世界の馬飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2017年における世界の馬飼養数ランキングでは、アメリカ合衆国が約1,025万頭で首位を獲得しました。2位のメキシコは約638万頭、3位のブラジルは約551万頭と続きました。地域ごとに見ても、北アメリカや南アメリカが比較的多くの飼養数を記録しています。一方、日本は約1.5万頭で104位に位置し、アジア地域内でもまとまった数が見られる中国やモンゴルと大きな差がつきました。このデータは、農業や畜産利用、文化的役割など異なる背景で馬がどのように利用されているかを示す重要な情報です。

順位	国名	地域	飼養数(頭)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	10,249,671
2	メキシコ	南アメリカ	6,383,724
3	ブラジル	南アメリカ	5,512,009
4	モンゴル	アジア	3,939,813
5	中国	アジア	3,436,422
6	アルゼンチン	南アメリカ	2,495,378
7	カザフスタン	アジア	2,415,654
8	エチオピア	アフリカ	2,007,829
9	ロシア連邦	ヨーロッパ	1,216,414
10	チャド	アフリカ	1,166,908
11	コロンビア	南アメリカ	1,030,940
12	キューバ	南アメリカ	888,800
13	スーダン	アフリカ	790,877
14	ペルー	南アメリカ	744,120
15	セネガル	アフリカ	564,000
16	マリ	アフリカ	561,500
17	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	522,000
18	ルーマニア	ヨーロッパ	519,906
19	ハイチ	南アメリカ	502,443
20	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	495,534
21	キルギスタン	アジア	481,329
22	インド	アジア	447,572
23	ドイツ	ヨーロッパ	442,000
24	シエラレオネ	アフリカ	433,100
25	ウルグアイ	南アメリカ	420,618
26	インドネシア	アジア	409,122
27	イギリス	ヨーロッパ	408,293
28	カナダ	北アメリカ	399,345
29	フランス	ヨーロッパ	375,266
30	イタリア	ヨーロッパ	367,561
31	パキスタン	アジア	367,000
32	ドミニカ共和国	南アメリカ	359,718
33	南アフリカ	アフリカ	323,099
34	スペイン	ヨーロッパ	307,441
35	チリ	南アメリカ	300,000
36	ウクライナ	ヨーロッパ	291,500
37	オーストラリア	オセアニア	270,675
38	ニカラグア	南アメリカ	268,971
39	ニジェール	アフリカ	250,683
40	フィリピン	アジア	244,074
41	パラグアイ	南アメリカ	238,879
42	ウズベキスタン	アジア	230,593
43	エクアドル	南アメリカ	209,990
44	モロッコ	アフリカ	188,000
45	ポーランド	ヨーロッパ	185,494
46	ホンジュラス	南アメリカ	182,020
47	アフガニスタン	アジア	175,000
48	イラン（イスラム共和国）	アジア	132,086
49	グアテマラ	南アメリカ	130,120
50	トルコ	アジア	120,040
51	コスタリカ	南アメリカ	119,532
52	ミャンマー	アジア	114,096
53	パナマ	南アメリカ	111,491
54	スウェーデン	ヨーロッパ	102,319
55	ナイジェリア	アフリカ	102,222
56	エルサルバドル	南アメリカ	97,996
57	オーストリア	ヨーロッパ	90,428
58	ベトナム	アジア	86,759
59	オランダ	ヨーロッパ	85,574
60	アイルランド	ヨーロッパ	84,876
61	タジキスタン	アジア	80,174
62	ポルトガル	ヨーロッパ	77,000
63	エジプト	アフリカ	75,446
64	フィンランド	ヨーロッパ	74,400
65	アゼルバイジャン	アジア	68,520
66	モーリタニア	アフリカ	65,029
67	アイスランド	ヨーロッパ	64,679
68	レソト	アフリカ	64,410
69	チュニジア	アフリカ	57,062
70	スイス	ヨーロッパ	55,535
71	ハンガリー	ヨーロッパ	53,000
72	デンマーク	ヨーロッパ	51,586
73	イラク	アジア	49,716
74	ベラルーシ	ヨーロッパ	49,000
75	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	48,079
76	東ティモール	アジア	47,997
77	フィジー	オセアニア	47,127
78	アルジェリア	アフリカ	46,841
79	リビア	アフリカ	46,573
80	ニュージーランド	オセアニア	43,684
81	ブルガリア	ヨーロッパ	42,000
82	ナミビア	アフリカ	41,786
83	グルジア	アジア	41,216
84	ブルキナファソ	アフリカ	41,163
85	モルドバ共和国	ヨーロッパ	36,750
86	チェコ	ヨーロッパ	34,548
87	ノルウェー	ヨーロッパ	33,239
88	ラオス人民民主共和国	アジア	32,550
89	アルバニア	ヨーロッパ	32,258
90	カンボジア	アジア	30,084
91	ベルギー	ヨーロッパ	29,437
92	ジンバブエ	アフリカ	28,160
93	大韓民国	アジア	28,108
94	サウジアラビア	アジア	25,039
95	トルクメニスタン	アジア	23,779
96	クロアチア	ヨーロッパ	23,209
97	スロベニア	ヨーロッパ	19,453
98	北マケドニア	ヨーロッパ	17,951
99	カメルーン	アフリカ	17,517
100	セルビア	ヨーロッパ	16,560
101	リトアニア	ヨーロッパ	16,324
102	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	15,599
103	ボツワナ	アフリカ	15,402
104	日本	アジア	14,919
105	ガンビア	アフリカ	14,794
106	シリア・アラブ共和国	アジア	14,516
107	ブータン	アジア	13,322
108	トンガ	オセアニア	11,816
109	ニューカレドニア	オセアニア	10,745
110	アルメニア	アジア	10,631
111	ラトビア	ヨーロッパ	9,278
112	ギリシャ	ヨーロッパ	8,607
113	カタール	アジア	7,333
114	タイ	アジア	6,500
115	スロバキア	ヨーロッパ	6,145
116	ベリーズ	南アメリカ	5,904
117	バヌアツ	オセアニア	5,726
118	エストニア	ヨーロッパ	5,700
119	プエルトリコ	南アメリカ	5,275
120	ルクセンブルク	ヨーロッパ	4,692
121	マレーシア	アジア	4,306
122	モンテネグロ	ヨーロッパ	4,071
123	ジャマイカ	南アメリカ	4,008
124	イスラエル	アジア	4,000
125	レバノン	アジア	3,576
126	ギニア	アフリカ	3,450
127	ガーナ	アフリカ	3,147
128	ヨルダン	アジア	2,378
129	ガイアナ	南アメリカ	2,367
130	ギニアビサウ	アフリカ	2,337
131	フランス領ポリネシア	オセアニア	2,200
132	ケニア	アフリカ	2,060
133	パプアニューギニア	オセアニア	2,031
134	サモア	オセアニア	1,913
135	トーゴ	アフリカ	1,891
136	イエメン	アジア	1,864
137	エスワティニ	アフリカ	1,680
138	中国、香港特別行政区	アジア	1,549
139	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	1,403
140	スリランカ	アジア	1,344
141	バルバドス	南アメリカ	1,244
142	クウェート	アジア	1,178
143	ベナン	アフリカ	1,118
144	セントルシア	南アメリカ	1,111
145	マルタ	ヨーロッパ	1,070
146	アンゴラ	アフリカ	1,017
147	ソマリア	アフリカ	872
148	中国、台湾 中国省	アジア	858
149	カーボベルデ	アフリカ	561
150	マダガスカル	アフリカ	503
151	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	489
152	アラブ首長国連邦	アジア	426
153	クック諸島	オセアニア	302
154	サントメ・プリンシペ	アフリカ	299
155	スリナム	南アメリカ	290
156	ソロモン諸島	オセアニア	150
157	モーリシャス	アフリカ	140
158	マラウイ	アフリカ	87
159	コンゴ	アフリカ	75
160	グレナダ	南アメリカ	30
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馬飼養数に関する2017年のデータは、世界各地での馬の重要性や利用形態を示しており、そこには地理的、経済的、文化的な要因が深く関わっています。アメリカ合衆国が首位を誇る理由には、スポーツ、娯楽、観光産業を含む多用な馬の利用が挙げられます。およそ1,025万頭という数値は、広大な国土と産業構造が馬の飼養を後押ししていることを示しています。加えて、メキシコやブラジルも豊富な農地や牧草地を活用し、伝統的な牧畜や馬文化を継承する背景が見られます。

