世界のバナナ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1982年のバナナ生産量ランキングでは、ブラジル（4,726,800トン）が生産量1位となり、インド（4,221,300トン）とフィリピン（4,067,926トン）がそれに続いています。日本は1,140トンで97位と、世界的には非常に小規模な生産量でした。全体的に熱帯地域を中心にした国々が上位を占めており、地理的条件が生産量に大きく影響を与えていることが伺えます。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	ブラジル	南アメリカ	4,726,800
2	インド	アジア	4,221,300
3	フィリピン	アジア	4,067,926
4	ルワンダ	アフリカ	2,378,080
5	インドネシア	アジア	2,036,000
6	エクアドル	南アメリカ	1,998,749
7	メキシコ	南アメリカ	1,666,730
8	タイ	アジア	1,550,000
9	ホンジュラス	南アメリカ	1,424,942
10	ブルンジ	アフリカ	1,220,000
11	コスタリカ	南アメリカ	1,153,305
12	コロンビア	南アメリカ	1,146,600
13	パナマ	南アメリカ	1,034,450
14	ベトナム	アジア	950,000
15	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	917,160
16	ケニア	アフリカ	800,000
17	バングラデシュ	アジア	698,786
18	カメルーン	アフリカ	650,000
19	グアテマラ	南アメリカ	592,000
20	パプアニューギニア	オセアニア	474,500
21	マレーシア	アジア	470,000
22	スペイン	ヨーロッパ	455,200
23	ウガンダ	アフリカ	400,000
24	コンゴ民主共和国	アフリカ	368,800
25	ドミニカ共和国	南アメリカ	320,000
26	マダガスカル	アフリカ	304,870
27	アンゴラ	アフリカ	275,000
28	ハイチ	南アメリカ	230,000
29	中国、台湾 中国省	アジア	202,942
30	中国	アジア	201,000
31	キューバ	南アメリカ	191,877
32	マルティニーク	南アメリカ	190,897
33	グアドループ	南アメリカ	166,500
34	エジプト	アフリカ	165,000
35	ジャマイカ	南アメリカ	160,000
36	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	152,050
37	パラグアイ	南アメリカ	150,000
38	タンザニア連合共和国	アフリカ	150,000
39	南アフリカ	アフリカ	135,784
40	パキスタン	アジア	134,430
41	コートジボワール	アフリカ	132,968
42	オーストラリア	オセアニア	129,582
43	ニカラグア	南アメリカ	121,882
44	プエルトリコ	南アメリカ	103,921
45	ギニア	アフリカ	101,600
46	アルゼンチン	南アメリカ	88,700
47	ソマリア	アフリカ	78,700
48	中央アフリカ共和国	アフリカ	78,000
49	リベリア	アフリカ	77,000
50	マラウイ	アフリカ	76,000
51	カンボジア	アジア	75,000
52	イスラエル	アジア	73,200
53	モザンビーク	アフリカ	70,000
54	セントルシア	南アメリカ	58,772
55	ジンバブエ	アフリカ	58,000
56	スリナム	南アメリカ	42,399
57	マリ	アフリカ	36,000
58	ドミニカ	南アメリカ	35,423
59	ポルトガル	ヨーロッパ	33,500
60	コモロ	アフリカ	33,000
61	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	31,750
62	オマーン	アジア	31,264
63	コンゴ	アフリカ	30,746
64	トルコ	アジア	30,000
65	イエメン	アジア	25,000
66	サモア	オセアニア	22,000
67	トーゴ	アフリカ	15,000
68	レバノン	アジア	15,000
69	ベリーズ	南アメリカ	14,200
70	グレナダ	南アメリカ	13,971
71	ベナン	アフリカ	13,000
72	赤道ギニア	アフリカ	11,000
73	ラオス人民民主共和国	アジア	10,000
74	東ティモール	アジア	10,000
75	ガボン	アフリカ	8,000
76	バハマ	南アメリカ	7,600
77	バヌアツ	オセアニア	7,500
78	ヨルダン	アジア	6,700
79	キプロス	アジア	6,604
80	モーリシャス	アフリカ	6,415
81	セネガル	アフリカ	6,000
82	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	5,300
83	フィジー	オセアニア	5,200
84	ガイアナ	南アメリカ	4,990
85	ガーナ	アフリカ	4,700
86	レユニオン	アフリカ	4,540
87	キリバス	オセアニア	3,800
88	モロッコ	アフリカ	3,200
89	ギリシャ	ヨーロッパ	3,158
90	カーボベルデ	アフリカ	3,000
91	サントメ・プリンシペ	アフリカ	3,000
92	アメリカ合衆国	北アメリカ	2,630
93	クック諸島	オセアニア	2,400
94	ニューカレドニア	オセアニア	1,570
95	セーシェル	アフリカ	1,290
96	モルディブ	アジア	1,150
97	日本	アジア	1,140
98	エスワティニ	アフリカ	1,000
99	トンガ	オセアニア	864
100	シンガポール	アジア	820
101	バルバドス	南アメリカ	770
102	ブルネイ ダルサラーム	アジア	735
103	フランス領ポリネシア	オセアニア	700
104	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	634
105	バーレーン	アジア	600
106	ニウエ	オセアニア	530
107	ザンビア	アフリカ	500
108	ソロモン諸島	オセアニア	216
109	ツバル	オセアニア	150
110	イタリア	ヨーロッパ	100
111	イラン（イスラム共和国）	アジア	65
112	フランス領ギアナ	南アメリカ	50
113	アラブ首長国連邦	アジア	39
114	トケラウ	オセアニア	15
115	シリア・アラブ共和国	アジア	11
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1982年のバナナ生産データは、国際連合食糧農業機関（FAO）によると、バナナの生産が熱帯地域に集中していることを明確に示しています。上位10か国のうち7か国が熱帯の国々であり、特にブラジル、インド、およびフィリピンは主要生産地としての地位を確立しています。これらの国々では豊富な降水量と高い気温がバナナ栽培に適しており、自然条件が生産を大きく後押ししています。

