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世界の羊の毛生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関が発表した1983年の羊の毛生産データによると、世界最大の生産国はオーストラリアで、その生産量は701,738トンに達しました。2位にはニュージーランド(371,000トン)、3位は中国(194,000トン)が続きました。この上位3か国だけで、世界全体の羊の毛生産量の過半数を占めており、生産の地理的な集中が特徴的です。一方で、日本は羊毛産業における存在感が非常に低く、このランキングには登場しません。

順位 国名 地域 生産量(トン)
1 オーストラリア国旗 オーストラリア オセアニア 701,738
2 ニュージーランド国旗 ニュージーランド オセアニア 371,000
3 中国国旗 中国 アジア 194,000
4 アルゼンチン国旗 アルゼンチン 南アメリカ 135,359
5 南アフリカ国旗 南アフリカ アフリカ 112,800
6 ウルグアイ国旗 ウルグアイ 南アメリカ 82,000
7 トルコ国旗 トルコ アジア 62,260
8 イギリス国旗 イギリス ヨーロッパ 53,677
9 アメリカ合衆国国旗 アメリカ合衆国 北アメリカ 46,670
10 パキスタン国旗 パキスタン アジア 42,700
11 ルーマニア国旗 ルーマニア ヨーロッパ 39,352
12 インド国旗 インド アジア 36,100
13 イラン(イスラム共和国)国旗 イラン(イスラム共和国) アジア 36,000
14 ブルガリア国旗 ブルガリア ヨーロッパ 35,935
15 ブラジル国旗 ブラジル 南アメリカ 30,563
16 シリア・アラブ共和国国旗 シリア・アラブ共和国 アジア 27,840
17 アルジェリア国旗 アルジェリア アフリカ 25,000
18 スペイン国旗 スペイン ヨーロッパ 23,755
19 フランス国旗 フランス ヨーロッパ 22,500
20 チリ国旗 チリ 南アメリカ 21,400
21 モンゴル国旗 モンゴル アジア 20,200
22 アフガニスタン国旗 アフガニスタン アジア 20,000
23 ドイツ国旗 ドイツ ヨーロッパ 16,137
24 イラク国旗 イラク アジア 16,095
25 モロッコ国旗 モロッコ アフリカ 16,000
26 インドネシア国旗 インドネシア アジア 14,094
27 ポーランド国旗 ポーランド ヨーロッパ 13,213
28 イタリア国旗 イタリア ヨーロッパ 12,725
29 ハンガリー国旗 ハンガリー ヨーロッパ 12,720
30 ペルー国旗 ペルー 南アメリカ 11,400
31 チュニジア国旗 チュニジア アフリカ 10,000
32 アイルランド国旗 アイルランド ヨーロッパ 9,500
33 ギリシャ国旗 ギリシャ ヨーロッパ 9,286
34 ポルトガル国旗 ポルトガル ヨーロッパ 8,917
35 リビア国旗 リビア アフリカ 7,800
36 ボリビア (多民族国家)国旗 ボリビア (多民族国家) 南アメリカ 7,500
37 サウジアラビア国旗 サウジアラビア アジア 6,949
38 メキシコ国旗 メキシコ 南アメリカ 6,415
39 ノルウェー国旗 ノルウェー ヨーロッパ 5,489
40 タンザニア連合共和国国旗 タンザニア連合共和国 アフリカ 3,900
41 エジプト国旗 エジプト アフリカ 3,800
42 イエメン国旗 イエメン アジア 3,591
43 アルバニア国旗 アルバニア ヨーロッパ 3,146
44 レソト国旗 レソト アフリカ 2,934
45 ナミビア国旗 ナミビア アフリカ 2,500
46 ケニア国旗 ケニア アフリカ 2,200
47 ヨルダン国旗 ヨルダン アジア 2,140
48 オランダ国旗 オランダ ヨーロッパ 2,000
49 アイスランド国旗 アイスランド ヨーロッパ 1,533
50 コロンビア国旗 コロンビア 南アメリカ 1,500
51 カナダ国旗 カナダ 北アメリカ 1,352
52 エクアドル国旗 エクアドル 南アメリカ 1,300
53 レバノン国旗 レバノン アジア 900
54 ジンバブエ国旗 ジンバブエ アフリカ 800
55 バングラデシュ国旗 バングラデシュ アジア 750
56 ネパール国旗 ネパール アジア 650
57 スウェーデン国旗 スウェーデン ヨーロッパ 619
58 パラグアイ国旗 パラグアイ 南アメリカ 605
59 スイス国旗 スイス ヨーロッパ 603
60 イスラエル国旗 イスラエル アジア 600
61 オーストリア国旗 オーストリア ヨーロッパ 580
62 クウェート国旗 クウェート アジア 501
63 キプロス国旗 キプロス アジア 425
64 マリ国旗 マリ アフリカ 370
65 ミャンマー国旗 ミャンマー アジア 291
66 デンマーク国旗 デンマーク ヨーロッパ 200
67 フィンランド国旗 フィンランド ヨーロッパ 102
68 マレーシア国旗 マレーシア アジア 60
69 ブータン国旗 ブータン アジア 44
70 マルタ国旗 マルタ ヨーロッパ 35
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1983年の羊の毛生産ランキングに基づくと、最大の生産国であるオーストラリアは、世界全体の羊毛市場を牽引する重要な役割を果たしていることが明らかです。その総生産量は701,738トンに達し、2位のニュージーランド(371,000トン)を大きく引き離しています。これら2か国はいずれも気候条件や大規模な牧草地の存在など、羊の飼育に適した環境を持つ南半球の代表的な生産地です。また、3位の中国(194,000トン)は、ヨーロッパやアメリカなどへの輸出を重視した羊毛産業を発展させ、近年の国際市場における重要性を増してきました。このランキングからは、地理的条件が羊毛生産に与える影響を読み取ることができます。