一方で、モンゴルや中国などのアジア圏では馬が農業や移動手段としての役割を持ちつつ、文化的なシンボルとしても大きな価値を有しています。特に、モンゴルの約394万頭という数字は、遊牧文化や歴史的背景の中で馬がいかに重要であるかを反映しています。一方の日本では、1.5万頭と比較的小規模な数値にとどまります。日本では、都市化や農業形態の変化により、馬の主たる用途が競技や観光へと限定されていることが要因と言えそうです。

また、地域ごとに比較してみても興味深い動向が見られます。アフリカではエチオピアが約200万頭で大きなシェアを持っていますが、多くの国では飼養数が数百頭にとどまるようなケースが目立ちます。これは、経済的な制約や農村部での機械化不足による影響が含まれていると考えられます。

さらに、地政学的な視点で見ると、一部の紛争地域や資源競争が馬の飼養数に影響を与えていると推測されます。例えば、シリアやアフガニスタンなどでは政情不安が家畜飼育全般に及ぼした影響が垣間見られ、長期的な平和構築による畜産業の復興が課題となっています。また、新型コロナウイルスの影響が見られた2020年代では、観光業への依存が高い国々で馬の維持が困難となり、飼養数に影響を与えた地域もありました。

課題と対策についても考察していく必要があります。まず、農業や観光業において馬が果たす役割を明確にし、その利用を持続可能なものにする政策が各国で求められます。環境保全や生物多様性の視点を取り入れることで、放牧地の乱開発や過剰な資源利用を抑制し、自然と共生する形での飼養を促進する必要があります。また、教育や訓練プログラムを通じて、馬と人間との関係性を深め、農村地域での馬の利用が経済的自立に繋がるよう取り組むべきです。

最終的に、このデータから得られる結論として、各国における馬の役割はその国の社会的、経済的、地理的特徴を色濃く反映していると言えます。日本では、馬文化の保存と観光利用の両立を図りつつ、その役割を再定義する時期が訪れています。一方で、国際的な協力を通じて、貧困地域や紛争地域での馬利用を支援し、経済的な安定と環境保全を目的とした共同プログラムを推進することが求められています。これらの取り組みは、将来的な畜産業や観光業の発展に寄与するだけでなく、文化の多様性を守るための重要なステップとなるでしょう。