世界のオレンジ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した1995年度のオレンジ生産量ランキングによると、世界最大の生産国はブラジルで、約1,983万トンのオレンジを生産しました。続いて、アメリカ合衆国が約1,037万トン、メキシコが約357万トンとなっています。これら上位3か国だけで、世界全体のオレンジ生産量の大部分を占めることが明らかになっています。一方で、日本のオレンジ生産量は約13万トンで、順位としては35位に位置しています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	ブラジル	南アメリカ	19,837,212
2	アメリカ合衆国	北アメリカ	10,371,000
3	メキシコ	南アメリカ	3,571,541
4	スペイン	ヨーロッパ	2,587,300
5	中国	アジア	2,010,000
6	イタリア	ヨーロッパ	1,596,798
7	インド	アジア	1,595,200
8	イラン（イスラム共和国）	アジア	1,555,920
9	エジプト	アフリカ	1,555,024
10	パキスタン	アジア	1,371,600
11	インドネシア	アジア	1,004,631
12	ギリシャ	ヨーロッパ	938,233
13	トルコ	アジア	842,000
14	アルゼンチン	南アメリカ	760,097
15	南アフリカ	アフリカ	747,619
16	モロッコ	アフリカ	702,000
17	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	593,497
18	オーストラリア	オセアニア	517,242
19	コロンビア	南アメリカ	395,520
20	ベトナム	アジア	379,405
21	イスラエル	アジア	350,320
22	イラク	アジア	318,000
23	タイ	アジア	317,316
24	シリア・アラブ共和国	アジア	303,086
25	キューバ	南アメリカ	286,200
26	ペルー	南アメリカ	228,280
27	アルジェリア	アフリカ	226,716
28	ポルトガル	ヨーロッパ	208,241
29	ガーナ	アフリカ	200,000
30	コンゴ民主共和国	アフリカ	199,090
31	パラグアイ	南アメリカ	171,530
32	コスタリカ	南アメリカ	150,000
33	ジャマイカ	南アメリカ	140,844
34	レバノン	アジア	140,000
35	日本	アジア	136,400
36	ベリーズ	南アメリカ	127,892
37	ウルグアイ	南アメリカ	126,640
38	中国、台湾 中国省	アジア	112,798
39	チリ	南アメリカ	108,000
40	チュニジア	アフリカ	101,000
41	パレスチナ国	アジア	96,711
42	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	92,435
43	エルサルバドル	南アメリカ	91,200
44	エクアドル	南アメリカ	86,123
45	ホンジュラス	南アメリカ	85,000
46	マダガスカル	アフリカ	82,000
47	グアテマラ	南アメリカ	79,973
48	ドミニカ共和国	南アメリカ	77,507
49	ニカラグア	南アメリカ	72,000
50	ジンバブエ	アフリカ	70,000
51	キプロス	アジア	55,000
52	ブータン	アジア	50,090
53	カンボジア	アジア	50,000
54	リビア	アフリカ	45,000
55	ネパール	アジア	40,000
56	イエメン	アジア	39,677
57	エスワティニ	アフリカ	28,574
58	セネガル	アフリカ	28,000
59	コートジボワール	アフリカ	27,623
60	パナマ	南アメリカ	26,903
61	ケニア	アフリカ	26,000
62	ハイチ	南アメリカ	25,000
63	ヨルダン	アジア	21,243
64	ニュージーランド	オセアニア	21,000
65	ラオス人民民主共和国	アジア	20,000
66	中央アフリカ共和国	アフリカ	20,000
67	プエルトリコ	南アメリカ	17,414
68	マリ	アフリカ	17,288
69	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	14,906
70	スリナム	南アメリカ	14,252
71	エチオピア	アフリカ	13,114
72	モザンビーク	アフリカ	13,000
73	トーゴ	アフリカ	12,125
74	アフガニスタン	アジア	11,724
75	マレーシア	アジア	10,620
76	ベナン	アフリカ	10,185
77	リベリア	アフリカ	9,149
78	フィリピン	アジア	8,270
79	ソマリア	アフリカ	7,943
80	ギニアビサウ	アフリカ	5,107
81	ドミニカ	南アメリカ	4,340
82	ガイアナ	南アメリカ	4,130
83	グルジア	アジア	4,000
84	アルバニア	ヨーロッパ	3,782
85	ザンビア	アフリカ	3,500
86	スリランカ	アジア	2,941
87	コンゴ	アフリカ	2,469
88	レユニオン	アフリカ	1,970
89	フランス	ヨーロッパ	1,154
90	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	960
91	グレナダ	南アメリカ	844
92	バングラデシュ	アジア	780
93	クロアチア	ヨーロッパ	773
94	アゼルバイジャン	アジア	730
95	東ティモール	アジア	683
96	セントルシア	南アメリカ	660
97	フランス領ギアナ	南アメリカ	563
98	ボツワナ	アフリカ	550
99	マルティニーク	南アメリカ	536
100	ブルキナファソ	アフリカ	508
101	トンガ	オセアニア	500
102	フィジー	オセアニア	474
103	ニューカレドニア	オセアニア	432
104	クック諸島	オセアニア	400
105	ブルネイ ダルサラーム	アジア	200
106	フランス領ポリネシア	オセアニア	200
107	グアドループ	南アメリカ	176
108	クウェート	アジア	115
109	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	65
110	セーシェル	アフリカ	25
111	ジブチ	アフリカ	3
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このデータから明らかなように、1995年度のオレンジ生産においては、ブラジルが圧倒的なシェアを持っていることが確認できます。ブラジルは、同年の生産量が第2位のアメリカ合衆国の2倍近くに達しており、その大規模な生産は主に温暖な気候と広大な土地、また効率的で熟練した農業技術によるものです。この国のオレンジは、果汁産業用としても非常に重要な役割を果たしており、輸出産業の柱にもなっています。

