世界のオレンジ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2000年度の世界のオレンジ生産量ランキングは、国際連合食糧農業機関（FAO）の最新統計データを基にしたもので、ブラジルが21,330,258トンで世界最大の生産国となりました。2位にアメリカ合衆国（11,790,680トン）、3位にメキシコ（3,812,683トン）が続いています。一方、日本は順位で45位に位置し、104,000トンを生産しています。主要生産国が属する地域では異なる生産量の背景があり、地理的、経済的要因が影響を与えていることが分かります。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	ブラジル	南アメリカ	21,330,258
2	アメリカ合衆国	北アメリカ	11,790,680
3	メキシコ	南アメリカ	3,812,683
4	インド	アジア	2,674,700
5	スペイン	ヨーロッパ	2,616,220
6	イタリア	ヨーロッパ	1,876,182
7	イラン（イスラム共和国）	アジア	1,843,042
8	エジプト	アフリカ	1,610,520
9	パキスタン	アジア	1,328,000
10	南アフリカ	アフリカ	1,167,284
11	トルコ	アジア	1,070,000
12	中国	アジア	1,054,000
13	ギリシャ	ヨーロッパ	945,763
14	モロッコ	アフリカ	870,000
15	アルゼンチン	南アメリカ	787,096
16	インドネシア	アジア	644,052
17	オーストラリア	オセアニア	509,973
18	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	496,768
19	キューバ	南アメリカ	470,487
20	ベトナム	アジア	426,700
21	シリア・アラブ共和国	アジア	407,066
22	コスタリカ	南アメリカ	405,000
23	コロンビア	南アメリカ	352,897
24	タイ	アジア	325,000
25	ガーナ	アフリカ	300,000
26	アルジェリア	アフリカ	299,583
27	イラク	アジア	270,000
28	イスラエル	アジア	267,400
29	ポルトガル	ヨーロッパ	257,340
30	ペルー	南アメリカ	255,747
31	ベリーズ	南アメリカ	228,192
32	パラグアイ	南アメリカ	201,802
33	コンゴ民主共和国	アフリカ	185,000
34	イエメン	アジア	158,473
35	レバノン	アジア	152,400
36	エクアドル	南アメリカ	149,380
37	ジャマイカ	南アメリカ	138,000
38	ドミニカ共和国	南アメリカ	131,432
39	中国、台湾 中国省	アジア	126,631
40	ホンジュラス	南アメリカ	120,000
41	チュニジア	アフリカ	115,000
42	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	110,000
43	ウルグアイ	南アメリカ	109,156
44	グアテマラ	南アメリカ	104,326
45	日本	アジア	104,000
46	ジンバブエ	アフリカ	98,000
47	チリ	南アメリカ	97,000
48	マダガスカル	アフリカ	83,000
49	パレスチナ国	アジア	76,721
50	ニカラグア	南アメリカ	65,000
51	カンボジア	アジア	63,000
52	キプロス	アジア	42,700
53	リビア	アフリカ	42,500
54	マリ	アフリカ	40,208
55	ヨルダン	アジア	39,904
56	エルサルバドル	南アメリカ	37,258
57	エスワティニ	アフリカ	36,000
58	セネガル	アフリカ	31,000
59	ネパール	アジア	30,000
60	ブータン	アジア	30,000
61	コートジボワール	アフリカ	29,248
62	ラオス人民民主共和国	アジア	29,000
63	パナマ	南アメリカ	27,490
64	プエルトリコ	南アメリカ	26,403
65	ケニア	アフリカ	26,000
66	タンザニア連合共和国	アフリカ	25,000
67	ハイチ	南アメリカ	25,000
68	中央アフリカ共和国	アフリカ	24,000
69	エチオピア	アフリカ	14,000
70	マレーシア	アジア	13,391
71	モザンビーク	アフリカ	13,268
72	トーゴ	アフリカ	12,185
73	アフガニスタン	アジア	11,241
74	ベナン	アフリカ	11,228
75	スリナム	南アメリカ	9,817
76	リベリア	アフリカ	8,908
77	フィリピン	アジア	8,021
78	ガイアナ	南アメリカ	8,008
79	ソマリア	アフリカ	8,000
80	ギニアビサウ	アフリカ	5,494
81	スリランカ	アジア	5,320
82	ニュージーランド	オセアニア	5,000
83	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	3,878
84	ドミニカ	南アメリカ	3,553
85	ザンビア	アフリカ	3,500
86	アルバニア	ヨーロッパ	2,600
87	コンゴ	アフリカ	2,487
88	アゼルバイジャン	アジア	2,006
89	グルジア	アジア	1,500
90	セントルシア	南アメリカ	1,415
91	マルタ	ヨーロッパ	1,200
92	レユニオン	アフリカ	1,200
93	ナミビア	アフリカ	1,000
94	タジキスタン	アジア	1,000
95	バングラデシュ	アジア	1,000
96	ニューカレドニア	オセアニア	963
97	グアドループ	南アメリカ	903
98	グレナダ	南アメリカ	880
99	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	800
100	トンガ	オセアニア	690
101	マルティニーク	南アメリカ	690
102	フランス領ギアナ	南アメリカ	605
103	ボツワナ	アフリカ	600
104	フランス	ヨーロッパ	550
105	フィジー	オセアニア	547
106	ブルキナファソ	アフリカ	542
107	クロアチア	ヨーロッパ	497
108	東ティモール	アジア	300
109	ブルネイ ダルサラーム	アジア	273
110	フランス領ポリネシア	オセアニア	180
111	クック諸島	オセアニア	171
112	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	101
113	セーシェル	アフリカ	30
114	クウェート	アジア	11
115	ジブチ	アフリカ	3
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2000年度のデータを見ると、オレンジ生産量における地理的分布の偏りとその背景が際立っています。ブラジルが他国を大きく引き離して1位を占めている理由には、広大な適温・適湿な土地、発展した農業システム、そして輸出志向の政策が挙げられます。ブラジル産オレンジの多くはジュース用に加工され、世界中に供給されています。アメリカ合衆国が続いて上位にランクインしているのは、カリフォルニアやフロリダなどの生産地が気候に恵まれ、農業技術が発達しているためです。

