国際連合食糧農業機関が発表した1977年度の羊の毛生産量データによると、1位はオーストラリア(702,733トン)、2位はニュージーランド(302,535トン)、3位はアルゼンチン(172,000トン)となりました。上位5位には中国(137,000トン)や南アフリカ(102,900トン)もランクインしています。これらの国々が全世界の羊毛生産の大半を担いつつ、地理的条件や飼育環境が生産に大きな影響を及ぼしていることが示されています。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
オセアニア | 702,733 |
| 2 |
|
オセアニア | 302,535 |
| 3 |
|
南アメリカ | 172,000 |
| 4 |
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アジア | 137,000 |
| 5 |
|
アフリカ | 102,900 |
| 6 |
|
南アメリカ | 62,245 |
| 7 |
|
アジア | 55,270 |
| 8 |
|
北アメリカ | 49,804 |
| 9 |
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ヨーロッパ | 45,808 |
| 10 |
|
ヨーロッパ | 34,699 |
| 11 |
|
ヨーロッパ | 34,046 |
| 12 |
|
アジア | 34,000 |
| 13 |
|
アジア | 34,000 |
| 14 |
|
アジア | 33,353 |
| 15 |
|
南アメリカ | 30,205 |
| 16 |
|
アジア | 26,000 |
| 17 |
|
ヨーロッパ | 22,200 |
| 18 |
|
ヨーロッパ | 21,048 |
| 19 |
|
南アメリカ | 18,806 |
| 20 |
|
アジア | 18,800 |
| 21 |
|
アジア | 17,300 |
| 22 |
|
アフリカ | 17,010 |
| 23 |
|
ヨーロッパ | 14,396 |
| 24 |
|
アジア | 13,668 |
| 25 |
|
ヨーロッパ | 12,324 |
| 26 |
|
ヨーロッパ | 12,100 |
| 27 |
|
アジア | 11,592 |
| 28 |
|
南アメリカ | 11,200 |
| 29 |
|
アフリカ | 11,000 |
| 30 |
|
ヨーロッパ | 9,882 |
| 31 |
|
ヨーロッパ | 9,747 |
| 32 |
|
アフリカ | 8,990 |
| 33 |
|
ヨーロッパ | 8,954 |
| 34 |
|
ヨーロッパ | 8,702 |
| 35 |
|
南アメリカ | 8,229 |
| 36 |
|
アフリカ | 7,250 |
| 37 |
|
南アメリカ | 6,127 |
| 38 |
|
アフリカ | 5,100 |
| 39 |
|
ヨーロッパ | 4,236 |
| 40 |
|
アフリカ | 3,600 |
| 41 |
|
アジア | 3,270 |
| 42 |
|
アジア | 3,209 |
| 43 |
|
アフリカ | 2,711 |
| 44 |
|
ヨーロッパ | 2,400 |
| 45 |
|
アフリカ | 2,392 |
| 46 |
|
ヨーロッパ | 1,730 |
| 47 |
|
アジア | 1,600 |
| 48 |
|
ヨーロッパ | 1,590 |
| 49 |
|
アジア | 1,450 |
| 50 |
|
アフリカ | 1,400 |
| 51 |
|
アフリカ | 1,380 |
| 52 |
|
南アメリカ | 1,170 |
| 53 |
|
南アメリカ | 1,000 |
| 54 |
|
アジア | 1,000 |
| 55 |
|
北アメリカ | 925 |
| 56 |
|
ヨーロッパ | 629 |
| 57 |
|
アジア | 590 |
| 58 |
|
ヨーロッパ | 570 |
| 59 |
|
アジア | 570 |
| 60 |
|
ヨーロッパ | 515 |
| 61 |
|
南アメリカ | 422 |
| 62 |
|
アジア | 409 |
| 63 |
|
アフリカ | 320 |
| 64 |
|
アジア | 304 |
| 65 |
|
アジア | 207 |
| 66 |
|
ヨーロッパ | 180 |
| 67 |
|
ヨーロッパ | 120 |
| 68 |
|
アジア | 54 |
| 69 |
|
アジア | 40 |
| 70 |
|
ヨーロッパ | 35 |
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1977年の羊毛生産量ランキングは、羊毛産業における地理的特性や国家ごとの生産能力を明確に示しています。オーストラリアが圧倒的首位を確保しており、その生産量は702,733トンに達しました。これは2位のニュージーランドの約2.3倍に当たり、世界の羊毛市場において重要な位置を占めていることがわかります。オーストラリアやニュージーランドは気候条件が羊の飼育に適しており、広大な牧草地と高度な農業技術がその背景にあります。
南半球が上位を占める一方で、北半球にも羊毛生産が盛んな地域があります。特に南米のアルゼンチン(172,000トン)は上位に位置しており、農牧業の重要性を反映しています。また、4位の中国はこの時点で137,000トンに達し、高い人口需要を背景に国内消費も多いと考えられます。南アフリカ(102,900トン)やウルグアイ(62,245トン)などの国もランクインし、それぞれの地域特有の羊種の品質が生産量に貢献しています。
一方、中東やアジア諸国の羊毛生産量は上位国に大きく及ばない状況にあります。インドやイラン(いずれも34,000トン)は羊毛の追加生産や効率化の余地を残しており、これらの国々での成長は今後の国際羊毛市場の動向に影響を与える可能性があります。日本はこのランキングに入っていませんが、これは地理的条件や気候が羊毛生産に不向きであることが主な理由の一つと言えるでしょう。ただし、羊毛製品の輸入需要は存在しており、世界の羊毛市場の動向に関心を持つ必要があります。
課題として一部の地域では、地政学的リスクや気候変動による影響を受ける可能性が考えられます。例えば、南半球における干ばつや気温上昇、北アフリカや中東での紛争リスクが羊毛生産や輸出入の流れを混乱させることも予測されます。気候変動の影響は生産国だけでなく、国際市場における価格の不安定性にも波及します。
具体的な対策として、気候変動対応型の牧場経営の導入や、新技術を活用した羊毛の品質向上が挙げられます。さらに、地政学的な不安定性を緩和するためには、各国間での羊毛製品の流通と貿易を安定させる国際的な枠組みの強化が必要です。中規模生産国である中国やインドなどでは、国内需要を満たしつつ輸出市場での競争力を高める取り組みがさらに求められるでしょう。
結論として、1977年のデータは当時の世界各国の羊毛生産状況を反映しており、自然資源と国家の経済的優位性が深く関連していることが浮き彫りになりました。今後は、気候変動や地政学的リスクにどう対処していくかが重要なテーマとなります。そのためには、持続可能な羊毛生産の確立と、国際的な協力体制の整備が必要です。データに基づき取り組みを進めることで、羊毛産業を支える基盤をさらに強化していくことが期待されます。