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世界のコーヒー豆生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関(FAO)の1981年のデータによると、世界のコーヒー豆生産量ランキング1位はブラジル(2,032,210トン)で、全世界の生産量の圧倒的な割合を占めています。2位のコロンビア(782,200トン)、3位のコートジボワール(366,839トン)は、それぞれ南米やアフリカを代表する生産地です。一方、アジアではインドネシアが4位(314,899トン)にランクインし、日本や中国などアジアの他の地域に比べ高い生産量を誇っています。これらの上位国を中心に、コーヒー生産は主に赤道近くの「コーヒーベルト」と呼ばれる地域で行われているのが特徴です。

順位 国名 地域 生産量(トン)
1 ブラジル国旗 ブラジル 南アメリカ 2,032,210
2 コロンビア国旗 コロンビア 南アメリカ 782,200
3 コートジボワール国旗 コートジボワール アフリカ 366,839
4 インドネシア国旗 インドネシア アジア 314,899
5 メキシコ国旗 メキシコ 南アメリカ 262,904
6 グアテマラ国旗 グアテマラ 南アメリカ 193,830
7 エルサルバドル国旗 エルサルバドル 南アメリカ 180,000
8 フィリピン国旗 フィリピン アジア 146,700
9 インド国旗 インド アジア 118,600
10 コスタリカ国旗 コスタリカ 南アメリカ 113,102
11 カメルーン国旗 カメルーン アフリカ 109,286
12 ケニア国旗 ケニア アフリカ 99,717
13 ウガンダ国旗 ウガンダ アフリカ 97,500
14 コンゴ民主共和国国旗 コンゴ民主共和国 アフリカ 93,400
15 エクアドル国旗 エクアドル 南アメリカ 86,085
16 マダガスカル国旗 マダガスカル アフリカ 83,460
17 ペルー国旗 ペルー 南アメリカ 79,360
18 ホンジュラス国旗 ホンジュラス 南アメリカ 75,347
19 タンザニア連合共和国国旗 タンザニア連合共和国 アフリカ 66,441
20 ニカラグア国旗 ニカラグア 南アメリカ 61,087
21 ベネズエラ (ボリバル共和国)国旗 ベネズエラ (ボリバル共和国) 南アメリカ 59,566
22 ドミニカ共和国国旗 ドミニカ共和国 南アメリカ 52,206
23 パプアニューギニア国旗 パプアニューギニア オセアニア 49,837
24 ブルンジ国旗 ブルンジ アフリカ 43,824
25 ハイチ国旗 ハイチ 南アメリカ 33,250
26 ルワンダ国旗 ルワンダ アフリカ 29,200
27 キューバ国旗 キューバ 南アメリカ 21,616
28 ボリビア (多民族国家)国旗 ボリビア (多民族国家) 南アメリカ 21,325
29 アンゴラ国旗 アンゴラ アフリカ 20,640
30 中央アフリカ共和国国旗 中央アフリカ共和国 アフリカ 17,000
31 ギニア国旗 ギニア アフリカ 14,400
32 プエルトリコ国旗 プエルトリコ 南アメリカ 13,608
33 パラグアイ国旗 パラグアイ 南アメリカ 12,856
34 スリランカ国旗 スリランカ アジア 12,500
35 タイ国旗 タイ アジア 12,060
36 マレーシア国旗 マレーシア アジア 10,400
37 シエラレオネ国旗 シエラレオネ アフリカ 9,288
38 トーゴ国旗 トーゴ アフリカ 8,878
39 リベリア国旗 リベリア アフリカ 8,400
40 東ティモール国旗 東ティモール アジア 8,000
41 パナマ国旗 パナマ 南アメリカ 7,062
42 赤道ギニア国旗 赤道ギニア アフリカ 6,600
43 中国国旗 中国 アジア 6,000
44 ジンバブエ国旗 ジンバブエ アフリカ 5,476
45 ベトナム国旗 ベトナム アジア 5,300
46 ラオス人民民主共和国国旗 ラオス人民民主共和国 アジア 5,031
47 イエメン国旗 イエメン アジア 4,405
48 ナイジェリア国旗 ナイジェリア アフリカ 3,000
49 コンゴ国旗 コンゴ アフリカ 2,580
50 トリニダード・トバゴ国旗 トリニダード・トバゴ 南アメリカ 2,433
51 ガイアナ国旗 ガイアナ 南アメリカ 1,560
52 ガーナ国旗 ガーナ アフリカ 1,500
53 ジャマイカ国旗 ジャマイカ 南アメリカ 1,379
54 ミャンマー国旗 ミャンマー アジア 1,044
55 モザンビーク国旗 モザンビーク アフリカ 1,000
56 マラウイ国旗 マラウイ アフリカ 1,000
57 アメリカ合衆国国旗 アメリカ合衆国 北アメリカ 802
58 ガボン国旗 ガボン アフリカ 750
59 ニューカレドニア国旗 ニューカレドニア オセアニア 597
60 ベナン国旗 ベナン アフリカ 585
61 サウジアラビア国旗 サウジアラビア アジア 300
62 ドミニカ国旗 ドミニカ 南アメリカ 168
63 フランス領ポリネシア国旗 フランス領ポリネシア オセアニア 121
64 セントビンセントおよびグレナディーン諸島国旗 セントビンセントおよびグレナディーン諸島 南アメリカ 120
65 カーボベルデ国旗 カーボベルデ アフリカ 100
66 コモロ国旗 コモロ アフリカ 82
67 カンボジア国旗 カンボジア アジア 68
68 バヌアツ国旗 バヌアツ オセアニア 61
69 サントメ・プリンシペ国旗 サントメ・プリンシペ アフリカ 60
70 スリナム国旗 スリナム 南アメリカ 53
71 中国、台湾 中国省国旗 中国、台湾 中国省 アジア 52
72 ザンビア国旗 ザンビア アフリカ 40
73 サモア国旗 サモア オセアニア 20
74 フィジー国旗 フィジー オセアニア 20
75 セントルシア国旗 セントルシア 南アメリカ 12
76 グアドループ国旗 グアドループ 南アメリカ 10
77 スペイン国旗 スペイン ヨーロッパ 4
78 クック諸島国旗 クック諸島 オセアニア 2
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このデータは、コーヒーが栽培される地理的傾向や世界各地の経済的影響を理解する上で重要な役割を果たします。1981年時点で最も多くのコーヒー豆を生産していたブラジルは、全世界の総生産量のなかで際立ったシェアを持っており、もはや「農業大国」の枠を超え、コーヒー市場の中枢的な位置にあったことがわかります。アグリビジネスの大規模な展開や近代化した生産システムの導入がその背景にあると言えます。

