世界の小麦生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2015年度の小麦生産量ランキングによると、1位は中国で132,639,000トン、2位はインドで86,530,000トン、3位はロシア連邦で61,785,799トンという結果でした。上位10か国で世界全体の小麦生産の大部分を占めています。一方で、日本の小麦生産量は1,004,000トンで世界52位となり、国内消費を賄うには大幅に依存しています。また、ヨーロッパやアジアの国々がランキング上位を占めていますが、極端に少ない生産量の国も存在し、地域ごとに大きなばらつきが見られます。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	132,639,000
2	インド	アジア	86,530,000
3	ロシア連邦	ヨーロッパ	61,785,799
4	アメリカ合衆国	北アメリカ	55,839,540
5	フランス	ヨーロッパ	42,750,027
6	カナダ	北アメリカ	27,647,400
7	ドイツ	ヨーロッパ	26,549,500
8	ウクライナ	ヨーロッパ	26,532,100
9	パキスタン	アジア	25,086,174
10	オーストラリア	オセアニア	23,742,560
11	トルコ	アジア	22,600,000
12	イギリス	ヨーロッパ	16,444,000
13	アルゼンチン	南アメリカ	13,930,078
14	カザフスタン	アジア	13,746,967
15	イラン（イスラム共和国）	アジア	11,522,318
16	ポーランド	ヨーロッパ	10,957,787
17	エジプト	アフリカ	9,607,736
18	モロッコ	アフリカ	8,074,659
19	ルーマニア	ヨーロッパ	7,962,421
20	イタリア	ヨーロッパ	7,394,495
21	ウズベキスタン	アジア	6,964,664
22	スペイン	ヨーロッパ	6,362,694
23	ブラジル	南アメリカ	5,508,451
24	ハンガリー	ヨーロッパ	5,331,426
25	チェコ	ヨーロッパ	5,274,272
26	デンマーク	ヨーロッパ	5,029,300
27	ブルガリア	ヨーロッパ	5,011,597
28	アフガニスタン	アジア	4,673,040
29	エチオピア	アフリカ	4,650,934
30	リトアニア	ヨーロッパ	4,380,330
31	メキシコ	南アメリカ	3,710,706
32	スウェーデン	ヨーロッパ	3,300,400
33	ベラルーシ	ヨーロッパ	2,896,411
34	シリア・アラブ共和国	アジア	2,677,156
35	アルジェリア	アフリカ	2,656,731
36	イラク	アジア	2,645,061
37	セルビア	ヨーロッパ	2,428,203
38	ラトビア	ヨーロッパ	2,250,100
39	スロバキア	ヨーロッパ	2,082,134
40	ベルギー	ヨーロッパ	2,019,347
41	ネパール	アジア	1,975,625
42	オーストリア	ヨーロッパ	1,725,737
43	アゼルバイジャン	アジア	1,639,830
44	チリ	南アメリカ	1,482,310
45	ギリシャ	ヨーロッパ	1,458,705
46	南アフリカ	アフリカ	1,440,000
47	トルクメニスタン	アジア	1,406,000
48	バングラデシュ	アジア	1,348,000
49	オランダ	ヨーロッパ	1,300,085
50	パラグアイ	南アメリカ	1,139,147
51	ウルグアイ	南アメリカ	1,076,000
52	日本	アジア	1,004,000
53	フィンランド	ヨーロッパ	992,100
54	モルドバ共和国	ヨーロッパ	922,283
55	チュニジア	アフリカ	912,570
56	タジキスタン	アジア	896,362
57	エストニア	ヨーロッパ	812,600
58	スーダン	アフリカ	778,600
59	クロアチア	ヨーロッパ	758,638
60	キルギスタン	アジア	704,601
61	アイルランド	ヨーロッパ	696,600
62	サウジアラビア	アジア	693,776
63	スイス	ヨーロッパ	527,257
64	ノルウェー	ヨーロッパ	495,200
65	ニュージーランド	オセアニア	413,533
66	アルメニア	アジア	362,746
67	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	337,599
68	アルバニア	ヨーロッパ	275,000
69	ケニア	アフリカ	238,600
70	ペルー	南アメリカ	214,849
71	ザンビア	アフリカ	214,230
72	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	213,015
73	モンゴル	アジア	206,508
74	北マケドニア	ヨーロッパ	201,218
75	ミャンマー	アジア	179,300
76	イスラエル	アジア	173,000
77	リビア	アフリカ	160,000
78	スロベニア	ヨーロッパ	157,058
79	レバノン	アジア	139,000
80	グルジア	アジア	125,600
81	イエメン	アジア	124,940
82	ルクセンブルク	ヨーロッパ	91,058
83	ポルトガル	ヨーロッパ	80,393
84	タンザニア連合共和国	アフリカ	72,483
85	ナイジェリア	アフリカ	60,000
86	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	55,000
87	ジンバブエ	アフリカ	45,302
88	マリ	アフリカ	35,756
89	キプロス	アジア	35,356
90	大韓民国	アジア	26,433
91	パレスチナ国	アジア	26,320
92	エリトリア	アフリカ	25,000
93	ウガンダ	アフリカ	22,078
94	ヨルダン	アジア	21,925
95	モザンビーク	アフリカ	20,280
96	ナミビア	アフリカ	10,148
97	マルタ	ヨーロッパ	10,000
98	コロンビア	南アメリカ	9,891
99	コンゴ民主共和国	アフリカ	9,500
100	ニジェール	アフリカ	8,090
101	ルワンダ	アフリカ	7,995
102	中国、台湾 中国省	アジア	7,335
103	レソト	アフリカ	7,069
104	モーリタニア	アフリカ	7,050
105	ブルンジ	アフリカ	6,656
106	マダガスカル	アフリカ	5,000
107	ブータン	アジア	3,730
108	アンゴラ	アフリカ	2,978
109	オマーン	アジア	2,525
110	モンテネグロ	ヨーロッパ	2,111
111	エクアドル	南アメリカ	2,053
112	タイ	アジア	1,265
113	ホンジュラス	南アメリカ	1,213
114	マラウイ	アフリカ	1,178
115	ソマリア	アフリカ	1,031
116	チャド	アフリカ	965
117	カメルーン	アフリカ	850
118	エスワティニ	アフリカ	687
119	グアテマラ	南アメリカ	594
120	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	179
121	クウェート	アジア	45
122	ニューカレドニア	オセアニア	7
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2015年度の小麦生産量データは、各国の農業生産の特徴と世界的な需給構造を理解するための重要な指標を提供しています。このランキングでは、中国が132,639,000トンという圧倒的な生産量でトップになっており、これはその広大な耕地面積と大規模な農業施策が生産効率を支えていることを示しています。また、インドが86,530,000トンで2位に位置し、ロシアが61,785,799トンで3位となっています。これらの国々はともに農業に大規模な労働力を投入し、農産物輸出における重要な位置を占めています。

