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ブルンジのコーヒー豆生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、ブルンジのコーヒー豆生産量は1961年から2022年の間、増減が激しく推移してきました。特に2002年と2004年の200,000トンクラスの大規模生産が特徴的ですが、それ以外の年は10,000~40,000トン程度の範囲内を行き来しています。21世紀に入ってから長期的には減少傾向が見られる一方で、近年(2020-2022年)は17,000トン前後で横ばいとなっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 9,900
-42.51% ↓
2022年 17,220
0.7% ↑
2021年 17,100
-5% ↓
2020年 18,000
28.03% ↑
2019年 14,059
-1.1% ↓
2018年 14,216
-13% ↓
2017年 16,340
19.93% ↑
2016年 13,624
-25.82% ↓
2015年 18,367
76.52% ↑
2014年 10,405
-54.01% ↓
2013年 22,625
-14.1% ↓
2012年 26,340
-37.23% ↓
2011年 41,960
-53.36% ↓
2010年 89,960
338.47% ↑
2009年 20,517
-79.58% ↓
2008年 100,475
214.34% ↑
2007年 31,964
-78.61% ↓
2006年 149,460
329.14% ↑
2005年 34,828
-82.97% ↓
2004年 204,509
473.14% ↑
2003年 35,682
-80.41% ↓
2002年 182,182
156.67% ↑
2001年 70,980
5.25% ↑
2000年 67,439
131.51% ↑
1999年 29,130
71.99% ↑
1998年 16,937
-15.28% ↓
1997年 19,991
-25.61% ↓
1996年 26,875
5.33% ↑
1995年 25,516
-38.21% ↓
1994年 41,293
79.61% ↑
1993年 22,991
-38.22% ↓
1992年 37,215
8.8% ↑
1991年 34,204
4.62% ↑
1990年 32,694
4.12% ↑
1989年 31,400
-10.91% ↓
1988年 35,247
-5.6% ↓
1987年 37,338
19.33% ↑
1986年 31,290
-3.7% ↓
1985年 32,493
20.32% ↑
1984年 27,005
-24.89% ↓
1983年 35,954
77.81% ↑
1982年 20,221
-53.86% ↓
1981年 43,824
131.95% ↑
1980年 18,894
-31.86% ↓
1979年 27,728
21.7% ↑
1978年 22,783
33.78% ↑
1977年 17,030
-20.52% ↓
1976年 21,428
26.61% ↑
1975年 16,924
-39.86% ↓
1974年 28,140
31.53% ↑
1973年 21,395
10.27% ↑
1972年 19,403
-22.55% ↓
1971年 25,051
13.44% ↑
1970年 22,084
51.77% ↑
1969年 14,551
-12.02% ↓
1968年 16,539
-11.47% ↓
1967年 18,682
32.77% ↑
1966年 14,071
9.66% ↑
1965年 12,831
-27.66% ↓
1964年 17,737
207.03% ↑
1963年 5,777
-55.56% ↓
1962年 13,001
-7.14% ↓
1961年 14,000 -

ブルンジは東アフリカに位置し、コーヒーが主要な輸出品の一つとなっています。同国のコーヒー産業は、農業従事者の多くが関わる重要な経済活動であり、国家財政にも大きく寄与しています。しかし、生産量の推移を振り返ると、1961年以降その変動が非常に大きいことがわかります。例えば、2002年には182,182トン、2004年には204,509トンという高水準を記録した反面、2014年には10,405トンと最低水準に落ち込んでいます。このような極端な変動は、ブルンジのコーヒー生産が地政学的リスクや自然条件、さらには政策的な要因に大きく依存していることを示唆します。

東アフリカは気候変動の影響を強く受ける地域です。ブルンジのコーヒー豆生産も、降水量や気温といった気候要因による影響を大きく受け、豊作と不作の差が著しいと言えます。さらに、国内の政治情勢も生産量の変動要因として重要です。たとえば、内戦や政情不安が続いた1990年代後半、国内のコーヒー生産体制は深刻な打撃を受けました。一方で、2000年代初頭に記録的な生産量を上げた背景には、国際市場の需要の高まりや生産性を向上させるための技術支援の導入が挙げられます。しかし、その後これらの好調な状況を長期間にわたり維持することはできず、生産量は再び低下に転じました。

近年の2020年から2022年にかけてのデータを見ると、コーヒー豆の生産量はおおむね17,000トン前後で安定していますが、これはかつてのピークと比較すると著しく低い水準です。これには、持続的な気候変動の影響が悪化している上、農地の管理やインフラの整備が不十分であったことが反映されていると考えられます。また、コーヒー豆価格の国際市場での変動や、ブルンジにおける農家への支援体制の不備も要因として挙げられます。

こうした現状を踏まえると、ブルンジのコーヒー産業にはいくつかの課題が確認されます。特に、農業従事者への技術支援のさらなる強化は急務と言えます。最新の栽培技術や耐病性の高い品種の普及に加えて、輸送インフラの整備や市場へのアクセス向上も同時に進めるべきです。また、気候変動に対応するためには、灌漑設備の導入や長期的な農業計画が必要です。さらに、コーヒー豆の輸出による収益構造の改善として、付加価値を高める取り組み、たとえば国内での加工産業の育成や、ブルンジ独自のブランド化といった戦略も考えられるでしょう。

地域的課題としては、周辺諸国間との協力の強化も重要です。東アフリカ共同体(EAC)内での物流改善や市場統合を進めることで、ブルンジが抱える地理的ハンデを軽減することが期待されます。さらに、国際社会の援助を活用しながら、コーヒー産業を持続可能な形で発展させる計画が必要です。そして、中長期的には気候変動と農業生産の関連性を深く研究し、科学的なデータに基づいて政策を立案することが欠かせません。

結論として、ブルンジのコーヒー生産量は、過去からの大きな変動を繰り返しつつも、近年の安定期を迎えています。しかし低水準に甘んじるのではなく、持続可能な農業の実現に向けた具体的な行動が求められます。ブルンジ政府と国際機関は、技術、人材、インフラ投資を戦略的に結びつけることで、短期的な生産量の増加とともに長期的な産業の安定化を実現することができるでしょう。これにより、ブルンジ経済全体への貢献度は一層高まることが期待されます。