世界のコーヒー豆生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した1983年度のコーヒー豆生産量ランキングによると、1位はブラジルで1,671,588トン、2位はコロンビアで768,600トン、3位はメキシコで307,948トンとなりました。特にブラジルは他国を大きく引き離し、世界の主要生産国として圧倒的な地位を占めています。一方、アジアやアフリカ諸国も顕著な生産量を示していますが、規模の面で差が見られます。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	ブラジル	南アメリカ	1,671,588
2	コロンビア	南アメリカ	768,600
3	メキシコ	南アメリカ	307,948
4	インドネシア	アジア	305,648
5	コートジボワール	アフリカ	270,581
6	グアテマラ	南アメリカ	183,010
7	エルサルバドル	南アメリカ	154,560
8	ウガンダ	アフリカ	148,224
9	フィリピン	アジア	146,927
10	インド	アジア	130,000
11	コスタリカ	南アメリカ	124,008
12	ケニア	アフリカ	86,064
13	ペルー	南アメリカ	85,637
14	コンゴ民主共和国	アフリカ	84,200
15	エクアドル	南アメリカ	81,075
16	マダガスカル	アフリカ	80,855
17	ホンジュラス	南アメリカ	79,474
18	ドミニカ共和国	南アメリカ	68,027
19	カメルーン	アフリカ	63,700
20	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	58,848
21	パプアニューギニア	オセアニア	55,894
22	タンザニア連合共和国	アフリカ	52,129
23	ニカラグア	南アメリカ	49,205
24	ハイチ	南アメリカ	36,000
25	ブルンジ	アフリカ	35,954
26	ルワンダ	アフリカ	33,500
27	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	21,141
28	キューバ	南アメリカ	18,410
29	タイ	アジア	18,035
30	スリランカ	アジア	16,600
31	シエラレオネ	アフリカ	16,500
32	プエルトリコ	南アメリカ	15,649
33	中央アフリカ共和国	アフリカ	15,400
34	パラグアイ	南アメリカ	15,031
35	ギニア	アフリカ	14,700
36	アンゴラ	アフリカ	13,000
37	マレーシア	アジア	11,900
38	パナマ	南アメリカ	8,854
39	ジンバブエ	アフリカ	8,234
40	東ティモール	アジア	8,000
41	リベリア	アフリカ	7,500
42	赤道ギニア	アフリカ	6,700
43	中国	アジア	6,000
44	トーゴ	アフリカ	5,941
45	ベトナム	アジア	5,700
46	ラオス人民民主共和国	アジア	5,320
47	イエメン	アジア	3,917
48	コンゴ	アフリカ	3,360
49	ナイジェリア	アフリカ	3,000
50	ジャマイカ	南アメリカ	1,632
51	ガボン	アフリカ	1,400
52	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	1,389
53	ガーナ	アフリカ	1,300
54	ミャンマー	アジア	1,195
55	マラウイ	アフリカ	1,140
56	ガイアナ	南アメリカ	1,020
57	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,016
58	モザンビーク	アフリカ	1,000
59	ベナン	アフリカ	1,000
60	ニューカレドニア	オセアニア	377
61	サウジアラビア	アジア	250
62	ドミニカ	南アメリカ	175
63	フランス領ポリネシア	オセアニア	142
64	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	130
65	コモロ	アフリカ	83
66	カンボジア	アジア	80
67	ザンビア	アフリカ	76
68	サントメ・プリンシペ	アフリカ	60
69	カーボベルデ	アフリカ	50
70	スリナム	南アメリカ	47
71	フィジー	オセアニア	40
72	バヌアツ	オセアニア	38
73	サモア	オセアニア	20
74	グアドループ	南アメリカ	20
75	セントルシア	南アメリカ	16
76	トンガ	オセアニア	10
77	クック諸島	オセアニア	2
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1983年のデータを見ると、ブラジルが世界のコーヒー豆生産における中心的存在であることが明白です。この国単体で約167万トンを生産しており、2位のコロンビアの倍以上の量を誇っています。この大差は、ブラジルが保有する広大な栽培地、適度な気候条件、長年にわたる産業基盤の強化によるものです。その結果、ブラジルは世界におけるコーヒー供給の安定を支える重要な役割を担っています。

南アメリカではコロンビアやメキシコがそれぞれ2位と3位にランクインしています。この地域は特にアラビカ種の栽培がさかんであり、マイルドな風味を持つコーヒー豆が世界中で高い評価を受けています。一方、アジアではインドネシアが4位にランクインし、東南アジア最大の生産国として多様な豆の供給に貢献しています。しかし、アジア全体のコーヒー生産量は南アメリカと比較するとまだ低い水準にとどまっています。同時に、中国とベトナムなどの新興生産国はこの時点ではそれぞれ6,000トンと5,700トンにとどまっており、今日に比べて極めて限定的な生産量だったことがわかります。

アフリカについては、コートジボワールが5位に入っており、ウガンダやエチオピアといった他の生産国とともに、ロブスタ種の豆生産を中心に地域経済を支えています。しかし、こうした国々においても農業労働者への支援や生産インフラの整備が課題となっています。特に内紛や治安状況の悪化が原因で、生産量に影響が及ぶ可能性が指摘されています。

全体のデータを俯瞰した場合、1983年時点では南アメリカ諸国がコーヒー生産をリードし、アフリカとアジアがそれに続く形となっています。しかしながら、地政学的なリスクや気候変動、農業技術の差が将来的な生産量の格差につながっている懸念を考える必要があります。南アメリカでは主に生産効率のさらなる向上が課題となり、アジアでは新興生産国の台頭が期待される一方で、気候変動や土地の制約が克服すべき問題です。

具体的な対策としては、まず気候変動に対応する品種改良の推進、農業技術の普及、そして生産者への公正取引の強化が急務です。また、地政学的リスクを抱える地域では国際的な協力の枠組みが重要となります。例えば、インフラ整備や技術支援を通じて生産の安定化を図ることは、地域の持続可能な発展につながるでしょう。

1983年のランキングから見えるもう一つの重要な考察点は、独占的な生産国への依存リスクです。一国や地域に過度に依存することで、自然災害や経済的トラブルが発生した際、世界の供給に大きな混乱を招く可能性があります。このため、アジアやアフリカなど新しい生産地域の育成は、業界全体のリスク分散の観点からも重要です。

結論として、1983年のデータはコーヒー豆生産が地理的に大きな偏りを持っていたことを示しています。特にブラジルのような巨大な供給源に依存しつつも、他地域の多様な生産地も確実に発展していました。現在ではより多様な国々がコーヒー産業に参画しており、今後も持続可能な生産体制と消費の均衡を図る努力が求められます。気候変動や地政学的リスクといった要因を考慮しつつ、国際連携を通じた生産基盤の強化が未来の課題と言えるでしょう。