さらに、南アメリカからはアルゼンチンを筆頭にウルグアイなど複数の国々がランクインしており、輸出産業として羊毛を重視する姿勢がうかがえます。一方、ヨーロッパからはイギリスが8位(53,677トン)に位置するほか、フランス(22,500トン)やドイツ(16,137トン)などもランキングに名を連ねていますが、その生産量は南半球の大規模生産国と比較すると大きく劣ります。これは、土地の規模や気候などの制約が影響している可能性が高いと考えられます。

日本について言及すると、羊毛産業は国内でほとんど存続しておらず、このランキングでの存在感はゼロに等しい状況です。戦後の産業構造の転換や、より収益性の高い産業への移行が原因とされます。このため、日本は羊毛をほぼ全量輸入に頼っており、特にオーストラリアやニュージーランドからの輸入が中心となっています。

今後に目を向けると、いくつかの課題や潜在的リスクが見えてきます。まず、気候変動は羊を育てる牧草地の減少や質の低下をもたらす可能性が懸念されています。これは特に、オーストラリアやニュージーランドといった主要生産国にとって大きなリスクとなり得ます。一方で、中国などの成長市場では生産体制の効率化や新技術の導入が進んでおり、これが世界の羊毛市場における勢力図を変える可能性もあります。

また、羊毛の国際需要にも変化が生じつつあります。合成繊維の普及やエコ意識の高まりにより、羊毛の市場シェアは以前ほど安定していません。これに対応するため、生産国は品質向上や高級ブランド化など、新たな価値を生み出す方策を講じる必要があると考えられます。

さらに、地政学的リスクも無視できません。輸出国と輸入国間の政治的緊張が羊毛の国際取引を妨げる可能性があります。日本など輸入依存国にとっては、安定した供給網の確保が重要であり、多角的な貿易関係を築くことが求められます。

結果として、1983年のデータは羊毛生産が特定の地域に集中しており、これからの課題や機会が同時に存在していることを示しています。国際社会としては、地球規模の気候変動への対応や貿易関係の安定化、さらなる技術革新を進める取り組みが重要です。特に、日本を含む消費国は、サプライチェーンの透明性を重視しながら、持続可能な生産体制への支援を積極的に行う必要があります。このような包括的なアプローチが、羊毛産業の未来をより安定的にさせる鍵となるでしょう。

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