国際連合食糧農業機関(FAO)が発表したデータによると、ギニアビサウの鶏卵生産量は、1961年の144トンから2023年の1,293トンまで着実に増加してきました。一部の年で生産量の減少や停滞が確認されていますが、全体的には大幅な成長を遂げています。特に、1990年代以降の増加傾向が顕著であり、その要因には国内経済の変化や農業の発展が挙げられます。
ギニアビサウの鶏卵生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 1,293 |
0.23% ↑
|
2022年 | 1,290 |
0.94% ↑
|
2021年 | 1,278 |
-0.68% ↓
|
2020年 | 1,287 |
0.33% ↑
|
2019年 | 1,283 |
-10.04% ↓
|
2018年 | 1,426 |
-0.42% ↓
|
2017年 | 1,432 |
0.42% ↑
|
2016年 | 1,426 |
0.42% ↑
|
2015年 | 1,420 |
0.71% ↑
|
2014年 | 1,410 |
0.71% ↑
|
2013年 | 1,400 | - |
2012年 | 1,400 |
2.34% ↑
|
2011年 | 1,368 |
2.48% ↑
|
2010年 | 1,335 |
0.09% ↑
|
2009年 | 1,334 |
3.61% ↑
|
2008年 | 1,287 |
3.74% ↑
|
2007年 | 1,241 |
3.89% ↑
|
2006年 | 1,194 |
6.15% ↑
|
2005年 | 1,125 |
2.16% ↑
|
2004年 | 1,101 |
3.73% ↑
|
2003年 | 1,062 |
-1.38% ↓
|
2002年 | 1,077 |
4.74% ↑
|
2001年 | 1,028 |
3.31% ↑
|
2000年 | 995 |
3.64% ↑
|
1999年 | 960 |
7.78% ↑
|
1998年 | 891 |
2.73% ↑
|
1997年 | 867 |
27.07% ↑
|
1996年 | 682 |
15.87% ↑
|
1995年 | 589 |
0.09% ↑
|
1994年 | 588 |
-3.71% ↓
|
1993年 | 611 |
4.05% ↑
|
1992年 | 587 |
0.09% ↑
|
1991年 | 587 |
21.04% ↑
|
1990年 | 485 |
-8.18% ↓
|
1989年 | 528 | - |
1988年 | 528 | - |
1987年 | 528 |
10% ↑
|
1986年 | 480 |
11.11% ↑
|
1985年 | 432 |
5.88% ↑
|
1984年 | 408 |
13.33% ↑
|
1983年 | 360 |
7.14% ↑
|
1982年 | 336 |
7.69% ↑
|
1981年 | 312 |
8.33% ↑
|
1980年 | 288 |
9.09% ↑
|
1979年 | 264 | - |
1978年 | 264 | - |
1977年 | 264 |
10% ↑
|
1976年 | 240 | - |
1975年 | 240 |
11.11% ↑
|
1974年 | 216 | - |
1973年 | 216 | - |
1972年 | 216 | - |
1971年 | 216 |
12.5% ↑
|
1970年 | 192 | - |
1969年 | 192 | - |
1968年 | 192 |
11.11% ↑
|
1967年 | 173 | - |
1966年 | 173 |
2.86% ↑
|
1965年 | 168 | - |
1964年 | 168 |
16.67% ↑
|
1963年 | 144 | - |
1962年 | 144 | - |
1961年 | 144 | - |
ギニアビサウにおける鶏卵生産量は、1960年代から段階的に増加してきた経緯があります。特に注目すべきは、1990年代以降の急速な成長で、1996年から2003年にかけての年平均成長率が約7%と高水準を記録しています。一方、2019年以降にわずかな減少が見られ、新型コロナウイルスの影響や地政学的リスク、物流の停滞が背景にあると考えられます。
1960年代から1980年代にかけてのデータを見ると、年間の生産量はほぼ一定のペースで増加しており、1980年の288トンから1986年の480トンに増加しました。この時期の増加は、政府による農業振興政策や国内需要の拡大といった要因が影響していると推測されます。一方、1990年に485トンと減少したものの、1991年には587トンと回復し、その後の10年間でさらに急成長を遂げています。
1990年代から2000年代にかけては、国内農業技術の向上や輸送インフラの改善、そして国際市場へのアクセスが進んだことが鶏卵生産量を大きく押し上げたと思われます。特に1997年には867トン、2000年には995トン、2006年には1,194トンと、10年間で2倍以上に拡大しています。この成長は、チキン産業が国内消費の増加に応える形で拡大したこと、そして都市部における卵の需要が着実に伸びたことを反映していると考えられます。
近年では、2010年以降、生産量は1,300トン前後で比較的安定しています。2018年には1,426トンと最高記録を更新しましたが、その後はやや減少し、2019年から2023年では1,290トン前後で推移しています。この減少傾向の背景には、新型コロナウイルスによる供給網の混乱や、農業資材の価格高騰が影響している可能性があります。加えて、西アフリカ地域における地政学的な不安定さや、輸送手段の未整備、気候変動による影響も一因と考えられます。
ギニアビサウの鶏卵生産量を増加させるためには、以下の具体的な取り組みが必要です。まず、効率的な農業技術のさらなる導入が鍵となります。例えば、アフリカの他国で成功している家禽用飼料の補助プログラムを活用することが有効です。また、冷蔵施設の整備や物流ネットワークの向上による流通環境の改善も重要です。さらに、気候変動への適応策として、耐久性のある農業モデルを構築し、安定供給を目指す必要があります。
また、西アフリカ地域全体と連携して市場を拡大することも考慮すべきです。食品安全の基準や衛生管理を強化し、国外への輸出をさらに推進すれば、卵の生産量向上だけでなく、経済全体の発展にも寄与する可能性があります。その一方で、紛争や政情不安、インフラ整備の遅れが成長の妨げとなるリスクも無視できません。これらの課題を克服するためには、国際機関や地域のパートナーと協力し、長期的な政策を展開していく必要があります。
結論として、ギニアビサウの鶏卵生産量は過去数十年で著しい成長を示していますが、近年は安定期に入りつつあります。この国の農業政策が環境問題や地域紛争などのリスクに適切に対応しつつ、持続可能な発展を目指すことが今後の重要課題となります。地域間協力や国際的支援の活用によって、さらなる持続可能な成長が期待されます。