世界のオレンジ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2017年のオレンジ生産量ランキングでは、ブラジルが17,492,882トンで圧倒的な首位に位置しました。第2位は中国で8,247,815トン、第3位のインドは7,647,000トンと続きます。一方で、日本の生産量は27,815トンで69位にランクインしており、生産量の規模は上位国と比べて非常に小規模である現状が示されています。全体的には、オレンジ生産量は気候条件や農業政策を反映して大陸間でばらつきがあることが分かります。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	ブラジル	南アメリカ	17,492,882
2	中国	アジア	8,247,815
3	インド	アジア	7,647,000
4	メキシコ	南アメリカ	4,629,758
5	アメリカ合衆国	北アメリカ	4,615,760
6	スペイン	ヨーロッパ	3,357,163
7	エジプト	アフリカ	3,147,545
8	インドネシア	アジア	2,295,325
9	トルコ	アジア	1,950,000
10	イラン（イスラム共和国）	アジア	1,755,632
11	イタリア	ヨーロッパ	1,621,682
12	パキスタン	アジア	1,592,633
13	南アフリカ	アフリカ	1,459,757
14	モロッコ	アフリカ	1,037,218
15	アルゼンチン	南アメリカ	1,025,000
16	アルジェリア	アフリカ	1,013,951
17	ベトナム	アジア	768,319
18	ギリシャ	ヨーロッパ	727,459
19	シリア・アラブ共和国	アジア	722,236
20	ガーナ	アフリカ	703,776
21	タイ	アジア	501,477
22	ペルー	南アメリカ	498,454
23	マリ	アフリカ	487,794
24	タンザニア連合共和国	アフリカ	450,000
25	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	374,378
26	オーストラリア	オセアニア	332,321
27	コロンビア	南アメリカ	331,502
28	ポルトガル	ヨーロッパ	319,743
29	コスタリカ	南アメリカ	234,877
30	パナマ	南アメリカ	232,630
31	パラグアイ	南アメリカ	223,426
32	ホンジュラス	南アメリカ	216,228
33	チュニジア	アフリカ	186,900
34	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	180,021
35	コンゴ民主共和国	アフリカ	168,564
36	グアテマラ	南アメリカ	164,406
37	スーダン	アフリカ	155,300
38	中国、台湾 中国省	アジア	153,966
39	レバノン	アジア	143,386
40	エクアドル	南アメリカ	142,546
41	チリ	南アメリカ	138,481
42	ウルグアイ	南アメリカ	131,972
43	ドミニカ共和国	南アメリカ	130,938
44	ベリーズ	南アメリカ	130,670
45	ニカラグア	南アメリカ	108,801
46	イエメン	アジア	107,019
47	ハイチ	南アメリカ	105,587
48	ジンバブエ	アフリカ	96,473
49	イスラエル	アジア	89,898
50	マダガスカル	アフリカ	83,755
51	マラウイ	アフリカ	77,943
52	イラク	アジア	74,774
53	ジャマイカ	南アメリカ	72,990
54	ケニア	アフリカ	72,437
55	エルサルバドル	南アメリカ	69,403
56	モザンビーク	アフリカ	67,600
57	カンボジア	アジア	64,934
58	リビア	アフリカ	52,014
59	セネガル	アフリカ	50,000
60	エスワティニ	アフリカ	44,189
61	ラオス人民民主共和国	アジア	43,260
62	ヨルダン	アジア	41,218
63	コートジボワール	アフリカ	39,820
64	ネパール	アジア	39,113
65	中央アフリカ共和国	アフリカ	33,838
66	エチオピア	アフリカ	30,561
67	キューバ	南アメリカ	30,552
68	ブータン	アジア	28,017
69	日本	アジア	27,815
70	キプロス	アジア	20,173
71	スリナム	南アメリカ	19,145
72	ベナン	アフリカ	14,913
73	トーゴ	アフリカ	14,711
74	マレーシア	アジア	13,245
75	パレスチナ国	アジア	12,877
76	プエルトリコ	南アメリカ	12,294
77	フランス	ヨーロッパ	10,842
78	ソマリア	アフリカ	10,760
79	アルバニア	ヨーロッパ	9,130
80	モンテネグロ	ヨーロッパ	9,049
81	ガイアナ	南アメリカ	8,064
82	リベリア	アフリカ	7,962
83	ニュージーランド	オセアニア	7,307
84	スリランカ	アジア	7,049
85	ギニアビサウ	アフリカ	6,860
86	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	6,000
87	ドミニカ	南アメリカ	4,716
88	アフガニスタン	アジア	4,649
89	ザンビア	アフリカ	4,189
90	バハマ	南アメリカ	3,676
91	バングラデシュ	アジア	3,372
92	ボツワナ	アフリカ	3,334
93	アゼルバイジャン	アジア	3,018
94	ルワンダ	アフリカ	2,800
95	フィリピン	アジア	2,634
96	コンゴ	アフリカ	2,207
97	ナミビア	アフリカ	2,018
98	東ティモール	アジア	1,854
99	タジキスタン	アジア	1,805
100	グルジア	アジア	1,800
101	ニューカレドニア	オセアニア	1,169
102	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	901
103	マルタ	ヨーロッパ	892
104	トンガ	オセアニア	859
105	フィジー	オセアニア	684
106	ブルキナファソ	アフリカ	605
107	グレナダ	南アメリカ	586
108	フランス領ポリネシア	オセアニア	486
109	ブルネイ ダルサラーム	アジア	452
110	セントルシア	南アメリカ	297
111	クウェート	アジア	257
112	クロアチア	ヨーロッパ	173
113	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	131
114	ロシア連邦	ヨーロッパ	84
115	セーシェル	アフリカ	45
116	クック諸島	オセアニア	9
117	ジブチ	アフリカ	5
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国際連合食糧農業機関が公表した2017年度のデータに基づくと、オレンジの生産はブラジルが世界のトップを占めています。この生産量は2位の中国の約2倍以上に達しています。ブラジルの圧倒的な生産量は、温暖な気候、広大な耕地面積、生産効率の高い農業手法に支えられています。特に同国はジュース用オレンジの生産で世界市場をリードしており、輸出産業への貢献も重要な要素となっています。

