世界の馬飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2016年度の馬飼養数ランキングによると、世界で最も馬が飼育されている国はアメリカ合衆国で、その頭数は10,261,593頭となっています。2位はメキシコ（6,373,622頭）、3位はブラジル（5,576,136頭）と続きます。一方、日本は飼養数が15,304頭で104位に位置し、同じアジア地域の中国（4位：3,975,000頭）やモンゴル（5位：3,635,489頭）とは大きな差があります。このデータは、農業利用、レジャー、スポーツ、伝統文化、輸送手段など各国の馬の役割の違いを反映しています。

順位	国名	地域	飼養数(頭)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	10,261,593
2	メキシコ	南アメリカ	6,373,622
3	ブラジル	南アメリカ	5,576,136
4	中国	アジア	3,975,000
5	モンゴル	アジア	3,635,489
6	アルゼンチン	南アメリカ	2,447,582
7	カザフスタン	アジア	2,259,218
8	エチオピア	アフリカ	2,158,176
9	ロシア連邦	ヨーロッパ	1,240,589
10	チャド	アフリカ	1,119,229
11	コロンビア	南アメリカ	1,071,934
12	キューバ	南アメリカ	860,800
13	スーダン	アフリカ	790,087
14	ペルー	南アメリカ	743,757
15	セネガル	アフリカ	556,948
16	マリ	アフリカ	549,316
17	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	522,000
18	ルーマニア	ヨーロッパ	503,466
19	インド	アジア	502,507
20	ハイチ	南アメリカ	501,727
21	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	493,625
22	キルギスタン	アジア	467,249
23	ドイツ	ヨーロッパ	441,954
24	シエラレオネ	アフリカ	431,520
25	インドネシア	アジア	424,268
26	ウルグアイ	南アメリカ	415,000
27	イギリス	ヨーロッパ	405,209
28	カナダ	北アメリカ	398,716
29	イタリア	ヨーロッパ	388,324
30	フランス	ヨーロッパ	379,410
31	パキスタン	アジア	364,000
32	ドミニカ共和国	南アメリカ	358,085
33	南アフリカ	アフリカ	319,430
34	スペイン	ヨーロッパ	312,725
35	チリ	南アメリカ	310,000
36	ウクライナ	ヨーロッパ	305,800
37	パラグアイ	南アメリカ	275,371
38	オーストラリア	オセアニア	272,113
39	ニカラグア	南アメリカ	269,051
40	ニジェール	アフリカ	248,200
41	フィリピン	アジア	243,525
42	ウズベキスタン	アジア	221,410
43	エクアドル	南アメリカ	219,134
44	ポーランド	ヨーロッパ	185,494
45	ホンジュラス	南アメリカ	182,044
46	モロッコ	アフリカ	180,000
47	アフガニスタン	アジア	171,200
48	イラン（イスラム共和国）	アジア	135,310
49	グアテマラ	南アメリカ	129,700
50	コスタリカ	南アメリカ	126,030
51	トルコ	アジア	122,704
52	パナマ	南アメリカ	114,343
53	ミャンマー	アジア	112,638
54	ナイジェリア	アフリカ	102,120
55	スウェーデン	ヨーロッパ	101,247
56	エルサルバドル	南アメリカ	97,963
57	アイルランド	ヨーロッパ	92,200
58	オーストリア	ヨーロッパ	88,288
59	オランダ	ヨーロッパ	82,313
60	タジキスタン	アジア	79,700
61	フィンランド	ヨーロッパ	74,200
62	アイスランド	ヨーロッパ	72,000
63	エジプト	アフリカ	71,968
64	アゼルバイジャン	アジア	71,606
65	ポルトガル	ヨーロッパ	66,000
66	モーリタニア	アフリカ	65,016
67	ハンガリー	ヨーロッパ	60,000
68	レソト	アフリカ	59,875
69	チュニジア	アフリカ	57,060
70	スイス	ヨーロッパ	55,662
71	ベラルーシ	ヨーロッパ	55,300
72	ベトナム	アジア	54,117
73	デンマーク	ヨーロッパ	51,282
74	イラク	アジア	50,192
75	東ティモール	アジア	50,008
76	ニュージーランド	オセアニア	48,801
77	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	48,028
78	フィジー	オセアニア	47,063
79	リビア	アフリカ	46,620
80	アルジェリア	アフリカ	44,991
81	ブルガリア	ヨーロッパ	42,000
82	ブルキナファソ	アフリカ	40,777
83	グルジア	アジア	40,772
84	ナミビア	アフリカ	40,693
85	モルドバ共和国	ヨーロッパ	39,429
86	ノルウェー	ヨーロッパ	34,996
87	ラオス人民民主共和国	アジア	32,550
88	チェコ	ヨーロッパ	32,133
89	アルバニア	ヨーロッパ	31,729
90	カンボジア	アジア	30,023
91	ジンバブエ	アフリカ	28,146
92	ベルギー	ヨーロッパ	28,060
93	サウジアラビア	アジア	28,000
94	大韓民国	アジア	27,676
95	ボツワナ	アフリカ	27,471
96	トルクメニスタン	アジア	23,758
97	クロアチア	ヨーロッパ	22,775
98	スロベニア	ヨーロッパ	19,453
99	北マケドニア	ヨーロッパ	19,263
100	カメルーン	アフリカ	17,960
101	リトアニア	ヨーロッパ	17,321
102	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	16,288
103	セルビア	ヨーロッパ	15,337
104	日本	アジア	15,304
105	シリア・アラブ共和国	アジア	14,993
106	ギリシャ	ヨーロッパ	14,370
107	ブータン	アジア	13,914
108	トンガ	オセアニア	11,600
109	アルメニア	アジア	11,402
110	ニューカレドニア	オセアニア	10,329
111	ガンビア	アフリカ	9,897
112	ラトビア	ヨーロッパ	9,598
113	カタール	アジア	8,697
114	スロバキア	ヨーロッパ	6,866
115	タイ	アジア	6,250
116	プエルトリコ	南アメリカ	6,212
117	バヌアツ	オセアニア	5,929
118	ベリーズ	南アメリカ	5,858
119	エストニア	ヨーロッパ	5,700
120	ルクセンブルク	ヨーロッパ	4,540
121	マレーシア	アジア	4,145
122	ジャマイカ	南アメリカ	4,006
123	イスラエル	アジア	4,000
124	モンテネグロ	ヨーロッパ	3,947
125	レバノン	アジア	3,804
126	ギニア	アフリカ	3,400
127	ガーナ	アフリカ	3,102
128	ヨルダン	アジア	2,411
129	ガイアナ	南アメリカ	2,371
130	ギニアビサウ	アフリカ	2,329
131	フランス領ポリネシア	オセアニア	2,200
132	ケニア	アフリカ	2,056
133	パプアニューギニア	オセアニア	2,037
134	イエメン	アジア	1,911
135	サモア	オセアニア	1,907
136	トーゴ	アフリカ	1,869
137	エスワティニ	アフリカ	1,672
138	中国、香港特別行政区	アジア	1,542
139	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	1,402
140	スリランカ	アジア	1,356
141	バルバドス	南アメリカ	1,242
142	ベナン	アフリカ	1,132
143	クウェート	アジア	1,113
144	セントルシア	南アメリカ	1,109
145	マルタ	ヨーロッパ	1,068
146	アンゴラ	アフリカ	1,011
147	ソマリア	アフリカ	862
148	中国、台湾 中国省	アジア	856
149	カーボベルデ	アフリカ	556
150	マダガスカル	アフリカ	497
151	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	490
152	アラブ首長国連邦	アジア	423
153	クック諸島	オセアニア	302
154	サントメ・プリンシペ	アフリカ	295
155	スリナム	南アメリカ	279
156	モーリシャス	アフリカ	150
157	ソロモン諸島	オセアニア	150
158	コンゴ	アフリカ	75
159	マラウイ	アフリカ	49
160	グレナダ	南アメリカ	30
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2016年度の馬飼養数ランキングは、馬の飼育規模が国ごとに大きく異なることを示しています。アメリカ合衆国が世界トップとして1,000万頭を超える数を維持しているのは、馬が競馬やレクリエーション、牧畜業など幅広い分野で活用されていることに加え、十分なインフラや資源があるためです。メキシコやブラジルも上位に入っており、これらの国々では農業や伝統文化の一環としての馬の利用が根強く残っています。

