世界の小麦生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2010年度の小麦生産量ランキングによると、中国が約1億1,518万トンで世界首位となり、インド（約8,080万トン）、アメリカ合衆国（約6,006万トン）がそれに続きました。日本はランキングの中で60位に位置し、生産量は約57万トンでした。このランキングからは、小麦生産の上位国が総じて広大な農地や人口規模の大きさ、または農業技術の進展による影響を受けていることが示されています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	115,181,000
2	インド	アジア	80,803,600
3	アメリカ合衆国	北アメリカ	60,062,408
4	ロシア連邦	ヨーロッパ	41,507,581
5	フランス	ヨーロッパ	38,207,431
6	ドイツ	ヨーロッパ	23,782,955
7	パキスタン	アジア	23,310,800
8	カナダ	北アメリカ	23,299,600
9	オーストラリア	オセアニア	21,834,010
10	トルコ	アジア	19,674,000
11	ウクライナ	ヨーロッパ	16,851,300
12	イギリス	ヨーロッパ	14,877,835
13	イラン（イスラム共和国）	アジア	12,142,988
14	カザフスタン	アジア	9,638,400
15	ポーランド	ヨーロッパ	9,408,110
16	アルゼンチン	南アメリカ	9,016,373
17	エジプト	アフリカ	7,177,399
18	イタリア	ヨーロッパ	6,849,858
19	ウズベキスタン	アジア	6,745,000
20	ブラジル	南アメリカ	6,171,250
21	スペイン	ヨーロッパ	5,941,197
22	ルーマニア	ヨーロッパ	5,811,810
23	デンマーク	ヨーロッパ	5,059,900
24	モロッコ	アフリカ	4,876,140
25	アフガニスタン	アジア	4,532,000
26	チェコ	ヨーロッパ	4,161,553
27	ブルガリア	ヨーロッパ	4,094,597
28	ハンガリー	ヨーロッパ	3,745,190
29	メキシコ	南アメリカ	3,676,707
30	シリア・アラブ共和国	アジア	3,083,100
31	エチオピア	アフリカ	2,855,682
32	イラク	アジア	2,748,840
33	アルジェリア	アフリカ	2,605,178
34	スウェーデン	ヨーロッパ	2,143,000
35	ギリシャ	ヨーロッパ	1,920,670
36	ベルギー	ヨーロッパ	1,849,584
37	ウルグアイ	南アメリカ	1,844,416
38	ベラルーシ	ヨーロッパ	1,739,110
39	リトアニア	ヨーロッパ	1,710,400
40	セルビア	ヨーロッパ	1,630,404
41	ネパール	アジア	1,556,539
42	チリ	南アメリカ	1,523,921
43	オーストリア	ヨーロッパ	1,517,805
44	トルクメニスタン	アジア	1,476,620
45	南アフリカ	アフリカ	1,430,000
46	パラグアイ	南アメリカ	1,401,987
47	オランダ	ヨーロッパ	1,369,553
48	サウジアラビア	アジア	1,349,389
49	アゼルバイジャン	アジア	1,272,340
50	スロバキア	ヨーロッパ	1,185,286
51	タジキスタン	アジア	1,033,144
52	ラトビア	ヨーロッパ	989,400
53	バングラデシュ	アジア	901,490
54	チュニジア	アフリカ	822,000
55	キルギスタン	アジア	813,300
56	モルドバ共和国	ヨーロッパ	744,160
57	フィンランド	ヨーロッパ	724,400
58	クロアチア	ヨーロッパ	681,017
59	アイルランド	ヨーロッパ	669,200
60	日本	アジア	571,300
61	スイス	ヨーロッパ	524,017
62	ケニア	アフリカ	511,994
63	ニュージーランド	オセアニア	444,890
64	モンゴル	アジア	345,458
65	ノルウェー	ヨーロッパ	331,400
66	エストニア	ヨーロッパ	327,600
67	アルバニア	ヨーロッパ	294,900
68	イエメン	アジア	265,432
69	北マケドニア	ヨーロッパ	243,137
70	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	241,397
71	ペルー	南アメリカ	219,454
72	アルメニア	アジア	183,464
73	ミャンマー	アジア	181,000
74	ザンビア	アフリカ	172,256
75	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	160,000
76	スロベニア	ヨーロッパ	153,481
77	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	145,412
78	リビア	アフリカ	132,239
79	イスラエル	アジア	112,324
80	ナイジェリア	アフリカ	110,441
81	ルクセンブルク	ヨーロッパ	83,474
82	レバノン	アジア	83,000
83	ポルトガル	ヨーロッパ	82,577
84	タンザニア連合共和国	アフリカ	62,370
85	グルジア	アジア	48,400
86	大韓民国	アジア	39,116
87	エリトリア	アフリカ	33,000
88	ヨルダン	アジア	22,125
89	レソト	アフリカ	20,119
90	ウガンダ	アフリカ	20,000
91	キプロス	アジア	18,889
92	ジンバブエ	アフリカ	18,000
93	モザンビーク	アフリカ	17,870
94	パレスチナ国	アジア	17,380
95	コロンビア	南アメリカ	15,147
96	ナミビア	アフリカ	13,397
97	マルタ	ヨーロッパ	13,038
98	マリ	アフリカ	10,051
99	ブルンジ	アフリカ	9,034
100	コンゴ民主共和国	アフリカ	8,841
101	マダガスカル	アフリカ	8,694
102	ルワンダ	アフリカ	7,662
103	エクアドル	南アメリカ	7,605
104	中国、台湾 中国省	アジア	5,178
105	ニジェール	アフリカ	5,165
106	ブータン	アジア	4,873
107	アンゴラ	アフリカ	4,000
108	モーリタニア	アフリカ	2,413
109	マラウイ	アフリカ	2,341
110	オマーン	アジア	2,286
111	チャド	アフリカ	1,698
112	グアテマラ	南アメリカ	1,438
113	ホンジュラス	南アメリカ	1,140
114	タイ	アジア	1,107
115	ソマリア	アフリカ	998
116	モンテネグロ	ヨーロッパ	946
117	カメルーン	アフリカ	900
118	エスワティニ	アフリカ	450
119	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	183
120	クウェート	アジア	162
121	カタール	アジア	36
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国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2010年度の小麦生産量データは、各国における農業規模や技術、さらには地政学的背景が作物生産にどれほど影響を与えるかを知るための重要な指標となっています。このデータによれば、中国が世界の小麦生産で首位を占め、世界全体の小麦生産の主要な供給国であることがわかります。中国は国内の広大な農地を活用し、さらに無農薬や高収量品種の導入によって生産を効率化しています。一方で、インドも高密度な人口に対する国内需要を満たすべく、拡大する農業施策に基づいて生産量を伸ばしています。