2位のコロンビアも南米の重要な生産地です。この国では主にアラビカ種の豆が生産され、特有の酸味や香りが特徴的です。西アフリカを代表する生産国である3位のコートジボワールは、主にロブスタ種を生産し、その多くがインスタントコーヒーの原料となっています。インドネシア(4位)はアジアで最大の生産国であり、独自の加工手法(湿式加工)が特徴であり、これがアジア及び世界市場での特有の味わいにつながっています。

このデータからは、地域ごとの地政学的影響や農業政策がコーヒー生産に与えた影響も浮き彫りになります。例えば、アフリカ諸国の多くは、1981年時点で内戦や経済的混乱に直面しており、生産規模の拡大が制限されていました。一方で南米諸国は、比較的安定した政治環境の下、輸出向けに農業を効率化する政策が進められています。この違いが、上位国と中位以下の国々の格差を生み出している要因といえます。

また、アジアではインド(118,600トン)が上位にランクインしていますが、日本や中国はランキング下位(中国は43位で6,000トン、日本はランク外)にとどまっています。これにより、アジア市場は主に消費国であり、生産国としての影響力は限定的であることがわかります。ただしその後、中国やベトナム(1981年では45位で5,300トン)が急成長を遂げ、現在では主要な輸出国となっている点は、アジアにおけるコーヒー産業の潜在力を示唆します。

課題としては、気候変動の影響がすでに当時から一部の生産地で顕在化している点です。コーヒーの栽培には安定した気温や降水量が必要ですが、これが変動することで生産量の減少や品種の選択に影響が出ることが懸念されています。また、輸出に依存している多くの発展途上国では、市場価格の変動や収入の不安定性が問題となっており、農家の生活の質の向上が不可欠です。

これに対して提案される対策としては、まず生産者が適応できるような気候変動対策を進めることが重要です。具体的には、乾燥や湿潤などの環境変化に強い品種の開発と普及、農業インフラの整備が求められます。また、コーヒーの価格安定化のための国際的な協力や、フェアトレード(公正貿易)の促進も必要です。この政策は、生産者の生活を安定させると同時に、市場の過度な変動を防ぐ効果も期待できます。

さらに、アジアなどの新興生産地では、コーヒー産業を発展させるために地域間協力の強化が効果的です。例えば、隣接する東南アジア諸国間で技術や資源を共有し、効率的な生産と品質向上を図ることで、地域全体の国際競争力を高める可能性があります。

結論として、1981年のデータはコーヒー産業の当時の構造を明確に示しつつ、現代への教訓も多く含んでいます。ブラジルやコロンビアといった当時の主要生産国が依然として市場を支配している一方で、ベトナムやアジア諸国の成長は、新しい時代の可能性を象徴しています。将来のコーヒー供給を安定させるためには、生産国間の協力や技術革新、そして気候変動への備えが欠かせないものとなるでしょう。

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