アメリカ合衆国は第2位として、特にフロリダ州を中心に生産を行っています。この地域は台風やハリケーンなどの自然災害の影響を受けることがありますが、生産規模や品質管理の徹底により、安定した供給を維持してきました。メキシコが第3位で追随していますが、その生産量はアメリカの約3分の1となっており、中規模生産国といえます。メキシコのオレンジ産業は国内消費に依存する部分が強いですが、地域市場における需要の増加に対応する形で少しずつ拡大しています。

興味深いのは、スペインや中国といった国が4位・5位につけており、特に中国が近年急成長を遂げている点です。1995年の時点では、中国は約201万トンの生産量を記録し、中規模のプレイヤーではありますが、人口と産業基盤を考慮すると将来的にはより重要な地位を占める可能性があります。一方、イタリアやインドなどの伝統的な農業国が6位・7位にランキングされていることで、その地域特有の消費文化や市場を背景とした安定した生産も際立ちます。

これに対して、日本は35位という結果であり、わずか約13万トンの生産にとどまっています。この背景には、土地の規模や気候条件の限界に加え、柑橘類に対する消費嗜好の変化があると考えられます。日本ではみかんなど国内でより適した気候の柑橘類が中心であり、オレンジ生産は他の主要国と比較して競争力が弱い状況です。

地域課題として挙げられるのは、アフリカ地域諸国や中南米地域のいくつかの国々における、生産量の低さです。これらの地域では、インフラ整備や栽培技術の不足、また不安定な地政学的状況が障害となり、生産を拡大するには課題が山積しています。たとえば、エジプトやイランが約155万トン近い生産量を記録して比較的高い順位に位置している一方で、サハラ以南のアフリカ諸国では生産が顕著に少なく、天候や資源不足がその大きな要因となっています。

将来的には、気候変動がオレンジ生産に与える影響も無視できません。気温上昇や異常気象の増加がオレンジの栽培エリアにどのような影響を及ぼすか予測が必要です。これには湿度管理や灌漑技術の導入、そして新たな耐性品種の開発を通したリスク軽減が求められます。

また、地政学的なリスクに関連して、特定の地域での紛争や社会的不安定が食料供給チェーンの妨げになる可能性があります。特に中東や北アフリカの一部では、このような課題がオレンジの生産量や輸出に長期的な影響を及ぼす懸念が指摘されています。

今後の課題としては、新興国市場に焦点を当てた支援プログラムの実施が挙げられます。具体的には、国際協力を通じた農業技術の共有や、地域間の貿易促進を目的としたインフラ整備が重要です。また、消費者を含む全体の需要と供給のバランスを維持しつつ、生産現場での効率化を図る取り組みが不可欠です。

結論として、1995年当時のオレンジ生産データは、生産分布や課題、そして将来的な可能性を浮き彫りにしています。このデータを基に、各国や国際機関が協力してより持続可能な果実栽培の未来を築くことができれば、世界全体で安定的な供給を実現する土台が築かれることでしょう。