アメリカ合衆国は3位ですが、高度な農業技術の導入と規模の経済を活用した大規模農場が特徴です。特に機械化率が高い点は、生産コストの削減と収量の安定化に寄与しています。また、ロシアやフランス、ドイツといった欧州諸国も主要な生産地域であり、とくにフランスは、EU（欧州連合）全体に向けた供給拠点としても機能しています。

一方、日本の小麦生産量は約57万トンと、ランキングでは60位に位置しています。この数字を見ても日本における小麦生産は非常に限定的であることがわかります。その理由として、国土の大部分が山間部であり、農地面積が限られていることが挙げられます。また、多くの日本人が主食とする米の生産が優先される傾向にあるため、小麦栽培の規模は他国と比べて小さいままです。

小麦が重要な食料源であることを踏まえ、今後の課題としては生産の効率化と国際市場の変動に対する対応が挙げられます。特に中国、インド、米国のような主要生産国が、異常気象や地政学的リスクによって収穫が不安定化すると、国際市場での価格変動が世界中に影響を及ぼすリスクが高まります。日本を含む小麦輸入国は、こうしたリスクに備えるため、国内生産拡大や多国間での食糧安全保障の協力体制を強化する必要があります。

また、温暖化や気候変動も今後小麦生産において見過ごせない要因となります。中国北部やインド亜大陸など、小麦生産の中心地では水資源の不足が深刻化しています。こうした地域では、灌漑技術の高度化や塩害に強い耐性作物の開発が急務です。日本でも、限られた農地の中で輪作や交配技術を用い、小規模でも収量を最大化できる取り組みが求められるでしょう。

さらに、不測の事態、例えば疫病の流行や紛争などが輸出入に影響するケースに備え、需給を安定させる枠組みの構築が必要です。地域ごとの小麦供給網や備蓄体制を強化し、輸入先国を多様化することで、パンデミックや国際的な緊張が食糧供給に与える影響を緩和できます。

結論として、データは上位の生産国が世界的な小麦供給を主導していることを示していますが、気候変動や国際問題が及ぼす影響を考えると、食料安全保障の観点で持続的な対策が求められます。特に日本では、食料自給率が低い状況を改善するため、新たな農業政策や技術革新が鍵となります。また、多国間の協力体制を通じて国際市場での安定を目指すことが重要です。