続く中国とインドは人口大国であることから、国内の需要も高い点が特徴です。中国はオレンジ生産を国内需要の消費に特化しており、輸出にはさほどシフトしていない傾向があります。一方で、インドは独自の気候と莫大な労働力を活用して生産量を増やしていますが、輸送インフラや農業技術の改善が引き続き求められています。

メキシコやアメリカ合衆国、スペインなどもランキング上位の常連ですが、これらの国々では生産環境が比較的安定しており、輸出を中心に経済的な利益を生み出しています。例えば、アメリカ合衆国はフロリダ州を中心にオレンジを生産している一方で、2017年にはハリケーン「イルマ」の被害を受け生産量に一定の影響が出ました。同様に、自然災害や気候変動の影響が中長期的な生産に影響を与えることが懸念されています。

他方、日本の生産量は27,815トンで世界69位に位置しており、その規模は比較的小規模です。日本では主に温州みかんが栽培されており、オレンジよりも柑橘類全体での多収穫が農業のフォーカスとなっています。また、新型コロナウイルスの発生以降、輸入に依存する食品の価格変動リスクが指摘されており、こうした危機管理の観点から国内での柑橘類の生産促進や多品目化が重要視されています。

地域ごとの課題を見ると、アフリカ諸国では依然としてインフラ不足が生産量の伸びを妨げる大きな要因となっています。農業技術の近代化や、農家への教育・支援プログラムが必要とされます。一方でアジアの国々では、土壌や水資源の持続可能な利用法を確立しつつ、生産性を向上させることが課題です。

地政学的な観点から見ると、農産品の生産能力は国際的な競争力や貿易バランスに大きな影響を与えます。オレンジのような重要な生産品が、一定地域の経済や食糧安全保障に依存している状況は、リスクの分散が必要であることを示しています。ブラジルやアメリカなど一部の主要生産国で自然災害や政治的混乱が発生した場合、国際市場へ大きな影響をもたらします。

今後の課題として、気候変動への対応がさらに重要となります。たとえば、乾燥地に強い品種の開発や、精密農業技術を活用した水資源の効率利用が挙げられます。また、国際協力を基盤とした持続可能な農業開発のための枠組み作りも必要です。

結論として、オレンジ生産の現状から見えてくるのは、農業技術やインフラの整備が全体的な生産効率に直結している点です。日本を含む各国は、国内事情に合った戦略を立てるとともに、国際市場における安定供給を意識した農業政策を進めていく必要があります。また、自然災害や地政学的リスクによる影響を軽減するための対策が、長期的に求められています。