世界のバナナ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1975年のバナナ生産量ランキングでは、ブラジルが378万トン余りで世界第1位、続いてインドが約341万トンと上位を占めています。トップ5を見ても、エクアドル、フィリピン、インドネシアと、熱帯・亜熱帯地域の国々が上位に入り、温暖な気候が生産に与える影響がうかがえます。一方、バナナの生産量が比較的少ない日本やアメリカなど非熱帯地域では、数千～数トンにとどまっています。このランキングは、各国の地理的特徴や気候条件、さらには農業政策が如実に反映されていることを示しています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	ブラジル	南アメリカ	3,782,310
2	インド	アジア	3,409,000
3	エクアドル	南アメリカ	2,544,327
4	フィリピン	アジア	2,065,333
5	インドネシア	アジア	1,897,000
6	ルワンダ	アフリカ	1,734,070
7	タイ	アジア	1,300,000
8	ブルンジ	アフリカ	1,262,800
9	コスタリカ	南アメリカ	1,220,690
10	メキシコ	南アメリカ	1,194,802
11	コロンビア	南アメリカ	1,050,000
12	パナマ	南アメリカ	989,406
13	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	859,935
14	ホンジュラス	南アメリカ	783,426
15	バングラデシュ	アジア	578,318
16	ベトナム	アジア	480,000
17	マダガスカル	アフリカ	444,030
18	マレーシア	アジア	420,000
19	パプアニューギニア	オセアニア	410,000
20	グアテマラ	南アメリカ	374,000
21	アルゼンチン	南アメリカ	373,900
22	スペイン	ヨーロッパ	361,000
23	ウガンダ	アフリカ	330,000
24	コンゴ民主共和国	アフリカ	312,400
25	ドミニカ共和国	南アメリカ	305,700
26	カメルーン	アフリカ	300,000
27	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	251,640
28	アンゴラ	アフリカ	250,000
29	ケニア	アフリカ	233,800
30	マルティニーク	南アメリカ	210,000
31	パラグアイ	南アメリカ	198,050
32	中国、台湾 中国省	アジア	196,585
33	コートジボワール	アフリカ	192,275
34	ハイチ	南アメリカ	185,000
35	中国	アジア	165,000
36	グアドループ	南アメリカ	157,523
37	ニカラグア	南アメリカ	153,200
38	ジャマイカ	南アメリカ	127,000
39	パキスタン	アジア	126,279
40	エジプト	アフリカ	112,000
41	プエルトリコ	南アメリカ	111,600
42	ソマリア	アフリカ	106,000
43	キューバ	南アメリカ	101,393
44	オーストラリア	オセアニア	99,887
45	南アフリカ	アフリカ	97,998
46	ギニア	アフリカ	94,815
47	タンザニア連合共和国	アフリカ	91,000
48	カンボジア	アジア	80,000
49	中央アフリカ共和国	アフリカ	70,000
50	リベリア	アフリカ	67,000
51	モザンビーク	アフリカ	60,000
52	マラウイ	アフリカ	57,000
53	イスラエル	アジア	52,200
54	セントルシア	南アメリカ	44,200
55	ジンバブエ	アフリカ	44,000
56	スリナム	南アメリカ	43,095
57	レバノン	アジア	43,000
58	ドミニカ	南アメリカ	36,694
59	マリ	アフリカ	30,000
60	コモロ	アフリカ	26,775
61	ポルトガル	ヨーロッパ	22,557
62	コンゴ	アフリカ	22,144
63	サモア	オセアニア	22,000
64	トルコ	アジア	21,000
65	東ティモール	アジア	20,000
66	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	19,477
67	イエメン	アジア	18,694
68	グレナダ	南アメリカ	18,000
69	オマーン	アジア	14,000
70	トーゴ	アフリカ	12,500
71	ベナン	アフリカ	11,500
72	赤道ギニア	アフリカ	9,000
73	ガボン	アフリカ	8,000
74	ガーナ	アフリカ	6,800
75	バハマ	南アメリカ	6,400
76	ヨルダン	アジア	6,343
77	ラオス人民民主共和国	アジア	6,000
78	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	4,797
79	セネガル	アフリカ	4,600
80	ガイアナ	南アメリカ	4,536
81	フィジー	オセアニア	4,500
82	モーリシャス	アフリカ	3,702
83	トンガ	オセアニア	3,700
84	ニューカレドニア	オセアニア	3,500
85	キリバス	オセアニア	3,200
86	カーボベルデ	アフリカ	3,000
87	バヌアツ	オセアニア	3,000
88	アメリカ合衆国	北アメリカ	2,812
89	キプロス	アジア	2,642
90	サントメ・プリンシペ	アフリカ	2,181
91	日本	アジア	2,000
92	ベリーズ	南アメリカ	2,000
93	ギリシャ	ヨーロッパ	1,509
94	クック諸島	オセアニア	1,331
95	レユニオン	アフリカ	1,209
96	シンガポール	アジア	1,143
97	セーシェル	アフリカ	1,080
98	ザンビア	アフリカ	1,023
99	エスワティニ	アフリカ	955
100	モルディブ	アジア	900
101	バルバドス	南アメリカ	730
102	フランス領ポリネシア	オセアニア	650
103	フランス領ギアナ	南アメリカ	600
104	ニウエ	オセアニア	500
105	ブルネイ ダルサラーム	アジア	300
106	ソロモン諸島	オセアニア	164
107	バーレーン	アジア	150
108	イタリア	ヨーロッパ	100
109	ツバル	オセアニア	100
110	シリア・アラブ共和国	アジア	40
111	トケラウ	オセアニア	13
112	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	12
113	クウェート	アジア	1
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1975年の国際連合食糧農業機関（FAO）のデータに基づくバナナ生産量のランキングでは、ブラジルが圧倒的な生産量で世界のトップとなっています。この373万トン超という数字は、当時の世界的な農業大国としてのブラジルの地位と、生産に適した気候的条件を物語っています。同様に、インド、エクアドル、フィリピン、インドネシアが続く上位5カ国も赤道近くの熱帯地域に位置しており、バナナ栽培における気候の重要性を示す典型的な例となっています。

