世界の馬飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2014年度の馬飼養数ランキングによると、世界で最も馬を多く飼養している国はアメリカ合衆国（10,260,000頭）、2位はメキシコ（6,355,000頭）、3位はブラジル（5,450,601頭）でした。アジア地域では中国が4位にランクインし、4,316,800頭の馬を飼育しています。一方、日本の飼養数は16,000頭で、全体の106位に位置付けられます。

順位	国名	地域	飼養数(頭)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	10,260,000
2	メキシコ	南アメリカ	6,355,000
3	ブラジル	南アメリカ	5,450,601
4	中国	アジア	4,316,800
5	アルゼンチン	南アメリカ	3,600,000
6	モンゴル	アジア	2,995,754
7	エチオピア	アフリカ	2,033,115
8	カザフスタン	アジア	1,784,500
9	ロシア連邦	ヨーロッパ	1,374,847
10	コロンビア	南アメリカ	814,608
11	スーダン	アフリカ	788,509
12	キューバ	南アメリカ	773,900
13	ペルー	南アメリカ	743,000
14	インド	アジア	630,000
15	ルーマニア	ヨーロッパ	548,245
16	セネガル	アフリカ	545,242
17	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	522,000
18	マリ	アフリカ	517,605
19	ハイチ	南アメリカ	500,000
20	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	490,000
21	チャド	アフリカ	446,757
22	キルギスタン	アジア	432,972
23	インドネシア	アジア	428,052
24	シエラレオネ	アフリカ	428,000
25	ウルグアイ	南アメリカ	412,960
26	カナダ	北アメリカ	408,000
27	フランス	ヨーロッパ	405,649
28	イギリス	ヨーロッパ	400,000
29	イタリア	ヨーロッパ	390,886
30	ドイツ	ヨーロッパ	372,000
31	パキスタン	アジア	360,000
32	ドミニカ共和国	南アメリカ	355,000
33	ウクライナ	ヨーロッパ	350,400
34	南アフリカ	アフリカ	312,000
35	チリ	南アメリカ	310,700
36	エクアドル	南アメリカ	283,714
37	パラグアイ	南アメリカ	276,825
38	オーストラリア	オセアニア	270,000
39	ニカラグア	南アメリカ	269,100
40	スペイン	ヨーロッパ	250,000
41	ニジェール	アフリカ	243,310
42	フィリピン	アジア	240,000
43	ウズベキスタン	アジア	207,685
44	ポーランド	ヨーロッパ	207,065
45	ホンジュラス	南アメリカ	182,000
46	アフガニスタン	アジア	171,000
47	イラン（イスラム共和国）	アジア	140,000
48	モロッコ	アフリカ	140,000
49	トルコ	アジア	136,209
50	グアテマラ	南アメリカ	129,500
51	オランダ	ヨーロッパ	126,586
52	パナマ	南アメリカ	116,000
53	ミャンマー	アジア	115,363
54	ナイジェリア	アフリカ	101,862
55	エルサルバドル	南アメリカ	98,100
56	スウェーデン	ヨーロッパ	95,000
57	アイルランド	ヨーロッパ	95,000
58	オーストリア	ヨーロッパ	87,000
59	ポルトガル	ヨーロッパ	83,000
60	タジキスタン	アジア	77,560
61	アゼルバイジャン	アジア	75,428
62	エジプト	アフリカ	74,616
63	フィンランド	ヨーロッパ	74,600
64	アイスランド	ヨーロッパ	74,000
65	ベラルーシ	ヨーロッパ	73,200
66	コスタリカ	南アメリカ	66,942
67	ベトナム	アジア	66,924
68	モーリタニア	アフリカ	65,000
69	ハンガリー	ヨーロッパ	62,000
70	スイス	ヨーロッパ	57,200
71	チュニジア	アフリカ	57,100
72	レソト	アフリカ	55,397
73	ナミビア	アフリカ	55,241
74	イラク	アジア	53,000
75	東ティモール	アジア	52,266
76	ニュージーランド	オセアニア	51,611
77	デンマーク	ヨーロッパ	48,684
78	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	48,000
79	フィジー	オセアニア	47,000
80	リビア	アフリカ	46,500
81	モルドバ共和国	ヨーロッパ	45,020
82	ブルガリア	ヨーロッパ	42,141
83	アルジェリア	アフリカ	42,010
84	ブルキナファソ	アフリカ	40,014
85	グルジア	アジア	40,000
86	ノルウェー	ヨーロッパ	38,794
87	ベルギー	ヨーロッパ	33,000
88	チェコ	ヨーロッパ	32,925
89	ラオス人民民主共和国	アジア	32,500
90	アルバニア	ヨーロッパ	31,727
91	カンボジア	アジア	30,000
92	サウジアラビア	アジア	28,000
93	ジンバブエ	アフリカ	28,000
94	ボツワナ	アフリカ	26,827
95	トルクメニスタン	アジア	26,000
96	大韓民国	アジア	25,824
97	ギリシャ	ヨーロッパ	24,036
98	リトアニア	ヨーロッパ	22,178
99	スロベニア	ヨーロッパ	21,832
100	ブータン	アジア	21,221
101	クロアチア	ヨーロッパ	21,144
102	北マケドニア	ヨーロッパ	19,371
103	カメルーン	アフリカ	18,500
104	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	17,000
105	シリア・アラブ共和国	アジア	16,469
106	日本	アジア	16,000
107	セルビア	ヨーロッパ	15,606
108	アルメニア	アジア	11,686
109	トンガ	オセアニア	11,000
110	ラトビア	ヨーロッパ	10,700
111	ニューカレドニア	オセアニア	10,000
112	プエルトリコ	南アメリカ	8,037
113	スロバキア	ヨーロッパ	7,161
114	バヌアツ	オセアニア	6,500
115	タイ	アジア	6,353
116	エストニア	ヨーロッパ	6,300
117	ベリーズ	南アメリカ	5,750
118	モンテネグロ	ヨーロッパ	4,968
119	ルクセンブルク	ヨーロッパ	4,724
120	ガンビア	アフリカ	4,593
121	レバノン	アジア	4,000
122	イスラエル	アジア	4,000
123	ジャマイカ	南アメリカ	4,000
124	マレーシア	アジア	3,660
125	ギニア	アフリカ	3,350
126	ガーナ	アフリカ	3,000
127	ヨルダン	アジア	2,430
128	ガイアナ	南アメリカ	2,400
129	ギニアビサウ	アフリカ	2,300
130	フランス領ポリネシア	オセアニア	2,200
131	ケニア	アフリカ	2,050
132	パプアニューギニア	オセアニア	2,050
133	イエメン	アジア	2,040
134	カタール	アジア	2,006
135	サモア	オセアニア	1,900
136	トーゴ	アフリカ	1,850
137	エスワティニ	アフリカ	1,650
138	中国、香港特別行政区	アジア	1,525
139	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	1,400
140	スリランカ	アジア	1,380
141	バルバドス	南アメリカ	1,240
142	ベナン	アフリカ	1,200
143	セントルシア	南アメリカ	1,100
144	クウェート	アジア	1,080
145	マルタ	ヨーロッパ	1,050
146	アンゴラ	アフリカ	1,000
147	中国、台湾 中国省	アジア	855
148	ソマリア	アフリカ	850
149	カーボベルデ	アフリカ	540
150	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	500
151	マダガスカル	アフリカ	490
152	アラブ首長国連邦	アジア	420
153	クック諸島	オセアニア	305
154	サントメ・プリンシペ	アフリカ	290
155	スリナム	南アメリカ	156
156	モーリシャス	アフリカ	150
157	ソロモン諸島	オセアニア	150
158	マラウイ	アフリカ	107
159	コンゴ	アフリカ	75
160	グレナダ	南アメリカ	30
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このランキングは、各国が飼養している馬の総数を基準にしたもので、食肉生産、競馬産業、農耕、移動手段など多岐にわたる経済的・文化的活動と馬の密接な関係を反映しています。アメリカ合衆国が圧倒的な第1位を示しているのは、競馬やレクリエーションとしての乗馬産業が国内で特に活発であることが要因です。また、メキシコやブラジルも上位を占めており、これらの国では、農業分野や文化的伝統として馬が広範に利用されています。一方で日本は飼養数が少なく、その主な用途は競馬や観光産業に限定されていると見られます。

