世界の馬飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

FAO（国際連合食糧農業機関）が発表した2006年度の馬飼養数ランキングによると、1位はアメリカ合衆国で9,500,000頭、2位は中国で7,399,600頭、3位はメキシコで6,300,000頭となっています。アメリカが全体で他を引き離して1位に位置する一方、日本は101位でわずか20,000頭にとどまっています。ランキングの上位国は、広大な土地を持ち、伝統的に馬が農業や運搬、娯楽の一環として重要な役割を果たしてきた地域が多い傾向が見られます。

順位	国名	地域	飼養数(頭)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	9,500,000
2	中国	アジア	7,399,600
3	メキシコ	南アメリカ	6,300,000
4	ブラジル	南アメリカ	5,749,117
5	アルゼンチン	南アメリカ	3,650,000
6	コロンビア	南アメリカ	2,316,770
7	モンゴル	アジア	2,114,800
8	エチオピア	アフリカ	1,655,383
9	ロシア連邦	ヨーロッパ	1,316,606
10	カザフスタン	アジア	1,163,500
11	ルーマニア	ヨーロッパ	834,000
12	ペルー	南アメリカ	730,000
13	インド	アジア	644,000
14	ウクライナ	ヨーロッパ	554,800
15	ウルグアイ	南アメリカ	525,000
16	セネガル	アフリカ	517,536
17	ドイツ	ヨーロッパ	510,000
18	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	500,000
19	ハイチ	南アメリカ	500,000
20	キューバ	南アメリカ	482,800
21	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	455,929
22	フランス	ヨーロッパ	422,872
23	シエラレオネ	アフリカ	415,000
24	エクアドル	南アメリカ	403,146
25	インドネシア	アジア	397,642
26	イギリス	ヨーロッパ	388,000
27	カナダ	北アメリカ	385,000
28	チリ	南アメリカ	350,000
29	ドミニカ共和国	南アメリカ	347,500
30	キルギスタン	アジア	345,174
31	パキスタン	アジア	344,000
32	ポーランド	ヨーロッパ	306,992
33	パラグアイ	南アメリカ	305,000
34	イタリア	ヨーロッパ	290,000
35	南アフリカ	アフリカ	280,000
36	チャド	アフリカ	277,200
37	ニカラグア	南アメリカ	268,000
38	マリ	アフリカ	265,000
39	オーストラリア	オセアニア	257,123
40	スペイン	ヨーロッパ	245,000
41	ニジェール	アフリカ	232,478
42	フィリピン	アジア	230,000
43	トルコ	アジア	207,808
44	ホンジュラス	南アメリカ	181,000
45	ベラルーシ	ヨーロッパ	167,600
46	ナイジェリア	アフリカ	160,592
47	モロッコ	アフリカ	160,500
48	ウズベキスタン	アジア	158,100
49	ブルガリア	ヨーロッパ	148,000
50	アフガニスタン	アジア	146,000
51	イラン（イスラム共和国）	アジア	140,000
52	パナマ	南アメリカ	138,000
53	ミャンマー	アジア	135,000
54	オランダ	ヨーロッパ	127,743
55	グアテマラ	南アメリカ	124,000
56	コスタリカ	南アメリカ	115,000
57	スウェーデン	ヨーロッパ	96,000
58	エルサルバドル	南アメリカ	96,000
59	ベトナム	アジア	87,300
60	アイルランド	ヨーロッパ	86,600
61	オーストリア	ヨーロッパ	86,000
62	アイスランド	ヨーロッパ	75,644
63	タジキスタン	アジア	74,604
64	エジプト	アフリカ	72,000
65	ハンガリー	ヨーロッパ	71,000
66	アゼルバイジャン	アジア	69,984
67	モルドバ共和国	ヨーロッパ	69,134
68	レソト	アフリカ	69,029
69	ニュージーランド	オセアニア	68,000
70	フィンランド	ヨーロッパ	66,050
71	モーリタニア	アフリカ	64,000
72	ポルトガル	ヨーロッパ	64,000
73	東ティモール	アジア	63,477
74	リトアニア	ヨーロッパ	62,605
75	チュニジア	アフリカ	57,000
76	スイス	ヨーロッパ	56,400
77	デンマーク	ヨーロッパ	52,882
78	アルバニア	ヨーロッパ	51,000
79	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	48,000
80	イラク	アジア	47,000
81	ナミビア	アフリカ	46,209
82	リビア	アフリカ	45,000
83	フィジー	オセアニア	45,000
84	アルジェリア	アフリカ	43,570
85	グルジア	アジア	42,800
86	北マケドニア	ヨーロッパ	40,553
87	ブルキナファソ	アフリカ	37,106
88	ベルギー	ヨーロッパ	33,186
89	ボツワナ	アフリカ	33,000
90	ガンビア	アフリカ	32,000
91	ノルウェー	ヨーロッパ	31,154
92	ラオス人民民主共和国	アジア	31,000
93	カンボジア	アジア	28,000
94	ジンバブエ	アフリカ	28,000
95	ギリシャ	ヨーロッパ	27,016
96	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	25,907
97	トルクメニスタン	アジア	25,000
98	大韓民国	アジア	22,941
99	チェコ	ヨーロッパ	22,833
100	ブータン	アジア	20,127
101	日本	アジア	20,000
102	セルビア	ヨーロッパ	19,742
103	スロベニア	ヨーロッパ	19,249
104	シリア・アラブ共和国	アジア	13,900
105	ラトビア	ヨーロッパ	13,900
106	アルメニア	アジア	12,262
107	ニューカレドニア	オセアニア	11,500
108	サウジアラビア	アジア	11,500
109	トンガ	オセアニア	11,400
110	カメルーン	アフリカ	10,796
111	クロアチア	ヨーロッパ	9,879
112	プエルトリコ	南アメリカ	9,039
113	スロバキア	ヨーロッパ	8,328
114	モンテネグロ	ヨーロッパ	6,260
115	ベリーズ	南アメリカ	5,300
116	エストニア	ヨーロッパ	4,800
117	カタール	アジア	4,759
118	ルクセンブルク	ヨーロッパ	4,336
119	イスラエル	アジア	4,000
120	ジャマイカ	南アメリカ	4,000
121	レバノン	アジア	3,580
122	バヌアツ	オセアニア	3,100
123	マレーシア	アジア	3,055
124	ガーナ	アフリカ	3,000
125	イエメン	アジア	3,000
126	ギニア	アフリカ	3,000
127	ヨルダン	アジア	2,600
128	ガイアナ	南アメリカ	2,400
129	タイ	アジア	2,327
130	フランス領ポリネシア	オセアニア	2,200
131	ギニアビサウ	アフリカ	2,000
132	パプアニューギニア	オセアニア	2,000
133	サモア	オセアニア	1,850
134	ケニア	アフリカ	1,800
135	中国、香港特別行政区	アジア	1,600
136	トーゴ	アフリカ	1,600
137	スリランカ	アジア	1,500
138	エスワティニ	アフリカ	1,400
139	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	1,280
140	バルバドス	南アメリカ	1,200
141	クウェート	アジア	1,200
142	マルタ	ヨーロッパ	1,050
143	アンゴラ	アフリカ	1,000
144	ベナン	アフリカ	1,000
145	セントルシア	南アメリカ	1,000
146	ソマリア	アフリカ	850
147	中国、台湾 中国省	アジア	810
148	カーボベルデ	アフリカ	510
149	フランス領ギアナ	南アメリカ	505
150	マルティニーク	南アメリカ	500
151	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	490
152	マダガスカル	アフリカ	470
153	レユニオン	アフリカ	430
154	アラブ首長国連邦	アジア	400
155	クック諸島	オセアニア	300
156	サントメ・プリンシペ	アフリカ	260
157	グアドループ	南アメリカ	200
158	スリナム	南アメリカ	190
159	モーリシャス	アフリカ	150
160	ソロモン諸島	オセアニア	150
161	コンゴ	アフリカ	65
162	マラウイ	アフリカ	45
163	グレナダ	南アメリカ	30
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2006年度の馬飼養数ランキングは、馬が国ごとの経済、文化、地理的条件においてどのような役割を担っているのかを反映しています。アメリカ合衆国が特に多い理由として、同国の広大な土地、乗馬をはじめとするエンターテインメント産業、そして競馬産業の発展が挙げられます。また、馬を生活の一部として必要とする農村部の広がりも、馬の飼養数を押し上げる一因といえるでしょう。

