世界の小麦生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）の発表による2009年度の小麦生産量ランキングデータでは、中国が115,115,000トンで世界1位、インドが80,679,400トンで2位、ロシア連邦が61,739,751トンで3位という結果でした。このデータから、アジアとヨーロッパが世界の主要な小麦生産地であることが明らかになりました。一方で、日本の小麦生産量は674,200トンで61位にとどまり、このランキングにおいて低位に位置しています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	115,115,000
2	インド	アジア	80,679,400
3	ロシア連邦	ヨーロッパ	61,739,751
4	アメリカ合衆国	北アメリカ	60,365,728
5	フランス	ヨーロッパ	38,336,865
6	カナダ	北アメリカ	26,949,900
7	ドイツ	ヨーロッパ	25,192,350
8	パキスタン	アジア	24,033,000
9	オーストラリア	オセアニア	21,420,177
10	ウクライナ	ヨーロッパ	20,886,400
11	トルコ	アジア	20,600,000
12	カザフスタン	アジア	17,052,020
13	イギリス	ヨーロッパ	14,075,596
14	イラン（イスラム共和国）	アジア	12,093,028
15	ポーランド	ヨーロッパ	9,789,586
16	エジプト	アフリカ	8,522,995
17	アルゼンチン	南アメリカ	8,508,156
18	ウズベキスタン	アジア	6,639,800
19	イタリア	ヨーロッパ	6,534,746
20	モロッコ	アフリカ	6,371,430
21	デンマーク	ヨーロッパ	5,940,400
22	ルーマニア	ヨーロッパ	5,202,526
23	アフガニスタン	アジア	5,064,000
24	ブラジル	南アメリカ	5,055,525
25	スペイン	ヨーロッパ	4,804,772
26	ハンガリー	ヨーロッパ	4,419,163
27	チェコ	ヨーロッパ	4,358,073
28	メキシコ	南アメリカ	4,116,161
29	ブルガリア	ヨーロッパ	3,976,852
30	シリア・アラブ共和国	アジア	3,701,784
31	エチオピア	アフリカ	3,075,644
32	アルジェリア	アフリカ	2,953,117
33	スウェーデン	ヨーロッパ	2,277,900
34	ギリシャ	ヨーロッパ	2,139,472
35	リトアニア	ヨーロッパ	2,100,200
36	アゼルバイジャン	アジア	2,096,203
37	セルビア	ヨーロッパ	2,067,555
38	ベラルーシ	ヨーロッパ	1,979,000
39	南アフリカ	アフリカ	1,958,000
40	ベルギー	ヨーロッパ	1,909,768
41	イラク	アジア	1,700,390
42	チュニジア	アフリカ	1,653,600
43	スロバキア	ヨーロッパ	1,537,905
44	オーストリア	ヨーロッパ	1,523,368
45	トルクメニスタン	アジア	1,405,600
46	オランダ	ヨーロッパ	1,402,040
47	ウルグアイ	南アメリカ	1,356,600
48	ネパール	アジア	1,343,862
49	サウジアラビア	アジア	1,152,447
50	チリ	南アメリカ	1,145,290
51	タジキスタン	アジア	1,088,591
52	パラグアイ	南アメリカ	1,066,800
53	キルギスタン	アジア	1,056,656
54	ラトビア	ヨーロッパ	1,036,400
55	クロアチア	ヨーロッパ	936,076
56	フィンランド	ヨーロッパ	887,000
57	バングラデシュ	アジア	849,046
58	モルドバ共和国	ヨーロッパ	736,660
59	アイルランド	ヨーロッパ	690,100
60	日本	アジア	674,200
61	スイス	ヨーロッパ	549,919
62	ニュージーランド	オセアニア	403,463
63	モンゴル	アジア	388,122
64	エストニア	ヨーロッパ	342,520
65	アルバニア	ヨーロッパ	333,100
66	ノルウェー	ヨーロッパ	278,000
67	北マケドニア	ヨーロッパ	271,117
68	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	255,848
69	ペルー	南アメリカ	226,265
70	イエメン	アジア	222,129
71	ケニア	アフリカ	219,301
72	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	201,508
73	アルメニア	アジア	198,080
74	ザンビア	アフリカ	195,456
75	ミャンマー	アジア	179,200
76	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	169,000
77	スロベニア	ヨーロッパ	136,904
78	イスラエル	アジア	132,963
79	ポルトガル	ヨーロッパ	124,146
80	レバノン	アジア	111,400
81	リビア	アフリカ	105,000
82	ルクセンブルク	ヨーロッパ	90,903
83	タンザニア連合共和国	アフリカ	82,370
84	ナイジェリア	アフリカ	80,000
85	グルジア	アジア	53,900
86	パレスチナ国	アジア	30,000
87	エリトリア	アフリカ	26,142
88	コロンビア	南アメリカ	24,349
89	ウガンダ	アフリカ	20,000
90	大韓民国	アジア	18,782
91	マリ	アフリカ	15,132
92	モザンビーク	アフリカ	15,000
93	キプロス	アジア	14,690
94	マルタ	ヨーロッパ	13,800
95	ヨルダン	アジア	12,484
96	ナミビア	アフリカ	12,448
97	ジンバブエ	アフリカ	12,000
98	エクアドル	南アメリカ	11,314
99	マダガスカル	アフリカ	8,813
100	コンゴ民主共和国	アフリカ	8,790
101	ブルンジ	アフリカ	8,583
102	ルワンダ	アフリカ	7,988
103	ニジェール	アフリカ	6,180
104	レソト	アフリカ	6,099
105	チャド	アフリカ	5,000
106	ブータン	アジア	4,481
107	アンゴラ	アフリカ	4,000
108	モーリタニア	アフリカ	3,414
109	マラウイ	アフリカ	2,590
110	オマーン	アジア	1,874
111	グアテマラ	南アメリカ	1,547
112	モンテネグロ	ヨーロッパ	1,155
113	ホンジュラス	南アメリカ	1,127
114	タイ	アジア	1,063
115	ソマリア	アフリカ	950
116	カメルーン	アフリカ	802
117	エスワティニ	アフリカ	420
118	中国、台湾 中国省	アジア	364
119	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	143
120	クウェート	アジア	84
121	カタール	アジア	49
+ すべての国を見る

