世界のバナナ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した1977年度のバナナ生産量ランキングにおいて、1位はブラジルで4,447,660トン、2位はインドで4,245,900トン、3位はフィリピンで2,582,429トンの生産量となり、南米、アジア、アフリカの国々が高順位を占めています。一方で、日本の生産量は1,500トンで94位に位置し、生産規模が比較的小さいことが分かります。このデータは、各地域の農業生産の特性、地理的条件、および国の政策状況がバナナ生産に与える影響を示唆しています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	ブラジル	南アメリカ	4,447,660
2	インド	アジア	4,245,900
3	フィリピン	アジア	2,582,429
4	エクアドル	南アメリカ	2,450,690
5	ルワンダ	アフリカ	1,896,258
6	インドネシア	アジア	1,725,830
7	タイ	アジア	1,500,000
8	ブルンジ	アフリカ	1,320,000
9	メキシコ	南アメリカ	1,276,006
10	ホンジュラス	南アメリカ	1,235,054
11	コスタリカ	南アメリカ	1,124,691
12	コロンビア	南アメリカ	1,050,000
13	パナマ	南アメリカ	1,027,713
14	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	874,589
15	ベトナム	アジア	600,000
16	バングラデシュ	アジア	589,714
17	グアテマラ	南アメリカ	450,000
18	マレーシア	アジア	450,000
19	パプアニューギニア	オセアニア	425,000
20	カメルーン	アフリカ	400,000
21	スペイン	ヨーロッパ	393,400
22	ウガンダ	アフリカ	350,000
23	コンゴ民主共和国	アフリカ	318,600
24	ドミニカ共和国	南アメリカ	314,100
25	マルティニーク	南アメリカ	290,000
26	アンゴラ	アフリカ	280,000
27	マダガスカル	アフリカ	266,730
28	中国、台湾 中国省	アジア	252,353
29	パラグアイ	南アメリカ	252,043
30	ケニア	アフリカ	240,000
31	アルゼンチン	南アメリカ	220,000
32	ハイチ	南アメリカ	195,000
33	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	183,700
34	コートジボワール	アフリカ	163,669
35	ジャマイカ	南アメリカ	160,000
36	ニカラグア	南アメリカ	153,500
37	タンザニア連合共和国	アフリカ	149,000
38	グアドループ	南アメリカ	141,907
39	キューバ	南アメリカ	134,462
40	エジプト	アフリカ	126,927
41	パキスタン	アジア	123,364
42	オーストラリア	オセアニア	115,062
43	プエルトリコ	南アメリカ	113,286
44	ギニア	アフリカ	96,750
45	カンボジア	アジア	92,000
46	南アフリカ	アフリカ	89,564
47	中央アフリカ共和国	アフリカ	74,000
48	ソマリア	アフリカ	71,700
49	リベリア	アフリカ	71,000
50	モザンビーク	アフリカ	68,000
51	マラウイ	アフリカ	64,000
52	イスラエル	アジア	61,700
53	セントルシア	南アメリカ	55,197
54	ジンバブエ	アフリカ	47,000
55	中国	アジア	42,000
56	ドミニカ	南アメリカ	36,358
57	マリ	アフリカ	36,000
58	レバノン	アジア	32,000
59	スリナム	南アメリカ	31,115
60	コモロ	アフリカ	29,868
61	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	28,680
62	ポルトガル	ヨーロッパ	25,514
63	コンゴ	アフリカ	24,628
64	トルコ	アジア	22,000
65	イエメン	アジア	20,000
66	サモア	オセアニア	20,000
67	グレナダ	南アメリカ	19,000
68	東ティモール	アジア	17,500
69	オマーン	アジア	16,500
70	ベリーズ	南アメリカ	14,500
71	トーゴ	アフリカ	13,500
72	ヨルダン	アジア	12,320
73	ベナン	アフリカ	12,000
74	赤道ギニア	アフリカ	10,500
75	ガボン	アフリカ	8,000
76	モーリシャス	アフリカ	7,586
77	カーボベルデ	アフリカ	6,800
78	バハマ	南アメリカ	6,700
79	ラオス人民民主共和国	アジア	6,000
80	セネガル	アフリカ	5,000
81	ガイアナ	南アメリカ	4,990
82	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	4,900
83	フィジー	オセアニア	4,800
84	バヌアツ	オセアニア	4,200
85	ガーナ	アフリカ	4,000
86	キプロス	アジア	3,861
87	ニューカレドニア	オセアニア	3,700
88	トンガ	オセアニア	3,611
89	キリバス	オセアニア	3,400
90	ギリシャ	ヨーロッパ	3,126
91	レユニオン	アフリカ	3,120
92	アメリカ合衆国	北アメリカ	2,631
93	サントメ・プリンシペ	アフリカ	2,300
94	日本	アジア	1,500
95	シンガポール	アジア	1,398
96	セーシェル	アフリカ	1,200
97	エスワティニ	アフリカ	1,000
98	モルディブ	アジア	900
99	バルバドス	南アメリカ	740
100	フランス領ポリネシア	オセアニア	700
101	ザンビア	アフリカ	571
102	バーレーン	アジア	556
103	ニウエ	オセアニア	500
104	ブルネイ ダルサラーム	アジア	400
105	フランス領ギアナ	南アメリカ	300
106	クック諸島	オセアニア	216
107	ソロモン諸島	オセアニア	176
108	イタリア	ヨーロッパ	100
109	シリア・アラブ共和国	アジア	100
110	ツバル	オセアニア	100
111	トケラウ	オセアニア	13
112	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	11
113	クウェート	アジア	1
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1977年のデータによると、ブラジルが世界最大のバナナ生産国となり、約4,447,660トンの生産量でランキングのトップに位置しています。これは、バナナの栽培に適した熱帯気候、広大な農業利用可能な土地、そして国内需要を支える強力な農業基盤が背景にあると考えられます。同じく高順位のインド（4,245,900トン）も、熱帯地域の豊富な資源と世界有数の人口を持つことから、生産と消費の複合的需要が生産量を押し上げていると見られます。フィリピン（2,582,429トン）やエクアドル（2,450,690トン）も高い順位にあり、特にエクアドルは国際輸出版バナナの主要生産・輸出国として知られています。