一方で、日本の小麦生産量は1,004,000トンにとどまり、国内の小麦需要を賄うには大きく不足しています。そのため日本は主にアメリカ、カナダ、オーストラリアからの輸入に大幅に依存しており、これは国内の自給率に課題を抱えていることを示しています。さらに、韓国（26,433トン）も類似しており、穀物を多く輸入するアジアの国のひとつといえます。

ヨーロッパではフランスやドイツがトップクラスの生産国としてランキング上位（それぞれ42,750,027トン、26,549,500トン）に位置し、EU全体では安定的な農業生産を支えています。また、ウクライナやロシアは「ヨーロッパの穀倉地帯」とも呼ばれるほど豊かな農地を有しており、その生産量は各国間の輸出入に着目すると、エネルギーや地政学的リスクの影響を受けやすい特徴があります。特にウクライナは近年、地域紛争の影響下にある中で、今後の安定的な供給が課題となっています。

さらに、気候変動の影響による地域差も深刻化しています。アフリカや中東の一部地域は生産量が少なく（例：エチオピア4,650,934トン、サウジアラビア693,776トン）、他国からの輸入に依存せざるを得ない状況です。気候条件や水資源の不足がこれらの地域の生産を制約しているため、将来の食料安全保障を強化するには国際協力が必要となります。

今後の課題と対策としては、小麦生産量の偏在を緩和するための農業技術の移転や、効率的な灌漑技術の導入が考えられます。特に水資源の乏しい地域では、乾燥地農業に対応した作物品種や育種技術の活用が有効です。また、輸出国と輸入国の協力体制を強化し、国際的な小麦供給網の安定化を図ることが重要です。これには、農業支援に特化した国際機関の役割がますます求められます。

地政学的リスクの観点では、紛争地域での農業生産の低下が周辺国への影響をもたらし、価格変動や輸出制限が頻発する可能性があります。このため、穀物市場の透明性を向上させる仕組みを構築し、備蓄の確保や多国間協議を通じてリスク回避策を検討すべきです。

結論として、2015年のデータは主要な生産国の優勢と、その他の国々に広がる生産量の差を浮き彫りにしました。地球規模での需給を見据えた食糧政策や気候変動対策が必要不可欠です。国連や各国が連携を深め、技術支援と資源の公平な配分を進めることが、小麦をはじめとする穀物の平和的かつ持続可能な供給を実現する鍵となるでしょう。