世界の馬飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

Food and Agriculture Organization（国際連合食糧農業機関）が発表した2005年度の馬飼養数ランキングによると、1位はアメリカ合衆国（9,200,000頭）、2位は中国（7,639,000頭）、3位はメキシコ（6,260,000頭）でした。日本は98位（25,000頭）で、馬の飼育総数では下位に位置しています。全体的には、アメリカ大陸、特に北米および南米地域が馬飼養数で大きな割合を占める一方、アジアや欧州では地域による差が顕著です。

順位	国名	地域	飼養数(頭)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	9,200,000
2	中国	アジア	7,639,000
3	メキシコ	南アメリカ	6,260,000
4	ブラジル	南アメリカ	5,787,249
5	アルゼンチン	南アメリカ	3,655,000
6	コロンビア	南アメリカ	2,553,621
7	モンゴル	アジア	2,029,100
8	エチオピア	アフリカ	1,569,350
9	ロシア連邦	ヨーロッパ	1,407,697
10	カザフスタン	アジア	1,120,400
11	ルーマニア	ヨーロッパ	840,000
12	ペルー	南アメリカ	730,000
13	インド	アジア	678,000
14	ウクライナ	ヨーロッパ	590,900
15	セネガル	アフリカ	513,714
16	ハイチ	南アメリカ	502,000
17	ドイツ	ヨーロッパ	500,400
18	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	500,000
19	キューバ	南アメリカ	469,500
20	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	447,047
21	ウルグアイ	南アメリカ	432,000
22	フランス	ヨーロッパ	426,227
23	エクアドル	南アメリカ	411,158
24	シエラレオネ	アフリカ	410,000
25	インドネシア	アジア	386,708
26	カナダ	北アメリカ	385,000
27	イギリス	ヨーロッパ	370,000
28	キルギスタン	アジア	347,178
29	ドミニカ共和国	南アメリカ	345,000
30	チリ	南アメリカ	335,000
31	パラグアイ	南アメリカ	315,600
32	パキスタン	アジア	313,000
33	ポーランド	ヨーロッパ	312,139
34	チャド	アフリカ	275,000
35	南アフリカ	アフリカ	270,000
36	ニカラグア	南アメリカ	268,000
37	マリ	アフリカ	267,605
38	スペイン	ヨーロッパ	240,000
39	ニジェール	アフリカ	230,176
40	フィリピン	アジア	230,000
41	オーストラリア	オセアニア	221,042
42	トルコ	アジア	212,414
43	ナイジェリア	アフリカ	203,215
44	イタリア	ヨーロッパ	200,000
45	ホンジュラス	南アメリカ	181,000
46	ベラルーシ	ヨーロッパ	180,800
47	モロッコ	アフリカ	159,400
48	ウズベキスタン	アジア	151,500
49	アフガニスタン	アジア	149,000
50	パナマ	南アメリカ	141,000
51	イラン（イスラム共和国）	アジア	140,000
52	ブルガリア	ヨーロッパ	135,000
53	オランダ	ヨーロッパ	133,321
54	ミャンマー	アジア	130,000
55	グアテマラ	南アメリカ	124,000
56	コスタリカ	南アメリカ	115,000
57	ベトナム	アジア	110,500
58	エルサルバドル	南アメリカ	96,000
59	スウェーデン	ヨーロッパ	95,700
60	オーストリア	ヨーロッパ	85,000
61	エジプト	アフリカ	80,000
62	アイルランド	ヨーロッパ	79,900
63	アイスランド	ヨーロッパ	74,820
64	タジキスタン	アジア	73,731
65	モルドバ共和国	ヨーロッパ	72,479
66	ニュージーランド	オセアニア	72,000
67	レソト	アフリカ	71,026
68	アゼルバイジャン	アジア	69,353
69	ハンガリー	ヨーロッパ	67,000
70	東ティモール	アジア	63,803
71	フィンランド	ヨーロッパ	63,770
72	リトアニア	ヨーロッパ	63,628
73	モーリタニア	アフリカ	63,000
74	ポルトガル	ヨーロッパ	61,000
75	チュニジア	アフリカ	57,000
76	スイス	ヨーロッパ	55,126
77	デンマーク	ヨーロッパ	53,512
78	アルバニア	ヨーロッパ	53,000
79	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	48,000
80	ナミビア	アフリカ	47,429
81	イラク	アジア	47,000
82	リビア	アフリカ	45,000
83	グルジア	アジア	44,400
84	フィジー	オセアニア	44,000
85	アルジェリア	アフリカ	42,642
86	北マケドニア	ヨーロッパ	39,651
87	ブルキナファソ	アフリカ	36,757
88	ボツワナ	アフリカ	33,000
89	ラオス人民民主共和国	アジア	31,000
90	ノルウェー	ヨーロッパ	30,019
91	カンボジア	アジア	28,000
92	ジンバブエ	アフリカ	28,000
93	ベルギー	ヨーロッパ	27,985
94	ギリシャ	ヨーロッパ	27,150
95	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	27,140
96	ガンビア	アフリカ	27,000
97	トルクメニスタン	アジア	25,000
98	日本	アジア	25,000
99	ブータン	アジア	24,608
100	チェコ	ヨーロッパ	20,561
101	大韓民国	アジア	20,487
102	スロベニア	ヨーロッパ	19,249
103	ラトビア	ヨーロッパ	15,500
104	シリア・アラブ共和国	アジア	15,000
105	アルメニア	アジア	11,945
106	トンガ	オセアニア	11,400
107	カメルーン	アフリカ	10,248
108	クロアチア	ヨーロッパ	9,186
109	サウジアラビア	アジア	9,000
110	ニューカレドニア	オセアニア	8,500
111	スロバキア	ヨーロッパ	8,209
112	プエルトリコ	南アメリカ	6,415
113	タイ	アジア	5,575
114	ベリーズ	南アメリカ	5,250
115	エストニア	ヨーロッパ	5,100
116	ルクセンブルク	ヨーロッパ	4,193
117	イスラエル	アジア	4,000
118	ジャマイカ	南アメリカ	4,000
119	レバノン	アジア	3,580
120	バヌアツ	オセアニア	3,100
121	ガーナ	アフリカ	3,000
122	イエメン	アジア	3,000
123	ギニア	アフリカ	3,000
124	ヨルダン	アジア	2,800
125	ガイアナ	南アメリカ	2,400
126	マレーシア	アジア	2,367
127	フランス領ポリネシア	オセアニア	2,200
128	カタール	アジア	2,000
129	パプアニューギニア	オセアニア	2,000
130	ギニアビサウ	アフリカ	1,900
131	ケニア	アフリカ	1,800
132	サモア	オセアニア	1,800
133	トーゴ	アフリカ	1,600
134	中国、香港特別行政区	アジア	1,550
135	スリランカ	アジア	1,500
136	エスワティニ	アフリカ	1,400
137	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	1,280
138	クウェート	アジア	1,200
139	バルバドス	南アメリカ	1,150
140	アンゴラ	アフリカ	1,000
141	ベナン	アフリカ	1,000
142	マルタ	ヨーロッパ	1,000
143	セントルシア	南アメリカ	1,000
144	ソマリア	アフリカ	850
145	中国、台湾 中国省	アジア	820
146	マルティニーク	南アメリカ	650
147	フランス領ギアナ	南アメリカ	505
148	カーボベルデ	アフリカ	500
149	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	490
150	マダガスカル	アフリカ	470
151	レユニオン	アフリカ	460
152	アラブ首長国連邦	アジア	380
153	スリナム	南アメリカ	360
154	クック諸島	オセアニア	300
155	サントメ・プリンシペ	アフリカ	260
156	グアドループ	南アメリカ	200
157	モーリシャス	アフリカ	150
158	ソロモン諸島	オセアニア	150
159	コンゴ	アフリカ	65
160	マラウイ	アフリカ	45
161	グレナダ	南アメリカ	30
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馬飼養数は、国や地域の伝統的な文化、経済活動、産業規模だけでなく、地理的・歴史的な要因も反映しています。本データは2005年時点での各国の馬の飼養状況を示し、農業や輸送、競技、観光など、さまざまな分野で馬がどのように利用されているかを考えるヒントとなる重要な指標です。