中国は2位に位置していますが、ここでは農業や運搬において伝統的に馬の利用が根付いてきたことが大きく影響しています。さらに、国土面積の広さと多様な地理環境も馬の需要を支える要因です。3位のメキシコや4位のブラジルを含む南アメリカ諸国では、農牧業を中心に馬が役立てられており、それが飼養数に現れています。

一方で、日本が101位（20,000頭）とランキングの下位に位置している背景には、産業や環境の違いがあります。日本では近代化が進み、馬の利用が限られています。農業の機械化や都市化が進む中で、馬に依存する必要性が低下しました。そのため、日本での馬の飼養は主に愛玩目的や競馬、乗馬といった娯楽に限定されています。

また、モンゴルやカザフスタンといった中央アジア諸国も上位に位置しており、遊牧社会における移動手段や生活の維持において、馬が不可欠であることが分かります。このように、馬の飼養数は国の経済発展度や地理的条件、文化的背景と深く結びついています。

しかし、このランキングから、いくつかの課題も浮かび上がります。例えば、馬の飼養数が多い国々では、馬の健康や生息環境の保護、さらには気候変動への対応が求められます。特に牧草地の減少や砂漠化が進行する地域では、飼料の調達や水資源の確保が一層難しくなる可能性があります。

地政学的な視点を取り入れると、中央アジアや中南米の一部では、馬が地域衝突や紛争時に移動・運搬手段として再び重要な役割を果たす可能性もあります。こういった地域では、平時は農業や遊牧で使役される馬が、突発的な情勢悪化によって、まったく異なる用途に切り替えられるリスクも視野に入れる必要があります。

さらに、未来を見据えた提言としては、持続可能な馬の飼養システムの構築が急務です。例えば、技術的な研究によって効率的な飼料生産を実現する政策や、地域ごとの環境に適応した牧場の開発、馬の医療技術の向上が挙げられます。また、観光など非伝統的な用途での馬の利用拡大も馬産業を支える新たな道になるでしょう。一方で日本のような飼養数の少ない国々では、馬に対する関心を高める教育や文化的活動を促進することが提案されます。

結論として、このランキングは単に頭数を示しているだけでなく、馬という動物が地域ごとにどう位置づけられ、どのように利用されているのかを浮き彫りにしています。それぞれの国・地域が直面する課題に貢献するためには、国際協力のもとで環境問題や馬の福祉に関する枠組みを強化し、持続可能な利用と保護を目指すべきです。それが、馬と共に歩む世界の未来をより良いものにする鍵となるでしょう。