一方、小規模な生産国として日本の生産量は1,500トン（94位）となっています。気候的にバナナ栽培が困難な温帯地域である日本では、沖縄などの一部地域で主に国内需要を補う形で栽培が行われています。これは国内市場の需要と供給バランスが注目のポイントであり、輸入依存の構造が強いと言えるでしょう。同様に、アメリカ合衆国も比較的規模が小さく、2,631トン（92位）であることから、輸入による需要充足が主流となっていることがうかがえます。

バナナ生産量上位にはアフリカの国々も数多く含まれており、たとえばルワンダ（1,896,258トン）やブルンジ（1,320,000トン）がその例です。これらの国々は自国市場向けの農業生産としての面が強く、輸出量の多いエクアドルやフィリピンとは異なる農業の基盤を持っています。ただし、多くの国で輸出利用にも可能性を広げる余地がありますが、同時に自然災害や地域紛争、供給チェーンの脆弱性といった課題が存在します。

1977年当時の生産量ランキングを通じて浮かび上がる課題として、気候的要因、インフラ設備の不足、農業技術の不足などが挙げられます。特にアフリカや南アメリカのいくつかの国々では、農業資源の潜在力はあるものの、適切な政策的支援や国際的協力が不足し、持続可能な生産体系が整っていない場合も多々あります。

また、未来に向けての課題としては、バナナ栽培における病害（例えばパナマ病やそれに類する土壌伝染病）への対応が非常に重要です。これらは地域ごとの努力のみならず、国際的に協調した取り組みが必要となります。同時に、輸入国である日本やアメリカが、持続可能で公正な貿易ルートを確保し、バナナ生産国の社会経済的状況を改善するための援助や支援策を考慮することも重要になるでしょう。

最後に、地政学的リスクや災害の影響も無視できない要素です。例えば、フィリピンやエクアドルは台風や地震といった自然災害のリスクが高い地域に位置しています。これらの自然要因が生産量や品質に与える影響を最小限に抑えるためには、災害対策に特化した設備投資や予測システムの構築が必要です。

今後は、国際的な協力と持続可能な農業技術の導入を通じて、生産国と消費国の間の協調を重視した政策が求められます。地域間協力の強化や農業技術支援により、食糧安全保障には大きな進展が期待できるでしょう。生産国が競争力を維持すると共に、供給の安定性を高めるためには、こうした努力を包括的に進めることがますます重要となります。