世界のコーヒー豆生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2017年度のコーヒー豆生産量ランキングによると、世界最大の生産国はブラジルで、2,684,508トンを記録しました。2位にはベトナム（1,542,398トン）、3位にはコロンビア（851,640トン）が続きました。このランキングは、コーヒー産業の地理的集中とそれに伴う生産構造を明らかにしています。アジア、中南米、アフリカの3地域が主にコーヒー豆の生産を支えており、特に南米が圧倒的な存在感を示しています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	ブラジル	南アメリカ	2,684,508
2	ベトナム	アジア	1,542,398
3	コロンビア	南アメリカ	851,640
4	インドネシア	アジア	717,962
5	ホンジュラス	南アメリカ	477,580
6	エチオピア	アフリカ	449,230
7	ペルー	南アメリカ	337,330
8	インド	アジア	312,000
9	ウガンダ	アフリカ	302,063
10	グアテマラ	南アメリカ	224,000
11	メキシコ	南アメリカ	153,777
12	ラオス人民民主共和国	アジア	150,795
13	ニカラグア	南アメリカ	128,111
14	中国	アジア	114,163
15	コスタリカ	南アメリカ	90,419
16	フィリピン	アジア	62,078
17	マダガスカル	アフリカ	59,602
18	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	56,630
19	タンザニア連合共和国	アフリカ	47,693
20	パプアニューギニア	オセアニア	46,980
21	エルサルバドル	南アメリカ	41,141
22	ギニア	アフリカ	40,800
23	コンゴ民主共和国	アフリカ	40,342
24	ケニア	アフリカ	38,620
25	コートジボワール	アフリカ	33,600
26	ルワンダ	アフリカ	31,718
27	カメルーン	アフリカ	31,610
28	タイ	アジア	25,909
29	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	21,181
30	イエメン	アジア	18,767
31	トーゴ	アフリカ	18,476
32	ブルンジ	アフリカ	16,340
33	ドミニカ共和国	南アメリカ	15,241
34	アンゴラ	アフリカ	13,543
35	中央アフリカ共和国	アフリカ	9,990
36	ザンビア	アフリカ	8,761
37	ミャンマー	アジア	8,547
38	マラウイ	アフリカ	8,420
39	マレーシア	アジア	8,109
40	エクアドル	南アメリカ	7,564
41	キューバ	南アメリカ	6,780
42	パナマ	南アメリカ	6,588
43	ジャマイカ	南アメリカ	6,222
44	スリランカ	アジア	5,431
45	赤道ギニア	アフリカ	4,134
46	ハイチ	南アメリカ	3,969
47	東ティモール	アジア	3,900
48	コンゴ	アフリカ	3,108
49	プエルトリコ	南アメリカ	2,461
50	シエラレオネ	アフリカ	2,277
51	アメリカ合衆国	北アメリカ	2,200
52	ナイジェリア	アフリカ	1,890
53	中国、台湾 中国省	アジア	947
54	モザンビーク	アフリカ	806
55	ガーナ	アフリカ	736
56	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	707
57	ジンバブエ	アフリカ	683
58	リベリア	アフリカ	626
59	ネパール	アジア	466
60	パラグアイ	南アメリカ	442
61	ガイアナ	南アメリカ	420
62	ドミニカ	南アメリカ	369
63	カンボジア	アジア	357
64	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	187
65	コモロ	アフリカ	137
66	ガボン	アフリカ	102
67	ベリーズ	南アメリカ	89
68	ベナン	アフリカ	55
69	カーボベルデ	アフリカ	47
70	バヌアツ	オセアニア	37
71	フランス領ポリネシア	オセアニア	21
72	トンガ	オセアニア	15
73	フィジー	オセアニア	15
74	サモア	オセアニア	11
75	サントメ・プリンシペ	アフリカ	8
76	スリナム	南アメリカ	6
77	ニューカレドニア	オセアニア	5
78	クック諸島	オセアニア	0
+ すべての国を見る

2017年度の世界のコーヒー豆生産量データを詳しく分析すると、ブラジルがダントツの1位であり、世界全体の供給を牽引する重要な国であることが分かります。その生産量は2,684,508トンで、2位のベトナムのおよそ1.7倍という圧倒的な差があります。ブラジルがここまで高い生産量を記録している背景には、適した気候条件、広大な農地、そして効率的な農業技術が挙げられます。ベトナムもまた、アジアにおけるコーヒー生産の中心として急成長しており、主にロブスタ種と呼ばれるコーヒー豆の生産が多いことが特色です。一方、コロンビアは伝統的にアラビカ種の栽培が盛んであり、品質への評価が高い国です。

アジアでは、ベトナムに次いでインドやインドネシアが名を連ね、特にアジア地域として全体の生産量の約30％を占めるほどの存在感を示しています。また、アフリカではエチオピアが群を抜いており、その生産量は449,230トンで、地域全体のなかでも経済的にも文化的にも大きな役割を担っています。一方の中南米では、伝統的な生産国であるコロンビアやホンジュラス、ペルー、グアテマラなどが上位に位置しており、環境条件や長い農業の歴史を背景に安定した生産を行っています。

しかしながら、世界のコーヒー生産にはいくつかの課題が存在します。まず、気候変動がコーヒー栽培地域に与える影響が深刻化しつつあります。例えば、温暖化により適切な栽培地域が縮小し、特に高地栽培を主とするコロンビアやエチオピアなどの国では、収穫量の減少が懸念されています。さらに害虫の被害や病害、具体的には「さび病」と呼ばれる菌が広がりつつあり、一部地域ではこれが主要課題となっています。特に中南米はこの病害の影響を強く受けてきました。

また、社会経済的なリスクも見逃せません。生産地域の多くが発展途上国であり、労働環境の改善が求められる一方、急速な都市化と人口増加によって農村部の労働力が減少している点も大きな問題です。この労働力不足は特に東南アジアやアフリカ諸国で顕著です。

未来への提言としては、まず気候変動への対応策が急務です。これには耐病性や高温環境に適応可能な品種の開発が含まれ、各国の農業研究機関と国際的な協力が鍵となります。また、持続可能な生産を実現するためには、生産者への直接投資やフェアトレードを通じた所得向上が必要です。これにより農民の経済的安定が図られ、生産基盤の強化につながります。

さらに、地域間の協力や共通の政策枠組みの推進も重要です。中南米、アフリカ、アジアなどで生産者ネットワークや品質向上に向けた共同プログラムを設けることで、生産効率や収益の向上が期待されます。特に、ラテンアメリカ諸国では生産技術の共有が更なる発展につながる可能性を秘めています。

結論として、2017年度のランキングデータはコーヒー産業が世界経済や食文化に大きな影響を与える規模であることを示しています。同時に、地球規模の気候変動や社会経済的課題に直面しているこの産業の持続可能性を確保するためには、国際的な協力と科学技術を活用した具体的な対策が求められると考えられます。