一方、日本や中国を含む温帯地域の国々は、地理条件や気候の制約から生産量が非常に低く、日本の場合、1年の生産量が1,140トンにとどまっています。このような国々では自給体制を整えるよりも輸入に依存している状況が見られます。

また、生産量の多い国々で見られる特徴の一つは、国内消費の高さです。例えばインドなどでは、生産されたバナナの多くが国内で消費され、輸出にはあまり回されません。これに対し、エクアドル（1,998,749トン）やフィリピンといった国々では輸出にも力を入れており、国際市場への影響力を高めています。

地域課題として特に明らかなのは、ルワンダやブルンジといったアフリカ中央部に位置する国々です。これらの国々は生産量の規模が大きいにもかかわらず、貧困や物流インフラの未整備といった課題のため、輸出につながる機会が限られています。これにより、雇用や外貨収入の機会が十分に活用されていない状況が見られます。また、地政学的リスクとして、これらの地域では政情不安や資源をめぐる紛争が農業生産活動に影響を与える可能性も高く、持続的な生産の発展が課題となっています。

バナナ生産における地政学的背景も重要です。中南米のエクアドルやコスタリカなどの国々は、輸出産業としてバナナを重要視しており、北米やヨーロッパ市場に安定的な供給を行っています。この収益は、農業従事者の生活を支えるだけでなく、経済の基盤としての役割を果たしています。しかし、一部の国々ではバナナ産業の独占化や地主と労働者間の格差による社会問題が深刻化しています。

未来への示唆として、まずインフラ整備の重要性が挙げられます。特に多くの生産が国内消費に留まるアフリカ地域では、輸出に適した港湾設備や物流網の発展が鍵となります。また、病害などによる生産リスクへの対応として、耐病性の高いバナナ品種の研究・普及を進めることが必要です。このような取り組みは、地域格差の是正や生産性の向上に貢献すると期待されます。

さらに、国際連携の枠組みとして、生産国と消費国間の協力体制の強化が求められます。具体的には、バナナ市場の透明性向上や、公平な貿易条件を保証する政策の導入などが挙げられます。そして国際機関が主導して地政学的リスクの抑制に向けた対話を進めることも大切です。

結論として、1982年のバナナ生産データは、国ごとの気候条件や経済構造に基づく多様性を反映しており、これらの背景を理解することで将来の持続可能な生産と流通のあり方を考える糸口になると言えます。生産地や消費地の役割を認識し、地球規模での課題に対して具体的かつ協力的な取り組みを進めることが、より良い未来の実現に繋がります。