世界の羊の毛生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関のデータによれば、1969年度における羊毛生産量ランキングの1位はオーストラリアで、883,500トンの生産量を記録しました。続いてニュージーランドが331,800トンで2位、アルゼンチンが180,000トンで3位にランクインしました。一方、日本は67位で生産量は200トンにとどまりました。全体としてオーストラリアやニュージーランドなどのオセアニア地域が圧倒的に大きなシェアを占めており、地域間での生産量の差が顕著に見られます。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	オーストラリア	オセアニア	883,500
2	ニュージーランド	オセアニア	331,800
3	アルゼンチン	南アメリカ	180,000
4	南アフリカ	アフリカ	148,400
5	中国	アジア	114,000
6	アメリカ合衆国	北アメリカ	88,368
7	ウルグアイ	南アメリカ	81,947
8	イギリス	ヨーロッパ	47,600
9	トルコ	アジア	46,950
10	イラン（イスラム共和国）	アジア	38,000
11	インド	アジア	35,000
12	ブラジル	南アメリカ	31,277
13	ルーマニア	ヨーロッパ	30,752
14	アフガニスタン	アジア	29,500
15	ブルガリア	ヨーロッパ	28,300
16	スペイン	ヨーロッパ	26,439
17	チリ	南アメリカ	25,200
18	フランス	ヨーロッパ	20,100
19	パキスタン	アジア	19,500
20	モロッコ	アフリカ	18,100
21	モンゴル	アジア	17,000
22	シリア・アラブ共和国	アジア	15,902
23	イラク	アジア	15,577
24	ポルトガル	ヨーロッパ	13,072
25	アルジェリア	アフリカ	13,040
26	ペルー	南アメリカ	13,025
27	イタリア	ヨーロッパ	12,000
28	ドイツ	ヨーロッパ	11,204
29	ハンガリー	ヨーロッパ	10,763
30	アイルランド	ヨーロッパ	9,714
31	インドネシア	アジア	8,994
32	ポーランド	ヨーロッパ	8,900
33	メキシコ	南アメリカ	8,375
34	ギリシャ	ヨーロッパ	8,102
35	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	6,723
36	ノルウェー	ヨーロッパ	4,830
37	ナミビア	アフリカ	4,700
38	レソト	アフリカ	4,600
39	チュニジア	アフリカ	4,200
40	リビア	アフリカ	3,664
41	エジプト	アフリカ	2,977
42	タンザニア連合共和国	アフリカ	2,850
43	イエメン	アジア	2,588
44	アルバニア	ヨーロッパ	2,294
45	サウジアラビア	アジア	2,255
46	アイスランド	ヨーロッパ	2,224
47	ケニア	アフリカ	2,100
48	ヨルダン	アジア	1,986
49	エクアドル	南アメリカ	1,600
50	ジンバブエ	アフリカ	1,470
51	カナダ	北アメリカ	1,460
52	レバノン	アジア	1,400
53	コロンビア	南アメリカ	1,200
54	オランダ	ヨーロッパ	950
55	バングラデシュ	アジア	900
56	キプロス	アジア	690
57	スイス	ヨーロッパ	550
58	スウェーデン	ヨーロッパ	530
59	ネパール	アジア	510
60	イスラエル	アジア	400
61	パラグアイ	南アメリカ	343
62	オーストリア	ヨーロッパ	324
63	マリ	アフリカ	300
64	デンマーク	ヨーロッパ	300
65	クウェート	アジア	240
66	フィンランド	ヨーロッパ	200
67	日本	アジア	200
68	ミャンマー	アジア	191
69	マレーシア	アジア	40
70	ブータン	アジア	34
71	マルタ	ヨーロッパ	23
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1969年のデータは、羊毛生産が特定の国々に集中的に行われていたことを示しています。トップ3の国々であるオーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチンが全世界の大半を占め、特にオーストラリアは二位以下との差を大きく広げながらリーダーシップを握っていました。この結果は、広大な牧草地、適切な気候条件、そして伝統的な羊毛産業の育成といった要因が大きな役割を果たしています。

一方で、他の地域では生産規模が非常に限られている国が多く、日本は200トンという量で67位に位置しています。これは気候条件や土地利用の制約、および羊の飼育が主産業ではない背景に関連していると考えられます。一方、中国やアメリカ合衆国は、比較的小規模ながらも生産量が一定の水準を維持しており、自国消費や産業基盤として羊毛需要を満たしています。

オーストラリアとニュージーランドが主に羊毛供給に依存しているのに対し、ヨーロッパの国々、例えばイギリスやフランス、イタリアでは、羊毛の生産量が比較的小さいながらも、品質の高い製品や伝統的な織物産業などで国際的評価を得ています。このように、量だけでなく質という観点での地域的特色が反映されている点が興味深いです。

地域ごとの課題としては、生産量に依存する経済的な脆弱性や供給チェーンの多面的リスクが挙げられます。オセアニア地域では、自然災害や気候変動の影響が大きく、持続的な生産力の確保が課題となります。この時期において既に地球温暖化が懸念され始めていたため、将来のリスクを見据えた土地管理やエコシステム保護が重要となるでしょう。

羊毛の生産と貿易は、単に経済的価値を提供するだけでなく、地政学的背景や国際関係にも影響を与えます。当時はまだ各国間の貿易や輸送が近代化の途上にあったため、オセアニア地域の製品がどのようにグローバル市場にアクセスするかが鍵となっていました。同時に、各国間の経済格差や農業政策の不均衡が、産業の発展に大きく影響していたことも見逃せません。

将来的な課題としては、次世代の環境保護政策と生産効率化の両立が重要です。例えば、気候変動の影響に対応するために、干ばつに耐える牧草品種の開発や水資源管理の改善が必要不可欠です。また、地域ごとの協力関係を強化し、オセアニア地域のみならず、より多地域での持続可能な羊毛生産を目指すべきです。貿易協定の見直しや技術の共有を通じて、各国が恩恵を受ける構造を整えることが求められます。

結論として、1969年度の羊毛生産量データは、オセアニア地域の国々がこの産業において圧倒的な存在感を示している一方で、その他の地域では様々な制約や特性を持つ産業活動が見られることを示しています。持続可能な発展と地球規模での公共財としての羊毛の利用を目指し、国際協調と政策的な取り組みが今後ますます重要になるでしょう。