビア	南アメリカ	1,993,759
12	アンゴラ	アフリカ	1,985,263
13	ブルンジ	アフリカ	1,845,824
14	コスタリカ	南アメリカ	1,795,000
15	ケニア	アフリカ	1,686,930
16	タイ	アジア	1,528,082
17	ベトナム	アジア	1,510,169
18	カメルーン	アフリカ	1,223,233
19	エジプト	アフリカ	1,120,517
20	パプアニューギニア	オセアニア	980,000
21	バングラデシュ	アジア	836,183
22	ホンジュラス	南アメリカ	718,597
23	ドミニカ共和国	南アメリカ	589,589
24	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	403,382
25	マラウイ	アフリカ	400,000
26	南アフリカ	アフリカ	370,805
27	スペイン	ヨーロッパ	352,522
28	マダガスカル	アフリカ	331,478
29	パナマ	南アメリカ	320,535
30	コンゴ民主共和国	アフリカ	315,971
31	ハイチ	南アメリカ	290,570
32	モザンビーク	アフリカ	280,000
33	マレーシア	アジア	279,762
34	オーストラリア	オセアニア	270,393
35	コートジボワール	アフリカ	254,977
36	キューバ	南アメリカ	245,400
37	モロッコ	アフリカ	220,000
38	エチオピア	アフリカ	208,596
39	トルコ	アジア	204,517
40	ギニア	アフリカ	176,415
41	ラオス人民民主共和国	アジア	173,900
42	中国、台湾 中国省	アジア	172,550
43	アルゼンチン	南アメリカ	170,000
44	パキスタン	アジア	157,319
45	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	154,227
46	カンボジア	アジア	153,000
47	マリ	アフリカ	134,114
48	イエメン	アジア	132,418
49	中央アフリカ共和国	アフリカ	125,000
50	リベリア	アフリカ	123,000
51	イラン（イスラム共和国）	アジア	107,556
52	ジンバブエ	アフリカ	96,684
53	レバノン	アジア	96,000
54	イスラエル	アジア	93,510
55	ネパール	アジア	88,849
56	スリナム	南アメリカ	82,267
57	コンゴ	アフリカ	81,400
58	プエルトリコ	南アメリカ	75,025
59	コモロ	アフリカ	70,790
60	ベリーズ	南アメリカ	68,070
61	ガーナ	アフリカ	65,000
62	パラグアイ	南アメリカ	58,840
63	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	53,000
64	ジャマイカ	南アメリカ	52,765
65	セネガル	アフリカ	47,000
66	ニカラグア	南アメリカ	46,595
67	ヨルダン	アジア	43,834
68	セントルシア	南アメリカ	39,726
69	サントメ・プリンシペ	アフリカ	33,500
70	ソマリア	アフリカ	29,271
71	オマーン	アジア	28,890
72	赤道ギニア	アフリカ	26,408
73	サモア	オセアニア	25,502
74	トーゴ	アフリカ	20,231
75	ポルトガル	ヨーロッパ	19,971
76	ドミニカ	南アメリカ	19,156
77	バヌアツ	オセアニア	15,800
78	ベナン	アフリカ	15,359
79	ガボン	アフリカ	15,000
80	モーリシャス	アフリカ	10,920
81	ガイアナ	南アメリカ	8,407
82	アメリカ合衆国	北アメリカ	8,390
83	カーボベルデ	アフリカ	7,000
84	キプロス	アジア	6,700
85	バハマ	南アメリカ	6,500
86	ギニアビサウ	アフリカ	6,200
87	キリバス	オセアニア	6,000
88	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	5,800
89	エスワティニ	アフリカ	5,700
90	パレスチナ国	アジア	4,957
91	フィジー	オセアニア	4,458
92	モルディブ	アジア	4,340
93	ギリシャ	ヨーロッパ	3,526
94	グレナダ	南アメリカ	2,547
95	ブータン	アジア	2,183
96	ミクロネシア連邦	オセアニア	2,039
97	セーシェル	アフリカ	1,800
98	ニューカレドニア	オセアニア	1,145
99	ブルネイ ダルサラーム	アジア	839
100	トンガ	オセアニア	828
101	バルバドス	南アメリカ	804
102	東ティモール	アジア	710
103	ザンビア	アフリカ	690
104	イタリア	ヨーロッパ	355
105	ソロモン諸島	オセアニア	330
106	シリア・アラブ共和国	アジア	300
107	ツバル	オセアニア	277
108	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	228
109	アラブ首長国連邦	アジア	180
110	アルジェリア	アフリカ	167
111	日本	アジア	132
112	フランス領ポリネシア	オセアニア	120
113	ニウエ	オセアニア	80
114	クック諸島	オセアニア	50
115	トケラウ	オセアニア	16
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2009年度の世界バナナ生産量ランキングを見ると、全体的な生産の集中がアジアと中南米地域に偏っていることが明らかです。トップのインドは2位のフィリピン、および3位の中国を大きく引き離し、圧倒的な生産量を誇っています。この結果は、インドが国内消費を重視した生産構造を有していること、またその広大な土地と気候条件がバナナ生産に適していることを示しています。2位および3位のフィリピンと中国も同様に、輸出市場と国内市場向けの需要に対応する生産体制を持っています。これに続くエクアドル（7,637,324トン）やブラジル（6,783,490トン）は、中南米における主要な輸出国として国際市場での競争力を発揮しています。

一方で、日本の生産量は132トンで低水準にあり、世界で111位となっています。これは、日本がバナナ生産に適した気候条件を持たず、多くを輸入に依存していることを反映しています。実際、日本国内で消費されるバナナの多くは、フィリピンやエクアドルといった輸入先から供給されています。

このような地域ごとの生産体制の違いは、各国での需要と供給、市場の競争力に影響を与えています。そして、地政学的な要因や気候変動の影響が今後のバナナ市場に対して大きな課題となる可能性があります。例えば、主要な輸出国である中南米諸国は、ハリケーンや干ばつといった自然災害のリスクにさらされやすい地域に位置しています。これらの災害は収穫量を激減させる可能性があり、輸出価格や輸入依存国の供給に影響を及ぼすかもしれません。また、特定の病害、例えばパナマ病（バナナに壊滅的な被害をもたらす土壌菌）は、世界のバナナ産業にとって共通の脅威です。

各国間比較では、アジアが優位を占める一方で、アフリカ諸国も肌感的な影響を与えています。タンザニアやルワンダをはじめとするアフリカ諸国がランキングの上位に入っている背景には、小規模農家が地元経済や国内需要を支える形で重要な役割を果たしていることが挙げられます。ただし、アフリカには輸送インフラの未整備や技術不足といった課題も存在し、これらを解決する具体策が求められています。

未来に向けた提言としては、以下のポイントが挙げられます。気候変動対策として、耐熱性や病害に強い新品種の開発と普及が急務です。また、中南米やアフリカ地域のインフラ整備を国際支援の枠組みで進めることで、生産の効率化と輸出競争力の向上を図ることができます。さらに、輸出国と消費国間の協力を深め、持続可能な貿易関係を確立することも重要です。

総じて、2009年の世界バナナ生産の現状は、地域ごとの強みと課題が交錯する構造にあることを示しています。将来的には、国際市場における競争だけでなく、地球規模の生産安定性や生態系保護という観点も考慮し、バナナ産業の発展を図ることが必要です。このような取組みは、世界中の食品供給の安定と、関連する経済成長に貢献するでしょう。