ランキングのトップに立ったアメリカ合衆国では、馬は伝統的にスポーツ（競馬やロデオなど）、レクリエーション、牧場経営の重要な役割を果たしてきました。9,200,000頭という圧倒的な飼養数は、広大な土地と馬関連の産業が発達していることの結果とみられます。一方、2位の中国（7,639,000頭）は、歴史的に遊牧文化を持つ地域や、一部地域で農耕や輸送に馬が依然として重要であり、さらに観光業や競技が近年注目されるにつれてその飼養数が高まっている可能性があります。3位のメキシコ（6,260,000頭）もまた、文化的背景や農業実務における馬の役割が大きい国の一つです。

日本は98位（25,000頭）と、他の主要国と比較すると飼養数は非常に少ない状況です。この背景には、日本の地理的制約、戦後の機械化の進展、馬の利用目的の変化が挙げられます。現在、日本での馬の主な用途は競馬・乗馬・観光などの娯楽的な分野に集中しており、農業や運搬などの実務的な利用はほとんど見られません。また、土地と飼養コストの問題も日本において馬の飼育が増えない一因と考えられます。

一方で、モンゴル（2,029,100頭）やカザフスタン（1,120,400頭）などの中央アジア諸国では、遊牧民文化が現在でも残る地域が多く、馬が生活必需品の一部として重要な役割を果たしています。また、エチオピア（1,569,350頭）といったアフリカ諸国では、馬が依然として農業や輸送手段の一部として活用されていますが、飼養環境や疫病対策が課題であることが指摘されています。

地政学的視点から見ると、一部の紛争地帯や隔絶地域では家畜としての馬の需要が減少することがあります。たとえば、西アジアや中東地域の国々では、都市化や地元産業の変化が馬飼養数に影響を及ぼしたと考えられます。この傾向は、環境変動や資源不足のリスクとも関連しており、政府や国際機関による家畜管理の支援が急務となる場合もあります。

未来の課題として、現代の生活スタイルの変化や機械化の進展に伴い、馬の需要や飼養数がますます減少する可能性があります。こうした状況に対処するため、競技や観光による新たな需要の創出、馬文化の保存、さらには家畜としての多機能性を活かした利用方法の模索が求められます。例えば、日本では乗馬による健康促進プログラムや、地域活性化を目的とした観光における馬関連イベントの計画が効果的です。また、発展途上国における主要な農業資源としての馬利用を持続可能な形で維持するため、国際的な技術提供や教育支援が重要です。

結論として、現在の馬飼養数ランキングは、各地域の伝統や経済条件の違いを反映しています。一方で、現代社会の変化が馬関連産業の将来に与える影響についても注視する必要があります。各国は、馬文化の保存を目指した政策や新たな価値創出方法を模索すべきです。国際的協力を通じて、飼養環境の向上や疫病管理技術の普及を進めることで、馬の存在意義を持続可能な形で確保していく必要があります。