このデータは、ただ単に生産量を示すだけでなく、バナナが多くの国々で重要な食料作物として位置づけられていることを反映しています。特に、ルワンダやブルンジといったアフリカの国々が上位に名を連ねている点は注目に値します。これらの国々ではバナナが主要食糧であるだけでなく、国内の農業経済や食料安全保障にも大きく関与しています。一方で、日本やアメリカ、ヨーロッパなどの国々において、バナナの生産規模が極めて小さいのは、これらの国が基本的に輸入バナナに依存しているためです。これは、消費されたバナナの国際的な貿易動態をも示唆しています。

ランキングの下位に目をやると、シリアやイタリアなどの地域では、バナナ生産がほとんど行われていない現状があります。これは、これらの国々が気候的に栽培に適していない一方で、経済成長が進む中、輸入に依存するか他の農産物を重視する政策的選択をとったからだと考えられます。

これらのデータを基に考えられる課題は、いくつかあります。まず、気候変動による影響です。1975年当時には、バナナ生産に適した気候を持つ国々で安定した供給が可能だったかもしれませんが、地球温暖化が進展している現在、それらの地域の農業生産能力が低下するリスクが高まっています。また、一部の国々では、バナナ農園の過剰な開発や単一栽培による生態系の破壊が問題視されています。この問題を放置すると、将来的な土地資源の枯渇や疫病のリスクが拡大する可能性があります。

これを踏まえ、国際的な協力を通じた解決策を提案します。まず、農業技術の研究や共有を推進し、より持続可能なバナナ栽培方法を各国で導入することが必要です。特に、耐病性のある品種の開発や、栽培地に適した多様化した農業モデルを導入することが求められます。アフリカやアジア諸国の中には、小規模農家が多数を占める国も多いため、農業の生産性と収益性を向上させるための教育プログラムや技術援助も重要でしょう。

また、バナナの生産において、地域紛争や不安定な政治が生産量に影響を与える場合もあります。例えば、一部の紛争地域では農地の管理が難しくなり、生産量の減少や貿易の停滞を招く可能性があります。こうした地政学的なリスクを軽減するためにも、国際機関を中心とした安定的な農村・地域開発支援が必要です。

1975年のデータに基づく分析を行うことで、当時のバナナ生産の現状と課題を知り、それらの課題を克服するための指針を導き出すことが可能です。今後もデータを体系的に収集し、公平で持続可能なグローバルな農業モデルを構築する努力が求められます。