Food and Agriculture Organization(FAO)が公開した2024年7月時点のデータによると、ギニアビサウのマンゴー・マンゴスチン・グアバの生産量は、1978年の50トンから約40年以上を経て2023年には9,321トンにまで増加しています。特に1980年代から1990年代にかけて急上昇し、その後も緩やかな成長傾向が続いています。2014年をピークに一時的な変動が見られるものの、近年は9,000トンをやや超える安定した生産量を維持しています。
ギニアビサウのマンゴー・マンゴスチン・グアバ生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 9,321 |
3.53% ↑
|
2022年 | 9,003 |
0.01% ↑
|
2021年 | 9,002 |
-0.05% ↓
|
2020年 | 9,007 |
0.07% ↑
|
2019年 | 9,001 |
0.01% ↑
|
2018年 | 9,000 |
-0.22% ↓
|
2017年 | 9,019 |
0.41% ↑
|
2016年 | 8,983 |
-5.37% ↓
|
2015年 | 9,492 |
5.47% ↑
|
2014年 | 9,000 |
6.44% ↑
|
2013年 | 8,455 |
3.75% ↑
|
2012年 | 8,150 |
10.27% ↑
|
2011年 | 7,391 |
8.65% ↑
|
2010年 | 6,803 |
9.29% ↑
|
2009年 | 6,225 |
13.17% ↑
|
2008年 | 5,500 |
3.77% ↑
|
2007年 | 5,300 |
-0.2% ↓
|
2006年 | 5,311 |
2.16% ↑
|
2005年 | 5,199 |
2.19% ↑
|
2004年 | 5,087 |
1.74% ↑
|
2003年 | 5,000 |
3.97% ↑
|
2002年 | 4,809 |
2.32% ↑
|
2001年 | 4,700 |
2.95% ↑
|
2000年 | 4,565 |
-0.84% ↓
|
1999年 | 4,604 |
0.25% ↑
|
1998年 | 4,593 |
0.56% ↑
|
1997年 | 4,567 |
-6.97% ↓
|
1996年 | 4,910 |
6.02% ↑
|
1995年 | 4,631 |
2.18% ↑
|
1994年 | 4,532 |
0.71% ↑
|
1993年 | 4,500 |
5.88% ↑
|
1992年 | 4,250 |
-3.41% ↓
|
1991年 | 4,400 |
18.92% ↑
|
1990年 | 3,700 |
12.12% ↑
|
1989年 | 3,300 |
10% ↑
|
1988年 | 3,000 |
11.11% ↑
|
1987年 | 2,700 |
17.39% ↑
|
1986年 | 2,300 |
15% ↑
|
1985年 | 2,000 |
11.11% ↑
|
1984年 | 1,800 |
20% ↑
|
1983年 | 1,500 |
87.5% ↑
|
1982年 | 800 |
100% ↑
|
1981年 | 400 |
100% ↑
|
1980年 | 200 |
100% ↑
|
1979年 | 100 |
100% ↑
|
1978年 | 50 | - |
ギニアビサウにおけるマンゴー・マンゴスチン・グアバの生産量の推移を分析すると、農業技術の進展や農地の拡大、そして地理的条件の恩恵が生産量の向上に大きく貢献してきたことが浮き彫りになります。1978年の50トンという小規模な生産開始から、1980年代の毎年2倍のペースでの増加は特筆すべき成長でした。この頃の急速な増加要因として、農業政策の転換や輸出産業への期待が背景にあった可能性が高いと考えられます。
1990年代以降は成長がやや緩やかになるものの、継続的な増加が見られました。1996年には4,910トン、2014年には9,000トンと成長が続きましたが、この後は9,000トン前後で成熟期の兆しを見せています。この安定傾向は、低価格な労働力と地理的条件が一定の役割を果たした一方で、天候変動や農業技術の停滞が成長を鈍化させる要因になっている可能性があると考えられます。
また、2023年の9,321トンというデータからは、コロナ禍の影響を乗り越えつつある兆しも読み取れます。パンデミックに伴う貿易制限や人手不足が一時的な生産の停滞を引き起こしたと推測されますが、持ち直しが見られるのは、地元の農業コミュニティが早い段階で適応策を講じた結果かもしれません。
一方で、近隣地域や国際的な生産と比較するといくつかの課題も浮き彫りになります。例えば、インドや中国が持つ広大な農地と高度な農業技術に対して、ギニアビサウの生産規模はその一部に過ぎません。また、フランスやアメリカのように気候変動対策を施した農業技術が活用されている国々とは異なり、ギニアビサウの農業はまだ天候リスクに対する脆弱性を抱えています。
今後の課題としては、地政学的なリスクおよび天候変動への対応が重要です。ギニアビサウは西アフリカに位置しており、気候変動の影響を直接受ける地域に含まれます。これに伴う干ばつや洪水などの気候災害への対策は、生産量の持続可能性を高めるために不可欠です。また、国際市場へのアクセスの向上も議論の余地があります。輸出インフラの強化や協力的な貿易枠組みの構築といった具体的な政策が求められます。
さらに、ギニアビサウの農業が真に国際競争力を持つためには、技術革新と生産効率の改善が鍵です。例えば、日本のスマート農業技術の導入や韓国の作物改良技術との協力体制を築くことで、外部からの技術やノウハウを取り入れる道が考えられます。また、地域内での農業協力を推進することも、相互利益を享受できる可能性が高いです。
結論として、ギニアビサウのマンゴー・マンゴスチン・グアバ生産はこの数十年で大きな進展を遂げましたが、さらなる飛躍には国際市場での競争力の向上や外的リスクへの強化策が求められます。政府や国際機関が協力し、持続可能な農業の実現と気候変動のリスク軽減に向けた具体的な施策を早急に実施することが、この小さな西アフリカ国家にとって次なる成長フェーズを切り開く鍵となるでしょう。