一方で、アジア地域をみると、中国は飼養数で世界4位の3,975,000頭を記録し、経済成長に伴う農業機械化が進む中でも、地域によっては馬が依然として重要な輸送手段や農業従事者のパートナーとなっています。また、モンゴルは5位で3,635,489頭を飼養しており、この国では馬が遊牧生活に深く根ざした存在であり、文化的側面からも欠かせないものです。

対照的に、日本は馬の飼養数が15,304頭で104位と低く、大韓民国（27,676頭で94位）をも下回っています。これは、先進国における農業機械化の進展や都市化が大きな影響を与えた結果です。日本において馬は一部の競馬産業や観光、趣味利用などに限定されており、かつての農耕用や輸送用としての需要はほとんどなくなっています。

このランキングは、地政学的背景や国ごとの経済状況、社会構造、文化の影響などが馬の飼養規模に密接に関わっていることを強調しています。一部の国では、紛争や政治不安定が馬の飼養環境にも影響を及ぼしており、東アフリカ諸国のように飼養頭数が比較的多い国でも適切な管理が課題となっています。

将来的には、馬の飼育が環境や農業に与える影響についても考慮する必要があります。例えば、競馬産業が活発な国々では、動物福祉への配慮や、施設の維持に伴う環境負荷を減らすための技術革新が求められています。一方で、伝統文化として馬を維持している国々は、その文化的価値を保ちながら、観光や農村開発との連携で馬の役割を拡大する可能性もあります。

政策としては、例えば飼育環境を改善するための教育プログラムや、地域間での飼育技術の情報交換が有効です。また、馬の疫病対策として国際協力を強化することも不可欠です。特に、貿易や輸入を介して伝染病が拡大するリスクを抑えるための検疫体制を強化する必要があるでしょう。

結論として、2016年度の馬飼養数データは、単に頭数の多寡を示すだけでなく、それぞれの国が抱える課題やポテンシャル、そして馬が文化や経済にどのように根付いているかを考察するための貴重な手がかりを提供しています。特に日本では、馬産業が都市化や高齢化の進展によって縮小傾向にある中、観光資源や子ども向けの体験学習など新しい利用方法を模索することで、馬が再び社会において重要な役割を担う可能性があるかもしれません。このテーマについて今後もデータを継続的に分析し、それぞれの地域や国々に適した馬との共生モデルを構築することが期待されます。