2009年度の小麦生産量において、世界1位の中国は約1億1,500万トン以上を生産しており、地球全体の小麦生産量の大きな割合を占めています。これは、多様な気候条件を持つ広大な国土、豊富な水資源、そして国による農業支援政策といった要因が寄与しています。2位のインドも8,000万トン以上を生産しており、国内需要を大きく上回る生産能力を有していることがわかります。この2国は人口規模が大きいことから、国内消費のための生産量拡大が継続的な課題です。

一方で、3位以下はロシア連邦、アメリカ合衆国、フランスといった欧米諸国が続いており、これらの国々は生産量の一部を積極的に輸出に回していることでも知られています。特にロシアとウクライナは「世界のパン籠」とも呼ばれ、欧州、中東、アフリカ諸国への小麦輸出が主要な収入源となっています。これらの国々は地政学的に重要な位置を占めていますが、近年では紛争や気候変動の影響から、輸出量の減少や価格の変動が懸念されています。

日本はランキング61位で、アジア地域においても目立った生産規模ではありません。日本の小麦生産量は限られた耕作地や気候条件、また輸入農産物への依存の高さに影響を受けています。国内需要の多くをアメリカやオーストラリア、カナダからの輸入に頼っており、環境や国際市場の状況が食糧安全保障に直接影響を与える可能性があります。

また、このデータの地域別の分布からも、いくつかの課題が浮かび上がります。アジアとヨーロッパは生産量の大部分を占めていますが、アフリカや南米の国々の生産量は相対的に低い状況にあります。特にアフリカでは、多くの国が物流、インフラ、天候問題に直面しており、食料自給率の低さが食糧安全保障への懸念を深めています。このような背景から、農業支援のための技術提供や資金援助など、国際協力が引き続き求められるでしょう。

地政学的背景についても注目すべき点があります。特にロシアやウクライナは主要な輸出国としての地位を持ちますが、地域紛争や貿易制裁が農業生産や輸出動向に影響を及ぼすリスクがあります。また、気候変動による異常気象も長期的に生産量へ影響を与えると懸念されています。このようなリスクに対処するためには、特定の国への依存度を減らし、より多様な供給体制を確立することが重要です。

未来に向けて、各国が取るべき対策としては、農業生産性の向上と収量の安定化が挙げられます。例えば、精密農業技術の導入や気候変動への適応策を拡充することで、限られた土地や資源の利用効率を高めるといった取り組みが期待されます。さらに、地域ごとの農業政策を強化し、特に不足が懸念される地域には国際機関の支援を基盤とした持続可能な農業モデルを推進することが必要です。

結論として、2009年度の小麦生産データは、地球全体がどのように食料需要に対応しているかを浮き彫りにしています。生産が集中している地域、そして地政学的なリスクに直面している輸出国を考慮すると、国際的な供給システムの構築に向けた対話と行動が不可欠であると考えられます。