地域別に見ると、中南米とアジアで馬が多く飼養されているのが特徴です。例えば、ブラジル、アルゼンチン、コロンビアなどの中南米諸国では、牧畜や輸送手段としての役割が今でも大きいことが背景として挙げられます。アジアでは、中国やモンゴルが高い順位にありますが、特にモンゴルにおいては、伝統的な遊牧民生活との結びつきが強く、馬が社会や文化において重要な役割を担っています。

一方で、ヨーロッパの状況はやや異なります。フランス、イギリス、ドイツなどの主要国では、馬術やスポーツ、趣味の分野における馬の利用が中心となっており、農業などでの伝統的な役割は縮小傾向にあります。その結果、飼養数は中南米やアジアの主要国ほど多くありません。しかし、産業としての馬の価値は高く、飼養効率を重視した利用形態が進められています。

世界全体を通して見ると、馬の飼養は地域ごとの経済発展や気候条件、文化的背景に大きく左右されています。例えば、熱帯地域では農耕用としての利用が依然として一般的である一方で、先進諸国では主にレクリエーションやスポーツ産業が重要視される傾向にあります。

こうした背景を見ると、将来的な課題が見えてきます。一部の地域では馬の利用が環境変化や近代化によって減少しており、文化としての馬の存在をどのように維持していくのかが問題となるでしょう。同時に、地域間での馬飼養における格差も大きく、例えば、アメリカ合衆国やメキシコでは馬が十分な資源として維持されている一方で、アフリカの一部地域では飼養管理や疾病対策が課題となっています。

また、地政学的背景も考慮する必要があります。例えば、モンゴルや中央アジア諸国のように、紛争や社会的安定が脅かされている地域では、馬の飼養や保護が危機に直面する可能性があります。一方で、気候変動の影響も無視できません。草原の減少や水資源の不足が、馬の飼養規模に与える影響が懸念されており、持続可能な牧草地管理や水資源利用が重要となるでしょう。

各国および国際機関に求められる対策としては、まず持続可能な飼養方法を確立することが挙げられます。馬の疾病管理や栄養サポートに関する研究を進め、各地域に適合した飼養ガイドラインを提供する必要があります。また、伝統的な馬文化の保存やサポートを行う政策も重要で、観光資源としての活用など、経済面での馬の重要性を強調することで、文化的価値の維持にも寄与できます。さらに、地域間の協力を深める枠組みを構築し、資源分配の格差を是正することも求められるでしょう。

2014年度のデータを元にした分析から見える現状は、馬がいまだに多くの国と地域で多様な役割を担い続けていることを示しています。しかし、その利用と保存を未来に継承するためには、現代の課題に対応した具体的な施策が必要です。例えば、デジタルツールを活用した家畜データ管理システムの普及や、地域適応型の政策策定がこれからの方向性として期待されます。