メキシコ、インド、スペインのような農業国が上位を占める中で、それぞれの地域の食糧市場と生産規模が異なる点も興味深いです。メキシコでは国内消費の多くが生食向けで、ローカル需要を満たすことを主目的としています。一方、スペインはヨーロッパ市場に向けた輸出が中心で、高品質なオレンジの輸出で知られています。

アジア圏では、インドが4位、中国が12位、日本が45位と大きな差があります。インドは国内人口の需要に応えるための生産がメインですが、大半が国内消費にとどまっています。一方で、日本の生産量は限られており、オレンジ輸入に依存している状態です。これは、限られた平地面積や四季の変化があり、オレンジの生産には適さない土地条件が影響しています。

このように大きな生産量の差が生じる背景には、気候条件、面積、農業インフラ、輸出政策の違いが関連しています。たとえば、地中海地域のスペインやイタリアでは降雨と日照条件がオレンジ栽培に非常に適しているため、豊かな果実生産地としての地位を確保しています。一方、中東のイランやエジプトのような乾燥地域でも、灌漑技術の発展によって上位に食い込む結果となっています。

しかし、このデータは世界の農業における課題も浮き彫りにしています。気候変動はオレンジ生産量に大きな影響を及ぼす懸念があり、特に干ばつが進む地域では灌漑水源が不足するリスクが高まっています。また、主要輸出国で政策変更があった場合、中小生産国への市場競争圧力が強まる可能性もあります。さらに、近年の疫病被害や害虫問題（例：シトラス・グリーニング病）は、国際的な協力を必要とする喫緊の課題です。

これらの課題に対し、いくつかの具体的な解決策が考えられます。例えば、効率的な灌漑技術の普及は、生産性を高める一助となります。特に降雨が限定的な地域では、地下水や河川資源を効率的に利用する精巧な灌漑システムの導入が有効です。さらに、農業における研究開発を支援し、病害虫に耐性のある種苗の開発にも力を入れるべきです。気候変動に対応するため、地域ごとに適応型の農業政策を整備することも重要です。たとえば、農業機械化やデジタル技術の活用により生産効率を向上させることで、オレンジ生産の利益を最大化できます。

また、国際的な協力も必要不可欠です。輸出国と輸入国が連携し、安定した貿易関係を築くことで輸入依存国への供給リスクを軽減することができます。国連や関連機関が果たす役割として、市場の透明性向上や技術共有の促進が重要です。

2000年度のデータは、現状を知るための出発点であり、将来的な方向性を議論するための重要な基盤です。持続可能な栽培の実現と市場の安定化を目指しながら、各国が互いに補い合う農業モデルを構築していくことが求められるでしょう。