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世界のコーヒー豆生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1978年のコーヒー豆生産量ランキングによると、世界最大の生産国はブラジルで、1,267,661トンもの生産量を誇り、圧倒的な首位を占めています。これに続くのはコロンビア(683,220トン)とメキシコ(241,602トン)であり、これら上位3か国だけで全体の約半分に匹敵する生産量を占めています。一方で、生産量が最も少ない国はクック諸島で、わずか2トンという数値が示されています。同時に、コーヒー生産が多い地域は南米を中心にアフリカ、西アジア、東南アジア、そして中米にも分布していることが分かります。アジア地域ではインドが125,000トンで最も成績が良く、中国やベトナムのような国はこの時点では目立った数値を記録していません。

順位 国名 地域 生産量(トン)
1 ブラジル国旗 ブラジル 南アメリカ 1,267,661
2 コロンビア国旗 コロンビア 南アメリカ 683,220
3 メキシコ国旗 メキシコ 南アメリカ 241,602
4 インドネシア国旗 インドネシア アジア 222,690
5 コートジボワール国旗 コートジボワール アフリカ 195,565
6 グアテマラ国旗 グアテマラ 南アメリカ 169,636
7 エルサルバドル国旗 エルサルバドル 南アメリカ 158,490
8 インド国旗 インド アジア 125,000
9 ウガンダ国旗 ウガンダ アフリカ 121,300
10 フィリピン国旗 フィリピン アジア 118,750
11 カメルーン国旗 カメルーン アフリカ 107,993
12 コスタリカ国旗 コスタリカ 南アメリカ 98,549
13 ペルー国旗 ペルー 南アメリカ 88,166
14 コンゴ民主共和国国旗 コンゴ民主共和国 アフリカ 85,600
15 ケニア国旗 ケニア アフリカ 84,332
16 マダガスカル国旗 マダガスカル アフリカ 78,200
17 エクアドル国旗 エクアドル 南アメリカ 75,447
18 ニカラグア国旗 ニカラグア 南アメリカ 65,092
19 ホンジュラス国旗 ホンジュラス 南アメリカ 59,796
20 ベネズエラ (ボリバル共和国)国旗 ベネズエラ (ボリバル共和国) 南アメリカ 58,977
21 タンザニア連合共和国国旗 タンザニア連合共和国 アフリカ 51,359
22 パプアニューギニア国旗 パプアニューギニア オセアニア 45,945
23 ドミニカ共和国国旗 ドミニカ共和国 南アメリカ 43,405
24 アンゴラ国旗 アンゴラ アフリカ 34,320
25 ハイチ国旗 ハイチ 南アメリカ 26,580
26 ブルンジ国旗 ブルンジ アフリカ 22,783
27 ルワンダ国旗 ルワンダ アフリカ 21,994
28 中央アフリカ共和国国旗 中央アフリカ共和国 アフリカ 15,183
29 キューバ国旗 キューバ 南アメリカ 14,807
30 ギニア国旗 ギニア アフリカ 14,283
31 ボリビア (多民族国家)国旗 ボリビア (多民族国家) 南アメリカ 13,424
32 スリランカ国旗 スリランカ アジア 12,318
33 プエルトリコ国旗 プエルトリコ 南アメリカ 11,927
34 リベリア国旗 リベリア アフリカ 8,665
35 東ティモール国旗 東ティモール アジア 8,500
36 パラグアイ国旗 パラグアイ 南アメリカ 7,200
37 タイ国旗 タイ アジア 6,900
38 パナマ国旗 パナマ 南アメリカ 6,146
39 マレーシア国旗 マレーシア アジア 6,120
40 赤道ギニア国旗 赤道ギニア アフリカ 5,400
41 ベトナム国旗 ベトナム アジア 5,400
42 ジンバブエ国旗 ジンバブエ アフリカ 4,977
43 コンゴ国旗 コンゴ アフリカ 4,843
44 イエメン国旗 イエメン アジア 4,716
45 トーゴ国旗 トーゴ アフリカ 4,707
46 シエラレオネ国旗 シエラレオネ アフリカ 4,367
47 中国国旗 中国 アジア 4,000
48 ナイジェリア国旗 ナイジェリア アフリカ 3,100
49 ラオス人民民主共和国国旗 ラオス人民民主共和国 アジア 2,980
50 トリニダード・トバゴ国旗 トリニダード・トバゴ 南アメリカ 2,500
51 ガーナ国旗 ガーナ アフリカ 1,770
52 ジャマイカ国旗 ジャマイカ 南アメリカ 1,477
53 ガイアナ国旗 ガイアナ 南アメリカ 1,140
54 ミャンマー国旗 ミャンマー アジア 1,079
55 モザンビーク国旗 モザンビーク アフリカ 1,000
56 マラウイ国旗 マラウイ アフリカ 900
57 アメリカ合衆国国旗 アメリカ合衆国 北アメリカ 610
58 ニューカレドニア国旗 ニューカレドニア オセアニア 507
59 ガボン国旗 ガボン アフリカ 502
60 サウジアラビア国旗 サウジアラビア アジア 220
61 ベナン国旗 ベナン アフリカ 185
62 フランス領ポリネシア国旗 フランス領ポリネシア オセアニア 125
63 セントビンセントおよびグレナディーン諸島国旗 セントビンセントおよびグレナディーン諸島 南アメリカ 105
64 カーボベルデ国旗 カーボベルデ アフリカ 100
65 コモロ国旗 コモロ アフリカ 90
66 ザンビア国旗 ザンビア アフリカ 80
67 カンボジア国旗 カンボジア アジア 72
68 バヌアツ国旗 バヌアツ オセアニア 60
69 サントメ・プリンシペ国旗 サントメ・プリンシペ アフリカ 60
70 スリナム国旗 スリナム 南アメリカ 52
71 中国、台湾 中国省国旗 中国、台湾 中国省 アジア 47
72 サモア国旗 サモア オセアニア 20
73 グアドループ国旗 グアドループ 南アメリカ 20
74 フィジー国旗 フィジー オセアニア 20
75 セントルシア国旗 セントルシア 南アメリカ 19
76 スペイン国旗 スペイン ヨーロッパ 9
77 クック諸島国旗 クック諸島 オセアニア 2
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国際連合食糧農業機関(FAO)が公開した1978年のデータによれば、ブラジルは長年にわたり世界のコーヒー市場を牽引する最大の生産国であることが改めて明らかになっています。1,267,661トンという圧倒的な生産量は、2位のコロンビア(683,220トン)の倍近くに達しており、1978年の世界市場でも存在感は突出しています。その背景には、ブラジルの広大な農地面積、コーヒーに適した気候条件、高度な栽培技術が挙げられます。また、当時のコロンビアやメキシコも南米及び中米における主要生産国として確固たる地位を占め、生産量面で他国を大きく引き離しています。

一方で、アフリカ勢ではコートジボワールが195,565トンで5位にランクインしており、アフリカ大陸における最大の生産国でありました。このように、アフリカ地域の多くの国々が少量ながらも生産を担い、地域の経済活動や輸出収益に一定の影響を与えていました。ウガンダやケニアのような国がランクインしているのも、アフリカ東部や中部地域が豊かな農地を持つことを示しており、この土地柄は今後の成長可能性を抱える地域として注目されます。

アジア地域ではインドが健闘し、125,000トンという生産量を記録して8位につけています。東南アジアではインドネシア(222,690トン)が上位にランクしているものの、現在のコーヒー生産で大国とされるベトナム(5,400トン)は、この時点ではまだ大規模な生産体制を整えていなかったことが興味深い点です。中国も4,000トンで47位と控えめな結果となっています。これらのアジア諸国が後年コーヒー市場において勢力を拡大していく流れを考えると、このランキングはその変化の前夜を映しているとも言えるでしょう。

このランキングから浮かび上がる課題としては、当時の地政学的リスクや輸送インフラ不足が特定の地域でコーヒー生産の拡大を阻んでいた可能性が挙げられます。紛争や内戦の影響を受けたアフリカ地域の国々、たとえばコンゴ民主共和国やアンゴラ、また輸出インフラが未整備だった東南アジアのパプアニューギニアなどの国々は、この問題に大きく影響されています。同時に、1978年の農業技術水準では、持続可能な農法に関する意識も未成熟な段階であり、自然環境への負荷が高い状態であったことも課題として挙げられるべきです。

将来を見据えると、技術革新や国際協力を通じて、生産能力や品質を向上させる取り組みが求められます。特に、アフリカやアジアの新興生産国においては、大規模農業への資本投資や専門知識の導入が鍵となります。地域間の協力体制を強化し、安全な輸送インフラの整備と国境を越えたサプライチェーンの構築がコーヒー豆市場の安定化に寄与するでしょう。自然災害による被害を抑えるための気候に適応した農法の開発、土壌保全技術、適切な水管理システムの導入も緊急性の高い課題です。

また、消費者のニーズが多様化していく中で、有機農法や公平な貿易システムに基づいた「フェアトレード」の推進も重要です。これは、低収入の農家を支援すると同時に、高付加価値な製品の生産にもつながります。さらに、地政学的リスクや疫病の拡大を予測し、柔軟に対応するための国際的な枠組み作りも重要性を増しています。これにより、生産国における労働者の生活の質を向上させつつ、持続可能な成長への道筋を明確にすることができるでしょう。

1978年のデータは単なる過去の統計にとどまらず、コーヒー生産の変遷を理解する上での重要な指標と言えます。このデータを元に今後の戦略を考え、持続可能で安定的なコーヒー産業の構築を目指すことが求められます。

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